1. ブエノスアイレス
《ネタバレ》 いろんな相反する要素が、これみよがしに提示されている。 ということに圧倒されました。 愛と憎、接近と離反、束縛と解放、貞操と浮気、香港とブエノスアイレス、故郷と地の果て、ヘテロとホモ、執着と忘却。 これらは相反するようでいて、そういうわけでもないのだと、いう方向に全体が収れんしていく。のかなと。すごい力ワザであるといえます。 ヘテロ愛は一見全く描かれていないように見えますけれども、実は、ファンとウィンの関係を見ていくうちに、男と女でも、男と男でも、なんだかあんまり関係なくなってくるのです。 ファンとウィンのように抜き差しならないところまで行ってしまった個人と個人は、その性別がどうであれ、もうどうでもよくなってくる。 ウィンが女性であったならば、そのまま「魔性の女に翻弄される男」ということでいいわけですし、ホモ愛「だけ」を描いていながら、ヘテロ愛にも通じる普遍性も表現してしまっている。 しかしまあ…「別れよう」のあとに「いつかやり直そう」となどと続けて言うヤツは、男でも女でも魔性なのですわ。言われたほうは、たまらんなあ。ということです。虫がクモの網にかかったまま、放って置かれるというそんな状態なのですからして。 巧妙な省略によって、重要な部分を「行間」にしている作品でもあります。 結局、ファンとチャンの間に何かがあったのかなかったのかということは、観客の想像の中に置き去りです。省略されたのはこのシーンだけではありません。 香港に帰ったファンはもはやチャンのことしか考えていません。あんなに執着していたウィンのことはどこへ?…これが執着と忘却。 それにしてもまあ、やっぱりこの人は天才です。 [CS・衛星(字幕)] 9点(2012-01-15 21:42:49) |
2. フローレス
《ネタバレ》 ピンとこなかった。 どうもデニーロさんとの相性は悪く、彼が主演を張っていて面白いと思ったものがない。私はシューマカーは好きなのだけど。 ホフマンは常日頃から芸達者と言われているが、おカマ役にぴったりハマっていたとはとてもいえない状況。私の求める理想のおカマは「プリシラ」におけるテレンス・スタンプなので、それと比べたらとても足元にも及ばない「不出来なおカマ」であった。…ホフマン本人には、おカマ要素が不足しすぎていたのではないのかなあ。 そしてストーリー自体もどうということもなく、不出来な偽者のおカマと見飽きたデニーロさんの顔を見ているだけであくびが出そうなそんな作品。ボツ。 [地上波(字幕)] 5点(2010-08-14 21:33:28) |
3. ブッチャー・ボーイ
《ネタバレ》 いやー驚きました。 ニール・ジョーダンがこんなすごいものを作っていたなんて。 それなのに、完全無視されてきたために、この存在すら知りませんでした。 が、なぜ「完全無視」されてきたのかそれは見れば一目瞭然で、上映すらできない国がほとんどであることは容易に想像できます。特にアメリカなんか絶対に無理です。 まあ、承知のうえで作ったのでしょうし、コレで賞を取ろうとかゼニを稼ごうとかいうことは全然考えていないに違いなく、いい意味でも悪い意味でも作り手が「満足」する作品であるわけです。 そこんとこを考えてみたいのだが、「いい意味」で言うなら、こんなに妥協のない徹底した完璧な作品は本当に珍しいわけで、似たような意味で思い浮かぶのは「ブリキの太鼓」くらいのものでしょう。 どこにも妥協がない、観客に対するサービスなどハナから頭にない、そして、だからお話として素晴らしい。 いっぽう、この作品における自己満足の結果もたらされた「悪い意味」とはなんでしょうか。 それは映画として「愛されない」ということです。 フツーの観客はこの作品の登場人物の誰をも愛することはできませんし、自分を重ね合わせる対象も居ませんし、アイルランドの寒くてビンボーな風景に愛着を覚えることも困難です。百歩譲って言うなら現地の人々は多少違うでしょう。しかし、「オラが国のムービー」として自慢する対象には絶対にならない。 せっかく作った映画が、ほとんどの国で上映もしてもらえず、無視されて消えていくのです。 