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Yuki2Invyさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 1615
性別 男性
自己紹介 基本的に3~8点を付けます。それ以外は、個人的に特別な映画です。

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1.  チェンジリング(1980) 《ネタバレ》 
さっき観たバーヴァの『呪いの館』で、似た様なシーンが在ったから(また)ちょっと思い出して再見しちゃったのですが、この映画ってやっぱシンプルにかなり「怖い」のですよね。ごく終盤のクライマックスまでは非常にサイレントなホラーで、ソレこそ製作年である1980年以降はめっきり減っていった系統のヤツ…だとも思うのですが、今今に観直しても(逆に)何故こーいうコトになっていってしまったのだろう…と思わざるを得ない、ソコにこそ、今作の(ホラーとしての)技術の高さ・真似の出来なさが凝縮されて居る…とも思うのですよね。何とゆーか、ウギャア!と驚く・慄く・慌てふためく、なんてコトとは真逆の方向性、正にあのジョージ・C・スコットをもが(例のボールの跳ねて来るのを見て)壁まで後ずさったかの如くに一瞬「身動き出来なくなる」という様な重くて冷たい恐怖の一撃が其処彼処に…て感じなのですね。うーん…ホラーを志す者ならば絶対に最初に観ておくべき、と言って好いレベルの傑作だと思います。未見の方は是非。
[インターネット(字幕)] 8点(2024-02-07 21:31:52)
2.  血と砂(1922) 《ネタバレ》 
ルドルフ・ヴァレンティノのご尊顔を拝したく、満を持しての鑑賞。1941年のタイロン・パワー版は既に観ていたのですケドも、正直ソレが好かったのか悪かったのか…(話が入って来易いのは当然好かったとも思うモノの…)今作の方で個人的に目立ってたと思ったのはやはり、肝心の妖婦ドニア・ソルなのです、が…なんつーか、太々しいとゆーか太ましいとゆーか、寧ろもう図々しいとゆーか(ハッキリ)アクドい・悪辣だとゆーか、外面的にも内面的にも全く以て魅力的な=観て好かったと思わせる様なキャラには感じられませんでしたよね⇒1941年版ではコレが(お初のカラー作品登場ってゆう)リタ・ヘイワースだったのですから、もう……  んでそもそも、もっと肝心なるルドルフ・ヴァレンティノの方とても、正直コッチすら私にはその魅力がほぼ伝わらず終いって有様でして…結論、コレなら、シンプルな比較として1941年版の方を観ておけば全く事足りる、としか言い様がありませんですね(個人的にはね)。こーなるとまた、ヴァレンティノ&ナジモヴァ共演の『椿姫(1921)』の方も観たいのですケド、コッチは媒体が見つからない……  ※今作って、IMDbだと108分の作品ってなってて、本サイトでもソレに倣って登録されていると思われるのですが、私の観たのはどー見ても60分版のDVDなのですよ(ナニコレ?)。大幅にカットされてるってコトなのか、ちょっと調べても見当が付かず…(ソレも心残り…)
[DVD(字幕)] 4点(2024-01-11 12:52:37)
3.  小さな命が呼ぶとき 《ネタバレ》 
ファミリー系の病気映画かと思いきや、そーいう要素もふんだんに含まれるものの、今作って本質的にはビジネス・お仕事映画の方だと思ったのですね。根本的に目指すゴールは同じでも、細かいトコロの考え方・立場や優先順位なんかが異なる上に、更にごく個人的なこだわりとかだってモ~強烈!だったりする曲者たちとも如何に力を合わせてプロジェクトを推進してゆくか…その辺りには、シンプルに非常に共感しながら観てゆけました。面白かったです。  で、その共感を高度に可能にしていたのが、やはり主演二人の演技の高さだったかな…と(また個人的には)感じています。