1. 旅愁(1950)
知名度の割に作品数が少なかった、ハリウッド随一の憂愁美人ジョーン・フォンティン三大名作の一つ。(他は「レベッカ」「忘れじの面影」)アメリカの女優にありがちな、押しつけがましさを一切感じさせない、清く澄んだ湖のような深みのある底光り的美貌の持ち主でしたね。アメリカ渡米直後のヒッチコックが、2本連続で彼女を起用した気持ちがよくわかります。サスペンスにぴったり合う繊細な雰囲気の女優さんなんて、アメリカじゃなかなか希少価値だったろうし。この作品自体は、イタリア名所旧跡観光を兼ねた、あくまで口当たりの良い上品な大人にのラブロマンスという域を出ない気がしないでもない。でもリタ・ヘイワースの「ギルダ」などと同様、観ているうちに、全盛期のジョーンの美しさにおハナシなんかどうだってよくなってくる、スターの輝きで魅せる映画だと思います。相手役の淡泊系ジョセフ・コットンもカッコいい。96歳という長寿で昨日他界されたとの事。お姉さんのオリヴィア・デ・ハヴィランドとの、長年にわたる確執は結局生前に解消されたんでしょうか・・・?心安らかに、天に召されたであろうことを心から願います。 [DVD(字幕)] 8点(2013-12-16 21:56:50) |
2. リオ・グランデの砦
フォード監督騎兵隊三部作の中ではこれが一番好きです。僕はジョン・ウェインと鉄火肌の「テクニカラー女優」モーリン・オハラのコンビが大好きなんです。てんで融通が効かない頑固無骨一点張りのウェインの奥さん役には、彼女くらいの華とじゃじゃ馬的気質がないとバランスがおかしくなったちゃうんですよ。確かラストあたりに、茶目っ気たっぷりな表情でオハラがパラソルをクルクル回してウェインを見つめるシーンがあったかと思うんですが、やけにそのシーンが突出して印象に残っています。でも騎兵隊ものっていうのは、やっぱり西部劇とはジャンルが基本的に異なるような気がするなあ・・・。 [ビデオ(字幕)] 7点(2012-11-21 23:50:22) |
3. 猟奇的な彼女
チョン・ジヒョンのキュートな魅力がすべて。この監督の次作「ラブストーリー」とこれ、どちらが好きかと映画ファンに尋ねたら、おそらく95%以上の人が絶対こっち!って言うんじゃないかと思われる。実際「ラブストーリー」のレビューでも、この作品との比較論が多いこと多いこと。さて、残りの「ラブストーリー」支持少数派5%の方は、おそらく俺と映画の好みが絶対似ている方だと思います(笑)これからも末永くよろしゅう頼みます!!(←意味不明)なんだかんだ言って、もう十年以上前の映画なんだよなあ・・・これ。考えてみたら「シュリ」と並んで、韓国の映画やドラマを日本市場でメジャーに押し上げた先駆け的作品だったんですよね。 [映画館(字幕)] 7点(2012-06-04 00:53:31) |
4. 竜馬の妻とその夫と愛人
木梨のテレビのバラエティコントレベルの拙演に中井も鈴木京香もペースを保てず、ズルズルと引き摺られてしまったって感じの失敗作ですね、これは。笑える箇所なんてほとんどなかったし。市川監督の資質とこういう映画は合わなかったような気がするなあ・・・。 [映画館(邦画)] 4点(2011-09-12 14:33:47) |
5. 理由(2004)
《ネタバレ》 極めて異常で凄惨な殺人事件を題材に扱っているにも関わらず、なんとなく爽やかで且つファンタジックな後味が残るのは、この一種独特の大林監督の演出手腕ゆえという事なんでしょうか。多くの手練れ役者がひしめくこの映画でも、僅かな出演場面にも関わらず「大人になる前の少女たち」が、誰も彼も皆魅力的に描かれていますね~。かつてヒロインを演じた小林聡美・中江有里・宝生舞なんかを差し置いて。実はそこが一番大林監督作品らしいなあと自分は思いましたが(笑) [DVD(邦画)] 6点(2010-01-25 15:47:21) |