私はこの作品が素晴らしいということは全く認めますが、全然愛せません。 もう一度見たいとも、思わない。 フランシーが通行税を取ろうと夫人を脅す場面で、もう、ドン引きになってしまったのです。 フランシーはハードな家庭に育ったため同年代と比べて心身ともに「強靭」すぎて、強靭すぎることが、すなわちくじけることができないことが、その後の顛末となった理由なわけです。 そして、最終的にジョーに拒絶させることで作り手は「物語としての妥協のなさ」を達成しましたが、同時に「観客から愛される要素」もきれいに消し去ったのでした。 そして、私は「映画」とはやはり観客に愛されてナンボ…という気持ちが消せない。 観客に媚びず、なおかつ愛され、妥協もしない、というのが最高ですが…求めすぎ? [CS・衛星(字幕)] 10点(2010-04-11 00:56:12) |
4. フィッシャー・キング
《ネタバレ》 従来のアメリカ製映像コンテンツの中に「無いもの」ばかりを集めてみました、という実験的な作品なのではないかと思いました。 罪悪感にさいなまれ続ける男。 家族を殺されても復讐したいと思わない男。 セクシーだけど野心家でも高圧的でも威圧的でもなくて尽くしてしまう都合のいい女。 ブスではないがセクシーでなく不器用でもてない天然女。 どうでしょう、他の作品で見かけない顔ぶれですよね。 これらは通常のアメリカ製コンテンツの中では、 とにかく自己を正当化することに熱心で、罪悪感はカウンセリングで処理する。 家族の仇はとことん憎んで復讐する。 セクシーな女性は威圧的に男性を誘惑し、野心家である。 ブスでないのにセクシーでない女は存在しない。 というふうに必ずなります。 なので、ここまで揃うと「意図的」としか思われません。 そして、個人的には「実験」は成功したとはいえない…と思います。 これは「一部のアメリカ人」には大ウケしたかもしれないが、9割がたのアメリカ人には理解されず、パッとしないまま20年近く経って忘れられていくタイプの作品なのです。 そして、失敗の原因は一つではないがまずジェフ・ブリッジスというあまり個性的とはいえない俳優を主役に据えたこととか、ギリアムの笑いはどちらかというとダークなシチュエーションでこそ生きるタイプのものであるとか、ジャックとパリーのどちらも死なないハッピーエンドにしてしまったこととか、「聖杯」についての話とストーリーの関係があまりにもわかりやすすぎる…。ジャックに金髪の白人を使うなら、ニック・ノルティくらい個性的な俳優でなければダメですし、「12モンキーズ」でのダークな笑いのキレの良さを考えると今回はほのぼの明るすぎますね。 最初から最後まで「籠の小鳥を見守るがごとき神の視線」が感じられ、つまり「人間が何をしていてもカミサマにとっては可愛くて仕方がない」ということを意識させたかったのでしょう。 それはいいのだがギリアムはやはりダークなもののほうが本領を発揮できると思われます。実験的に作品をつくるとやはりこういうことになりますね。 受賞は女優に対してではなく現実には存在しない「都合のいい女」に対する男性陣からのエールだったと思いますよ私は。「やっぱりね」という感じです。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2009-12-07 16:06:05) |
5. ブラック・セプテンバー/五輪テロの真実
《ネタバレ》 あまりにもお粗末なドイツ当局の対応に、衝撃を感じた。 だいたい、戦場でもないのに2時間も銃撃戦が続くということが異常である。そして、ドイツ側が複数の同士討ちをしてしまっているという悲惨さ。「夜の闇」を利用しようとしたが完全に裏目に出た結果となった。 もっと驚くのは、ドイツが生き残った3人の犯人を、裏交渉によりハイジャックを装ってシリアに引き渡したということだ。なんという腰抜けぶり。開いた口がふさがらないとはこのことだ。 死んだ犯人の遺体まで返還してやる親切ぶりで、彼らは英雄となった。ドイツはテロに対して無力であることを自ら認識し、今後のテロ攻撃の対象としないことを条件に要求に応じた…らしい。 