1. オデッセイ(2015)
《ネタバレ》 脚本はよかった。前半のサバイバルより、後半の救出劇。 ただ、リドリー・スコットの演出はあまりに地味。ダイナミズムにかける。年取るとあざとさが嫌になるんだろう。 淡白な演出。枯れてる。 ブレードランナーやプロメテウスの続編が心配だ。 [インターネット(字幕)] 6点(2016-07-17 00:32:30) |
2. 思い出のマーニー
《ネタバレ》 この監督、本当にダメだと思う。設定が全然生かされておらず、妙な箇所がいっぱい。 順不同にざっと列挙していく。 1:喘息設定、途中で忘れてませんか?倒れた時も喘息症状まったくなし。 2:ふとっちょ豚の年齢っていくつ?突然大人顔負けの哲学的なこと言い出して違和感。 で、この豚女がカッターで脅したとか嘘ついたり、もう終わり!仲良くしよ!なんていいこといっときながら、 ウジウジと後で親に密告して泣きついたっていう最低のクズなんですよね。 なのになんでいい子設定になってるんだか。何様なの?って態度に終始不快感。 こういうやつが成長するとモンスターペアレンツになるのだろうか。 そもそもこいつ必要? 3:豚の親が怒鳴りこんできて、彼女が帰ったら、速攻で家に入ろうとする主人公の無神経さ。 普通は罪悪感で家に戻れなくって逃げようとするでしょ。 4:預けられた夫婦の太った奥さんのほう。「太っちょ豚って言ったのはよくないわね」 あれ??この奥さん、主人公には問いただしもしないで、豚の親の言うこと信じたんだ?カッターも信じたの? だいたいこの夫婦も偽善者だなあ。気持ち悪いくらい主人公を怒らないのに、簡単にクレイマーのいうことは 信じてしまう。 5:十一、必要でしたか? 6:眼鏡っこ、必要でしたか?日記など見つけるのは主人公じゃないと。メガネっ子の兄貴の存在感のなさ。 7:マーニー、杏奈にもきれいな服を持ってくるのかと思ったら、ババアのショールを無理やりかぶせて 花売りに仕立て、金持ちたちの前に晒し者にする羞恥プレイを強制。 杏奈はかわいそうな乞食のような扱いを受けます。 しかも、自分は杏奈そっちのけで恋人と踊ってるという。 私はこの女を絶対好きにはならない(怒) 8:だいたい大金持ちがあんな不便なとこに家を建てるという不自然さ。 ファンタジーにしても無理やり過ぎます。 アリエッティに続き、後半やはり顔が崩れてるところがある。 宮崎は絶対こういうの許さない。 幼稚園児の動きがかなり鈍重。 一番困ったのはマーニーにまったく魅力がない。 この人、杏奈の救いなんでしょ?もっともっと強烈な個性を描かなくては。 宮崎ならもっともっとはじけまくる夢の様な少女を描いたでしょう。 この人にはもう期待しないな。私は宮崎吾朗監督に期待します。 コクリコでは才能の片鱗を見せつけてくれた。 [映画館(邦画)] 2点(2014-07-26 07:43:09) |
3. オール・ユー・ニード・イズ・キル
《ネタバレ》 戦闘シーンは特筆もので、スターシップトゥルーパーズとプライベートライアンが混ざり合ったようなものすごさ。そういえばクリーチャーもスターシップ的だ。 トム・クルーズの演技が素晴らしい。成長していくにつれナチュラルに表情が変化していく。 日本人俳優ならわざとらしい、あざとい演技になってしまうだろう。 ヒロインはあまり魅力を感じなかった。ゆえにトムとの悲恋もあまり感情移入できなかった。 力不足、オーラ不足。 内容は、ゲーム。ある面を攻略するために何度もリセットしたという経験はないだろうか。まさにそれ。 ラストのオチは途中からわかってしまったのが惜しい。 この手の時間ものなら、バタフライ・エフェクトをお勧めする。こっちのほうが上。心をえぐられるだろう。 [映画館(字幕)] 8点(2014-07-12 20:26:50) |
4. おおかみこどもの雨と雪
《ネタバレ》 重!もっとドタバタしたコメディーでよかった。 重いテーマを重い進行でやるのは私は芸がないと思う。 こういう話こそ、90笑って10泣いてみたいのがいいのに。 母親の花はいつも笑ってるという設定だが、それにしては暗く見えてしまう。 ちょっと暗い天然ボケの女の子。 これは完全に脚本の不備だ。母のエピソードがいい加減だからだ。 そもそもこの母親があまり魅力的に見えない。 子供に対する愛情はあるのかもしれないが、愛情とは裏返せば執着でありエゴだと思う。 それが描かれてない。夫が野垂れ死んだ時、 私が花なら、他人にバレちゃうとか変に思われるとか関係なく夫の遺骸にしがみつき、抱きしめ キスをし、泣き叫ぶだろう。 ところが花は諦めてしまう。ほんとに愛してたの? 雨が去る時だって簡単に諦めて、がんばって~、しっかり生きるのよおなどと送り出してしまう。 かなりドライな母ちゃんだ。 監督は大げさなドラマを廃したかったんじゃないかという狙いはわかる。 でも、それが逆に「都合良さ」をいっぱいうんでしまった。 例えば 何も知らない夫婦ふたりで自宅で出産しました→だいじょぶでした。 薬を誤飲→たいしたもんじゃありませんでした。 その後も自分も子供もたいした病気にかかりませんでした。 農作物がうまく育たない→みんなで助けてくれました。 クマに出会いました→行ってしまいました。 