1. バケモノの子
《ネタバレ》 妻投稿■ これは細田監督最高傑作かも知れない。何より体技格闘シーン、固い(≠硬い)動きが素晴らしい。最近のアニメの戦闘シーンは動きがやわらかすぎる。敢えて動きを固くしつつ素手と力と刀といった多様な姿勢で如何に相手の縄張りを崩し、攻撃を受け止め受け流し、止めの一発を決めるか(騙し合いではなく相手に合わせた戦い方の中で)…。その緊張感を少年ジャンプみたいな技名を繰り出して背景すっとばした世界で主人公跳躍するようなものではない、それこそ私が観客になったような視点で見て感じることができた。 ■ 内容について…(特に後半)これは間違いなく3.11後の日本をモチーフにしているのではないか。渋谷で沢山の車を持ち上げる黒い鯨は間違いなくあの恐ろしい津波のメタファーだ。故郷を失った人、大切な人にもう合うことができない人…その人がどう立ち直っていったら良いか真剣に考えた映画なのではないか。父親に反発する蓮の姿は、(原発)被災者に寄り添うふりをしながら自分たちのイデオロギーに利用するだけの連中への痛烈な批判、全てに絶望してしまうことに対し「(「そうじゃないよ」じゃなく)そう思ってしまったとしても大丈夫だよ」と抱きしめる楓の言葉、あの津波のような鯨を見て「死によって解決するしかない」と追い詰められる蓮、そして熊徹が刀となって蓮の体の中に入ることの意味。一人で戦っているんじゃない…という言葉。「蓮と熊徹の強くなることの意味」というテーマがそこに終着した時、私はこの作品は傑作だと思った。 ■ この作品は感動シーンと女子高生が喜びそうな格好可愛い男の子の活躍が目立つ。後ろの席10代の女の子は大喜びしてた。でもお涙頂戴場面とかわいい男の子登場させれば彼女は喜んだだろうか。そうじゃない。やっぱり九太も連も、熊徹もすごく格好いい奴なんだ。 [映画館(邦画)] 9点(2015-08-25 23:58:25) |
2. ハッピーフライト(2008)
《ネタバレ》 実はこの作品、キルギス共和国ビシュケクの映画館で見たのです。ちょうど政変や民族紛争が終わって2年後くらい。JICAの日本フェスで上映されていました。パイロットが無線を間違える場面でキルギス人は大爆笑していました。あと、鬘のシーンでも大爆笑していました。ほとんどのキルギス人が映画上映中ほとんど大爆笑していました。しかし映画が終わって友人のキルギス人に感想を聞いてみると、「いやー、いまいちかなー」ってあんた手を叩いて笑っていたじゃん!! そう突っ込むとスペクタクルが足りないと。で、その後映画館の2階のカフェでお茶を飲むと、知り合いの知り合いのそのまた知り合いのおばちゃんが集まってきて、その中の10歳くらいの娘さんとドラえもんの映画で盛り上がりました。「恐竜」から「銀河超特急」まで熱く評論しました(余談だがその後行ったカザフスタンでも現地の若い人とアニメの話ばっかりやっていた)。キルギス人の男性とは綾瀬はるかで盛り上がりました。まあ、日本で見ればそこそこおもしろい映画で終わったのでしょう。しかし、僕には忘れられない作品になりました。映画ってのはそういうものです。平均点が5点台の映画でも、それだけの力があるのです。 その力がなんか「日本で映画を見ている環境だと感じられない気がする」というのは変な懐古主義になりそうなのでやめますが、最初から評論家気分で見ないで「自分の映画の見方」ぐらいは変えてみようかなとは思いました。久しぶりの夫の方の投稿でした。 [映画館(邦画)] 8点(2013-11-16 22:51:25)(良:2票) |
3. 犯人に告ぐ