「超法規的措置」の日本人がこういうことをいうのもおこがましいが、これでは死んでも死にきれまい。 イスラエル選手は無駄死にとなり、怒ったモサドは復讐する。 が、アフリカに隠れているというたった一人の犯人の生き残りが、顔を隠してインタビューに応じた(ことになっている)。 さて、これは本物でしょうか。私はやらせだと思います。他の2人が殺されて、どんなにお金を積まれても今の彼には安全に勝るものはないはずだ。しかも「アフリカにいる」とわざわざ情報提供しているのはなぜなのか。 もしも本物だとすると、彼が出演した目的は「金」か「あの事件の正当性を主張するため」しか有りえない。 しかし、やらせだとすると、「どこかに隠れている本物をおびき出すため」に、偽者を出してわざと違うことを言わせて怒らせようとした、と考えられないだろうか。 モサドですら発見できないこいつの居所をどうやって突き止めたのかという疑問もあるし、タカが映画のために危険を冒してインタビューに応じるなどとはとても思えない。 さて、非戦闘時に非武装の一般人を殺したり監禁したり虐待するのは、普通の人には許せないが、犯人たちにとっては「テロ」ではなく「ゲリラ戦」の一部だったので、ちっとも悪いとは思っていなく、アラブ世界では英雄になったのである。そして、イスラエルはオリンピックで人質事件を起こしたりしないから紳士的なのかというと、きっとそうではないからここまでされた…のである。 すると、「テロ」なのか「ゲリラ戦」なのかとか、一方的にテロリストを憎むことで済むのかということになってくるが…個人的にはやっぱり嫌だ。これは平和ボケというものかしら。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2009-02-21 15:04:03) |
6. ブルー・イン・ザ・フェイス
《ネタバレ》 い~~ですねーっ。 キラ星のごときスターたちが、フラッと訪れてはなにかヘンなことをやっていく。 タバコ屋のオヤジであるカイテルの常に一歩引いたスタンスが、有りそうで無さそうで、でも有り得たとしたらとっても難しい生き方だろう…と思わせます。 どのへんまでが脚本でどのくらいがアドリブなのか…というのもこの作品になお興味をそそらせます。 あんまりにもナチュラルなのでほとんどアドリブなのかと思わせといて、実はドットの妙な態度のデカさは店主の妻だったせいということも最後のほうで明かされるし、ヴィニーが店を売りに出したというエピソードを主軸にした、けっこう緻密な構成がされたうえでのナチュラルさ、なのではないかと考えています。優れた作品は地道な計算のうえに成り立っていると思うからです。…が、どうしても演技とは思えないのがルー・リードで。 ルー・リードが繰り返しあらわれて人を喰った話しかしないことがなんともいえぬリアリティをかもし出し、「ルー・リードのとこだけもっかい見るかな」とまで思わせます。芝居が見えてしまっているジム・ジャームッシュよりなんといってもルー・リードです。 自閉症のジミーの後姿も印象的だし、短パン姿のイっちゃってるM・J・フォックスもいいし。マドンナがあらわれた時は、すぐには気がつかず「なにか妙にごっつくて顔色の悪い姉ちゃん…」と思われた。 人種問題の双璧とされる(?)スパイク・リーの「25時」、ポール・ハギスの「クラッシュ」と比べて見てみましょう。もうシリアスはおなかいっぱいです。流血も殺人ももうけっこうです。「混沌を愛でる」とはたぶんこういうことなのです。「愛でる」ということは「マジにならない」でありそれは「一歩引く」ということです。ハギスを見て考えこんでも、暗い気持ちになるだけです。ならば、「混沌」は「愛でる」のが正解ということなので、スコセッシの初期作品でイキがったチンピラをしていた若きハーヴェイ・カイテルが30年後にたどりついたところそれが「ブルー・イン・ザ・フェイス」なのです。 合言葉は「俺は吸い込んでないから」。すばらしい。 [CS・衛星(字幕)] 9点(2009-01-16 16:26:55)(良:2票) |
