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目隠シストさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 2251
性別 男性
ホームページ https://twitter.com/BM5HL61cMElwKbP
年齢 52歳
自己紹介 あけましておめでとうございます。
今年もよろしくお願いします。

2024.1.1


※映画とは関係ない個人メモ
2024年12月31日までにBMI22を目指すぞ!!

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1.  リトル・ミス・サンシャイン 《ネタバレ》 
設定はマイナス要素に溢れています。ダメダメな家族で全然イケてない。でも世界を包む空気は寒々しくありません。まずそれがいい。軽やかでほんのり暖かい音楽と共に物語は綴られていきます。構図も“はっ”とするほど美しい。そして何より人の描き方が素晴らしかった。端役に至るまで“こんな人いる”と思えました。画面の中の世界は、自分が生きている世界と同じ。だから大きなフリ幅で、心を揺さ振られたのだと思います。時に自身を顧みて嫌悪し、自嘲しました。同情し共感しました。各人に感情移入し、気付くとこ自分も家族の一員になっていました。大いに笑い、くしゃくしゃになって泣きました。クライマックスは娘のステージ。ストリップまがいの珍妙なダンス。それをみて大笑い。「ああ、じいさんとの奇妙なレッスンはこういうことだったのか!」と。でも同時に胸が痛くて苦しくて。お父さんの口癖を借りるなら、この家族は“負け犬”だらけです。彼らのダンスはみっともない。でも美しかった。心に響きました。“娘を守りたい。”その気持ちが強く伝わってきました。もっとも、彼らの行為が許されるとは思いません。コンテストを無茶苦茶にした罪はある。例えそれがクソみたいなコンテストでも。しかし理屈ではなく共感してしまう。「お前たちに、うちの娘を値踏みされてたまるか!」「このダンスの何が悪い!」逆ギレもいいところです。でもそこには愛がありました。巷に溢れるまがい物ではない本物が。客観的判断も価値基準も必要としない。見返りも無い。ただ全てを肯定する。「お前を愛している」「お前を誇りに思っている」そう言わなければならない時があります。しかもオリーブはまだ子供。家族が守らなくてどうする。家族が与えなくてどうする。一番大切なものに、この家族は気付いたのだと思います。愛されることは、自信に繋がります。戦う勇気と力に変わる。オリーブは、そういう生き方が出来る人間になってくれると信じます。じいさんは言っていました。負け犬は、負けることを怖れてチャレンジしなかった者のことだと。自己啓発プログラムでいう“勝利”と違う“勝ち”がある。負けがない、勝ちがある。この家族が敗者だなんて、自分には思えない。
[DVD(字幕)] 10点(2007-09-21 18:19:30)(良:6票)
2.  リンガー! 替え玉★選手権
健常者である主人公が、知的障害者に成り済ましてスペシャルオリンピックスに出場します。目的はスポーツ賭博で大金を得ようというもの。これをコメディにしようというのだから、鑑賞前はかなり不安でした。不謹慎極まりない。笑うに笑えないのではないかと。しかし疑念はすぐに吹き飛びました。丁寧で配慮のある脚本。観客を納得させる術を心得ていました。オチの付け方もいい。その分、障害の描き方はヌルく、ネタの毒を期待する方には物足りないかもしれません。でも自分はこのアプローチで満足しました。素直に笑えました。主人公がみんなに受け入れられた理由。そこに健常者と知的障害者の付き合い方、というより、人と人との繋がり方のヒントがあると思います。大切なのは関心を持つこと。相手を知ろうとすること。そして会話を交わして一緒に行動すること。すべて対人関係の基本です。でも簡単なようでなかなか出来ないこと。先入観や無知ゆえの思い込みで判断してしまうことって意外と多い。あらゆる偏見や差別、いがみ合いの根っこは、そこにある気がする。違いはあって当たり前。そこからどう行動するかで人間の価値が決まる。こんなおバカコメディにだって、自分や世界を変える手掛かりが隠されています。
