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目隠シストさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 2251
性別 男性
ホームページ https://twitter.com/BM5HL61cMElwKbP
年齢 52歳
自己紹介 あけましておめでとうございます。
今年もよろしくお願いします。

2024.1.1


※映画とは関係ない個人メモ
2024年12月31日までにBMI22を目指すぞ!!

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21.  ドクター・ストレンジ 《ネタバレ》 
小難しい理論は差し置いても、この映像美は大ご馳走。折りたたまれるビル群、歪む次元、私たちの知る法則の外の世界。映画館の大スクリーンで鑑賞したら、さぞや楽しめた事でしょう。それにしてもティルダ・スウィントン。『コンスタンティン』の大天使役のときも感心しましたが、年齢性別を超越した存在感は素晴らしいですね。折角魔法を題材とした物語ですから、よくわからない念の縄みたいな攻撃だけでなく、様々な種類・属性の魔法を見たかった気がしますが、続編に期待ということで。
[CS・衛星(吹替)] 7点(2018-01-10 18:21:15)
22.  DRIVE 《ネタバレ》 
2017年の時点で観ると、まず驚くのがキャストの豪華さ。松重豊、ピエール瀧、津田寛治、松雪泰子ら人気と実力を兼ねそろえた味ある俳優がチョイ役で色を添える贅沢ぶり。まあ15年も前の作品ですから今とはネームバリューが違いますけれども。ホント、どのキャラクターも濃いめの味つけで自分好みでした。趣としては、『世にも奇妙な物語』風のファンタジックな仕上がり。テーマは人の縁。マヌケな銀行強盗たちと生真面目主人公の偶然の出会いが化学変化を引き起こし、各人の人生が好転していく様は観ていて気持ちの良いものでした。因果応報の原則が効いているのかいないのか微妙なところですが、強盗たちは皆その後お縄になったと考えるのが自然なのでしょうね。
[DVD(邦画)] 7点(2017-12-25 19:50:57)
23.  独裁者、古賀。 《ネタバレ》 
あざとい設定(母子・父子家庭、夕飯のうどん率高っ)、ヒネリ過ぎなフレーズ(「それって同じことなの」)、アクの強いキャラクター(黒柳哲哉)、面白シーン(ランニングVSママチャリおばちゃん)。どれもこれも、イチイチ心に引っ掛かってきます。良くも悪くも。極め付けはタイトルでしょうか。全体的に狙い過ぎで、それでいて甘々で、スキだらけで、今時こんな物語あるかいなと言いたくなるベタで古臭い脚本ですが、純なラブストーリーと絶妙なウィットに、まんまとハートを掴まれてしまいました。いやいや、正直に白状しましょう。何より、誰より、黒柳哲哉にゾッコンだったと。友達はもちろん、知り合いだって遠慮したいヤバイ奴ですが、何故か憎めない性犯罪者。ヤツの一挙手一投足に釘付けでした。何なんでしょうね、この気持ち。恋かしら(ウソウソ勿論私はノンケですよ!)。たとえばフグには毒があるけど、毒を取り除けば美味い魚みたいな。違うかな。でもそんな感じ。人は変われるし、変わらなきゃいけないし、戦うときは戦わなきゃダメだし、素敵な出会いも、ゲロみたいな人間関係も、どちらにも意味があるはず。人生は劇的であれ。踊ってナンボ。お前は自分自身の独裁者たれ。下手くそな人生賛歌ですが、だからこそ素直に沁みた気がします。ちょっと本気で切なくなりました(でも引っ越し先、そんなに遠くないですよね笑)。私の中で『黒柳哲哉』は『ナポレオン・ダイナマイト』や『ヒット・ガール』と肩を並べる愛すべきキャラクターに認定されてしまいました。危うく勢いで10点を付けそうになったくらい。作品の完成度的には全然なんですけども(苦笑)。『Vote For Pedro』Tシャツも買いました。だから新撰組Tシャツ俺も着る!どこで売っているのか教えて!!
