1. 居酒屋兆治
《ネタバレ》 情緒あふれる函館を舞台に語られる、切ない男女の物語。 こんなにもお互いのことを思い続けるなんてことが出来るのか。 だからこそ別れが格別に切ないわけで。 ラスト、店で酒を一杯飲み干す高倉健。 味わいのある演技だなぁ。 これは高倉健だからこそのシーンだね。 他の出演者たちも多士済々で豪華なメンバー。 それぞれ人間味があって、楽しくて存在感のある演技をしている。 高倉健と大原麗子の話だけでは、ここまで楽しい映画にはなっていないはず。 この映画の魅力は、脇役の活躍あってこそのものだ。 [インターネット(邦画)] 7点(2024-05-21 11:09:05) |
2. 駅 STATION
《ネタバレ》 演歌を地で行く世界。 これを見ると演歌もいいものだなぁ、と感じる。 倍賞千恵子が営む居酒屋でのシーン。 高倉健と倍賞千恵子の俳優と女優とのぶつかり合い。 お互いの人間味が弾けんばかりに静かに対峙する。 尺の長さ、前半の無意味なシーン、倍賞千恵子の愛人が実は指名手配犯だったというオチ、テレビ役者が多すぎ、とマイナス点は見受けられるものの、全体としてはなかなか良い雰囲気になっていたのではないだろうか。 [ビデオ(邦画)] 7点(2024-05-19 09:46:31) |
3. 童年往事/時の流れ
《ネタバレ》 冒頭から既にホウ・シャオシェン色が全開。 ホウ監督にしか出せない自然な雰囲気、そして台湾の暑苦しさがリアルに伝わってくる。 風景をただ撮っただけと思わせながらも、実はホウ監督にしか映し出すことのできない不思議な暖かみを映像から感じる。 つくづくホウ監督は天才なんだなぁと感じる。 さて、本作ははっきり言って怖いくらいに情け容赦なく暗い内容である。 まず主人公の父親が肺病で血を吐いて死に、次に母親が舌癌で死ぬ。 そして挙句の果てには、おばあさんが畳の上で1ヶ月間放置され老衰死する始末。 しかし、全編を通して心和む素敵な音楽が流れている。 そのせいか、そこで起きている人が死ぬという悲劇を「ごくごく自然なもの」として受け入れることができた。 ホウ監督の音楽センスは理屈抜きに好きだ。 特に本作の音楽は素晴らしい。 日常に横たわる“死”という恐怖や別離というものを、特別に悲劇として誇張することなく、自然の摂理として表現してみせた本作。 暖かい映像美と相まって、暗い内容とは裏腹に「爽やかさ」さえ残した。 その絶妙なさじ加減。 やはりホウ監督を天才監督と認めざるを得ない。 ホウ監督の作品は沢山見てきた。 そしてようやく、この監督の凄さと良さを感じることが出来た始めたように思う。 この監督は一筋縄では到底いかない。 それだけに、その凄さを一度でも感じてしまうと、また別の作品を見たくなってしまう。 そんな魅力が、この監督には確かにある。 [ビデオ(字幕)] 7点(2024-05-09 21:20:55)(良:1票) |
4. 八月の鯨
《ネタバレ》 あのリリアン・ギッシュがかわいいお婆ちゃんに! それだけで何だか感慨深い。 静かな島でゆったりとした時間を過ごしている。 老後としては良いのかな? 私はどちらかといえば賑やかな場所が好きだけど、老齢になったら好みは変わるのかな、それとも人それぞれなのかな。 ベティ・デイヴィスが完全にお邪魔な存在。 あれだけ悪態をつかれるとさすがにきついよね。 難しい事かもしれないけど、やっぱり年老いたら可愛がられる存在でいたいかな。 [DVD(字幕)] 6点(2024-04-28 16:41:33) |
5. 狂った果実(1981)
《ネタバレ》 本間優二という主演を演じた俳優さん、本作で初めて知ったが、イケメンでスタイルも良くスター性がある。 後で調べたらすぐに引退してしまったらしい。 新宿生まれで元暴走族総長。 新宿をリアルに生きた方だったようで、そらあスター性あるわな。 内容的には随所にエロさもあるが、どちらかと言えばバイオレンス寄り。 新宿を舞台に性的で暴力的な描写の続く、なかなかパワフルな映画。 [インターネット(邦画)] 8点(2024-04-21 22:17:39) |
6. あ・うん