[DVD(字幕)] 9点(2008-02-15 19:04:47)(良:1票)
3.  リンカーン弁護士
マシュー・マコノヒーが演じるミック・ハラーというキャラクターが実に魅力的です。手練手管で金をせしめる悪党の一面と、弁護士として真摯に職責を全うしようとする正義の顔を併せ持つ男。どちらが表とか裏ではなく、どちらもミックという人間の正面と考えます。非の打ちどころのない極悪人も、聖人君子もそうそう居ません。ミックは実に人間らしく、そして弁護士らしく、損得勘定を忘れず良心と相談しながら、難局に立ち向かっていきます。感情移入するに足る器量を持った人物でした。イメージ的には少しハリー・キャラハン刑事と重なるかもしれません(細身でヤサ男なルックスも含めて)。展開はスリリングですし、カタルシスも十分。脚本は非常に良質でした。ちなみにミックに対抗できる日本人弁護士だと古美門研介(『リーガル・ハイ』)になるのかな。うーん、タイプは違うけどどちらも素敵。それにしても動く車内で仕事をして酔わない体質は羨ましいです。
[インターネット(吹替)] 8点(2021-01-01 00:00:01)(良:1票)
4.  リアル 完全なる首長竜の日 《ネタバレ》 
全く変わらない浩一の衣服、飲み物はいつも同じお茶、自家用車移動シーンの車外風景、胡散臭い口調の女医。『リアル』と題された物語の中に挟み込まれる、不自然な風景の数々。初めは些細な違和感でした。しかし、粉雪のように降り積もった疑惑は、次第に大きな胸騒ぎへと変わってゆくのです。これぞ黒沢清流スリラーの醍醐味。一度懐疑的になると、何気ないワンカットに至るまで、真相に繋がる重要なヒントに思えてきます。ホラー描写も膝を打つ出来栄え。突如現れる変死体(特に最初の縛られた女は、タイミング、造形共に絶品)、なんちゃらゾンビの色味の無い蝋顔。ホラー向けのエフェクトはこう在るべし、と考えます。人物背景の空間の使い方も、相変わらずセンスが良いです。やはり黒沢清監督のサスペンスホラーは、一味違うと感じます。この観点では、十分に満足のいくものでした。ただ、黒沢ブランドのもう一つの大看板“難解映画=考えさせる映画”という点では、些か物足りなかったかもしれません。丁寧な種明かしは、大衆映画としては正しい在り方なのでしょう。しかし物語の余白を埋める確定作業ゆえ、ミステリーの浪漫には欠けます。『カリスマ』や『回路』のように戸惑う観客を置き去りにするくらい、難解で重厚な映画を黒沢監督には期待したいのです。やはり原作小説モノではなく、オリジナル脚本で勝負をお願いします。黒沢常連組の役者さんは相変わらず“心得ているなあ”という役作りでありました。
[CS・衛星(邦画)] 8点(2014-11-30 19:25:13)
5.  リトル・ランボーズ 《ネタバレ》 
国を愛したように、国からも愛されたいと願ったランボー。本作の小さなランボーたちの気持ちも同じです。愛する家族から愛されたいということ。家族が機能していないウィルとリー・カーター。似通った境遇にある2人が惹かれあったのは必然だった気がします。フランスのインチキモテ男とその仲間をも巻き込んで、2人のアウトサイダーが作り上げた『ランボウの息子』は、神編集ながらも客観的にはダメダメでした。もしコンテストに出品していたとしても賞は取れなかったでしょう。しかし心に響きました。その映画には愛がありました。少年たちが心の底から欲していたもの。劇場のスクリーンを前に涙を流すリー・カーターにもらい泣きしました。「今日はオレの人生で最高の日だ」そんな言葉が言える日に、そんな言葉をかける相手に出会えたことに、2人とも感謝しなくては。おめでとう、ランボウの息子とトラウトマン大佐。実を言うと、観始めた当初は楽しめるかどうか不安でした。子供の喫煙とか、頭上の貯金箱をボウガンで射る件とか。でも中盤のデフォルメ表現(撮影中のハード過ぎるアクション、フランス野郎関連のエピソードの数々)が、現実感を少なからず緩和してくれていたと思います。おかげで純粋に物語と向き合う事が出来ました。それにしても主役2人のキャラクターは最高。特にリー・カーターが素敵でした。顔つきが、もう憎たらしい。でもそれが次第に愛おしく思えてくるから不思議なものです。見事な子役たちにやられた映画でありました。
