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目隠シストさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 2252
性別 男性
ホームページ https://twitter.com/BM5HL61cMElwKbP
年齢 52歳
自己紹介 あけましておめでとうございます。
今年もよろしくお願いします。

2024.1.1


※映画とは関係ない個人メモ
2024年12月31日までにBMI22を目指すぞ!!

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41.  ブライズメイズ 史上最悪のウェディングプラン 《ネタバレ》 
主人公のキャラクターが面白いです。スピーチで無駄な意地を張ったかと思えば、接客では本音を隠さず仕事をクビに。飛行機内では酔っぱらって大失態。パーティでは我を忘れて大立ち回り。社会人なら普通に出来る“自制”や“我慢”が、彼女は出来ないワケです。どうです?馬鹿でしょう。でも許せる(許したくなる)のは、裏を返せば私達が普段したくても出来ない事をやっているから。もっとも馬鹿をやった代償はキッチリ払わされているので、羨ましくは無いのですけども。主人公が右肩下がりでドツボに嵌って行くストーリーは、一歩間違えば、“痛痛しくて見ていられない”となりかねません。しかし、素直に笑える仕掛けが施してありました。それは、新しい彼氏の存在。彼女にも幸せになるための道筋が用意されていました。ただし、完璧なハッピーエンドとは言えません。彼女の“ケーキ作りの才能”は結局活かされぬまま(彼氏との仲直りには役立ちましたケド)。前フリ虚しく、最後まで事業再開は叶いませんでした。でも、それも仕方のない事。本作の帰結は、“ダメな自分を改める”ではなく“ダメな自分と付き合っていく”というもの。彼女は何も変わっていません。直したのは車のテールランプだけ。反省なく事業に再挑戦したところで、成功するはずがありません。バカコメディの中に社会の厳しさが垣間見えました。彼氏との未来は漠然とした希望。でも其処には有耶無耶に出来ない現実が存在しています。それは盛大な結婚式にかかったであろう莫大な費用と同じ。浮かれ気分に水を差す苦い現実は、程良いスパイスでありました。邦題からも分かるように、本作は『ハング・オーバー』の女性版といった趣。使いまわしが利く設定です。それに結構良いキャラクターを揃えたので、本作限りは勿体ないです。ということで続編希望。意外とイイ奴&引くほど変態の百貫メーガンさんのウエディングで、もう一悶着お願いします。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2013-11-21 18:55:49)(良:1票)
42.  50/50 フィフティ・フィフティ(2011) 《ネタバレ》 
日本で“難病もの”と言えば、“最後は主人公が死んで悲しい泣けるお話”と相場が決まっています。一時期邦画で大流行しましたし、夏にTV局発のキャンペーンでアイドル主演のスペシャルドラマが製作されることでもお馴染みです。刺身に醤油、トンカツにソースと同じくらい定番の味付け。ですから本作の軽やかアッサリ風味の味付けは、単純に新鮮でした。泣かなくてもいい難病もの。これだけで技あり。観賞に値すると考えます。【風味=音楽】は軽くても、旨味はしっかり、コクもあるのが素晴らしいです。主演のジョセフ・ゴードン=レヴィットは、今をときめく堺“半沢”雅人を彷彿とさせるアルカイクスマイルが印象的。あの頬笑みは、おそらく心の防波堤。ガン告知前から爪を噛んでいた点からも、主人公の不安定な内面が窺い知れます。今回の一大事は、そんな主人公を激しく揺さぶりました。露わになる心の隙間。欠けていたピースは何だったのか。それは親子の絆だった気がします。「愛している」それだけで繋がれるのは肉親だからこそ。息子に「初めまして」と挨拶していた父親に蘇る家族の記憶。胸が締め付けられました。お父さん役の俳優さん、MVPです。揺さぶられた事で人間関係も篩いに掛けられた模様。「難病の彼氏を支えるアタクシってステキ!」な勘違い女とキッパリ別れられたのは不幸中の幸いでしたが、何より彼がツイていたのは、親友が側に居てくれた事でしょう。デリカシーって何?それ美味しいの?な奴ですが、「50%のギャンブルなんて最高じゃん」と言い切り、彼女の浮気を躊躇なくチクれる(しかも本人の目の前で!)ガサツさに、主人公は随分と救われたと思います。本当の優しさを知っている男でした。セス・ローゲンには殊勲賞を差し上げましょう。カウンセラーと患者という関係から始まる恋物語は、「結婚したのか?オレ以外の奴と」でお馴染み某携帯恋愛ゲームと同じくらい激しくツッコミたい衝動に駆られますが、彼女の方に打算が感じられないので許すことにします(笑)。お幸せに!