主人公のブレンダン・フレイザーは(その根本的なモチベーションがごく個人的な事情であるコトも踏まえて)ビジネスパーソンとしてはメインのコマンドが「泣き落とし」というタイプの人物だったと思うのですが、その自分の「弱さ」をある種の武器にする感じなんかには(重ねて)個人的に大いに共感できたのですし、またフレイザーのキャラにも合っていたと思うのですよね(⇒映画に描かれるアメリカ人のビジネスパーソンとしては、やや珍しい方かもな…な~んて)。あとはナニよりやはり、ハリソン・フォードの存在感・説得力ですよね。こーいう頑固オヤジの職人気質って、思った以上にモ~何処にでも居ますからね!(頼りにはなるんだケド、時としてスゴく困らされる…)彼の起用自体は多少意外な感じでもあるのですが、でもこのハマり様はやっぱ期待どおり…かとも思います(お見事でした)。
[DVD(字幕)] 7点(2023-07-08 12:44:33)
4.  痴人の愛(1967) 《ネタバレ》 
うーん…谷崎潤一郎作品の映画化はソレこそ数も非常に多いので、その全てを観ているなんてコトもないのではありますが、例えば同じ増村監督の『卍(1964)』なんかに比べても、特にその「文芸的な趣」といったトコロは完全に比べるべくもない…という感じですよね。正直、ナオミちゃんは得体が(知れる様で)知れないダケですし、となると畢竟ソッチの方に感情移入して観ていかざるを得ないという小沢昭一を(また素直に)ただ観ていってしまうと、個人的にはブラック・コメディにしか見えんかった…という感じでもありまして⇒諸々、原作に比べると特に人物の内面の描写などは(当然の如くに)浅い・軽い…という感じだとも思われましたかね。。  一点、コレは好い!というトコロがあるとしたら、年代的なコトもあって種々の場面でヌードが効果的に使える状況であり、かつその実際のカラダを曝け出してくれた安田道代さんの出来自体は諸々とごく高度に優れていた・ハマってた、というコトですかね。でもゆーて、その時点で(どーしたって)文芸的な方には為り得ない・仕上げ得ない映画だった⇒だからこの方針で撮った…というコトなのかも知れませんケドね。
[インターネット(邦画)] 5点(2023-05-07 01:46:29)
5.  ちひろさん 《ネタバレ》 
ゆったりした間合いはまた監督の空気感ですが、印象は全体的にだいぶポップにも感じられました。で、とにかく非常に心地好いとゆーか、多少は在るホロ苦いシーンですらモ~心地好いとゆーか、でも「こんなにひたすら心地好い…のにタダ浸ってるダケで好いのかな?」と不安にすらなって来るとゆーか、ごく終盤までは描かれるのはストーリーと言うよりはちひろさんのキャラクターそのモノ(+ソレがもたらす単なる暖かさ)の方なのですよね⇒他にも色んな人の様子もふんだんに描かれてゆく…とは言え。結局、その終盤に少しダケちひろさんのお話の方が動き出す…あたりが個人的にはより面白く観れた、というコトを含めても、やはり私は2時間を一つのストーリーが一貫する映画の方が好みだというコトなのでしょーね。確かに、ある面で(どちらかと言うと)配信向きな作品なのかも知れません⇒重ねて、ごくゆったりと長尺なコトも含めて(内容のワリには)。  完全に楽しめた!とは言え、点数自体はかなり迷ったのですが、ココは逃げずに高めに寄せました。理由はやはり、そのちひろさんのキャラクターにごく共感できたコトです(結末部分も含めて)。生きていれば辛いコトもあるし、時にはソレを受け止め切れずに壊れてしまうコトもあるのが人間だと思うのです。そーして失った諸々のモノは、やはり完全に取り戻すコトは出来ない、とも(心身の健康とか、流れ去った時間など尚更に)。でも、ソレでも人は立ち直れるし、前向きに生きていけば(そーいう辛い出来事も)いつかは笑い話に、糧に、本当に本当の意味でごくポジティブなモノに変わる日だってきっと来るのだ、と最近は(個人的にも結構)実感していたりするのですよね。中々、好い時にこの作品に出会うコトが出来た、と心から思いました。
[映画館(邦画)] 8点(2023-03-02 23:47:37)
6.  血のバケツ 《ネタバレ》 