[DVD(邦画)] 9点(2017-09-10 00:28:13)
24.  ドント・ブリーズ 《ネタバレ》 
勧善懲悪、白黒ハッキリ付いているお話は分かりやすくて好きですが、感情の置き場所に困るような複雑な要素を孕む物語は、もっと好物です。“自業自得だけど情状酌量の余地はある”vs“境遇に同情はするがやってるコトがキチ過ぎる”。う~ん、どちらに感情移入しようかしら。ウソです。同じ犯罪でも感覚的な罪の重さ(法で規定する量刑の重さに比例しない)には、大きな差異がありました。“セキュリティ会社の内部犯+視覚障害者の弱みにつけこむ窃盗”も相当悪質ですが、“拉致監禁+強姦罪”は、それを遥かに上回ります(侵入者に対する過当防衛は不問としても)。つまり、観客は窃盗犯サイドに肩入れし、この自業自得な悪夢と対峙する羽目になります。 暗闇、室内閉鎖空間、番犬、銃、格闘スキル。弱者と強者の立場を逆転させるマジックはお見事で、命懸けの目隠し鬼ごっこを堪能させていただきました。後味も秀逸です。ほぼ真相は藪の中ということ。それでいいのでしょうか。いえ、良いはずがありません。しかし、主人公には自らの手札を切る勇気は残されていないでしょう。大金を手にした代償は、ある種の呪い。選択肢を奪われるのは恐ろしいことです。トリッキーかつテクニカルな”技あり“ホラーで、王道サスペンスに飽きた御仁には特にオススメの一作であります。
[DVD(吹替)] 7点(2017-08-25 01:41:59)(良:1票)
25.  TOO YOUNG TO DIE! 若くして死ぬ 《ネタバレ》 
クドカン映画の“やり口”としては、『少年メリケンサック』の時と基本的に変わりません。楽曲が持つ力、監督の世界観を体現する常連俳優&其処にいるだけで有難いミュージシャン、“らしさ爆発”の笑いに、切なさの詫び寂びをブレンド。これはもう鉄板の面白さです。幸せの青い鳥。何故か多いぞ畜生道。理不尽極まりない自殺判定。汚ねえクソと上品なクソ、どこが違う。何が違う。だってHELLもHEAVENもどちらもHでしょ。極め付けは「わたしも」。右に左に、グイグイハートを掴まれました。自分の、いや、全人類の人生が愛おしくなる映画。沁みますなあ。悪ふざけで感動なんて、きっと一時の気の迷いか錯覚でしょう。でもそれが映画の魔法であり、醍醐味に違いありません。いい映画でした。(以下余談)小6の娘と一緒に居間でTV鑑賞。それなりにウケていたと思いますが、あるシーンで固まりました。主人公弟の、○ナ○ーシーン。それもノーロック・ケツ丸出しのストロングスタイルですよ。これを年頃の娘と一緒に観るのは、何という名前の“地獄”ですか(泣)?『中学生円山』の監督であったことを忘れていた自分を呪います。
[CS・衛星(邦画)] 8点(2017-06-30 17:29:21)
26.  殿、利息でござる! 《ネタバレ》 
現役最強クラスの喜劇役者・阿部サダヲが主演で、先行ポスターの図柄は、阿部の頭に銭のちょんまげ。こりゃどうしたって、軽いタッチの(例えるなら『超高速参勤交代』のような)コメディを想像してしまいます。ところがどっこい。これがしっかりシリアス、がっちり人情話。正直想像していたものとは違いました。しかしこれはこれで、面白かったと思います。本作で一番興味深かった点は、先代・浅野屋甚内の“秘話”が事態を動かす突破口となり得た点。これ“結果が全て”と言ってもいい現代の価値観では在り得ない話。結果よりも経過を尊ぶ、日本人本来の美徳は、心地よいものでありました。これが実話とは嬉しい限り。「昔は良かった」とは言いませんが、「良いところもあった」のは間違いないでしょう。
[DVD(邦画)] 7点(2017-06-05 20:46:32)
27.  ドラゴンボールZ 復活の「F」 《ネタバレ》 