《ネタバレ》 最後、高倉健は富司純子に思いを伝えようと雪の中、家を訪問したのではなかったのか? それが3人で酒を飲んで何事もなく終了。 雪の中の意を決した訪問はなんだったのか? 少しくらい気持ちを伝えようとするシーンがあったらともかく、何もないラストシーンに肩透かしをくらった感じ。 自分の好意を伝えないで我慢する、これぞ男の美学ということなのだろうが、気持ちを伝えようとしたけどグッと我慢をするシーンすらなかったのが物足りない。 だけど、すごく分かる話ではある。 好きな女性の幸せを願うからこそ、自分本位で好意を伝えたりせず、好意をそっと自分の胸の中にしまっておく。 これぞ高倉健、これぞ男の美学。 消化不良気味のラストシーンではあったが、高倉健の魅力は存分に出ていたので楽しむことはできた。 [インターネット(邦画)] 7点(2024-01-14 20:51:23) |
7. ディーバ
《ネタバレ》 よしのぶさんのレビューを拝読して、なんとかストーリーを理解できました。 歌声を録音したテープと売春組織の秘密を録音したテープ。 2つの話が入り組んでいて、頭の良くないわたしにはいまいち理解できずでした。 主人公を助けた謎の男とアジアンな少女、殺し屋の2人についてはキャラが立っていました。 [インターネット(字幕)] 6点(2024-01-06 18:53:28) |
8. 田舎の日曜日
《ネタバレ》 ゆったりと流れる時間の中で、時折り挿入される昔の様子を通し、時代の移り変わりを感じ、遠い過去に思いを馳せる。 そんな魅力を感じるであろう内容だけど、どうかなあ…なんか感動や感慨というより、侘びしさや寂しそうといった感想が先にくる。 お手伝いさんを雇い、田舎のお屋敷での暮らしだから一般的には優雅な老後ということになるんだろうけど、なんだか寂しいんだよな。 画家という仕事の静か過ぎる環境のせいかもしれない。 これならいっそのこと、パリで息子夫婦にガミガミ言われながら一緒に賑やかに暮らした方がいいんじゃないかな。 個人的にはそう感じた次第。 [インターネット(字幕)] 5点(2024-01-02 13:29:11) |
9. 真夜中の虹
《ネタバレ》 アキ・カウリスマキ作品をかなり久しぶりに見たけど、やっぱり最高だった〜! フィンランドの寂しくて寒々しい風景がたまらなく魅力的。 長ったらしいカットが無く、ポンポンとスピーディーに場面が転換していくのも良い。 勿体ぶらず、惜しげもなく次の展開を見せていく。 ハードボイルドな世界観とフィンランドの寒々しい風景とが見事にマッチした逸品。 アキ・カウリスマキにしか撮れない、唯一無二の魅力いっぱいの作品だ。 [インターネット(字幕)] 8点(2023-12-28 20:56:21) |
10. 竜二
《ネタバレ》 金子正次を初めて観た。 33歳という若さで亡くなった俳優で、どこか原田泰造に似ていなくもない。 作品としては、別につまらなくはない。 指を詰めるシーンが出てきて、「春山病院に行って、竜二の舎弟って言えばやってくれるよ」とか、春山病院に知り合いが居る私としては妙にリアルな話だったりするし、職安通りにある“フランスベッド”の気色の悪い看板が出てきた時には、ほんと大久保の息吹を感じた。 だけど、大久保と歌舞伎町ロケの良さを感じたのはそれくらい。 もう少しロケが欲しかった。 ヤクザがヤクザに飽きてカタギになり、平和な家庭を営むが、やっぱり性に合わずヤクザの世界へ出戻る。 まあ、適材適所、人間最後は納まるとこに納まるといった話なんだけど、ラストシーンで、商店街の大売出しの列に並ぶ奥さんと無言のまま別れ、去っていくという演出なんかは素晴らしい出来栄え。 でも、何ていうのかなぁ・・・どうも個人的には居心地が悪い映画だった。 ヤクザから足を洗ってカタギになったなら、トラブルや倦怠期を根性でクリアして欲しかった。 やっぱり自分も若い頃はフラフラしていて、今は社会的に落ち着いているんだけど、どうもこの映画を観ていると、そんな自分の安定生活がいつかは破綻するような気がして、不安な気分にさせられた。 人生には一大転機というのがあって、そこで異なる環境に果敢にチャレンジするケースってあると思うのだが、この映画は、そんな人間の非人間讃歌になってしまっている気がする。 ヤクザな世界が合うのなら、ヤクザの世界に戻ってしまうのは仕方ないことではあるけれど、一方で、一度カタギになって家族を養い、地道に生きていくことを大の男が決心したのなら、もう少し踏ん張って頂きたかった。 懸命に働き、仕事後のビール一杯に安堵するあの気持ちよさ、あの新鮮さを忘れないでいて欲しかった。 [DVD(邦画)] 7点(2023-12-11 19:11:29)(良:1票) |