今回、DVDを調達しての(久方振りの)再見なのですが、画質は正直それでもチョ~荒かったすね。ただ、ソッチの方がむしろ好かったのではないか…とも(確実に)思うのです。低予算らしく諸々の大道具・小物の質のつくり込みは流石に高度ではなくて、むしろ(監督一流に)不要なモノ・不必要なクオリティは極限まで削ぎ落されている…という風情の中、やはりモノクロの低画質だと粗さ雑さは大いにボヤかされますケド一方で肝心の彫刻の悍ましさは大いに残ってるので結論、いま観ても巧いコトそこら辺はかな~りグロく見える…てなモンでして。  ただ、そのグロさってのは(質的&技術的にも)やはり今なおシンプルに相当なキレ味の代物だとやはり思いますよね。有名なシーンですが「首なし死体が発見!」からの頭の彫刻ドーン!はやっぱ吐き気がするホド気色悪かったです。オーラス付近で主人公が急速に人間を辞めていく感じも、ココは展開もスピーディで尚更キレも素晴らしいし、そーなってゆくコトにまずまず説得力も在って結果かなり盛り上がったと思います。その意味でもやはり、とにかく無駄(ないし無駄になる可能性があるモノ+そーいったモノ諸々への「未練」)が全く無いのが色々と非常に効いている作品だと思いますね。甘めですがこの評価で。
[DVD(字幕)] 7点(2022-10-03 21:42:03)
7.  血まみれ農夫の侵略 《ネタバレ》 
雰囲気や、ホラー的なコンセプト(=ドルイド邪教の儀式)だとかも含め、諸々とハーシェル・ゴードン・ルイスの『血の祝祭日』にチョイと似てるかな…なんて思ったりもするのですが、ソレでもアッチとコッチじゃあだいぶん知名度にも差があんだよな~てのが(団栗のナンとやらとは言えの)二作品の間のクオリティそのものの明確な差、というコトでもあるかなと。ゆーて、5段階に分けるならドッチも最下層ですが、100段階だったらアッチは98番目でコッチが99番目…てなコトではありますケドね。そもそも『血の祝祭日』が1963年の作品なのに対してコッチは1971年製ですからね。比べるなら1972年の『ゴア・ゴア・ガールズ』の方であって、だからソッチでは見られるテクニックの(微かな)向上・軽いエロ描写・かなりドギツくなったグロ、こーいったモノが今作にはほぼ含まれてないってのは、単純に一体どーいうコトなのさ⁉と。  前述どおり、エロもグロもマジで全く大したコトないという圧倒的な拍子抜け以外にも、も~とにかく映画技術の稚拙さが随所で目に付きまくりますのですね。基本ナニやってんのか分かんない(まるで伝わらない)展開運び、纏めて撮りたいのは分かるケドも同じ場所での違うシーンをなんで全部同じ画角で撮ってんだ!という低級なカメラワーク、等もかなり高度に酷いのですが、個人的にいちばん許せなかったのが音楽の使い方ですよね。多分、既存のナニかを流用してるのですケド、だから毎回シーン終わりの変なトコロでブツ切れるわ、んで次のシーンは無音で始まるからその意味でもブッタ切れた感しかしないわ…てガッカリが(コレも)何箇所あったコトか!結論、下には下がある…とはこのコトでさーね。
[DVD(字幕)] 1点(2022-09-28 20:02:46)
8.  TUESDAYGIRL 《ネタバレ》 
男二人は見た目がチャラいワリには中身もダサい、とゆーか。ソレに引き換え、女二人は大人しそーな見た目のワリには感情表現がラディカルとゆーか素っ頓狂とゆーかメンヘラ気質とゆーか、結果的に男は終始圧倒され通しである。  ボンヤリ観てゆく分には突っ込みドコロが豊富⇒ごくコミカルに面白く観れるのだケド、結局ナニが言いたいのか迄はイマイチ伝わって来ない…とも言える。特になんか妙にグロテスクなラストは、コレって要りますかね?(⇒実は、エキセントリックな女に振り回されるボンクラ男、とでもゆーのが「裏テーマ」だったというコトなのでしょーかね)全体としてもちょっとノペっとしてる感じも在るかな、とも。
[インターネット(邦画)] 4点(2022-05-10 23:22:41)
9.  チョコリエッタ 《ネタバレ》 