[CS・衛星(吹替)] 8点(2012-01-10 18:26:11)(良:1票)
6.  猟奇的な彼女
ベタな展開ながら、いやベタな展開だからこそ、冒頭から物語に引き込まれます。キョヌにクセがないところも好都合。平凡であるが故に自分を投影させやすいです。あとはもうチョン・ジヒョンの魅力を存分に味わえばいい。自分の感覚では、性格も含めてチョン・ジヒョンが単純に可愛いい!「ぶっ殺すよ」という台詞もなかなかチャーミング。おっさんの視点ですね(笑)ただ、物語自体はたいしたこと無いと思いました。無意味に時間を費やしているなあ、くらいの印象。でも↓港のリョーコ横浜横須賀さんのレビューを読ませていただいて唸りました。彼女の“猟奇的”性格の解説。なるほど、そういうことですか。このあたりの女性の心理状態はちょっと自分には分からない、というか思慮がそこまで及ばない。彼女の性格の所以が理解できると、物語に深みが出てきます。チョン・ジヒョンの魅力一点突破の作品ではないですね。
[DVD(字幕)] 8点(2006-09-06 18:06:51)
7.  リンダ リンダ リンダ 《ネタバレ》 
単にバンドを作って学園祭で歌を歌いましたというお話。そこに特別なエピソードはありません。描かれるのは10代後半の女性の何気ない日常。女子高生の友情、恋愛、機微です。自分はもうおっさんですし、女子高生だった経験もありません。だから本当の意味で、ここで描かれる繊細な心の動きは感じ取れていないのかもしれません。でも、ちょっとは分かるはず。だって自分にも高校生の時代があったから。後で振り返ればほんの些細な事なのでしょう。でも世界は学校と家とその周辺。狭い世界の中では、小さな出来事でも、どうでもいい出来事じゃない。確かに大人になると世界は広がります。でもその分、ひとつひとつの事柄の濃度は、どうしても薄まってしまいます。ほんとは大事にしなくちゃいけない小さな出来事を、見逃しているのかもしれません。きっとそれは、いいことでもあり、悪いことでもある気がします。青春時代の濃密さがうらやましくも思うのは年のせいでしょうか(ただ、表面上はその濃密さを感じさせないところが実にリアル)。クライマックスで歌われる歌はタイトルどおりブルーハーツの「リンダリンダ」。私は直撃世代です。だからなおさらこの歌には“くる”ものがあります。理由は分かりません。いや、どうでもいいです。聴くと心が動くのです。それが全て。「終わらない歌」にしてもそう。「高校生がブルーハーツを歌う」それだけで物語として十分成立しているのです。
[CS・衛星(邦画)] 8点(2006-08-02 11:20:51)
8.  リセット(2010) 《ネタバレ》 
単なる破滅脚本の映画でない事は、物語のディテールをみれば分かります。緊張感が途切れぬ展開は一級サスペンスの証。それでもあのラストには愕然としました。最後に残ったジェームズ(黒人少年)とブリアナ(白人少女)がリセット後の世界のアダムとイブ?そんなバカな。自分の持ちうる教養で本作を読み解くことは不可能でした。そんなとき、頼りになるのが本サイトです。ワラをも縋る思いで先にご投稿されておりますレビュワー様の感想を拝読いたしましたが、中でも【海之松】様の慧眼には感服いたしました。ヒントも的確で素晴らしいです。もう一度見直してみたくなりました。
[DVD(字幕)] 7点(2012-06-10 19:31:49)
9.  リベリオン 《ネタバレ》 
武道を融合させたガンアクション、それに服飾デザインも含めて、大ヒット作『マトリックス』の複製であることは、ほぼ間違いないでしょう。それにしても、このアイデアとセンス!オリジナルのマトリックスを遥かに凌ぐカッコ良さです。シビれました。感情抑制による社会支配という筋書きも極めてSF的でそそられます。ただ残念ながら、子供向け過ぎたと思う。理化学的に感情を封じられているはずなのに、出世欲は残されているのは何故?戦争放棄を謳いながら、格闘鍛錬に余念がないのはどうして?矛盾だらけです。実際、裏を返せば人間こそ矛盾の賜物だし、独裁政治や共産主義の批判でもあるのでしょうが、それにしても“あからさま”過ぎます。物語の体裁自体は理屈が通っていた方がスマートです。もっとも、この設定の粗さがB級映画マニアにはたまらんのでしょう。ハイ、たまらんです!