《ネタバレ》 妻投稿■原作未読…というより私の頭で処理できる小説の長さは少年探偵やズッコケ三人組が限界なんです(-_-;)。映画だって見ながらメモを取らないと構成忘れちゃうし(-_-;)。■さて、代休でバイトが早くに上がったので図書館で借りていたDVDを鑑賞。で、この映画の製作者、観客のストーリー予想である「妻に死なれた髭の刑事が、数年後若いボンボン刑事と最初反目しながらも、力を合わせて児童殺害犯人を追いかけるんだけど、その犯人が主人公の子供を誘拐して、2人で力を合わせて捕まえてみれば、数年前に子供を殺された父親だった」という王道展開を裏切り続ければ、サスペンスに求められる「先の読めなさ」「二転三転」を達成できると考えていたんじゃないだろうか。確かに、私も何回か「このボンボン悪いなあ」とか「奥さん生きているよー」とか「息子誘拐したのは犯人だと思ったあ」と言ったミスリードはあったんだけど、その感想は「へえー」「そーだったんだー、へー」というトリビアルな反応しかできなかった(友達が大病抱えていた縁で、奥さんが生きていたのは気分的にうれしかったけど)。なんていうか、ミスリードってのを「単にミステリーの王道を裏切る」事と混同しているだけに見えるんだよね。■ラスト目がかっと見開いたのって、「足柄のおじちゃん刑事の台詞が真犯人にしか知りえないものだった」というオチなのかとも思ったけど、そのままエンドールになっちゃうし。とにかく面白くない。 [DVD(邦画)] 5点(2011-09-05 15:34:19) |
4. 八仙飯店之人肉饅頭
《ネタバレ》 妻投稿■この映画残虐な映画というイメージがあるけど、女性に対する拉致監禁、恐怖を味合わせた上での殺害、死体損壊はショッカーの方がたくさんやっている。でもその被害者の命乞いや将来を断ち切られる絶望、家族の悲しみは、仮面ライダーではスルーで、後は平成版では特にイケメンの主人公によるチャラ日常が展開される。この映画では残虐な暴力、殺人シーンがあるだけで、話の展開は基本的に仮面ライダーと一緒なのだ。ライダーとかの冒頭でよく生きたまま毒ガスとかで骸骨にされるモブの女の子もよっぽど痛かったんじゃないかと思うし、元民間人の怪人を殺戮するライダーのノリはこの映画の警察官を連想させる。■映画の残虐シーンだけど、私はヤギ解体した事があって、シメル時にヤギって「殺さないで殺さないで」と言うように泣くんですよね。知り合いの話だと牛や豚も古いやり方で〆ていた時代は同じだったみたいです。やっぱり人間だけじゃなくて、動物も痛いとか怖いとか死にたくないという感情はあるんですね。私たちはそれを肉まんやすき焼きや牛丼にしているわけです。■今回はたまたまそれが人間になっただけ。うーん、こういう映画を見て「命の重さ」という教材を見た気になっている私って・・・アセ(←ただし、これは映画の感想です。現実の殺人事件に関しては深い憤りを覚えます)。 [ビデオ(字幕)] 7点(2011-07-09 11:45:41) |
5. ハート・ロッカー
《ネタバレ》 妻投稿■この映画の主人公は戦争に狂ってしまった・・・・のではなく、戦争に適応したのだと思う。この映画の主人公は決して狂ったわけではない事を私は主張したい。そのうえで評価すると。■私の友達の強姦被害者の言葉を、映画を見て私はずっと思い出していた。「私たちが戦わなければいけない感情は、怒りでも憎しみでもない。無力感だ」という言葉だった。暴力、虐待など圧倒的かつ予想不可能な力による死の恐怖に向かい合わざるを得ない状況下で、人間は無力感に押しつぶされやすい。実は人間の愚行、自分を傷つける、他人を傷つける、人生をダメにするという様々な悲劇のかなりの割合が「無力感」によって生まれているのではないかと私は思う。主人公は人間の生存、自己保護本能によって戦争に適応した。しかしそんな中でも彼は予想だにしない死の恐怖を、その果てにある無力感と戦っているのだ。この映画は、そういう極めて普通の人間の当たり前の姿、しかし平和のなかでは異端視されやすい姿を直視した映画であり、それ以上でも以下でもないのではと私は思う。■ただしそういう映像を表現するのに必要以上のカメラのブレはいただけない。私はカメラのブレは「カメラがその場に存在する」という現実味を与える事は出来ると思うが、「観客がその場の空気を感じる臨場感」を与える事は出来ず、むしろ逆効果だと思う。観客の人間の目って、日常生活でブレを意識したりしないでしょ? [DVD(吹替)] 8点(2010-11-15 22:25:17)(良:1票) |