超大作級の長尺を誇っていますが、中身はホントにフツーの青春もの、かつ(この長い旅路の涯てにも関わらず)かな~り曖昧に終わってゆく…という中々イイ度胸をしている映画ではあります。でも、あくまで個人的には、この超・ゆったりとしたテンポはまずまず心地好くもあったのですね。1カット長回しを多用していたり、その中でも個々のキャラの動き・台詞も各々ゆったりとしていて、かつ全編でソレが完璧に統一的にそーだった、というコトで、一度その流れに乗れれば最後まで流されてゆける…という感じでもありました(ある種好い意味で「抑揚」とか「切れ目」が無い、とでも言いますか)。近々で再見するコトはないかと思いますが、30年後くらいにならまた…という気もしますです。
[インターネット(邦画)] 6点(2022-04-26 21:16:44)
10.  TITANE/チタン 《ネタバレ》 
非常に評価の難しい映画です。少なくとも、私が本サイトでお世話になり始めてから観たものの中では一番評点を迷った作品というコトになりますですね。逆に、皆さんにも是非観ていただきたい映画…かも知れませんです。   「事故で頭にチタンプレート埋め込まれた所為でパッパラパーに為り果てた女(上級)サイコパスの話」+「車とセックスしてメタリックなベイビーを産み落とす話」+「行方不明の息子に成り済まして病んだ父親と歪んだ愛を紡ぐ話」と、それぞれがソレだけで立派に一本ホラー映画撮れるであろう&(この時点で)も~ごくグロテスクだっていうテーマをなんと3つ!も放り込み、更に近年のフレンチ・ホラー一流のエロ・グロ・ヴァイオレンスもコレでもか!と流し込んでグツグツ煮込んだ(煮詰めた)本作は、もはや完全なるカオスそのものというデンジャラス闇鍋状態と化しています。始末の悪いコトに、物語上でもこれらの要素は特に整合性や辻褄を合わせるという工夫をも~放棄したかの様にコレまたごった混ぜ状態のまま話が進んでゆくので、本質的にストーリーとゆーのがまるで必然性を持って繋がってゆかないのですよね。率直に、ココまでやりたい放題で、かつ「取り繕う」「媚びる」ってコトをしないという作品はあまり今までに観たコトがねーのですわ(まあ、こーいうのが寛容に許されるとゆーのがフランス映画の懐の深さだとも思うのですケド)。ソコにはまずとにかく「ユニークさ」とゆーのは確実に見て取れるかと。  でも一方で、そーいう尖りまくった各要素を諸々と整えずに尖ったまま見せつけてくる…とゆーコトの連続がまずは特大の衝撃度と、そしてバランスを一切無視したコトに依る極限的・逆説的な一種の「調和」をもたらしている…という様にも(強いて言うなら)見えなくはないと思われるのです。映画全体の隅々までが行き届いてそーだった…とは言い切れないとも思いますが、概ね全体としては(意外なまでに)好く「融合」していたのではないか…とも(個人的には)感じるのですよ。細かいコトを抜きにして映画にただ「浸る」という見方をするなら全然悪くない作品だとも思いますね。それにまた、ショック描写のクオリティ自体もごく手堅くハイレベルでかつスタイリッシュであったとは言えますですし。  しかしながら、悩みに悩み果てた末に評点は低めに付けました。理由はまず、結局その「衝撃度」が一番高かったのはドコかと言えば、女サイコパスが狂気の衝動を全開に大殺戮をはたらく序盤がそーなのであって、それ以降は若干お話としては落ち着いてしまったという少し尻窄みな構成を擁するコト。また同様に、コレは監督の前作『RAW』も似た様なモノだったと思いますが、今作もそのクライマックス(オーラス)とゆーのが(ココとてまだまだ大いにグロテスク、かつこの部分の演出自体も決して悪くもないものの)「この流れだったらまぁそーなるよな…」というちょっと平凡にも見えるオチであるコト。そしてもう一つ、作中における「人間の在り方」という点に着目すれば、ヒトの有様として目立っているのはも~突出して(ヴァンサン・ランドンがその渾身の演技でもって描き出す)「哀れな父親の報われぬ愛の切なさ」なのであって、それ自体はコレもやはりごく在り来りなモノではあるし、そしてコレだけが目立っているという意味ではココはハッキリとバランスが「悪い」という事実(=結局、女サイコの方の人間性に関してナニ?