[CS・衛星(字幕)] 7点(2010-07-06 21:39:38)(良:1票)
10.  リーピング 《ネタバレ》 
“超常現象は存在する”という方向へ一直線に進んでしまうのが惜しい。科学的解釈とオカルト説の両天秤状態で引っ張る方が面白かったかも。いくら主人公が「私はオカルトを信じない」と言い張っても効果なし。“頭の硬い見解は覆される”のはお約束です。ただ、その頑なさは一途さでもある。意志の強さが彼女を魅力的なキャラにしているのも事実。致し方ないところか。“血に染まる川”に始まる厄災の数々。やはりTVスポットで再三目にした「イナゴ少女現る」の件が一番見応えがある。このシーンには圧倒されます。ただ「食われる」ではなく「窒息死」という感じなので、凄惨な印象はありません。やや物足りないです。クライマックスの畳み掛けやオチについては素直に納得しました。終わってみれば、オーソドックスなオカルトホラーという着地点。映像的にも満足しましたし観易かった。自分は結構好きです。
[DVD(字幕)] 7点(2007-12-07 18:17:01)
11.  リディック 《ネタバレ》 
前作の後日談としての設定は引き継いでいますが、ほとんど別物と言っていいくらいアクションや世界観がスケールアップしています。この系列の作品で最もよく見られる続編パターン。で、予算増に比例して評価も下がる。これまたお馴染の傾向が伺えます。それも分かる。前作はサバイバルサスペンスに比重を置き、コンパクトで分かり易い。それに比べて本作は、いっぱいに風呂敷を広げたはいいが、何を包みたいのか分かり難い。完成度は前作のほうが上だと思います。ただ本作には気楽に観られる面白さがある。娯楽大作の派手さがある。リディックのアクションは格段にパワーアップしましたし、灼熱監獄惑星からの脱出劇も見応えがありました。(このエピソードのみに絞れば、まさしく続編という感じ。)風呂敷の畳み方は強引だけど、伏線を張っているから納得できます。オチは気が利いていると思う。自分は十分楽しめました。前作の採点は5.9点で切り捨てて5点。本作は6.4点で切り上げて7点。その違いは満足度にあります。サスペンスとして今一つと感じた前作に対し、娯楽アクションとしてお腹いっぱいになった本作の方が、個人的には好みです。
[DVD(字幕)] 7点(2007-10-22 18:10:13)(良:1票)
12.  RETURNER リターナー
多くの有名、ヒット作品からエッセンスを拝借しています。特に宇宙人の造詣がまるっきり“アレ”なのには笑いました。普通の感覚ならば、あそこまでソックリにはしないはず。ですから、そこに監督の意思を感じる。パクリを公言した上で、観客に作品の判断を委ねているのではないかと。「パクッてますけど、なにか問題でも?」。監督の作品の出来に対する自信が伺えます。実際、面白かった。でもちょっとだけ後ろめたいかな。発泡酒でいい気分になっているような。中古車をローンで買ったような。実際、パクリか否かの判断は難しいと思います。それらしきものを全て否定してしまうと、作品は成り立たない。映画に限らずあらゆる芸術分野において、完全なオリジナル作品を産むのは至難の業です。何らかの形で先人の影響を受けているのが普通。このあたりは、個人の感覚によって判断するしかありません。自分の感覚だと本作はアウトですけど(笑)。でも邦画のアクションSFで、これくらいやってもらえれば上等。ですから点数はチョイ甘めです。ちなみに自分は発泡酒が好きですし、中古車も乗れればOK派。
[DVD(邦画)] 7点(2007-09-12 18:54:55)(笑:1票)
