21. フォレスト・ガンプ/一期一会
《ネタバレ》 以前、特に何を借りようとも決めずにレンタルビデオ店に行き、この作品が目に留まった。《よし、今まで興味も湧かなかったけれど、この際観てみるか》と手に取った瞬間、脳の後ろ辺りに一瞬「えび」という単語が浮かんだ。《……うん…?えび?》と不可解に思いつつ、帰って観てみた。観進むに連れて脳内に「えび…えび…」という声が響き渡り、ある時点で「えびの話が出て来る!」と確信した直後、本当に出て来た。そこでやっと気付いた。「…これ、わし、前に1回観てるやん」。あの、えびに関するくだりまで、1度観たことをすっかり忘れていた。世間的評価が高くても、自分にとっては全く心に残らない作品だったのだな…とその時思った。でも1回目は気付かなかったことも分かって得はしました。ジュニアがハーレイ君だったということは初見時は知らなかったし(「シックス・センス」以前に観たから)。ちなみに、何でえびのことだけ頭に残っていたのかは全くもって不明。ほんとに不可解。自分が不可解。全くもってどうにかしている。 7点(2004-02-10 20:27:09) |
22. フルメタル・ジャケット
これは「戦争」そのものというより、「狂気が戦争から生まれ、戦争を餌に更に増殖すること」を描いた作品のように思えた。戦場という極限の絶対的暴力の場では、今まで生きて行く上で何重にも貼り付けて来た理性の被膜など、いとも容易く剥離される。そして現れるのは人間の本質。そんな純粋な状態で狂気の渦の中に浸り続ければ、それに毒されてしまうのは明らか。その狂気は人間を苦しめ、逃がしてくれない。1度極限の狂気を見た者は、見る前とは明らかに根本的なところが決定的に変質してしまう。今だってそういう者はどんどん生産されている。恐ろしいことに、この作品で描かれたものは過去の遺物ではない。戦争も狂気も普遍物だ。だからそれゆえにこの作品は、未来永劫淘汰されず残り続けると思う。それが良いことか悪いことか、私には判断が付かない。 7点(2004-02-06 22:41:36) |
23. プライベート・ベンジャミン
《ネタバレ》 ゴールディ・ホーン、恐ろしく可愛い。35歳であんなに若く可愛いなんて反則ですよ。世間知らずで無垢なお嬢様が自立した大人の女になって行くその姿はかっこいい。ストーリーや展開は突っ込み所も多いけれど単純に楽しめる。ラスト、ずんずんと歩いて行く彼女の凛とした後ろ姿は清々しいし、爽快。自立する女ものとしては「キューティ・ブロンド」より好きかな。 7点(2004-01-21 15:55:37) |
24. ファストフード・ファストウーマン
《ネタバレ》 ああ…私何やってんのかな」的な、ちょっと女性には心に痛い映画かも。35歳、迷走する主人公。そして大どんでん返しの馬鹿馬鹿しい嘘みたいなオチ。しかしそれが逆に新鮮。何か分からないけど、ふよふよ浮遊してる内に勝ち組になっちゃった、という女性のたくましさ。それを演じきるアンナ・トムソンの魅力。彼女のコケティッシュな存在感なしでは成り立たない映画でした。何ともいい空気を出す女優です。 7点(2004-01-05 13:28:26) |
25. フォーリング・ダウン
もっとキワモノでアナーキーで滅茶苦茶な話だと思っていたのだけれど、ひょんなことから道を踏み外していく人間の姿を描いた社会派ドラマだった。安全圏にいる人間でも、怒りやフラストレーションが臨界点に達したら、誰もこの作品の主人公のようにならない保障はない。私だって、あまりにも理不尽なことにブチ切れたことも何度もある。それで立場を悪くしてしまったことも。だから一概に他人事とは思えない映画ですね。 7点(2003-12-30 19:01:45) |
26. フェノミナン
人間は本質的に孤独だと思う。人は自分の脳みその中から一歩も出ることなく生き、死ぬ。確かに、絶対的に存在するこの世界は確固としているけれど、そこに70億人いれば70億人分、それぞれの脳で処理され、それぞれの網膜に映るそれぞれの全く異なる世界がある。人はつまり、100パーセントの主観の中に生きている。1つの世界を内包し、内包されている。主人公はそれを知ってしまった。そしてそれを、本当は誰もが知らなくてはいけない。世界とは自分であり、自分とは世界であるということ。人が1人死ぬということは、1つの世界が未来永劫喪われるということ。I can change the world.僕は世界を変えることが出来る。それは誰だって、いつだって。最後の瞬間が来るまでは。“自分が変われば世界は変わる”それは格言だと思う。ほんとうにほんとうのことだと思う。 6点(2004-12-19 14:16:45) |