コンセプトは『ナツメロ』であり『オールスター大運動会』であり『大相撲巡業』。あくまで本割には影響しない“ファン感謝祭”という位置付けでした。私はドラゴンボール続編には否定的な立場ですが、これはこれでアリだと思います。クリリンが警官なんて、感慨深いじゃないですか。でもそれなら主題歌は景山ヒロノブ氏の『CHA-LA HEAD-CHA-LA』じゃなきゃウソですよね。ももクロファンとしては、Z繋がりでお仕事を頂いて有り難い限りですが、そう思います。あともう一点“物言い”をさせてもらえば、クライマックスの件は酷いです。シリアス風味が欲しかったのかもしれませんが、アレがOKになってしまうと“地球の(あるいは宇宙の)未来を賭けた戦い”というものが今後望めなくなってしまいます。ファンから“本気さ”“真剣さ”“純真さ”を奪う愚策であったと考えます。
[CS・衛星(邦画)] 5点(2016-02-20 04:15:00)
28.  トランス・ワールド 《ネタバレ》 
(ネタバレ厳禁映画です。鑑賞前の閲覧はご注意ください。) 予算規模、脚本・演出・演技のクオリティ、どれをとってもお馴染みフジ系TVドラマ『世にも奇妙な物語』のそれと寸分違いません。これで本作がどんな映画か、伝わる人には伝わると思いますが、言及したいポイントが1か所あります。それはトム(クリント・イーストウッドの息子)の扱い。過去を変えることで、女性2人の運命が好転するのは明白でした。彼女たちが父親(祖父)を助けたいと考えるのは当然です。ただしトムだけは違いました。母親の人生が変われば、彼は存在しなくなります。これもほぼ確定事項。そのことに気づきながら、トムは曾祖父の命を救おうとしました。これって凄い献身です。ほんと感動ポイントなんです。彼の決断と勇気にきちんとフォーカスした演出があれば、もうワンランク作品の完成度が上がったと思います。
[DVD(字幕)] 6点(2014-10-09 20:57:34)(良:3票)
29.  TRICK トリック 劇場版 ラストステージ 《ネタバレ》 
最後の最後で“泣かし”に来ましたか。あんな表情の上田教授が見られるなんて、オフザケドラマ『トリック』なのに、ずるいですよ。こっちまでウルウル来てしまいました。鬼束ちひろの『月光』の破壊力も抜群。前原一輝氏(金髪オールバック・初代矢部の相棒石原)のキャスティングに感激しました。結局、観客の“思い出(思い入れ)”に勝る味付けは無いってことです。あと、仲間由紀恵さん、ご結婚おめでとうございます。ご祝儀込みの8点進呈です。全『トリック』ファンは、ラスト10分の為に、この映画をご覧ください。
[DVD(邦画)] 8点(2014-09-30 19:56:53)
30.  トーク・トゥ・ザ・デッド 《ネタバレ》 
『リング』の“呪いのビデオテープ”から始まったオカルト近代テクノロジーシリーズは、『着信アリ』の携帯電話を経由して、スマートフォンのアプリにまで辿り付きました。本作の趣向は“死者と話ができる”というもの。言わばリアルイタコシステム。実はコレあまり危険ではないのです。普通に会話を楽しんでOK。上手く使えば生きる活力にさえなります。死者の方から不意に電話がかかってくる心配もありません。注意点は「会いたい」と言われても断ること。この1点のみ。ですからホラーとしては全然怖くないのです。劇中、何人かこのアプリが原因で命を落としていますが、呪い殺されたというより覚悟の自殺(ラストの一人を除く)。死者と話したいと望む時点で、多かれ少なかれ病んでいる訳ですから。それにしても本作のタイトルは悪質です。絶対ゾンビ映画だと勘違いする人がいるでしょうに。タイトルは『霊界通信』とか『もうイタコは要らない』でいいんじゃないでしょうか。猛烈にダサイですが。
[DVD(邦画)] 5点(2014-07-18 19:28:42)
31.  道化死てるぜ!