13.  隣人X 疑惑の彼女 《ネタバレ》 
「人種差別」と「週刊誌報道の是非」をテーマとしてたSFサスペンス。その主張やメッセージを否定する気はありませんが、この物語でそれを言うのは流石に無理筋かと。だって宇宙人Xを移民や外国人、あるいは被差別民に見立てるのは飛躍し過ぎで逆に失礼ですし、利益優先主義の週刊誌への批判も本件にあってはむしろ公益性が認められるケースかと。差別は憎むべき愚かな行為で間違いありませんが、未知なるものを怖れる感覚は生き物の自衛本能として当然です。宇宙人Xが、人間と見分けがつかないばかりでなく価値観を共有でき生殖も問題ないなんて、そんな都合の良い話を誰が信じるというのでしょう。仮にそれが真実だとしても、人間と異星人の交配を是とするのは種の尊厳に関わる重大案件であり当人が「知らなかった」はあってはならないこと。外国人との結婚や所謂「多様性を認める社会」等と同次元で語れる話ではありません。つまり主張が正しくとも、例示が適切でないため説得力を失ってしまうケースと感じました。喩えるならカレーライスを便器型の皿で提供するような。どんなに美味しくても台無しです。おっと、この喩えは下品かつ頓珍漢でしたか。 ところで日本政府のX容認政策は、某国のマリファナ合法化と同類であり「もうXを排除できないほど人類に溶け込み同化している」を意味していると考えられます。となれば前述の「種の尊厳」を問う段階はとうに過ぎており、好むと好まざるとに関わらずXを容認するより他に道がない状況と推測されます。労働力不足解消のため外国人技能実習生を受け入れまくっている何処かの国の現状と大差ないような。いやはやファンタジーにしては問題が切実過ぎて滅入ります。もっとも同種で殺し合いばかりしている地球人より、Xの性質を受け入れ平和に暮らせるならその方が幸せかもしれません。地球人として凄く負けた気がしますけども。 最後にキャスティングについて。久々に上野樹里さんを観た気がしますが大変素晴らしい。三十路半ばの独身女性の何処か寂しげな憂いの表現が絶品でした。一躍人気者となった「のだめ」当時も輝いていましたが、さらにステージが上がったようで大変好感が持てました。正直本作の上野さんであればXであろうとなかろうと関係なく、同じ「生き物」として一生を添い遂げたいと思えるほど魅力的だったと思います。おっと、妻帯者の不適切発言失礼いたしました。
[インターネット(邦画)] 6点(2024-04-07 22:25:08)
14.  輪廻(2005) 《ネタバレ》 
『呪怨』の清水監督ということで、視覚的恐怖、お化け屋敷的恐怖を描いた作品を予想していましたが、違いました。物語重視の作品。そのテイストは、講師役で出演の黒沢清氏の作品と似ていると思いました。もしかしたら、黒沢氏のキャスティングは、同監督作品への挑戦を意味しているのかもしれません。本作はミスリードの作品。それも結構上手いです。作中作『記憶』の犯人をあえてキャスティングしないことで、優香が誰の生まれ変わりかをカモフラージュしています。またキーワード「ずっと一緒だよ」の解釈についても。小さい子供が持っている人形の台詞ですから“子供と人形はずっと一緒だよ”という意味に観客をリードします。しかしこれもミスリード。“ずっと一緒”なのは魂のこと。魂の器である身体は死のうとも、器を換えて魂は存在し続けるという意味。教授(殺人犯)の実験は成功であったことになります。なかなか面白い。個人的には『呪怨』より圧倒的に本作のほうが好みです。ただ、“怖さ”という点では物足りないのも事実。本作の重点がそこに無かったにしても、恐怖の演出については今一歩であったと思います。
