1. 裸のランチ
幻覚を見るジャンキーの映画、ではなくジャンキーが脳内で作った世界を映画化したものだと思う。何でもあり。他人から見れば不条理でも、本人の脳内では一応のルールがありそれにしたがって世界が動いている。それをそのまま肯定した感じ。楽しんでのめりこめた。 9点(2004-05-29 01:16:24) |
2. バートン・フィンク
《ネタバレ》 全編しっかり見ようとすると、かなりの気合と根性を要する独特の空気があった。多分、どこからか非現実の世界に入り込んだのだろうとは思うけど、それがどこかははっきりと分からない。すべて夢かというとそうでもない。しかし見終わった今、面白いとかつまらないとかではなく、確かに「バートン・フィンク」の存在を確認したという実感はある。それ以上は何とも。 9点(2004-05-29 00:38:36) |
3. 晩春
《ネタバレ》 いい年して嫁に行かないのも困るが、いざ行くとなると寂しい、複雑な親父心。その父親の寂しさを、最後の最後までとっておいてラストでドカン。泣いてしまったじゃないか。 9点(2004-05-23 01:55:46) |
4. ハモンハモン
脱ぎまくりで大活躍のペネロペ2号もさることながら、全編通じて己の欲望に正直な人たちばかりで、まともな人が見つけにくい。そんな欲まみれの人たちをこれでもかというほど熱くパワフルに描いている。思考を停止してみるべき傑作。 9点(2004-05-23 01:42:41) |
5. 春の日は過ぎゆく
《ネタバレ》 この映画はずるい女の逃避が主題だと思う。心の深い部分でつながっていた(多分)、夫と離婚し、それでも平気だと思って次の恋愛へ。軽い気持ちで「一緒のお墓に入れたらいいね」などと甘えたりしてみたものの、いざ現実に結婚の気配がすると過去の失敗という恐れが顔を出す。結果、表面的なスカした男との浅い楽しい付き合いに逃げる。別れ話を切り出した時「僕を愛してる?」と男に聞かれて「愛してない」とはっきり言えない。言えるわけがない。終盤、腕を払って花を返すシーンは、男が成長したのではなくやせ我慢で拒絶した感じで、そこがまたいい。多分あの女性は人生において幸せになることを放棄してしまったのだろう。ラストの、男の幸せそうな顔に救われる。 10点(2004-05-23 01:12:18) |
6. パニック・ルーム
《ネタバレ》 演出の下手くそさが目立って仕方が無い。目的不明の侵入者に対する恐怖は早いうちに常識の通用する金銭欲ということでまず一安心。その後フォレスト・ウィテカーが金に困ってやむなく悪事に手を染めるいい人ということがこれまた早い段階で分かり、多分ここ一番で助けてくれるのだろう、という保険になり安心。スリルとサスペンス台無し。頼んでないのに懐中電灯の中まで見せてくれちゃったり、客を飽きさせないようにという演出はかなり効いてはいましたが。 4点(2004-04-20 18:26:31) |
7. 二十日鼠と人間(1992)
最高。完璧。寂しい男たちの繊細さ、ちょっとした喜びや悲しみ、小さな夢。その全てを台無しにする、財産目当てで牧場の息子と結婚したくせに話相手がいないとグチをこぼす自己中クソ女。喜怒哀楽全ての感情を刺激される。ラストの苦しさ、重さ、哀しさ、寂しさは涙が止まらない。 9点(2004-03-29 02:36:42) |
8. パリ、テキサス
《ネタバレ》 心に大きな傷を持つ鬱病患者が、自分を癒すために他人の人生をひっかきまわす不愉快な話。傷の原因は自分たちが自己に執着しすぎたために起こった悲劇なのに、何も反省が無い。最期は自己満足の表情で終わり。ふざけんな。学校からの車道をはさんだ帰り道は非常に良かったけど、帳消しになるほどイヤなラスト。 6点(2004-03-29 02:30:55)(良:1票) |
9. 蝿の王