27. フランケンウィニー(1984)
犬ちゃんが何てかわゆい。いやほんとかわゆいな~あのツギハギ感。うちの犬も生き返らせて欲しいよ。生き返っても骨だけど。近隣の住民はアホばっかですね。特にあのおっさん、子供がいるのに火ィ点けたぞ。どうにかしてるよ。警察に突き出しなさいって。 6点(2004-08-03 20:49:06) |
28. ファイナル・デスティネーション
《ネタバレ》 B級ホラーは敵やら黒幕やらトリック明かしやらが出て来た頃から急速に失速することが多いけれど《ex)ジーパーズ・クリーパーズ》、これはそういう“恐怖の対象”なるものを最後まで“目に見えず手ごたえのない得体の知れない何か”だと割り切ったまま突っ走ったのが良かった。つまりは“運命”だってことかな。作品の雰囲気としては、「悲惨なコント」もしくは「油断したら死んじゃうアトラクション」という感じ。良いですね。 6点(2004-03-19 22:42:18)(良:1票) |
29. フォーエヴァー・ヤング/時を越えた告白
《ネタバレ》 ところで10代の若い方は、この頃のイライジャが「アメリカで最もセクシーな12歳」とか言われてた事実を知らなかったりするのだろうか(笑)。目がくりくりで顔もまだ四角くなっていなかったあの頃は本当に可愛らしかったですね。私はリアルタイムでイライジャ君やカルキン坊やの子役時代を見て来たので、むしろ「ディープ・インパクト」でイライジャが大きくなったのを見た時にかなりびっくりしました。何であんなに不思議な顔立ちになってしまったのでしょうか。映画のレビューというよりイライジャのレビューになってしまいました。映画自体は、“幸せになった浦島太郎の話”という感じです。 6点(2004-02-15 16:22:10) |
30. BROTHER
北野武の初のハリウッド資本の作品だというのに、映画館はガラガラだった。内容的には「武さん、色々な所に遠慮しちゃいましたね…」という感じだった。アートとエンターテイメント、日本とアメリカの狭間でのジレンマがあったのだろうと思う。結局は煮え切らない半端な印象を受けた。展開も過去の作品の焼き直しが多く、「えっ、デ・ジャ・ヴ?」と思うようなシーンも。あと、古典なヤクザ描写(切腹、指詰)はアメリカ人受けを狙ったと本人が言っていたけれど、やっぱりちょっと日本人からするとベタベタで安易過ぎる…。うーん、難しいですよねえ、多国籍映画って。 6点(2004-02-02 21:31:52) |
31. ブラック・レイン
大阪がまるで異国のよう。「こんなの日本じゃねえ」と思いつつ、不快で侮辱的な感じはそれ程はしない。毎度うんざりするふざけた日本描写満載の他のハリウッド映画と比較すると、かなりまともな方。タラはこの作品の日本描写にダメ出しをしていたらしいけれど、あいつにその資格があるのだろうか(笑)?そしてあの松田優作の迫真の演技。お、鬼のよう…。その鬼気迫る演技には敬意を表したい。役者魂ですわ。 6点(2004-01-29 20:54:48) |
32. ブロークダウン・パレス
アホなヤンキー娘の自業自得ストーリーであることは確かだけれど、これは誰の身にも起こり得ることだと思う。どこの国でも似たような事例は幾らでもあるし、現在進行形でまたどこかで新たに起こっているのも確か。海外に行ったら気を付け過ぎる位に気を付けるべし。そういう教訓映画として観たらよろしいのではないかと。まあ、作り手がタイ(てゆうか東洋全般)を馬鹿にしているのは確かでしょうけど。そう言えばクレア・デーンズは主演作のプロモでフィリピンを訪れた時、「マニラはゴキブリの匂いがする」とか言っちゃって大騒ぎになって、フィリピンで超絶バッシングされてたこともありましたね。 6点(2004-01-28 19:26:46) |
33. フリー・ウィリー