スリルを味わうホラー映画としての側面よりも、アイデア豊かな人体破壊・殺人技法を愛でるコメディ趣向の方が強い本作。それゆえ折角工夫を凝らした残虐描写が単に“悪趣味”としか感じられないのがツライところ。おフザけもいいですが、サスペンスとして一本筋を通すことでギャグが活きた気がします。それにしてもこの邦題、如何にも「してやったり!」という感じがプンプンします。配給会社宣伝担当者のドヤ顔が見えるようですね。
[CS・衛星(字幕)] 5点(2014-06-18 19:26:24)(良:1票)
32.  トロピック・サンダー/史上最低の作戦
アクション映画としてなかなかの出来。大量の火薬が使用されているだけで、もうちょっと嬉しいです。制作費を存分につぎ込んだ悪ふざけ。いいじゃないですか。役者もご贔屓の芸達者ばかり。当然文句はありません。でも残念ながら笑えませんでした。「ここは笑うところ」というポイントは理解できます。でも冷静にそう思っている時点で楽しめてない証拠。これは完全に自分に非がありました。パロディの元ネタとなるオリジナル戦争映画をほとんど観ていないのです。気づいたのは『プラトーン』くらい。本作は見た目以上に間口の狭い映画と考えます。戦争映画をもう少し鑑賞してから再度挑戦してみたいと思います。
[映画館(字幕)] 6点(2014-04-12 22:25:19)
33.  ドリームハウス 《ネタバレ》 
(ネタバレしています。未見の方はご注意願います)“デザイナーズ物件”や“オンリーワン”といった魔法の言葉に彩られた壮大な「悪ふざけ」を、南国ピーナッツこと松崎しげるのナレーションに乗せてお送りする某人気TVプログラム…とは全く関係ない(当たり前だ!)本作。ダニエル・クレイグやナオミ・ワッツといった芝居上手な豪華キャストがお届けする、テクニカルホラーサスペンスです。オチには素直に驚かされましたが、意外と設定は穴だらけだったと思います。例えば嘱託殺人でターゲットの顔を事前確認しないなんて嘘くさいですし、敵と味方が揉み合っているのに発砲するなんてあり得ません。言わば本命ギミックを成立させる為の無理強いギミック。しかしながら、“妻子殺し”のインパクトが強烈過ぎて、粗が目立たないのです。コレはコレで優れた手法かと。痛ましくて、切なくて、胸が苦しくて仕方ありませんでした。主人公と同じ娘を持つ父親として、彼に感情移入するのは辛い作業でした。ずっと夢の中だとしても、幸せな日々を味わえるなら、それもいいかもと本気で思いました。でも、妻と子にとっては二重に不幸な事なんですよね。未練を能動的に断ち切った主人公は立派でした。
[DVD(吹替)] 7点(2014-04-03 19:24:03)(良:1票)
34.  ドラゴンボールZ 神と神
ファンが望む続編と、製作者が作りたい続編というものがあります。おそらく本作は後者の方。金の成る木はそう簡単には手放せないもの。『宇宙戦艦ヤマト』や『機動戦士ガンダム』もそうですが、どんな人気コンテンツも絞れば絞るだけ疲弊します。もう許してやって欲しいと思うのです。ファンの心の中で静かに生き続けるのも、素敵な事ではないですか。
[地上波(邦画)] 3点(2014-03-27 18:58:14)(良:3票)
35.  逃走車 《ネタバレ》 
『M:i:Ⅲ』は、主人公イーサン・ハントの妻が囚われているショッキングなシーンから始まります。いきなりクライマックス。インパクトは絶大です。さらにどのような経緯で絶体絶命の窮地に追い込まれたのか、観客は興味を惹かれるワケです。ミニ予告編を本編に取り込むようなもの。ツカミとしては効果的な手法と言えましょう。ただし、マイナス面もあります。大切なハイライトシーンを晒してしまうこと。『M:i:Ⅲ』の場合は出し惜しみする必要がない程見せ場は盛り沢山ですし、その後の展開も二転三転するので全く問題ありません。しかし本作の場合はどうでしょうか。時間軸を巻き戻し、物語再開。でもすぐさまトラブルが発生し、冒頭のカーチェイスシーンへの繋がりは容易に想像出来てしまいます。また、セールスポイントとなるはずのカーチェイスが少ないので(!)同じシーンを“2度観させられた”という感覚になり兼ねません。正直言って、本作では奇策を打つメリットは無いと感じました。いや、もしかしたら貴重なカーチェイスを2度使用することでアクションの嵩増しを試みたのだとすれば、辻褄は合いますが、そんな映画が面白いはずもなく……。