11. センチメンタル・アドベンチャー
《ネタバレ》 クリント・イーストウッド自身は長生きしてるが、それとは対照的な主人公を演じていて、全くイメージに合わない。 やはり私は彼が苦手らしい。 彼自身が監督、プロデュースをし、しかも主演までをはるという形式もまた苦手だ。 [インターネット(字幕)] 3点(2023-10-19 23:29:53) |
12. ザ・バニシング-消失-
《ネタバレ》 久しぶりに「最後はどうなるのか?」と楽しみながら見ることができた作品。 悪を裁くことより好奇心を優先させた男の末路、これがなかなかにシビア。 流石に哀れ過ぎる結末。 夫が妻のその後を知りたいのは当然のことだ。 事実を知りたいという好奇心を、この作品はストーリー展開にうまく活用しており、見ているこちらもそれを知りたいという好奇心に巻き込まれていく。 殺された男の気持ちと、見ている自分の気持ちとが、事実を知りたいという点において、完全にシンクロしてくる。 人間の持つ好奇心というものの扱い方が実に見事だ。 [インターネット(字幕)] 8点(2023-09-09 19:47:05) |
13. 刑事ジョン・ブック/目撃者
《ネタバレ》 【良かったところ】 最後の別れのシーンが切ない。 お互い好きなのに、お互いの生きる場所が異なるから別れるしかない。 とても悩ましく切ないシーンだ。 【ダメだったところ】 冒頭の殺人目撃シーンはなかなかの緊迫感だったのに、それ以降は急にロマンス映画になったりで、どっちつかずの中途半端なところ。 [インターネット(字幕)] 5点(2023-08-20 22:15:20) |
14. ファンダンゴ
《ネタバレ》 予定調和なアメリカ映画、可もなく不可もなし。 アメリカ人にしか分からないテンションの高さと、はしゃぎぶり。 置いてけぼりをくった。 [インターネット(字幕)] 5点(2023-08-05 23:02:41) |
15. 旅立ちの時
《ネタバレ》 美しい話なのだが、その背景にあるのが政治思想的なものなので、いまいち没頭できないし共感もできない。 そもそも親の政治活動のために子供の人生が犠牲になっていいはずがないので、ラストシーンも至極当然の事としか思えなかった。 [インターネット(字幕)] 6点(2023-07-25 03:15:29) |
16. カリフォルニア・ドールス
《ネタバレ》 これはマジでムリな映画。 アメリカ人の馬鹿騒ぎに全く共感できず、特に入場シーンは盛り上がるどころか興ざめ。 ピーター・フォークも目つきがキモいし、二人のレスラーも特に美しくなく。 そもそもプロレスを真剣勝負みたいな設定にしてるのが受け付けない。 [インターネット(字幕)] 2点(2023-07-11 21:05:40) |
17. 連合艦隊
《ネタバレ》 特撮についてはどうでもよくて、単に話がつまらなかった(史実の勉強にはなったけど)。 永島敏行の話とかどうでも良いし。 トップクレジットの小林桂樹は早々に退場、後半は鶴田浩二と財津一郎が活躍。 三橋達也の爺さんっぽい滑舌の悪さは聞くに耐えなかった。 あと、豪華キャストにしときゃ何とかなるだろ的な印象を受けた。 [インターネット(邦画)] 3点(2023-06-13 22:24:12) |
18. そして光ありき
《ネタバレ》 初めて見るタイプの退屈な映画。 原住民の生活が淡々と映される。 それだけならよいのだが、ほとんど字幕が出ない。 サイレント映画よりも字幕が少ないレベル。 当然、何をしゃべっているのか分からない訳だが、これは監督の意図したことだろう。 この意図が何なのか理解不能。 ただ退屈になるだけだ。 [映画館(字幕)] 2点(2023-05-05 17:31:41) |
19. 右側に気をつけろ
ゴダール作品はほとんどを観たが、本作はその中でも最も苦痛を強いられた作品だった。 [ビデオ(字幕)] 2点(2023-05-03 09:32:06) |
20. 乱
《ネタバレ》 『影武者』と本作を立て続けに見たが、この二作品とも私にとっては退屈で、最後まで見るのに難儀した。 本作の方はそれに加えてピーターの動きと喋りがとにかく嫌で嫌で、イラついてムカついて仕方なかった。 老けメイクの仲代達矢と、迫真の演技の原田美枝子のご両人は素晴らしかったが。 [インターネット(邦画)] 4点(2023-04-30 18:52:00) |