ナゼ?とかが総じてまるで分からない・描かれない…というコトでもあるのですよね)。  結論、そこら辺にやはり少し「内容的な弱さ」を感じたコトを重視して、この評価と致しましたのです。まあ、ジャンルは所詮ホラーなのですからもしかすると少しアンフェアな評価…というコトになるのかも知れないですケドね。ただ重ねて、私には本作は決して単なるホラー映画には最初から見えていなかった(=そーだと言い張るには洒落込み過ぎている)てコトだとも思うのですよ。ホラ、意識が高「すぎる」ラーメン屋とかに間違って入っちゃった……みたいなコトか、と。
[映画館(字幕)] 5点(2022-04-09 17:36:19)
11.  ちょっと思い出しただけ 《ネタバレ》 
昼間からタクシーに乗れる様な(+乗り回さなければならない様な)身分ではないので、タクシーに乗るとしたら深夜だけ、それも基本、仕事の所為です。まあでも、思えばあの家までの時間って意外と心地好かったりするのですわコレが。仕事の方が大わらわだからこそ、その中で自分が何もしてないのに(物事が)前に進むとゆーのが最早ちょっと喜ばしいとゆーか、会話も全く無いワケではない様な(=喋りたければ喋れる)ごく適度な情報のインプットの中、帰って寝るだけの前に逆に少し落ち着けるとでもゆーか、私あの時間て実はかなり好きなのでして。今作、こんな私みたいな(深夜)タクシー好きにはこれまたうってつけの映画だったかも知れません(とは言え、作中のタクシー・シーンは必ずしも「心地好い」というモノばかりではなかった気もしますケド)。  1年おきに1日ずつ、しかも時を遡ってゆくという仕掛けですが、アイデアそのものは最近でもワリとよく見かける方の細工かも知れないですかね(『ラスト5イヤーズ』とか『弥生、三月 君を愛した30年』とかにも似通ったモノは見て取れる)。ただ、まずはその話の運び方・遡り方とゆーのは諸々の小物の使い方がワリと巧みでまま分かり易かったですし(ココには今般のコロナ状況も反映されているのですが、ソコで「マスク」がかなり有効なアイテムに見えていました)またサブキャラの小エピソード・小ネタの数々も十二分に面白みがあり、かつメインの筋に対して出しゃばり過ぎないトコロがとても適切だったと思いました(この部分、地味に俳優も豪華でそれも好かったですね)。  ただメインストーリーは、率直に比較的「ライト」なモノに感じられましたね。それこそ「ちょっと」思い出す様なモノであるダケ、とでも言いますか。でもその分、全体の雰囲気自体はごくまろやかで淡い(これまた)心地好いモノでしたし、それこそソレは主題歌の雰囲気そのものでもあったのかと思います(つまりはこの空気感・「世界観」こそが今作のコンセプトなのだ、とでもゆーか)。結論、普遍的恋愛事象としての共感のし易さも含め、恋愛映画としてはごく手堅い仕上りかと。
[映画館(邦画)] 6点(2022-02-13 19:14:22)
12.  蝶々夫人 《ネタバレ》 
良い作品を紹介していただきました。私は世界文化社『DVD決定盤 オペラ名作鑑賞』シリーズの第8巻に同梱されたDVDにて今作鑑賞いたしました(世界初のDVD化だよ!と謳ってますですね)。ちょっと希少価値が付いていて中古価格も安くないですが、興味がある方は是非。  『蝶々夫人』で言うと、個人的にはMET06-07シーズン初演のアンソニー・ミンゲラのプロダクションは衝撃でしたね。正に文化・芸術の極致とでも言いますか、極めて高度な諸芸術・諸文化の「融合」というものを目にした、という感覚がありました。が、そのプロダクションにおいても、多分に含まれる「日本文化」的要素については多少派手さ(or舞台上の分かり易さ)等を重視したものか「純」和風とも言い難い様相ではあって(それ自体は国際的文化芸術的な「進化・前進」とも言えるものなのかも知れませんが)、例えば日本国内で上演される場合だとその部分ももう少し日本文化の実際に則したものとして表現している、という感覚があるのも確かです。