それにしてもこの映画の対象は何歳なんだろう。間違いなく子供にはウケないと思う。 では現在子育てしてる親か?いや、あまりに重くて、コレ見ても強く共感はできるが (たぶんボロボロ泣く親が多いと思う) 泣けはするが、決して元気になれるようなしろものじゃない。 子育てに疲れてる親は絶対見てはいけない。 それでいいのだろうか。 ラストのアンサリーの歌もあまりよくない。曲はいいのに彼女の安易な歌唱がだめにしてしまった。 同じ傾向の歌では・・例えばコクリコ坂の手嶌葵のものすごさには到底及ばない。 サマーウォーズは高く評価するが、これは残念ながら評価できません。失敗作です。 次回作に期待します。 [映画館(邦画)] 5点(2012-07-21 19:43:25)(良:5票) |
5. おくりびと
《ネタバレ》 最近また邦画の出来がよくないなあと感じてるところに、この奇跡のような大傑作。全ての作品を押しのけてこれが賞をかっさらうと思う。いや、そうでなくては。 主演助演、チョイ役全ての役者がきらきら宝石のように輝いています。特に広末の演技がよかった。妙なこだわりや固定観念に縛られてないような現代っ子ぽい奥さんなはずなのに、いざ自分の夫が「そうなってみると」やはり世間体を気にする、けがらわしいと言ってしまう。愛が冷めたわけではない、愛してる・・なのにしかし。こういう感情は悲しいくらいにわかります。きわめてリアル。愛があれば世間体も関係ねえよなんてのは夢子ちゃん夢男くんのあまっちょろい幻想なのだ。 しかも映画はもっと残酷な運命を用意します、なんと子どもが生まれる。誰もがお世話になる職業だの、仕事に貴賤はないだのなんだの、屁理屈はどうでもいい、あなたは子どもに胸を張ってパパは納棺師だよっていえるのか、子どもはお父さんを納棺師だ!と自慢できるのか。これを言われたら男としてはもうギブアップ。いくら納棺の仕事に生き甲斐を感じ始めたとしてもアウトなのだ。 ところが映画はとっても素敵な解決を用意してくれました。最後に「私の夫は納棺師です!」と叫んでしまった広末。鳥肌がたつくらい感動。しかしだ。ありゃ100%夫の職業を受け入れてはいないかも、そのときの雰囲気に飲まれて叫んでしまっただけかもしれない。あとで子どもが生まれて厳しい冷たい現実がやってきたときコロッと後悔するのも女なのだ。 しかし、この夫婦・・・この家族はどんなトラブルが待ち受けていようと、なんとか苦しみ悩みもがきながら、うまくやっていくだろう。それを予感させるのがあの石ですね。あの一銭の価値もない汚い石ころに込められた意味はものすごく深いです。 珠玉の映画。泣いて笑って考えさせられて・・・なんと爽やかな後味か。チェロの音色に心を動かされないひとはいないだろうと信じてます。音楽がまた素晴らしい。邦画もまだまだ捨てたもんじゃない、やるなあ。 本木、広末の代表作となるでしょう。 [映画館(邦画)] 9点(2008-09-23 01:07:48) |
6. ALWAYS 続・三丁目の夕日
《ネタバレ》 ちょっと長いです。もっとテンポがほしい。私としては1作目ほどは評価できません。 但し、冒頭数分。これはすごい。目と耳を疑いました。 あとの話しはどうでもよくなったくらいです。 なんで・・なんで今ごろになってこんなすごいゴジラに出会うのか。 アングルがまた迫力あって、キングギドラの光線らしきもの?で街が破壊されるシーンは ものすごい迫力。そしてゴジラの登場。興奮しました。 音もハリウッドを思わせるかのような凄まじい音。 THX館でした。 もうゴジラ映画などいらんと、ファイナルのときに書きましたが訂正します。 昭和30年代を舞台にこのクオリティでゴジラを見たい。 [映画館(邦画)] 6点(2007-11-04 04:20:52) |
7. ALWAYS 三丁目の夕日
《ネタバレ》 巷ではありがちな話とかベタなお涙頂戴なんて評価もあるんだけど、よく考えてみると、ありがちっていうけど、 最近のドラマって、結構みんなひねくれてて、スレてて、こういう展開は見たこと ないです。私には逆に新鮮でした。あ・・・あ・・・、こんな話で泣いちゃいけないと 思いつつ、号泣。まだまだこういう話でも感動できる自分に嬉しかったです。個人的には六ちゃんがものすごくよかった。堀北真希ちゃん、びっくりするほど輝いてました。 こんなに彼女、うまかったっけ。 [映画館(邦画)] 9点(2006-06-19 11:13:43)(良:1票) |
8. 大人のための残酷童話/妖精写真
《ネタバレ》 数々のトリック写真をプロの目から暴き、 もちろん妖精など信じない不可知論的男が、 なぜに妖精を求めて狂ってしまったのか。 最愛の妻の死とのかかわり合いは・・? 11点をつけたいくらいの隠れた大名作。哀しくそして美しい。 メーカーに昔、DVDを発売してほしいと、嘆願メールをだしたことがあるくらい好きだ。 メーカーはもっとDVDが普及したら検討するという答えだった。 もうDVDは普及してしまってるのに未だに発売されてない。 私が死ぬまでに発売してくれるだろうか。ああ・・美しいDVDで見たい。 [ビデオ(字幕)] 10点(2005-12-03 00:58:44) |