7. WHO AM I?
《ネタバレ》 最後までしっかり鑑賞するつもりで見始めたら、嫌になってやめてしまう映画というのがある。こないだスカパーでやっていた「ライアー」がそれだった。あんなに魅力的なキャストだというのに、30分も見ないうちに、どうにもこうにも辛抱ならず。 さて逆に、最後まで見る気などないのに、やめられなくなって、しっかりエンディングを迎えてしまう映画というのもある。本作がそうだった。 「興味はないがたまにはジャッキー・チェンの顔を3分くらい見てみるか」というノリで見始めて、エンディングロールまで見てしまった。恐るべしジャッキー・チェン。 これは脚本・監督もジャッキーが参加しているから、ジャッキーの本音が色濃く出ていると思っていいのだろう。それで、私はジャッキー・チェンという人がいかに「言葉」に重きを置かないか、ということについて改めて気付いたのだった。 ジャッキーは英語なんぞで大事な言葉を語ったりしない。や、べつに山本未来より英語が下手だとか、そういうことはジャッキーにとっては重要ではなくて、ジャッキーにとって英語はやっぱり自分の言葉ではないんだ。 ジャッキーは執拗に、英語を否定する状況を生み出し続ける。英語の通じないアフリカ原住民、せっかく英語の達者な山本未来と巡りあえても、薬草を噛んだせいでずっとしゃべれない。 アフリカ原住民のセリフに字幕をつけなかったことは、明らかにジャッキーの意図であろう。彼はこう言いたい。「言葉以外の要素で、この映画を味わってくれ」。 私はこの映画には「英語、それがナンボのもんじゃ」というジャッキーの反骨心を強く感じる。もちろん、小谷野敦の言うような、英語を母国語とする人々の「英語万能主義」を前提としての。 0.2秒しか映らなかったけど本人は嬉しかったであろうケイン・コスギには笑ったし、山本未来の英語はネイティブに近いと感心したし、ジャッキーのアクションも「スタント有り得ず」という「安心感」をもって堪能できる。 ジャッキー・チェンは言葉によって人間の真実を伝えようとする方法を否定し、どんな窮地に陥ってもシリアスに突入することを拒否し、この映画を撮った。自ら演じた。大したもんだ、と言っとく。 *アフリカの砂漠に突如「三菱石油」、「ふそう陸送」が大写し。シュールだなあ。CM料もらっているだろうな。ま、許す。 [CS・衛星(字幕)] 8点(2007-08-29 12:31:11)(良:2票) |
8. ブレイン・スナッチャー/恐怖の洗脳生物
《ネタバレ》 しょうこりもなくまたスカパーを見ている。 SFやホラー系はBC級まで幅広く網羅しているつもりだったが、これは未見。 ちょっと邦題に悲惨さを感じる。原題は原作どおりイカしているのになあ。 ヒロインの髪型や服装に時代を感じる。が、男性にはほとんど時代を感じなかった…。 さて、本作は13年前の凡庸な監督の作品としては、なかなかの出来と思った。 見せ方もそうダサいものとは感じられず、アクションも悪くないと思う。 私は寄生生物のキモさに目をそむけたくなった。触手が、触手がプルプル…。 黒人の友達がカメラ目線で「あいつにだけは寄生されたくないぜ」と言ったり、アンドリューの不自由な足がラストでちゃんと効いてくる、などのあざとい演出はあるが、まあそういったお約束どおりの展開のわりには、飽きさせず、最後まで楽しめる。 何よりサザーランド父の存在感には脱帽した。彼も今では「キーファーのお父さん」と呼ばれるようになってしまって、嬉しいのか淋しいのかどちらだろ。 しかしまあ、父はすごい俳優さんなのであった。エイリアンから「お前は手ごわい人間だ」と言われるに足る人物を、余裕しゃくしゃくで演じきった。 善玉であるにもかかわらず、「この人何か悪いこと企んでいるのでは」と思わせるのは難しそうだ。サザーランド父はそういったキャラに本当にぴったりだ。あの意地悪い目、他人を嘲笑うかのような口元、やー、サザ父の存在感はすごい。 息子役の俳優がイマイチ無名でパンチに欠ける役者さんであったため、なおさら父が強調され、父に始まり父に終わる作品となったのであった。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2007-08-20 11:14:38) |
9. プリティ・ブライド