今作が製作された時代ですとそれは更に顕著だったというコトのよーで、そういった「誤った」日本文化の理解をある面で正すことが、そもそも本作の製作意図であったというコトらしいのですね。  なので本作、撮影はイタリア・チネチッタで行ったということの様なのですが、衣装や調度はもちろん八千草薫さんはじめとする日本人キャストも大勢で現地に乗り込み、更には使用したセットも全て日本から輸送した、という凝り様だったそうです。その甲斐あってか、美術面や日本人キャストの雰囲気などは我々日本人が観ても全く違和感の無いレベルに仕上げられており、その点の「目的」というものは見事に達せられていると思いました。また、映画冒頭にオペラには無い「茶屋」のシーンが挿入されているのですが、こちらもセット・雰囲気や出てくる芸妓の振る舞い等は同様に細部まで好く再現されており、この点でも日本文化の紹介という観点での価値が更につくり込まれていると言えるのではないかと感じました。  もうひとつ、これは八千草さんも今作についてのエッセイで書いておられますが、今作はリップシンク(口パク)がホントに完璧に近くて、その意味でも違和感が無いのが非常に素晴らしいですね。オペラに精通していた訳でもなくイタリア語も当然分からないので非常に苦労されたとのコトですが、その意味でも細部まで丁寧につくられた(そして成果を見事に上げている)作品だと思います。今作が一般的な流通に乗っていないのは実に残念に思われます。今後ぜひ多くの人に観ていただきたい作品ですね。
[DVD(字幕)] 8点(2021-09-18 23:52:09)
13.  地球防衛未亡人 《ネタバレ》 
あまりに音の感じが不自然すぎるアテレコに関してはそーいうコトなのかどーかすら確信持てないですケド、諸々敢えて「手を抜いている」感を醸しまくることで笑いを誘う、という類いのシュールコメディかと思います。だから色々とクオリティが低いのはある意味当然なのだと思うのですが、にしてもまず、肝心の笑いの部分がちょっとレベル低すぎです(これを本気でやってるのか、というレベル)。もう一点、せっかく壇蜜を起用しているのにエロ要素がほぼ皆無なのもサービス精神とゆーのが無さすぎだと思います。これで演技も稚拙、お話の内容もどーでもよいとなると、もはや見所が見い出せない、というか。逆に、言ってるコトに根拠が無さ過ぎる(のに私が一番マトモですという顔をしてる)イワムラ博士とゆーのは、個人的に少しだけもはや面白かったですケド(演技も一人だけ多少好かったよーにも思いますし)。  ただ、例えばいわゆる特撮マニアとかにはもう少しだけ見ドコロ・笑いドコロとゆーのがあった、と言えるのかも知れません。主演に森次晃嗣が居るコトもあって随所に『ウルトラセブン』ネタが仕込まれていたのは気付きました(レフトンR30とか)。或いは、監督の昔からのファンならもっと楽しめた、というコトでもあると思うのですよね。(色々な意味で)にわかの鑑賞者向けではない作品かと。
[インターネット(邦画)] 3点(2021-06-15 23:43:18)
14.  血と砂(1941) 《ネタバレ》 
歌劇『カルメン』のドン・ホセとエスカミーリョをひっくり返した様なお話、とでもゆーか、極めてティピカルな(ひとりの闘牛士の)栄光と転落が描かれる。闘牛のシーンは当然俳優が演じてるワケでもないし、また特に前半の「成り上がり」の部分なんかはシナリオ的な工夫も欠いており、全体としてもそこまで内容に観る価値があるとも率直に思えないのだが、実際にはそこそこ以上に面白く観れてしまった…とゆーのがやはり俳優の質に要因あるトコロかと思う。  主人公フアンを演じるのは名優タイロン・パワー。才気を存分に迸らせつつ如何にも誠実そうでもありながら、この手のファム・ファタールに容易に惑わされそうという雰囲気も十二分で、ハマリ役である(『情婦』のイメージが頭の中にあるからかね)。そして肝心の妖婦ドニア・ソルを演じるリタ・ヘイワースはこちらも流石の妖艶さであるが、これと相対すべき正妻カルメンを演じるリンダ・ダーネルの美貌と風格がまた見事であった(これで弱冠17歳とゆーのは、少し驚きである)。闘牛と恋の双方でフアンを出し抜いてゆくライバル・マノロを演じるアンソニー・クインも、チョイ役ながら20代の爽やかさと「喰えなさ」を巧みに醸し出す存在感ある仕事。主人公に先んじて悲劇的な最期を迎えてゆく同僚ナシオナル役は、ジョン・キャラダインがこれも重厚な演技で担っている。  もう一人、主人公の母がこれも単なるチョイ役かと思いきや優れたキレと深みを兼ね備える演技で、地味に凄えなと思ったらこれがサイレント時代の伝説女優・ナジモヴァであった。やっぱ伝説ともなると色々と「違う」もんである。