確かに何の新しさもないけれど、普通にそつなく作られている作品だと思う。ただ、製作者側は「動物虐待はしていません」と高らかに前置きをしていたけれど、それはありえないだろうとは思う。動物にとっては訳の分からない状況下で訳の分からない人間達に囲まれているってだけでも相当なストレスだから。観ていてそれがひどく気になった。まあ、派手な見せ場などはほとんど作り物のシャチらしいですけど。それが救いでした。 6点(2004-01-19 15:21:04) |
34. フレイルティー/妄執
恐ろしいラストが評判だったので、観ながら《どうやったら1番恐ろしくなるかな…うーん》と自分なりに推理をして、《そうだ、本当の意味で1番怖いのはコレだろう》と結論を出したのが、まさにビンゴ!で、自分でびっくり。いや…でもアレは本当に恐ろしいですよ。アレはね…。考えれば考えるほど恐ろしいオチですよ。視覚的な怖さではなく、思考や思想や精神世界に抵触する怖さを感じる作品でした。 6点(2004-01-15 15:38:01) |
35. プリティ・ウーマン
ジュリア・ロバーツをスターにした映画ですねぇ。みんなが求めていた分かり易いシンデレラ・ストーリー。今観るとダサいのに、やっぱりそれでもどこか小洒落た雰囲気がある。当時この映画のホテルに日本人カップルが殺到し、みんな苺とシャンペンを頼んだらしい。泣けて来ますよバカップル。こういうことするから、海外で日本人が馬鹿にされます。あとこの映画のジャケ写の2人の写真が首から下はボディ・ダブルだって知った時はか~な~りショックだった。 6点(2003-12-21 20:45:28) |
36. ブレア・ウィッチ・プロジェクト
宣伝媒体の使い方が素晴らしかった。インターネットや雑誌、各種メディアを利用して、「映画学校生の謎の行方不明事件」という擬似現実を世界規模で作り上げてイベント化した、その総合戦略は10点。でもそれを全く考慮せず映画だけを観れば、2点位のものです。劇場で観たこともあってちょっと厳しいです。でもこれを超えるイベント映画は今後もそうそう出て来ないのではないかと思う。200億円超の制作費で2000億円稼いだあの船の映画よりも、300万円の制作費で200億円儲けたこの映画の方が、考えてみたら凄いのではないかと思う。総合評価で6点。 6点(2003-12-19 20:02:53) |
37. ファミリー(1983)
実話ですね。この前某バラエティー番組で再現ドラマを観ました。その家族愛というテーマを愚弄する気は一切ないのだけれど、映画としては、妙に分かりやすい泣かせ描写に走っている気がして、ちょっと納得出来なかった。ただ、知人にこの作品を「世界で1番泣ける映画」と言っている人もいることも事実。涙もろい方はリットル単位の涙が出ます。 5点(2004-02-06 13:22:59) |
38. フル・モンティ
「イギリス労働者階級どん詰まりモノ」は好きなのだけれど、これと「ブラス!」はなぜだか世間的な評価ほどハマれなかった(近年の代表的なものなのに…)。以前TV番組の「世界オロロン滞在記(仮名)」で、勝村正信がイギリス行って同じことやってました。嫌で嫌でたまらないのを我慢して頑張ってたところ申し訳ないけれど、引きました。イギリスではこの作品のように普通のおっさん達が実際に男性ストリップをやってます。 5点(2004-02-04 20:23:40) |
39. ブラス!
イギリスの労働者階級ものの映画が好きなのだけれど、これは珍しく私の心にはヒットしなかった。この作品は確か近年のそういう作風のイギリス映画が日本で取り沙汰されるようになったきっかけの作品のように記憶しているのだけれど。何が悪いというものは別に1つもない作品ですが、なぜか私の心を普通にスルーして行きました。何でだろうな…。 5点(2004-01-21 16:40:18) |
40. FRIED DRAGON FISH THOMAS EARWING'S AROWANA<TVM>
当時20歳位の、少年でもなくかといって完全な大人とも言い切れない微妙な時期の浅野忠信を見れるだけでも、お得な感じのする作品。華奢でめちゃめちゃ可愛いんですよ。女心というか、母性本能をくすぐります(笑)。危うくも無垢なテロリスト。美しい。たまりません。ちょっと一味違う彼の魅力を見れた感じ。でも岩井俊二監督作品としては、画的にちょっと物足りないかな。彼の持ち味の映像美がちょっと薄味かと。 5点(2004-01-20 19:14:23) |