前々から疑問に思っていることがある。なぜハリウッド映画には、「好きな男につっぱっていた女が心を入れ替えて自分をさらけ出してダラダラとコンプレックスを告白してなおかつ求愛して男がそれを受け入れハッピーエンド」なるパターンの話が多いのか?どこらへんにどんな需要があるのか?ドラマとしてはちっとも興味を持てないのだが。タカビーな美人をへこませてやりたいという製作男性陣の復讐心なのか?それとも女から求愛しないといかんというお約束でもあるのか?いいかげんにしてくれないか?ラスト近くでこのテの告白場面が始まると、またかよー、と心の底からうんざりして早送りに励むのであった。 [ビデオ(字幕)] 4点(2006-02-22 22:56:17) |
10. ブレードランナー/ディレクターズカット<最終版>
《ネタバレ》 ヨドバシで聞いたらなんと廃盤だと言われたけどほんとですか。仕方なくツタヤで汚いビデオ。 ううむ。確かにむかーし見た劇場版とラストが違うように思うな。原作読んでませんけど、ちょと興味ぶかいと思ったのは、「4年」ていう期間の区切りの意味。「感情が芽生えるころに死ぬように」ですよね。「4年」て意味深だよねー。だって「4年」て「異性間の愛情が持続する期間」て説があるでしょ。「4年」で相手を取り替えていくのが「自然」の理に適っているという。それがほんとかどうかは知らないが、どうも「4年」ていうのは人間の感情生活において「ひとつのターム」なのではないでしょうか。そんでレプリに感情が芽生えるまで4年。意味深だ。あと、ロイがデッカードを助けた理由は、「他人と会話することでまだ生きて(stay)いることを確かめていたい」と、「せめて誰かに看取られて死にたい」だと思います。しかしまあ、久ーしぶりに見たけど説明が無さすぎて本当に疲れた。《追記》日本とキリスト教圏イスラム教圏の観客では人造人間に対する受け入れ方は全く違うものであると思われる。「人間と変わらぬ外見をもち、感情もある」なら仲間として受け入れるかといったら、それは「創造主」を信じる人にとっては「絶対に」受け入れることはできないはずだ。なぜなら彼ら「人造人間」は「神のつくりたもうた生命」ではないから「祝福」されていないのだから、自分たち人間とは「絶対に」同じではないし、まして「仲間」ではない。だから「物扱い」できる。創造主のいる世界では、神に祝福された者(母親から産まれた者)だけが「人間」であって、どんなに相似形であっても根本的に違う。ロイがAA級のネクサスであってもそれは同じ。仏教圏や儒教圏の作品ではないのでそういった前提で観る必要がある。 [ビデオ(字幕)] 8点(2006-01-29 01:00:43) |
11. ブロークダウン・パレス
《ネタバレ》 「ミッドナイトエクスプレス」の女版。女版だけに「ミッドナイト」よりはソフトになっている。しかし「出られない」。なんか「女を罰している」のか? [ビデオ(字幕)] 6点(2005-12-16 20:34:49) |
12. ブレア・ウィッチ・プロジェクト
《ネタバレ》 けっこうおもしろかった。個人的には、映画は最後まで飽きずに興味をもって見られればまずよし。残り時間が惜しくなるほどのものはなおよし。見終わった後、繰り返し見ずにはいられないもののうち、購入せずにいられなくなるものが殿堂入り。皆さんはいかがでしょう。 ブレアウイッチは、「1」はおもしろく見られたよ。なかなかうまく作ってる。ヘザーは白人の女優としてはブスだけど、こういうときは、「目がデカい」ことがものをいう。新人フイルムメイカーさんの努力作には、とりあえず敬意をはらおうじゃないかー。 [ビデオ(字幕)] 8点(2005-12-10 00:40:32) |
13. プライベート・ライアン
《ネタバレ》 個人的には、全体を流れるテーマは「地獄の黙示録」と同じ「正気を保てるのか」であったように思う。ただ、めざすものが、「更なる狂気をもつに至った人物」ではなく、「ナンセンスな使命」であったのだよなあ。生還したウィラードと違ってミラーは死ぬ。出番の少ないマットがよし。話題の冒頭シーンについては、「狙いすぎ?」。 [ビデオ(字幕)] 7点(2005-11-23 13:37:25) |
14. ファーゴ