[インターネット(字幕)] 7点(2021-06-02 23:46:10)
15.  チョコレートドーナツ 《ネタバレ》 
相当に手酷いバッドエンドだと思いますが、描き方自体はこのラストだけはかなりサラっとしているのですよね。モチロン、狙ってのコトだと思います(ココをネットリ描いたら、本当に絶望したまま終わってしまうことになるでしょうし)。ただ個人的には、そこまでがかなりシリアス、で在りながら一方では十分にハートフルにも描かれた総じて非常に密度の高いお話だったのに、ラストで少し肩を透かされたというか、若干ながら「描き切れていない」と感じたのも事実なのですよね(少しバカリ「遠慮」とでも言うモノが感じられた、と言いますか)。  しかし、それを含めても十二分に優れた映画だった、とは思います。今作から10年ほどが経過し、それこそ昨今、このジャンルの映画とゆーのは供給過多とも言えるホドに大量生産されていますが、シンプルでコンパクトながら要点を確実・着実に押さえた本作は、ある種このジャンルの基準点とも言ってよいクオリティを備えている、とも思いました(前述どおり、私はラストだけはややしっくり来ていないのですケド)。一番好きなシーンは、ギャレット・ディラハントが「ダウン症の子供を養子にする人間などいない!」と法廷で叫ぶシーン。心に突き刺さる、強烈な言葉でした(逆にココは「遠慮」が無かったですね)。
[インターネット(字幕)] 7点(2021-05-31 20:50:21)
16.  血の魔術師(1972) 《ネタバレ》 
手品師がショーでやってる人体破壊の手品。一見はトリックだが、実は催眠術かけて本当に切り刻んでた…というアイデアは、監督の作品としてはまま優れてる方。グロ描写も、非常に雑ながらバリエーション変えてタップリ4回あるし、そこそこ気持ち悪いのでその面でもある程度は満足できる。「血の三部作」に比べればまた全体的に向上してる、とも言えるかと。  ただ、全編通して随分とタルいのよね。話の内容には前述のアイデア以上のものは本当に何も無い上に、グロ描写、つまり手品のシーンがまた妙にスローモーなのよ。実際の手品ってステージ上で前振りとか準備とかも色々あるワケだけど、実はソコを手際よく見せるというのが結構重要なステージ技術なのだろうね。今作ではそれを素人がやってるから随分とモタモタしてる、というコトかと(それが4回もあるから尚更)。正直、油断すると寝ちゃう、という類いの映画すね。
[DVD(字幕)] 4点(2021-04-30 19:45:27)(良:1票)
17.  血の祝祭日 《ネタバレ》 
スプラッタの歴史上の記念碑的作品とは言え、正直イマサラ観たトコロで何も面白いコトは無いですね。そもそも、ただスプラッタ(=血糊デロデロ+ズルッと生肉)なだけで決してホラー・スリラーにはなってないという超・限定的なジャンル映画ですし、諸々のクオリティも相当に酷い。稚拙な演技、ダサい台詞回し、素人感丸出しのカメラワーク…ツッコミながら観るにしてもチョイとキツイ代物すね。ショックシーン(これも今どき全然ショックでもねーレベルだけど)だけ矢鱈と画質が鮮明なのは、カネの掛け所の適切さを褒めてやってもよいですが。  まあでも、人類のお初でコレをやったろうと思い立って、色々と自分の能力に不足があるのは明らかなのに己を信じて最後までやり通した、という部分にこそ、いちおう歴史に残るだけの価値とゆーものがあったのかも知れない、とも思いますかね。ソコに免じて、1点プラスしておきます。