[CS・衛星(字幕)] 8点(2013-10-03 18:58:15)(良:3票)
43.  ファイナル・ジャッジメント 《ネタバレ》 
危機感や恐怖心を煽って入信を勧誘する手法は、古今東西を問わずどの宗教でも行っている常套手段。危機は具体的に、恐怖は切実である方がより効果的です。そういう意味では、尖閣問題で外交緊張が高まる折、中国(劇中ではオウラン)による日本侵攻というタイムリーな設定を用いたセンスは正しいと感じます(ただ、武力衝突も無しに、ある日突然併合されるという設定にリアリティは感じませんが…)。さて本作の目的は、ラストに行われた主人公の演説(説法)に集約されていました。この主張を際立たせる為に100分近くが費やされたと言ってもいいでしょう。然るに、肝心の演説が全く心を打ちません。既存の宗教を全て容認すると語る一方、主人公が説く“神”による価値観の統一を強要するのは明らかな矛盾です。オウランが日本併合時に行ったダブルスタンダードな施策と何ら変わりありません(おそらくこの不条理を製作者が理解していないのが一番怖い)。演説ひとつで問題解決という点も説得力を欠きますし、その後の次第を字幕で説明という手抜きも酷いと感じました。この完成度では、もはやプロパガンダとは言えない気がします。最後にどうしても触れておきたい宍戸錠について。ほぼ役作りを放棄したとも思える大根ぶりは、晩年の丹波哲郎を彷彿とさせる異次元の味わい。こちらの方が余程神懸かっているような。(以下余談)レンタルDVDでの鑑賞でしたが、正直言って下手なAVより借りるのに勇気が要りました。長女からのリクエスト『うちの3姉妹』と次女のリクエスト『プリキュアオールスターズ』に挟んでカモフラージュしてレジに出しましたが、お姉さんの表情がいつもより怪訝そうだったのは…気のせいでしょうね。
[DVD(邦画)] 3点(2013-08-13 22:37:41)
44.  ブレーキ(2012) 《ネタバレ》 
痛みを拠り所とする拷問では決して口を割らないであろう男から、情報を聞き出すために仕組まれた壮大なギミック。彼の一瞬の気の緩みを突く作戦です。おそらく機密事項について、目星はついていたのでしょう。ただ最終確認がしたかったと。うーん、それなら一応理屈は通ります。でも釈然としません。というのも、仕掛けの数々に“必然性”が感じられないからです。その象徴となるアイテムはタイマー。他のレビュワー様もご指摘のとおりです。4分毎のカウントダウンは、単に観客の気を惹くためだけの設定に思えてしまいます。言わば観客を釣るための撒き餌のようなもの。そりゃ釣られた方は、いい気はしません。大オチにしても中途半端。観客はサプライズがお好きですが、気持ちよく騙されたいのです。
[DVD(吹替)] 5点(2013-02-21 18:58:37)
45.  プロメテウス
和食を食べたくて入った割烹が実は鰻屋だった、みたいな映画でした。確かに鰻も和食だし、そもそも鰻は大好物だし、ていうかこの蒲焼めっちゃ美味いし。流石老舗の味です。でも、何となく釈然としないんですね。何なんでしょう、この感じ。
[ブルーレイ(吹替)] 6点(2013-01-31 18:55:03)(笑:1票) (良:1票)
46.  ファイナル・デッドブリッジ 《ネタバレ》 