[CS・衛星(字幕)] 5点(2014-01-22 18:27:40)
36.  トータル・リコール(2012) 《ネタバレ》 
欧州と豪州。地球の裏側同士に当たる二つの大陸間を、地核を貫いて直接繋ぐ“フォール”と呼ばれる移動装置。このアイデアは秀逸でした。建造に費やされたであろう金銭・資材・時間・労働力・技術力を想像すると気が遠くなります。地核突入時の重力反転ギミックも申し分なく、SF的スケールは“火星のコロニー”を凌ぐと考えます。空間を立体的に活用することを意識したスピード感溢れるアクションは見応え十分。掌モバイルや、拘束光線銃といった未来テクノロジーも楽しめました。設定・脚本共に大きな欠点は見当たりません。しかし本作のレビューに並ぶのは「薄味」「地味」といった平坦な言葉たち。残念ながら私も同じ印象でした。結局は比較の問題なのだと思います。オリジナルが示した強烈な個性の前では、常識的なセンスでは霞んでしまうということ。比較されるのはリメイクの宿命ですし、上品より下品な方が、繊細より大雑把な方が、インパクトがあるのは仕方のない話。そんな歩の悪いリメイクで、オリジナルへのオマージュを織り交ぜつつ、正々堂々と元祖に勝負した本作の製作姿勢は称賛したいと思います。でも、やっぱり面白いのはシュワちゃん版なんですよね。
[CS・衛星(吹替)] 6点(2013-10-18 18:25:56)
37.  飛べ!ダコタ 《ネタバレ》 
タイトルから容易に想像がつくように、物語の着地点(本作の場合は離陸点かな?)は初めから確定しています。ですから、観客の興味は結末に至るまでのドラマにありました。どんな苦難を乗り越えてダコタを再び飛ばす事が出来たのか。しかしながら、ハードルらしいハードルが見当たりません。英兵も島民も皆物分かり良く協力し、順調に滑走路を造り上げたように見えました。障害と呼べるのは放火未遂事件くらいのもの。厳しい自然環境の抵抗や滑走路造成過程の試行錯誤など、外的要素で盛り込めるハードルは幾らでもあった気がします。それに時は戦争直後の混乱期。ベンガルの言葉「ここ(頭)では分かっていても、ここ(心)がいうことを利かない」という島民の内面にも、もっと踏み込んで欲しいと思いました。戦争で息子を亡くした母(洞口)や戦時中の思いを引きずる青年(窪田)のエピソードにしても、簡易に処理をした感は否めません。心の穴を埋めること、凝り固まった心を解すのは、そう簡単な作業ではないはず。悩み、ぶつかり合い、苦難を乗り越えてこそのカタルシス。残念ながら、優等生の善行より不良の親切が持て囃されるのが世の常です。そういう意味では、登場人物がみな良い人過ぎたと思います。美談を美談のまま映画化することの難しさを感じました。ダコタ不時着時及び離陸時の描写に、予算問題をカバーする工夫が見られなかったこと。島民の善意の結晶であり最大の見どころ、自然石を敷き詰めた500メートル滑走路の全景をきちんと見せなかったこと。演出面、映像面での不満もあります。手放しで称賛できる映画ではありませんでした。本サイトのレビュワーとしての採点は6点です。ただし、一新潟県民としての思いは別。忘れ去られていた誇り高き感動の実話を、このような形で世に知らしめてくれた本作には、心より感謝いたします。油谷監督、比嘉愛美さん、初監督及び初主演に『飛べダコタ』を選んでくださり有難うございました。洞口依子さん、素晴らしい演技でした。この映画製作に関わった全ての方に敬意を込めて+2点を献上させてください。
[映画館(邦画)] 8点(2013-10-06 20:49:39)
38.  トールマン 《ネタバレ》 