6. ハムナプトラ/失われた砂漠の都
《ネタバレ》 妻投稿■スティーブン・ソマーズっていう監督は絶対子供のころ女の子に蜘蛛やイモムシを見せて気持ち悪がらせて喜ぶようなクソガキだったと思う。明らかにこれそういうノリで撮影しているだろ!!■しかしこの監督のかわいい所は、ジェイソンみたいなグロやホラーといった「怖がらせる」という「大人の行為」に頼らず(というより本人は絶対そういうものに興味がないと思う)、虫とミイラといったアイテムで、「気持ち悪がらせる」という「クソガキ精神」を観客に真正面から打ち出してくる事だ(多分本人はそれをやりたいのだと思う)。ヒロインが縛られてその体の上を鼠が這いまわっていたり、横にミイラが寝ていて「きゃーっ」というシーンは、スケベ中学生どころかスケベ小学生の趣向だ。■アルマゲドン級の砂嵐や後半最早ギャグキャラ化しているミイラ君たちは、冒険活劇における「ハラハラドキドキ」からは逸脱している気もするが、多分この時点で監督は批評家と化した観客そっちのけでやりたい放題の境地に達しているのだから、ここは素直に画面の前でスイカバーでもしゃぶっているのが定石。ミイラにされるアメリカ人の断末魔もなんかノリノリで、撮影現場は相当楽しい光景だったのではと推測される。 [DVD(吹替)] 8点(2010-07-06 08:58:38) |
7. バーバー吉野
《ネタバレ》 妻投稿■■旦那は服装や髪形、要は他人にどう思われるかという点において興味がないため、1000円の散髪屋に行っても「サラリーマン風」としか言ったことがないらしく、吉野刈りだろうと吉野ヶ里だろうと、それで自由だの人権だのにアプローチする原理が理解出来ないようで(よって「バーバー」という単語も理解できず、「ババア吉野」と間違ってました)。■■でも「てめーみたいな奴に●●する権利はない」という言葉は旦那(および他の自閉症者)は散々言われ続けてきた言葉なんですよね。「お前は幸せになる権利はない」とか「お前は俺の暴力を拒否する権利はない」とか・・・。でも彼は私と結婚してルームシェアまで作ってとりあえず普通とは違うけど他人(行政含む)のすねをかじらない生活を手に入れました。これは「誰から許されて」やったわけではなく「やっちゃった」事なんです。■■この映画が風刺していることは、自分の行動が「共同体に許されている」という事を求める日本人の特性ではないでしょうか。【sayzin】さんもおっしゃっていますが、日本は決して服装は自由な国ではないです。そうした中で、もたいまさこと子どもと街の人がほぼ平等に滑稽に思えるのは、「自分の権利や主張が通る」事ではなく「相手に許して認めてもらう」事を実はお互い求めている(そしてそれが上手くいっていない)からなんだと思います。自分の権利や主張が通るという事はそれで少なからず相手が困ること。憎みあい軽蔑されあうのは当たり前。いいじゃんそれで。今の社会はそうした一面を見ようとしないからね。 [DVD(邦画)] 8点(2009-12-30 17:58:17) |
8. バンビ、ゴジラに会う