シリーズ完結の体裁ですので(とは言いつつ続編がありそうな気もしますが苦笑)、シリーズ全体を含めた感想を述べたいと思います。基本コンセプトは“死に様博覧会”。悲壮感やリアリティを排除し、エンターテイメントに特化しています。痛いの、グロいの、仕掛けのアイデアに感心するもの等様々。悪趣味な趣向ではありますが、あくまで“不可抗力な事故”であるため、不快指数は低めに抑えられているのが特徴です。2作目に続き、本作では生還要件が示されていますが、真剣に捉えていたのは一人のみ。登場人物からは、「どうしても助かりたい!」という必死さが伝わってきません。それもそのはず。人は未確定なものに対して鈍感になれる生き物だから。寿命を縮めると分かっていても、飲酒やタバコを止められないのと同じ。姿を見せぬ死神の余命宣告は、医者のそれより効果が薄いのか。なかなか興味深いと思います。1作目に繋がるエンディングは確かに技ありだとは思いますが、無理矢理全員殺さなくてもいいんじゃないかと思いました。戦争モノ以外で、これほど命を軽く扱った映画も珍しいかと。
[DVD(字幕)] 6点(2012-06-30 20:40:16)(良:3票)
47.  フリーズ・ミー 《ネタバレ》 
画面に映し出される『フリーズ・ミー』のミは右肩上がりの鏡面文字。凍らされるのは、私ではなく、あなた。彼女が殺した男たちのことです。でも、タイトルは通りでもある。彼女は自分自身の心をも凍らせた。思考停止。感情氷結。全ての事柄を一時停止するための冷凍保存です。それでも彼女は、当初遺体をバラバラにするつもりでした。ちゃんとノコギリも買ってきた。しかし、遺体を処理する事で自身が犯した罪と向き合うことに、彼女は躊躇したのでしょう。でも一時停止はいつまでも続かない。遺体が溶け出したように、彼女は感情を取り戻しました。一歩踏み出した先は、未来ではなく自身を終わらせること。彼女は逃げ切れませんでした。弱いヒロインを井上晴美が好演しています。そのたくましい体躯は、戦う力を感じさせるもの。戦えるのに、戦わない。そのもどかしさが、観客自身に問い掛けます。あなたはこんな時、戦えますか?戦っていますか?と。
[DVD(邦画)] 6点(2012-05-04 19:50:05)
48.  フェーズ6 《ネタバレ》 
感染した兄を切り捨てるシーン。車の鍵をあらかじめ外していた事から、兄は弟たちの行動を予測していたと推測できます。そもそも彼が作ったルール。でも助かりたいのなら、銃の弾も抜いておけばいい。兄がそうしなかったのは、弟に自らを撃ち殺してもうらう為だったと考えます。弟の手にかかって死にたい。さらに弟に生き延びるために必要な覚悟を植え付けるため。兄から弟への最後の餞でした。しかしその思いを、弟は受け取っていたとは思えません。兄を荼毘に付した直後、弟は自らのマスク焼き捨てています。もういい。こんな生き方は沢山だと。彼は海に辿り着ければ、それでよかったのだと思います。そもそも希望なんて最初から無かった。しかし感染後の兄と接触しながら、弟は発症していません。彼はウィルス耐性を持つ“選ばれし者”である可能性が出てきました。これは本作で示された唯一の希望。抗ウィルス剤を研究する医者も、感染した娘を持つ父親も、結局手に出来なかったもの。しかしそれでもなお、弟の口から前向きな言葉は聞かれません。今まで失ってきたものが多過ぎるということ。親、兄、そして、良心。でもそんな人の心とは無関係に、砂浜はあくまで美しく、波は絶えることなく打ち寄せてきます。希望があろうが無かろうが、人に出来るのは生きることのみ。いや、生きようと願うことのみ、なのだと思いました。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2012-05-01 19:37:52)
49.  プリンセス トヨトミ 《ネタバレ》 