《ネタバレ》 うーん、見る人が見ればきっと違うのであろう。なぜアカデミー賞。 ある評論家が「妊娠小説」という言葉を発明したが、これは「妊娠映画」。 見ている間とにかくずーっと腹が重いのよ。だから息切れしながら見てるような、おかしな感覚なんだって。「はやく産んじまってくれよ、気になるから」だ。狙いといえばあまりな狙い方じゃ。疲れるので再視聴はなし。 [DVD(字幕)] 7点(2005-11-21 23:31:05)(良:1票) |
15. フォレスト・ガンプ/一期一会
《ネタバレ》 思わずゼメキスを見なおす気持ちになった一作。それぞれのエピソードが、印象的。ベトナム戦争のところが特に好きですね。ゲイリーシニーズの大尉よかったー、戦争中が特に。「俺を助けるな」ってね。ところでこれは複雑な作品ですが、一人の被虐待児女性の不幸な一生の物語として見ることもできる。ロビンライト演じるヒロインの足跡だけを追っていくと、ああなってこうなって、どうしても自分を肯定することができなかった上に、エイズで死ぬか、という超のつく不幸ぶり。ここにもなぜかアメリカの性的虐待が重要なテーマとして描かれているんですなあ。 一番泣けるポイント、私の場合は、フォレストが「僕は、いい夫になると思うよ」とプロポーズするところです。泣けます。ここまで言われたら、素直に嫁に行け、ジェニー。ここのセリフを考えただけでも、ゼメキスは天才。 [ビデオ(字幕)] 8点(2005-11-20 16:02:01) |
16. フル・モンティ
《ネタバレ》 ザ・イギリスの貧乏。労働者階級ライフ。普通の人が脱ぐというのはなんでこんなに面白いんでしょうか。「カレンダーガールズ」の男版。こちらが先ですが。「普通の人が脱ぐ」のって、イギリスの文化なの?踊って脱いでる人が目の前にいたらついつい見てしまう、これ以上シンプルな表現方法ってないですよね。秀作です。 [地上波(字幕)] 8点(2005-11-20 14:19:34) |
17. ファイト・クラブ
《ネタバレ》 「ゲーム」は好きだけど、「セブン」は嫌いだ。そして、これは好き。 なんだか「アメリカンサイコ」を思わせる雰囲気。オチが分かっていたら、絶対楽しめない。 しかし、情報なしで見たので楽しめてよかった。ブラピは軽ーく楽しんでやってる感じ。セブンの時の力みがだいぶとれたようだ。「スパイゲーム」のリラックスぶりといい、やっぱり主役じゃないほうがいいのかも。ブラピ、今からでも脇役へ転向して助演男優賞を狙え! [ビデオ(字幕)] 9点(2005-11-13 20:53:51) |
18. フォー・ウェディング
《ネタバレ》 おもしろい。結婚式ごとにエピソードがあって、話が進んでいくのがよい。イギリス人がアメリカ人の女をどう思っているか、というのがけっこう重要なテーマかもしれない。これはもしかして、「超性格悪いイヤーな女」にころっといってしまうイギリス男を描いているかも。誰が友達になりたいと思いますか、あのアンディと。「イヤな女」って、男から見ると全然そうじゃなかったりするのねー、という映画。だけど、脇の話がおもしろいため、映画としては○。 [DVD(字幕)] 9点(2005-11-06 23:40:53) |
19. フライド・グリーン・トマト
《ネタバレ》 これは「女どうしの友情」じゃなくて「女から女への片思い」を描いた作品です。 これが「友情」に見えますか。彼女は神様に身を捧げているので、どうしたって片思いにしかならないのですね。そして、「カラーパープル」の主人公がもしも富裕な白人女性だったなら、このように行動することもできたであろう、という仮定の話でもある。「男性に屈しない稀有な女」を、前時代の中で描いている作品。 [DVD(字幕)] 8点(2005-11-06 23:17:50) |
20. プリシラ(1994)
《ネタバレ》 すばらしい。オーストラリアはだいぶ違いますね。映画はこうでなくっちゃ、という感じ。テレンスのダンスがあまりにも下手なのが悲しい。個人的には、クレジットと同時進行するヴァネッサの曲(楽譜を購入したほど思い入れのある)をヒューゴが口パク、というのが、最高によかった。この世のものとは思えないほど美しい。おかまなのに。 [DVD(字幕)] 9点(2005-11-06 23:07:04) |