妻投稿■私は旦那と地下鉄に乗るとき、一番前の窓から線路を見るのが好きなんですよ。地下鉄の駅間はだいたい2分なんですけど、洞窟探検みたいでとても面白いですね。といっても東京ディズニーシーのアトラクションよりは面白くないと思いますし、千葉モノレールの一番前よりは普通かな(*^_^*)でも、電車の中でうさんくさい広告を見せつけられたりするよりは絶対面白い。九段下から飯田橋、飯田橋から永田町を移動するだけのことなのに、ちょっと凄いことをしたような気分になることは間違いありません。■あと、給料日前で電気も食料もないときなんかは、防空頭巾(関東だと小学校で貰いますよね)をかぶって蝋燭の火で友達の畑で採れたイモや小麦粉で作った水団を食べることにしています。これが結構勉強になるんですよね。食事時間は2分。2分なんだけどただカップめんをわけあうよりはよっぽど有意義な時間ですよ■2分以下を舐めてはいけません。東京ディズニーランドにいけば2分のスリルを味わうために90分並ぶ人も多いですし、イルカタッチも2分ですし、アイドルやジャニーズと20秒握手するために北海道まで行くファンもいますし、殴るけるを2分されていたら1週間は跡が残りますし、北朝鮮のミサイルが日本に到達するのや、地震情報、会社面接、人工呼吸は2分が勝負です。■で、この映画は私にとって有意義な2分だったか…そんな考察は野暮ですね・・・・■まあ、このレビューを皆さんが読むのにかかった時間(推定2分)よりは価値はあるでしょう。 [インターネット(字幕)] 7点(2009-09-27 02:47:22)(良:1票) |
9. はだしのゲン(1983)
妻投稿■■8月6日、あの火の玉の中で何があったのか。人々はどのように惨たらしく死んでいったのか。全てを目撃させられた生き証人の方が命を削って表現した貴重な漫画、貴重なアニメであり、たぶんこのアニメによって多くの日本の方がショックを受け、原爆のむごさを実感したのだと思います。■■でも私はこの惨たらしい表現=現実がはたして「核廃絶」という形で米国の人に伝わるのかという点に疑問を感じます。私はパブロ・ピカソの「ゲルニカ」という絵の模写を見たことがあるのですが、なぜあんな無茶苦茶な絵が「戦争に対する怒り」という形で万国国民にストレートに伝わってくるのか。それは人が焼き殺される様子が幾何学模様で描かれていることだと思います。つまりあの絵の本当の恐ろしさは、平和な世代の人間の戦争に対する思い「惨いね」「かわいそうだね」という「幾何学的な感情」を強制的に抉り出して、見る人を戦慄させている(つまり観覧者を強制的に加害者にしている)事にあると私は思うのです。■■「はだしのゲン」はアニメという形で日本の子供たち、世界の子供たちに核のむごさを容赦なくつきつけました。これは偉大なことです。だから9点をつけます。でも核の惨さを知った欧米の子供達は、大人たちはどう思うでしょうか。「核は恐ろしい」→「海の向こうのあいつらが撃ってくるかもしれない」→「だったらうちらが核を持つことは正しい」と思っているのが今のアメリカだと思います。これは決して異常な感想ではないと思います。その理由は、この映画が現代の日米両国民の原爆に対する「幾何学的な感想」に気づかせ、「加害者になりうる」という事実を突き付けさせることに失敗しているからだと思います。 [インターネット(字幕)] 9点(2009-08-06 05:48:45) |
10. 母たちの村
《ネタバレ》 妻投稿■「やっぱりヨーロッパ人がとった映画だな」と思える小奇麗な感じの「ホテル・ルワンダ」の映像と違い、純粋なアフリカ原産映画なので(フランスと合作してますがファトゥマタ・クリバリはマリ人、監督はセネガル人、村人の大半はブルキナファソ人)、「クレヨンしんちゃん、アッパレ戦国大合戦」に通じる「原野」「荒野」の泥臭さと美しさを映像から感じます(現地の風習、家の中での仕草一つ一つも、アッパレ戦国大合戦みたいに丁寧で、新鮮さを感じます)。内容はホテル・ルワンダと同じように「強大な暴力から人を守り抜く」という緊迫感を描いた映画。「50万人もぶっ殺される」というあんまりピンとこない非日常的危機を描いたホテル・ルワンダに比べ、こっちは「場の空気」「一般常識」「人間関係」そして「男の人による理不尽な暴力」が描かれ、それは日本人である私にとっても日常想定内の事なので余計緊迫感は上がります。