『大阪国』や『実は生きていた豊臣家の末裔』といった本作のウリとなるファンタジー設定は、物語上の肝ではありません。大切なのは、その御伽噺を父から子へ代々受け継いでいたという部分。引き継ぐものは“天皇制”でも、“秘伝の焼き鳥だれ”でも、“上手なカブトムシの捕り方”でもよかったワケです。傍からみれば“どうでもいいコト”でも、当人にとってみれば、何より大切な宝物。松平の強硬姿勢が覆ったのは、物質(金)から精神(親子の絆)への、また公人(会計検査員)から私人(大阪の男)への転換を意味しました。本来は此処で大きな感動を生まなければならなかった。ところが松平の心変わりの意味が分かり難いのです。ターニングポイントとして、松平への銃撃が必要だったのか疑問でした。あれでは、彼が暴力に屈したと取られ兼ねません。松平VS真田の直接対決。いくら怒号が飛び交っても、モノが投げ込まれても、シャレで済むレベルでなければダメです(投げ込まれた“わなげチョコ”は、まさしくそういうコトでしょうに)。本作はサスペンスではなくヒューマンドラマ。場面転換に松平を昏倒させたいのなら、たこ焼きにでも滑って転べばいい話。リアルな暴力は不要であったと考えます。ティム・バートンの『ビッグ・フィッシュ』と同じく、父子の絆をファンタジーで描いた作品でありながら、涙腺決壊したかの作品と比較すると、本作の感動指数はかなり低めと言えそうです。以下余談。皆様のレビューを読んで、綾瀬の胸元に着目した意見が多い事に安堵いたしました。自分だけエロいワケじゃなかったんだ!みんなエロくていいんだ!!
[CS・衛星(邦画)] 5点(2012-04-16 19:52:10)(良:1票)
50.  ファイナル・デッドゲーム
“死神のピタゴラスイッチ”でお馴染み『ファイナル・ディスティネーション』シリーズと勘違いした人半分。DVDパッケージのあらすじを読んで、ダークな『ジュマンジ』を連想した人半分。DVDレンタルで本作を鑑賞した人の割合はおそらくこんなところでしょう。劇場公開時からタイトルが変更になっていること、またDVDパッケージのデザインから、前者については確信犯。後者についてもなかなか巧妙なやり口です。言わば二段構えの詐欺です。前述のヒット作にあやからなくては誘客を見込めないと踏んだ配給会社お得意のやつ。確かに日本で名の売れた役者は出ていないし、作品自体もオカルトスプラッターとして特徴がない。可もなし不可もなしという言葉がぴったりのC級映画でした。主役不在な点も困りものです。
[DVD(字幕)] 4点(2011-12-13 22:24:58)
51.  怖来 《ネタバレ》 
(ネタばれあります。ご注意ください) (ネタばれあります。ご注意ください)(ネタばれあります。ご注意ください)だ・だ・だ・だ・だじゃれ・じゃーーーーーん!!!!!
[インターネット(字幕)] 3点(2011-09-13 21:56:30)
52.  プレデターズ(2010) 《ネタバレ》 
本作最大の欠点は生還要件が厳し過ぎることです。エイドリアン・ブロディは「船を奪って捕虜となっていたプレデターに操縦させる」と言いますが、幾らなんでも無茶というもの。ある程度現実的な希望がないと、“生き残ってやろう”という気が失せてしまいます。そういう意味では、舞台設定の種明かしは最後でも良かったかと。やっと敵を倒して空を見上げたら月が2つありました的な。結末の感じでは続編製作が可能なので、次作でちゃんとオチを付けてもらいたいと思います。原点回帰とも言えるジャングルでのサバイバル戦は、『プレデター』らしくて良いと思います。ただ、プレデター攻略法としては、さほど目新しい部分は無く、1対1でヤクザに遅れを取ってしまうプレデターはちょっと頂けない。でもお気軽に楽しめるSFシリーズという点を評価し、チョイ甘めですが6点進呈いたします。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2011-09-07 19:52:30)(良:1票)