[CS・衛星(邦画)] 6点(2007-01-01 01:50:36)(良:1票)
15.  リカ ~自称28歳の純愛モンスター~ 《ネタバレ》 
キャリー、ミザリー、エスター。タイトルが女性名のサスペンスホラーは傑作が多い印象ですが、果たして本作は? 副題は「自称28歳の純愛モンスター」。やはり「自称28歳」部分に目が行きますが、なんと「モンスター」部分がキーワードでした。009もビックリの加速装置に、スパイダーマンバリの壁面登り。モンスターは比喩表現ではなくリアルガチな怪物を意味しました。田中みなみさんの怪演が話題となった『M愛すべき人がいて』と同じ悪ノリ臭がしますが、ぶっ飛び加減は本作の方が遥かに上です。だから良いとは思いませんけど。サイコスリラーというよりブラックコメディという認識でよろしいかと。私はテレビシリーズ未見ですが、はじめからこんな奇天烈なドラマだったのでしょうか。困ったことに「シャッ」が耳から離れません。 最後に冒頭の問いかけですが、こと邦画サスペンスホラーにおいては『貞子』『シライサン』など女性名だから傑作なんて法則はありません。本作も、まあそういうことです。
[CS・衛星(邦画)] 5点(2022-12-07 23:29:54)
16.  龍三と七人の子分たち 《ネタバレ》 
コメディ版『アウトレイジ』ではなく、21世紀の『みんな~やってるか!』の趣。北野監督の、いやビートのたけちゃんが、楽しんで撮ったであろう様子が目に浮かぶ作品でした。シリアスヤクザ映画や、賞レースを狙えるヒューマンドラマばかりでは、監督もストレスが溜まるのでしょう。映画監督の顔、お笑い芸人の顔、両者を繋ぐバランサーの役目を担う作品だったと考えます。残念ながら私のツボにはハマらないタイプのコメディでしたが、楽しい映画ではありました。
[CS・衛星(邦画)] 5点(2016-07-10 19:46:03)
17.  リアル鬼ごっこ(2015) 《ネタバレ》 
猛毒“園子温節”炸裂の一作。いつものように刺激超過・不条理全開のエゲツナイやり口で観客の心を掻き乱します。範馬勇次郎の如き力技至上主義。優しさや潔さが感じられれば、馬鹿映画として愛でられるのですが、どうしても監督の高説を聞かされている感覚が抜けません。失礼な言い方ですが、監督と観客の間に信頼関係はありません。もっとも、これこそが園子温流。突き放される感覚が逆にタマラナイという方もおられるでしょう。ただ個人的には「シュールに負けるな」を台詞で言わせるのはズルイなあと。そう言われたら、物語の整合性を求める一般客は黙るしかありませんから。個人的にツボだったのは斉藤工。あの白パンツは反則でしょう。どうせなら白パン斉藤に日本刀でも持たせて、ハナから女子高生を斬りまくれば良かったんじゃねえの、と投げやりに言ってみなくなります。
[CS・衛星(邦画)] 5点(2016-06-05 11:58:07)
18.  RETURN(ハードバージョン) 《ネタバレ》 
DVDのジャケットに惹かれて本作を鑑賞しました。私の心を掴んだのは『高嶋政宏』。いやー実にイイ顔をしているのです。眼がイッちゃってます。『スマグラー お前の未来を運べ』の怪演が、まざまざと蘇ってきました。ところが、ところがです!出番は冒頭数分で終了(涙)。死に様はお見事でしたが、個人的にはとんだ肩透かしでした。キムラ緑子、赤間麻里子、土屋アンナの極道3姉妹はノリノリで、高嶋兄を絡めて活躍させたら、めちゃ面白いハイテンション極道バイオレンス映画になったのではないかと悔やまれてなりません。こうなったら、北野監督の『アウトレイジ』の新作で極道3姉妹+高嶋“兄弟”を実現してくれませんかね。特に高嶋“弟”のヤクザ演技は観てみたいです。元嫁との修羅場を潜り抜けた今なら、結構期待できるのではないかと。あんまり本作の感想になっていないですね。すみません。