たぶんホテル・ルワンダやブラックホークダウンを見ても多くの日本人は「何であんな狂気が現実になるんだ」というだろうけど、この映画は「狂気」ではなく日本人が大事だと思っているものがとんでもない悲劇を生み出しているので、そういう意味では日本人にも容赦はありませんが、だからこそ「当たり前」に立ち向かうお母さんの姿は野原ひろしみたいに格好いいし、ラストモスクの上にアンテナが立っている描写は彼女らの勝利の象徴としてとても効果的な余韻を持たせてくれます。■私のお母さんは「知的障害者のはちーご=妻に断種手術を奨めなさい」という周りの圧力を拒否して私を守ってくれました。日本で強制断種を認める優生法が廃止されたのは1994年。女性が男の人から殴られたりせず、好きな人と子供を産んだり、性器を勝手にいじくられたりしない事は当たり前のようで当り前ではない、素晴らしいことです。「クレヨンしんちゃん 電撃ブタのヒヅメ大作戦」で男の生き様に入れなかった私ですが、この映画は女性が女性として生きる美しさを、ブタのヒヅメと結構似たような「額面通りさ」で見せてくれます。 それにしても何で私今日は何でもクレヨンしんちゃん基準なんだろ(?_?) あと人が殺される展開はいらない。 [DVD(字幕)] 9点(2009-05-29 02:56:33) |
11. バトル・ロワイアル
映画化すべきじゃなかった・・・。 [DVD(邦画)] 3点(2009-01-24 19:09:20) |
12. バック・トゥ・ザ・フューチャーPART3
《ネタバレ》 冒険が終わり見なれたニュータウンに帰ってこられた嬉しさ、懐かしさともう冒険が出来ない寂しさ。それらが静寂の中で表現された終盤は僕にとって忘れられない映画の1ページです。 [地上波(吹替)] 9点(2008-11-03 00:13:58) |
13. ハリー・ポッターと賢者の石
《ネタバレ》 ラストでインディージョーンズとハムナプトラを見た気分です。あとネビル君が引っかかった塔から落ちる時CGを使わずに落ちてくれたら、彼はジャッキーを超えていたのにと思うのであります(怪我するので本気にしないで) [DVD(字幕)] 7点(2008-09-16 23:34:04) |
14. バック・トゥ・ザ・フューチャー
《ネタバレ》 タイムパラドックスを扱った映画の中では良質である事は間違いないが、2および3に比べると見劣りしてしまう。車でタイムスリップする。何でタイムスリップするのか・・・それは時空移動じゃなくて時空冒険だからだと思う僕にとって、やはりBTFシリーズの盛り上がりは2と3にあると思う。 [レーザーディスク(吹替)] 6点(2008-08-06 12:01:41) |
15. パニッシャー(2004)
「殺人鬼、サディストは俺に気をつけろ」? あんたに言われたくない。 [地上波(吹替)] 6点(2008-02-29 23:00:01) |
16. バッドボーイズ2バッド
《ネタバレ》 kkkから黒人が出るシーン、パパネズミママネズミシーンは爆笑したものの、この映画は「何も考えずにアクションを楽しむだけの映画」としては失格である。なぜなら僕自身が「何も考えずアクションだけを楽しむ」為には、「主人公に共感できる」という要素が不可欠だからである。そしてこの映画にはそれが致命的に欠けている。①ボーイフレンドを脅す態度②サッカーを楽しんでいる兵隊が、「これなんだろう」とラジコンを覗いた瞬間にドカーン・・・他にもいろいろあるが、この2つには我慢できない嫌悪感を感じた(特に②は日本大使公邸の事件で殺された兵隊みたいでいやだ)。これがアクション映画の毒だというのなら、僕にだって点数を下げる権利はあるはずだ。どんなお馬鹿映画にも作り手としての自覚が必要なのだと僕は思う。 [地上波(吹替)] 4点(2008-02-12 23:04:01) |