53.  武士道シックスティーン 《ネタバレ》 
皆が竹刀を振るう中、磯山が手にするのは木刀です。武蔵が巌流島で手にした櫂の木刀。少なくとも彼女の意識の中では。“試合”ではなく“死合”、“打つ”ではなく“斬る”なのだと思う。真剣勝負。遊びの剣道に負けられない。負けるはずが無い。その想いが彼女を支えています。一方、西荻が手にする竹刀はどうでしょう。彼女は勝ちたくないと言う。本気で勝負して負けるのが怖いと言う。相手に打ち込む気概の無い刀は、穂竹のように撓るばかり。剣士の刀ではありません。たった一度負けた相手に固執した磯山。一見して“嫌な奴”を慕う西荻。2人が惹かれ合ったのは、自分に欠けている“必要なもの”を相手の中に見つけたからだと思いました。父親の生き様に呪縛された者同士、何か通じるものがあったのでしょうか。まさに“縁”です。異なる価値観を取り入れることで、2人は新たな自分を発見しました。でもそれは楽しい事じゃない。一度獲得した自分の基準を崩すのは苦痛なもの。特に磯山にとっては、自らの生き方を否定しかねない危うい行為でした。事実、磯山の刀は一度折れましたし、西荻の剣は乱れに乱れました。でも乗り越えたからこそ、今の2人が在る。折れた磯山の刀は力強く再生し、西荻の刀には芯が入りました。16歳。青春真っ只中。この時期にどんな人と出会ったか、どんな経験をしたかで、その後の人生が大きく変わる。「私を見つけてくれてありがとう」そんな台詞が言える友と出会えた事は一生の宝物。「剣道をやっていればまた会える」やせ我慢で平静を装う磯山が切ないです。切ないけれど羨ましい。2人はきっと、素敵な大人になってくれることでしょう。
[CS・衛星(邦画)] 8点(2011-08-13 21:25:21)(良:3票)
54.  フィッシュストーリー 《ネタバレ》 
一握りの天才や偉大な指導者のおかげで、私たちの文化文明は発展を遂げてきたのだと考えます。その他大勢はその恩恵を受けてきただけ。何か申し訳ない気がする。人は“社会の歯車”と称されますが、自分の存在などちっぽけ過ぎて、小さなビスにも満たないと思えます。たった今、自分が消えたって何の支障もなく世の中は回っていく。それが現実。生きている意味を考えた途端に、自己の存在価値を見失う。だから、売れないロックバンド『逆鱗』のたった1曲の歌が世界を救うという筋書きに、強く勇気付けられました。自分も生きている意味がある、そう思えることが本当に嬉しい。『フィッシュストーリー』という楽曲にスポットが当たっていますが、見方を変えれば実に多くの人たちが世界を救う役割を担っていたことに気付きます。原作を日本語訳したハーフ顔の男、その本を家に持って帰ったおばさん、正義の味方をコックに雇った汽船会社の人事担当、多部ちゃんに数学の楽しさを教えた先生…。“友達の友達はみな友達だ”ではないけれど、世界中全ての人が何かの役に立っている。こじ付けかもしれない。でも、こんなホラ話なら大歓迎です。ただ、物語の構成自体はテクニカルだとは思いませんし、『アヒルと鴨~』もそうでしたが、ストーリーに中弛みを感じるのは中村監督の短所だと思います。でもキャスティングの的確さとメッセージを伝える技量の高さがマイナスを十分に補っていると感じます。今後も原作伊坂+監督中村のコンビに期待します!