[DVD(字幕)] 4点(2021-04-29 20:48:02)
18.  血ぬられた墓標 《ネタバレ》 
お話は率直にさほど面白くはないかと。ただ、見所が無いというワケではありません。冒頭のトゲトゲマスクのシーンなんか結構に陰惨な迫力がありますし、途中のグロシーンやラストの「皺」の特撮等は、中々頑張って工夫してるな、という感じで観ることが出来ます。  なにより、主演のバーバラ・スティールの美貌ですよね。ヒロイン兼ラスボスという美味しい役のひとり占めですが、どちらの演技も(やや大仰ですが)そこそこ上々で、今作は彼女の映画だと言ってもよいでしょう。ホラーの歴史に残る作品でもあり、観る価値はあるかと。
[インターネット(字幕)] 5点(2021-04-19 16:10:40)
19.  地下水道 《ネタバレ》 
とにかく、件の地下水道のシーンに尽きる映画ですね。このパートの果てしない絶望感・狂っていく登場人物の悲惨さというモノは、中々他に類を見ないというレベルに思います。終盤の畳みかける様なネガティブ展開の嵐も実に見事でした。この部分だけにでも十二分にユニークな鑑賞価値というものが確実に存在する映画だと思います。  この後半に比して、前半は正直あまり出来が好くはないですかね。戦闘シーンは地味にそこそこ頑張っていますが、肝心の登場人物の描写はちょっと浅くて、あまり悲壮感や状況の切羽詰まった感じが汲み取れません。むしろもう少しだけ戦闘シーンの質・量を向上させられるだけの予算的なモノがあれば、ダラっとした人間ドラマで場繋ぎすることなく後半までスピーディかつ劇的に話を運んでゆけた、というコトかもと感じました。  もう一点少しだけ気になるのが、いくら実話ベースとは言えレジスタンスをここまで徹底的に悲惨に描く必要があったのか、というコトですかね。個人的にはそこに少しだけ、この事件におけるレジスタンスの行動自体に対する批判的な感情も感じられたのですね(コレは私の穿ち過ぎでしょうか)。まあ、赤軍を信用するなどという愚かな判断の末に彼らが退くに退けなくなった挙句、文字通りワルシャワは灰燼に帰したワケですから、この顛末というのはお世辞にも褒められたモノではなさそう、というのも理解できます。戦場においてはあくまで生き残る為に頭を冷たく研ぎ澄ますべきなのであって、命を賭してでも国の為に戦うという熱いモチベーションに捉われたレジスタンスというのは、ちょっと「熱すぎた」というコトなのかも知れない、と思います(どこぞの島国の嘗てのナンという軍隊にも、少し通じるトコロがある様な気もします)。
[インターネット(字幕)] 7点(2021-04-13 22:37:15)
20.  父の祈りを 《ネタバレ》 
法廷もの・冤罪ものとしてはシンプルな筋で、基本的な部分は分かり易いしラストも十分に盛り上がるので、その時点で間違い無く良作だとは言えると思います。私も序盤から話に簡単に引き込まれ、ラストまでハラハラワクワクしながら一気に観終われました。  ただ、私は勝手にこのお話をジェリーの成長物語として観ていたのかもしれません。その観点からすると、意外とその部分はそんなに分かり易くもない、というか、特に父親が亡くなった後にジェリーが人間的に変化する、という側面は思ったホドは分かり易く描かれているワケでもないかと感じました。もう一つ、弁護士のピアースとの関係性もあまり掘り下げられてはおらず、そこら辺の人間や人間関係の描かれ方にはあまり深みというものを感じ取れませんでした。前述どおり総合的に良作であることは間違い無いと思いますが、人間ドラマとしては少しだけ浅いかもと。  とは言え、前半は父親のピート・ポスルスウェイトの落ち着いていながらも毅然とした様子が非常にグッドだし、彼の亡くなった後半も、代わって今度はデイ=ルイスとエマ・トンプソンの演技の質の高さが映画の緊張感を素晴らしく維持していきます。重ねて、総合的には良作だと思います。
[DVD(字幕)] 7点(2021-02-09 23:59:53)
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