[DVD(邦画)] 5点(2014-12-21 19:25:55)
19.  リディック:ギャラクシー・バトル 《ネタバレ》 
『ピッチブラック』も『リディック』も観ているハズなのに、どんなお話だったか全く覚えていません。世界観というか設定もキレイサッパリ忘却の彼方へ。かと言って、本作の為にもう一度観直したい程、私にとって魅力的なシリーズでもありませんので、お浚いせずに観賞しました。掻い摘んで言うなら“夜目が効く(←唯一コレだけは覚えてました)スキンヘッド親父が、『漂流教室』に出てきそうな化け物ウヨウヨ惑星から脱出するお話”という事になります。賞金クビの自分をエサにして、賞金稼ぎをおびき寄せ、宇宙船を乗っ取り脱出するプランです。ここまでお読み頂ければお気づきのとおり、ちっとも『ギャラクシーバトル』な感じがしません。宇宙戦艦とか関係ありませんし、銀河を股にかけたドッグファイトもありません。リディックVS賞金稼ぎ、いや、人間VS水棲サソリがバトルのメイン。明らかに邦題、盛っていますね。で、この水棲サソリ、『エイリアン』並みにヤバイ相手かと言うと、そうでもありません。水棲サソリ=ハブ、リディック=沖縄のハブ捕り名人、くらいの力関係でしょうか。なにせ数が多いので厄介ですけれども。前作?前々作?登場キャラの縁者が出てきますので、やはり『ピッチ~』も『リディック』も観ておいた方が良いのは間違いありませんが、本作単独観賞でも問題ないレベルの“大味”娯楽アクション映画という評価です。
[CS・衛星(字幕)] 5点(2014-12-15 20:28:17)
20.  臨場 劇場版 《ネタバレ》 
(TVシリーズ未鑑賞。一見者の感想です。)死者の声を根こそぎ拾うという主人公。彼は殺された精神鑑定医や弁護士の最期の声を拾い上げ、見事犯人を突き止めました。また、今まさにラストターゲットに手をかけようとしている犯人の、さらなる犯行を制止する事にも成功しました。ここが見せ場のクライマックス。なのに、主人公の言葉に胸を打つものが無かったような。死の恐怖から逃げるために、犯人は殺人に手を染めたと受け取れます。もし彼が病に侵されていなかったら、きっと事件は起こしていなかったでしょう。だから胸を張って生きろと。死んだ奥さんに恥ずかしくない生き方をしろと。理屈は通っています。でも、そんな模範解答みたいな説教、聞きたいですか?例えば、延命治療に迷いが無い医師。自身の判断に葛藤しない裁判官。彼らは正しいのかもしれません。でも簡単に出せる正しい答えになんて、興味はありません。そんな言葉にどんな価値があるというのでしょうか。それに最後、主人公は詐病の若者を殴り飛ばしました。勿論そんな事で問題など解決しません。あのビンタは、ただ自身の憂さを晴らしただけ。広義では、犯人と同じレベルと考えます。世の矛盾や無常を問うならば、主人公は手を挙げるべきではなかったと思います。歯を食いしばってでも。ビンタひとつで随分と軽薄な印象を与えていると感じました。ところで内野聖陽の役作りは、まるで『JIN』の坂本竜馬から陽気さを差し引いたみたい。あまり魅力的とは思えませんでした。若村真由美の演技は圧巻。こちらは流石です。
[地上波(邦画)] 5点(2014-03-03 18:58:48)(良:1票)
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