6. リトル・ミス・サンシャイン
《ネタバレ》 優れたロードムービーのお手本のような愛すべき佳作。捨てキャラ、不要なシーンすらひとつも見当たらず。何気に買ってたエロ本でさえ後で伏線になっていたり、長男の色弱が判明するシーン(←その前にちゃんと病院で前フリがある)では、あまりの脚本の巧みさに自分は思わず唸ってしまった。それにしても「リトル・ミス・サンシャインコンテスト」って・・・、ネーミングとは裏腹に、何て不健康でジメジメしたコンテストなんだろう。居並ぶ幼女たちが次々と媚を観客に売るトコなんか、なんだか全身がムズムズしてくる。かつて「ジョンベネちゃん事件」をワイドショーで観てた時に感じたモノと同種の、生理的にいやあな感覚、痛々しいというか不健全といおうか。もちろんお腹がちょこっと出た幼児体型のオリーブちゃんだけは別。自分はストレート過ぎる家族団結ものは苦手だけど、こういうちょっと変化球気味で、ピリッとスパイスを効かせた作品は大好きです。登場人物一人一人が抱きしめてあげたい程いとおしい、そんなアメリカ映画って最近なかなかなかったと思います。もしキャストアンサンブル賞とかあったらこの作品にあげたい。 [DVD(字幕)] 8点(2007-10-22 10:46:02)(良:3票) |
7. 理由なき反抗
自分もこの映画の初見はテレビ放映です。どうしてジム(J・ディーン)にどんぐりまなこのプラートウ(サル・ミネオ)が、あんなにしつこくまとわりつくのかよく判らないって思いました。↓トナカイさんも書いておられますが、ジムとジュディ(ナタリー・ウッド)は二人っきりになりたいんだって、邪魔しないで空気読めよ~って。でも最近、「セルロイド・クローゼット」(9点)というドキュメンタリーを観てようやく納得。彼のあの一連の行動は、友情の延長線上に存在した精一杯の愛情表現だったんですね。この映画の脚本家自身が証言している事なので間違いないと思います。もちろん当時としては、ほのめかしの描写にとどまっていますが、ロッカーに貼ってあるプロマイドや、その他のシーンにも彼がゲイであるっていう描写や台詞を散りばめたそうです。主役のジムにとっては父親に対する鬱積した感情のみの「理由なき反抗」でも、プラートウにとっては「ちゃんと理由有る反抗」だったんだなあって。だけど、なんだかんだ言って一番記憶に残るシーンは、チキンレースのスタート時、ナタリー・ウッドのスカートがふわっとめくれ上がった後駆け出すシーンだったりする・・・。 [地上波(吹替)] 8点(2007-01-28 10:32:09) |
8. 力道山
《ネタバレ》 はっきり言ってプロレスにもあんまり興味ないし、「力道山イコール街頭テレビの象徴」位の認識しかなかった自分でも、この映画にはガツンと来る重量感を感じました。まるで力道山に真上からのしかかられたかのような・・・。一番悔しかったのは、まぎれもなく戦中戦後のこの日本を舞台にした映画なのに、何故日本側優先のスタッフで製作出来なかったのかって事。確かに、今の日本にこの映画の主役を張れる役者がいるのか?って問われれば、ソル・ギョンクのこれだけの熱演を見せられた後では、正直言葉につまってしまう。十年前の赤井英和なら・・・あるいは吉川晃司あたりを30キロ太らせたら・・・でも違うかあ・・・。「韓流」映画にではなく「韓国」映画にしてやられた!っていう敗北感ですね、これはもう。あえて難をひとつ言えば、中谷美紀が演じた妻の部分がやけに美談めいていて、嘘っぽい事くらい。武藤も船木も(←この辺は知ってる)なかなか演技巧いじゃないすかあ! [映画館(字幕)] 7点(2005-10-31 14:35:26) |
9. リトル・ロマンス
ダイアン・レインの着てた洋服がすごく似合ってて可愛かったです。男の子が二枚目じゃなかったのが逆に良かった。大林映画における尾美としのりと同じ立ち位置だと思うんですが・・・。 [地上波(吹替)] 8点(2005-09-27 15:01:06) |