多数の人々が不安に陥っている時は、正しい人間の正しい言葉よりもカリスマ性のある人間のわかりやすい言動が支持され、一種宗教的な集団になってしまう。ヒトラーとその周辺が出来上がるモデルケース的怖さがあった。ラストの何とも言えない空気は大好き。 8点(2004-03-29 02:14:23)(良:1票) |
10. 博士の異常な愛情 または私は如何にして心配するのを止めて水爆を愛するようになったか
コメディとして笑っていられないほど現実味があって怖い。戦争始める人たちがまともな精神のはず無いのだから、これくらい馬鹿に描いて十分。ジョージ・C・スコットはこの頃からパットンだった。 8点(2004-03-29 02:09:00) |
11. パピヨン(1973)
脱獄ものの割には全然スカっとしない不思議な映画。途中まではもちろんマックイーンを応援しますが、終盤は、もうやめとけよと止めたくなる。あきらめない不屈の精神というよりも、脱獄するという行為に依存しきった哀れな男の生き様を感じた。 7点(2004-03-15 00:06:04) |
12. ハンナとその姉妹
タイトルだけ見ると女たちのドラマかな、と思ったのですが、むしろ男のドラマでした。ウディ・アレンの映画のパターンである「男の情けなさ、だらしなさ、女のいやらしさ、計算高さ」がこれでもかとちりばめられています。中でも最高の人物は、リーのパートナーの男。あれほど情けない男はなかなか見られません。 7点(2004-03-01 03:15:50) |
13. バグダッド・カフェ
形容する言葉がなかなか見つからない不思議な映画。人が変わるためにはほんのちょっとしたきっかけが必要で、それが新しい友人との出会いならなお良いということかな、と。好きなシーンは、娘がおばさんの部屋に遊びに来るとこです。 8点(2004-03-01 03:08:41) |
14. バックドラフト
消防士ものの皮をかぶったB級クライムサスペンスって感じです。クライムサスペンスならば許容範囲である理不尽さが、消防士という地に足の付いた職業であるがゆえにことさらに気になった。無駄な女性関係のエピソードも多いし、デニーロの扱いも雑で、存在理由が謎。手際が悪いとはこういうことを言うのだなと。偉大すぎる父を持つ兄弟たちの確執や葛藤だけは良かったです。 4点(2004-02-26 01:03:10) |
15. 初恋のきた道
とにかくヒロインが可愛い。山道でのコケっぷりは映画史上に残るリアルなコケ方だと思う。やってることは特に変わってないのに、若い頃=一途 年取った後=偏屈 と印象が変わってしまうところも面白い。もう少し過去のエピソードを見たいと思ったけど、そう思うくらいで丁度いいのかなと。特に意外なラストでもなかったのに、あっさり泣かされてしまいました。 8点(2004-02-26 00:43:32) |
16. パットン大戦車軍団
戦闘シーンが売り物の単なる戦争映画かな、と途中まで思ってて、見るのやめようかとしてたところ、人間関係での失敗エピソードあたりから急激に面白くなった。一生を捧げて戦争に求愛し続けた不器用なおっさんの不器用な生き方。関わるのはイヤだし見習いたくもないけれど、なぜか後姿の寂しさには共感してしまいました。 9点(2004-02-12 17:52:40) |
17. バッファロー'66
何度も繰り返し見ている、お気に入りの映画です。ビリーのイラ立ち、孤独、寂しさ、繊細さ等が圧倒的なリアリティで共鳴してくる。この作品の中に、人生を語るうえで必要な要素がほぼ揃っていると言っていい。 10点(2004-02-03 02:45:04)(良:1票) |
18. 半落ち
色々と考えさせられる作品ではありますが、正直穴が多すぎて頭の中に生じるツッコミを抑えるのに苦労した。役者は豪華ですが割と大事な役柄の鶴田真由が軽いというか表面的というか。何も響くものが無い演技。視点も中途半端にコロコロ変わって混乱した。ストーリー自体は悪くはないのでこの点数。 4点(2004-01-24 03:01:35) |