61. パリは霧にぬれて
《ネタバレ》 冒頭の場面や音楽は美しいのですが、前半は退屈。ヒロインの情緒不安定や記憶障害に共感できません。子供たちが失踪してからはいいのですが、それまでが長く感じました。しかし後半も、展開が早すぎるかなぁと思います。産業スパイを扱っているところが、時代を感じさせます。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2010-05-20 21:16:50) |
62. 幕末太陽傳
《ネタバレ》 こりゃあダメでした。とにかく主人公が嫌い。口がうまくて調子がよく、舌先三寸で相手を丸め込んでは、ヘラヘラと笑って実のところ見下している。どうも、映画を見ているこちらまで小馬鹿にされているような気になります。こんな奴が現実にいたら、まったく厭ですな。で、ここへ来て落語を元に映画化したと知って、なんとなく納得。落語の語りならこのキャラクターでいいかもしれませんが、実際に人間が演じると嫌なところばかりが目立ってしまいます。この主人公ならではの物語なので、文字通りお話になりませんでした。豪華出演者は魅力ですが、二度と見たくないです。 [CS・衛星(邦画)] 5点(2010-05-18 21:02:04) |
63. ハスラー
酒が飲めないうえギャンブルもしない私にとっては、まったく縁もゆかりも関心もない世界の話でした。ジャッキー・グリーソン演じるミネソタ・ファッツがイカしてた。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2010-03-25 19:24:09) |
64. バンド・ワゴン(1953)
ミュージカルとしては、まあ普通ですか? 公園でのダンスはすばらしいし、三つ子の歌はおかしいし、大熱演のジャック・ブキャナンも楽しいけど、「これ」っていう決め手に欠ける。「ザッツ・エンタテインメント」が聞けてよかったです。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2010-02-01 19:30:27) |
65. 麦秋(1951)
諸行無常。何ごとも同じところにとどまってはいられない。家族もいつかはそれぞれ離れるもの。その時々の嬉しかったり淋しかったりする心情が、美しく静かに描かれています。絶品のショットばかりで、見どころ満載。杉村春子はあいかわらず面白いし、高堂国典のおじいちゃんもいい味を出しています。個人的には『晩春』の方が好みですが。あと、子供が一度も「ありがとう」と言わないことが気になったりします。 [CS・衛星(字幕)] 8点(2010-01-31 11:59:49) |
66. バリー・リンドン
《ネタバレ》 アイルランドの田舎者が、波瀾万丈の末女貴族と結婚して逆玉に成功するけど、結局金を浪費したあげくに零落するという、なんともわかりやすいお話です。物語としては、成り上がっていく前半が面白い。主人公があっちこっちと寄り道するのが、目先が変わって楽しめます。ここではレドモンドを最初に襲う追いはぎ親子とか、シュヴァリエ・ド・バリバリのような悪党(“悪人”ではなく)が、魅力を感じさせます。これに比べると、レドモンド自身はそれほどでも。しかし、波瀾万丈成功譚としては、よいと思います。 これに比べると、後半は落ちていくばかりですが、あまり変化がなく面白味に欠けます。妻や継子との確執も、ありがちといえばありがち。こちらはむしろ、自然の景観や屋敷(お城?)など、映像美が素晴らしい。まあ前半も美しいのですが、後半は話がいまいちな分、よけいに目立ちました。 合計3時間ほどあるわけですが、特に長いとは感じませんでした。ちょうどいいくらい? ただし内容的には、まあこんなもんかというくらいで、可もあり不可もあり。強烈にこちらを引きつける要素というものは、見つかりませんでした。こういうものが嫌いではありませんが。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2009-12-02 19:47:14) |
67. パリは燃えているか
《ネタバレ》 これは……映画としては、決していいできとは思えません。オールスター・キャストなのでエピソードが散漫になったり、話の流れが平板だったり(特に前半)。実際のフィルムを使っているのも、画面の調子が変わって「?」となります。 しかし、それでも3時間近くの間見入ってしまうのは、やはり歴史的事実を扱っているところから来るのでしょう。つまり“事実に基づいたフィクション”ではなく、“多少脚色されたドキュメンタリー”という要素が強いと思われます。原作も小説ではなく、ノンフィクションですし。そう考えれば、現実のフィルムを使用しているのは、むしろ必要な措置と言ってよいでしょう。まあ、映画として全然ダメというわけでもなく、ガロア少佐が連合軍と接触しようとするあたりはそれなりにサスペンスがありますし、後半パリへ進軍してからはけっこう盛り上げます。ここでは、ドイツ軍に攻撃するため、あるアパートメントの部屋に入るエピソードがあるのですが、そこに住むおばあさんが面白かった。この映画には珍しく、ユーモアのある場面でした。 フランス人にとってこのパリ解放はきわめて重要な出来事でしょうし、パリバンザイ、フランス万歳になるのは致し方なし。パリを破壊から救ったコルティッツ将軍やスウェーデン領事ノルドリンク氏は、かなり好意的に描かれています(この2人が一番得をしてるでしょう)。そうではあっても、第二次世界大戦の重要な出来事を描いたドキュメントとして、それなりに価値のある映画であると思います。 また、ベルモンドのファンとしては、30年来の見たい映画だったので、念願かなって感無量です(評価には関係しませんが)。 [CS・衛星(字幕)] 9点(2009-11-16 19:39:07) |
68. 晩春
《ネタバレ》 小津作品初鑑賞ですが、たいへん素晴らしかった。父と娘の愛憎をあますところなく描き、見ごたえがありました。特に感心したのは、原節子の撮り方。さんざん嫁に行けと言われ、さらに父が再婚するのではという疑念にとらわれた紀子は、それまでよりも数年老けたかのような印象を受けます。まるで魔女のような。心理状態を表情というか、顔全体で表すみごとな演出でした。途中、能の場面まで来て、長い映画だなと思ったら、まだ半分程度。短い時間のうちに、さまざまなドラマを豊かに物語る、密度の濃い作品。 [CS・衛星(邦画)] 9点(2009-10-27 19:36:52) |
69. 8 1/2
現実と回想と妄想が入り乱れているのですが、幸い区別はついたのでなんとかついて行けました。最後のシーンを見て言いたいことはなんとなくわかるのですが、やはりそこまでが長い。欠伸が出てしまいます。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2009-09-12 20:04:23) |