[DVD(邦画)] 8点(2011-03-30 21:05:33)(良:5票)
55.  仏陀再誕 《ネタバレ》 
仮想の敵を創出し民心を掌握するやり口は、お隣の大国の例を見るまでもなく、よくある使い古された手法。サイキックバトルもご指摘のレビュワー様もおられるように、『幻魔大戦』の如きノリ。プロパガンダ映画としてもファンタジーアニメとしても新鮮味はなく、失礼な言い方ながら「子供騙し」にもなっていないと感じます。仏教はある種の人生哲学。生きていく上での心の持ち様を説いたもの。絶対神を信仰しなければ地獄に落ちるという類の宗教ではありません。この一点を取ってみても、本作で推奨されている思想は仏教とは似て非なるものだという事が分かります。というか超常現象の数々を見るにつけ、仏陀とキリストが混同されているような気がしてなりません。よく言えば“良いとこ取り”悪く言えば“節操が無い”。そんな本新興宗教の正体が見えたという意味では、製作者が意図していない部分のプロパガンダは成功していると言えるかもしれません。意外だったのは、再誕の仏陀の名前が「空野」であったこと。てっきり「大川」、じゃなきゃ「大山」「太川」みたいな名前だと思っていたので。このあたり、控えめなのはちょっと微笑ましいです。
[DVD(邦画)] 3点(2011-03-21 18:29:47)
56.  フライング☆ラビッツ 《ネタバレ》 
物語の原型は『エースを狙え!』そのものです。しかし口当たりは随分と軽い。というか物足りない。主人公が壁を乗り越える過程に問題があると考えます。例えばバスケット選手への道のり。彼女の長所は合気道の身のこなしと人の動きを読む力。確かに強力な武器ではあるけれど、バスケの技量は素人以下です。そんな彼女が周りの先輩たちに短期間で追いつくためには、あの程度の練習では無理だと思う。仕事と恋愛の方も然り。彼女は彼氏の心を掴むために、大事な仕事を投げ出しました。けれどペナルティは甘々だし、結果彼氏も逃さなかったというイイトコ取り。それで「私は2兎を追って2兎とも手に入れる」と息巻かれても共感するのは難しい。彼女が課題解決に向けて、どう取り組んだのかきちんと見せて欲しかった。苦手なシュートを克服するために、どれほどの練習を積んだのか。仕事への取り組み姿勢をどう変えたのか。そこが大事かと。バスケ1流・恋愛2流・CA3流で満足したらつまらない。「半ラーメン・半チャーハン」じゃなく、ラーメンもチャーハンも、おしるこも、全部一人前平らげなきゃ。彼女には、自身の器を大きくするための努力をして欲しいと思いました。JOMO監督のベタ過ぎる台詞や、柄本和尚の「アンパンマンの歌」は、正視できないほど恥ずかしかった。脚本のセンスには疑問符が付きました。正直出来はイマイチだと思いますが、石原さとみは確かに可愛かった。また、女性アスリートにグッと来るタイプの御仁は、観て損はないでしょう。
[CS・衛星(邦画)] 5点(2011-02-24 21:26:48)(良:1票)
57.  ブレーキ(2009) 《ネタバレ》 
“ブレーキを踏んだら、捕らわれの恋人に毒が注入される死のドライブゲーム。あなたならプレイヤーにブレーキを踏ませるために、どんな仕掛けや障害を用意しますか?”大喜利でこんなお題が出たとしましょう。とりあえず小遊三あたりが「道路に穴を掘っちゃう」。続いて好楽が「バイクや車で邪魔するってのは」。まあ、前菜はこんなもの。この後の頭脳派円楽の理詰めのトラップ、木久扇の天然ボケがメインディッシュですから。ところがこの大喜利はいつまでたってもメインが出てこない。似たような前菜が何皿か出て終了。円楽や木久扇はおろか、昇太の未婚ネタ、たい平の嫁話さえなし。山田君いじりや歌丸のデスネタも観たかったのに。これでは大喜利として成立していない。本作はそんな映画でした。原作が『リアル鬼ごっこ』の作者と知っていたので、期待値のハードルは目一杯下げておいたのに、見事にコケました。これはちょっとナイなあと。一応どんでん返しはありますが、座布団十枚の賞品がボーナスだったのに、棒とナスが出てきたみたいな失笑レベル。そうそう、谷桃子のベッドシーンも酷かった。彼女が脱がないのは承知していましたが、まさかシーツでグルグル巻きとは。80年代のアイドル映画かと。そんな格好でセックスする奴を見たことあるのかと。こんな事なら、ちゃんと“お仕事”が出来る恵比寿マスカッツに発注してやってください。
[DVD(邦画)] 1点(2011-01-10 17:27:05)