(ネタバレあります。ご注意ください。)「衝撃の結末」「意外な真相」この手の煽り文句はミステリー・サスペンスジャンルの常套句。しかしながら経験則では十中八九はハズレです。もはや期待値ゼロ。ところが本作は僅か1,2発に該当したようです。貴重な当たりサスペンスですので、存分に楽しむためにも予備知識なしで鑑賞することをお勧めします。 ≫≫≫≫≫ 横転したトラックから這い出た男の子。拉致犯人が抱き抱えようとした時、子は協力的に手を差し出したように見えました。ともすれば見逃してしまいそうな些細な描写。しかし小さな違和感は確かに心に突き刺さりました。棘はやがて疑惑の核となり、ついには大きな疑念となって物語の進む方向を見失わせました。たった一本の包丁から喚起されたのは、死体の山と血の海。イメージ映像さえ、全く無かったのに。ほんの小さな、でも丁寧な仕掛けが、迷宮の入り口となっている巧みな脚本でした。既定事実が覆り、善と悪が入れ替わる快感。それが一度ならず二度まで味わえるのです。こうも先入観と想像力を手玉に取られるとは、恐れ入りました。バッドエンドとも、ハッピーエンドとも取れる極めて不安定な着地点も素晴らしいです。何故主人公にジェシカ・ビールが選ばれたのかも納得です。惜しむらくは、二段のオチのうち一回目と二回目が間延びしてしまったこと。この間をコンパクトに纏められたなら、傑作になったこと間違いなしです。
[DVD(字幕)] 8点(2013-09-03 18:27:45)
39.  トリハダ -劇場版- 《ネタバレ》 
幽霊や超常現象なし。音楽で恐怖を煽らない。過度な演出をしない。日常から逸脱しない。このコンセプトは強く支持したいところ。事実、雰囲気は抜群でした。それだけに細部の粗が悔やまれる出来でした。如何にスクリーンの日常を自身のそれと置き換えて物語に飛び込めるか。本作を楽しむためにリアリティは絶対条件。その点で大いに不満が残ります。コールセンターや宅配便の業務については、リサーチ不足を感じさせます。固まらない血も現実的ではありません。最終2話についてはリアリティ云々の前にアンフェア。これはいけません。ティーン向けのライトホラーと割り切って楽しめば問題ないかもしれませんが、自分はもうワンランク上の完成度を狙える設定と考えます。改良版の続編を期待します。追伸。宅配便の話の女優さんが絶品でした。笹野鈴々音さん。TV版でも評判を呼んだ模様。この存在感は圧倒的です。前田敦子の物真似でブレイク中のキンタロー。もお笑いの仕事が無くなったら是非ともホラー映画の世界で活躍されては如何でしょう。笹野、キンタロー。の悪夢の?競演が観たいような、観たくないような。
[DVD(邦画)] 5点(2013-03-05 18:53:54)
40.  トト・ザ・ヒーロー 《ネタバレ》 
トマの姉への愛情は、異性に対するそれと同じでした。赤子の自分が、病院の火事で取り違えられたとの妄想も、姉弟の血の繋がりを拒絶する願望の表れ。いわゆるシスターコンプレックス。いわば風邪のようなもので、心と体の成長(自我の確立)により治癒するのが一般的かと。ですから、少年トマがあのとき姉を失わずに済んだら、彼の人生は全く違ったものになっていたでしょう。一瞬にして、それも自分の言葉が引き金となって、姉を死なせてしまった衝撃は、彼の心を凍てつかせました。姉への思いで縛られた一生。決して手に入らぬものを思い続け、前に進めなくなってしまった少年は、そのまま老いさらばえた。彼の「これと言う事が何一つ起こらない人生だった」という言葉が胸に突き刺さります。本当は“何も起こらなかった”のではなく“何も起こさなかった”のだから。そんな彼が選んだ人生の最終回は、妄想を現実に変えること。せめてもの帳尻合わせです。それは彼のささやかな自己肯定でした。エンドロール。ブラックバックとクレジットが織り成す模様がまるで人生の道程のように思えます。幾つもの分岐点を介し、真っ直ぐに進む一本の道。自身の人生をトマの人生に重ね合わせて、観客は安堵するのでしょうか、戦慄するのでしょうか。輪廻転生を思わせるエンディングと陽気な歌が、この映画の救い。そして希望です。
[DVD(字幕)] 9点(2013-02-24 20:24:05)(良:2票)
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