10. リトル・ダーリング
僕が映画ファンになった頃、ファン雑誌の読者投票ではソフィー・マルソーがダントツ一番人気で、その後をブルック・シールズ、そしてこの映画の主役テイタム・オニールとクリスティ・マクニコルが後を追ってるって感じでした。しかしこの二人、人気の割りには新作の情報がさっぱり入ってこなくって、一体どうなってんの??って思ってた。過去の遺産(特にテイタム)での人気持続だった事が、後でこの映画のテレビ放映を観て納得。一番輝いてる時期にこんなバージン早捨てバトル映画に出ちゃいけなかったんだよ、やっぱさ。クリスティのボーイッシュな感じはなんとなくいいよなあってお姉さん世代に憧れてた時分の僕は思ってた。でもどう考えても彼女の方がもうけ役だよねえ、このお話って。(←何故か今日は一人称が僕になってしまったい) [地上波(吹替)] 5点(2005-09-27 14:38:39) |
11. リベリオン
クリスチャン・ベールの一見冷酷そうに見えるクールな感じがうまく生かさせてました。俺ファンです!「マトリックス」のパクリかどうかとか細かい事抜きにして、人間としての苦悩葛藤がちゃんと描かれてている点だけでも、こちらのほうが優れてると思います。 [映画館(字幕)] 7点(2005-04-03 15:07:47) |
12. リーグ・オブ・レジェンド/時空を超えた戦い
映画館で観たけど、フツーに面白かったけどなあ・・・。ここでこれほどの酷評の嵐とは思わなかったです。だってここに出てくる人物すべて漫画のキャラクターでしょ?しかも「時空を超えた戦い」映画ってタイトルに謳ってあるわけだからネモ船長とドリアングレイが一緒にいてもおかしくない訳だし。うーん、俺の映画の観方が甘すぎるんですかね。 6点(2005-03-21 15:42:30) |
13. 緑園の天使
言うまでもなくエリザベス・テイラーの子役時代の代表作。まず「ナショナル・ベルベッド」を「緑園の天使」とした邦題が秀逸。最近の「シー・ビスケット」等の競馬映画を見慣れた眼にはクライマックスのレースシーンは多少かったるく映るかもしれないが、クラレンス・ブラウン監督は極力ごまかしのない正攻法で折り目正しく描いているので好感が持てる。テイラー自身、自分のお気に入り作品を「バージニア・ウルフ」とこの映画を挙げている(何という両極端!)のにも観たら納得。歯列矯正器を親の目を盗んで、すきあらば外そうとするベルベット・ブラウンという少女は正に当時の、早く大人になりたくて精一杯背伸びをしていた彼女自身そのものであったろう。後に「クリスタル殺人事件」で犯人役として対決するアンジェラ・ランズベリーとは、既にこの映画で姉妹として共演してたんですね。「総天然色」映画という呼称がぴったりくるファミリーピクチャーの佳作! 7点(2004-12-15 16:33:34) |
14. リリー
いいですよ、この映画。キャロン嬢のファニー・フェイス(個人的にオードリーより彼女こそこの呼称に最もふさわしい女優だったと思う)は、この年齢にしては幼すぎる感のある孤児リリーのキャラクターにぴったりで。「ハイ・リリー、ハイ・リリー、ハイロー」って主題歌もあまり知られてないけど、いつでも口ずさめる名曲だと思います。期待しないで食べた大味そうなデザートが、実は繊細な味で大満足でしたって気持ちにさせてもらいました。って例えが何か変ですかね~、俺甘党なもんですみません・・・。 8点(2004-09-19 15:58:39)(良:2票) |
15. リオ・ブラボー
死ぬまでにあと最低10回は観たい。「ライフルと愛馬」、「ゲラ・ホーム・シンディ」をみんなで唄うシーン、至福と呼べる程ワクワクする瞬間なのに、この前観たらなんでか涙が出てきちまった・・・。 10点(2004-06-13 16:34:57)(良:2票) |