58.  フローズン 《ネタバレ》 
印象としては、雪山版『オープン・ウォーター』。また、最近流行のソリッド・シチュエーション・スリラーにも該当すると思われます。プロデューサーも当ジャンルの代表格『ソウ』と同じ。この手の作品はある意味“出オチ”のようなものだと考えます。極限状態という設定は観客の興味を引くには打ってつけですが、極限がゆえにその後の展開に幅が無い。観客の期待値を上回るのは難しいと考えます。本作もやはり出オチの感は否めませんが、善戦している方だと感じました。まず伏線の張り方が丁寧でした。事前の会話に出てきた「パウダースノー」という単語は観客に“雪面は安全なもの”という先入観を植え付けましたし、ナンパ男がボーダーではなくスキーヤーであったことにも意味がありました。そして何より、彼らの行動に不自然さを感じなかったのが良かった。そう、自分も彼らと同じように考え、同じようにチャレンジしたと思います。ですから、真っ先に自分も死んでいる訳ですが(苦笑)。着衣を繋ぎ合わせて紐にするとか、火をおこすとか(最初タバコは持っていた!)、アイデアはいろいろありますが、所詮は結果論。あの状況では思いつかないだろうなと。彼らはしかるべき手順を踏んで、死ぬべくして死んだ。助かった人はラッキーといったところでしょう。そもそも、窮地に追い込まれた時点でアウトということ。納得の結末でした。東京では夏に封切られたようですが、うちの地域では11月下旬から上映開始。寒さが身にしみてきた時期ゆえ、身につまされました。コレを見てスキー場が怖くなるというよりは、マナーはきちんと守ろうと思う人の方が多いと思います。
[映画館(字幕)] 7点(2010-12-03 20:11:32)(良:2票)
59.  ブラック会社に勤めてるんだが、もう俺は限界かもしれない 《ネタバレ》 
主役に小池徹平を配したところがミソ。これがリアルに冴えないニート面ならば、痛々しくて笑えなかったでしょう。イケメンが持つある種の余裕が、物語から程よくリアリティを殺ぐ役割を果たしていました。かといって同じジュノンボーイでも溝端淳平あたりだと整い過ぎていてダメ。小池の低身長は、観客の感情移入を助ける親しみ易さでもあります。リーダー役の品川はハマリ役。お笑い芸人の中でノンスタ井上に次ぐと言われるムカツキ度を遺憾なく発揮していました。でもそれって褒めたことにならないかな。ブラック会社とは法に抵触するほど劣悪な労働条件の企業のこと。生活のため仕方なく勤めているだけだから、向上心など無く、良好な人間関係など望めはしない。そういういう意味では、曲りなりにも達成感を味わえるこの会社は、マシな方なのだと思う。高度経済成長期の会社員物語が植木等の無責任男シリーズとするならば、本作は格差社会を象徴する物語とも言える。寂しいことだけれど、嘆いてばかりもいられない。まずは自分が変わること。自分が変われば、周りも変わる。それがこの会社に芽生えたチームワークという芽。それを育てられるかどうかは彼ら次第です。これはどんな組織にも当てはまること。今風の題材ながら、テーマそのものはオーソドックスなものだったと思います。
[CS・衛星(邦画)] 6点(2010-11-27 21:28:48)(良:3票)
60.  ファイナル・デッドサーキット 3D
このシリーズも本作で4作目。結構な人気シリーズです。長続きの秘訣は、“工夫を凝らして殺しちゃおう!”という基本フォーマットを愚直に守り続けていることです。こう書くと職人気質を褒めているみたいですが、実際は単なる悪ふざけです。生還要件を付け加えようと試みた2作目が傑作に思えてしまうほど、他の3作品に代わり映えはありません。でも、それが結果的に功を奏した気がします。マンネリズムを大らかな気持ちで楽しむが吉。そういう映画だと観客に周知できたのではないかと。どうせタイトルなんて誰も覚えていないので、次回作は『ファイナルデスティネーション・柴又慕情』で問題ないです。マドンナ役にはパリス・ヒルトンをオススメしますが、某ホラーで既に脳天を貫かれているのでインパクトには欠けるかも。日本人なら某ゴージャス姉妹の姉と某人気占い師を推薦しておきましょう。この手の悪ノリはセレブにウケそうなので、キャスティングには困らないのでは。
[CS・衛星(字幕)] 5点(2010-11-09 19:13:03)(笑:4票)
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