17. パール・ハーバー
《ネタバレ》 妻投稿■私はゼロ戦が大好きで(ゼロ戦について詳しいわけではない)、モノホンのゼロ式戦闘機が飛んでいるのを見れるだけでこの映画の価値はあるんです。しかもモノホンの空母やアメリカ軍の軍艦をロケに使用して、爆破しているわけですから・・・。ただ、仮にも太平洋戦争のきっかけとなった真珠湾攻撃において、ベン・アフレックとベッキンセールの恋愛を見せ続けられるのは正直つらい。こういうのは映画館ではなく、9時ドラマで食傷気味なんで・・・。■真珠湾攻撃に対して私は人並みに知っているわけでもないのかもしれませんが、靖国神社の博物館を見る限り、ハル・ノートという無茶苦茶な要求を突き付けられたのが、日本を真珠湾攻撃に走らせたみたいです。つまり、日本が一方的に悪くないのだと思います。が、実際に自国兵隊を殺され、攻撃をされたアメリカ人に対して、「日本にもこういう事情があったんだ」「日本軍も我々と同じ人間なんだ」という見方を求めるのは虫のいい話で(そもそも暴力ってのはそういうものでしょう)、攻撃してしまった以上、日本人はその正当性や歴史的評価は別として米国人のそういう反応は理解すべきだし、当時の軍隊の首脳も予測すべきだったんだと思います。日本人だって原爆投下を絶対正当化出来ないわけですし。■とにかく、戦闘機を描いた映画では間違いなく5本の指に入ると思う凄い空中戦と、実際に人が死んでいくという野戦病院のシーン。戦争の高揚感と悲惨、また高揚感と悲惨という人間の愚かさがそのままループしたようなアドレナリン映画を見られた事に9は入れたいんだけど、そのループにどうでもいい恋愛を入れられた空気破戒を考えると7点が限界。 [DVD(字幕)] 7点(2008-02-11 01:24:52) |
18. パイレーツ・オブ・カリビアン/呪われた海賊たち
冒険ものとしては結構面白かった。あんな胸が綺麗なかわいいヒロインを骸骨海賊野郎から救うストーリーなんてわくわくするじゃないですか(ついでにかわいいヒロインが荒れくれ野郎にどんな目に会うのかにもわくわくしたような覚えが・・)。しかし、どうもビル・ターナーの過去とかそういうのが話を悪い意味でややこしくしている。アスレチックを舞台にダイハードみたいなアクションとかをやってくれたら、もっと面白くなったのになあと思ったりします。 [地上波(吹替)] 8点(2008-01-31 01:17:42) |
19. ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団
とりあえず思ったこと。魔法省の世界は世界の民主主義国ランキングで言えば120位くらいだろう。特定の人種への虐待の黙認、政府に不都合な人間の勾留、「アズカバンに連れて行くぞ」といった脅迫、教育への干渉、政府エージェントの教育現場での虐待の黙認、受刑者に対する精神的虐待などなど・・・。うち、魔法世界に行きたくねえ。Ⅹファイルに出てきそうなのはうようよしているし。 [映画館(吹替)] 4点(2008-01-31 01:02:08)(良:1票) |
20. ハリー・ポッターと炎のゴブレット
《ネタバレ》 ハリー・ポッターは大好きな作品だが、この映画はときおり面白いおっと思うようなシーンはあるものの、何かすべてが中途半端で映画としては面白くない。1作を1映画にまとめるのは無謀すぎるのだと思う。「ロスト」とか「プリズンブレイク」「24」みたいに連続ドラマでやってくれた方が絶対成功するし全てのエピソードが生きてくると思う。映画でやるならオリジナルストーリーでいい。面白い要素がいっぱい詰まった世界観なので、名監督や脚本家が作家主義に走って暴走してくれれば、あるいは現代社会に風刺的な俊作が誕生するのではというのが、俺の楽しい妄想だ。 [映画館(吹替)] 5点(2008-01-31 00:56:15)(良:1票) |