1. リトル・ミス・サンシャイン
《ネタバレ》 人間生きていると思い通りにならないこともたくさんある。受験に失敗したり、希望した仕事に就けなかったり、異性にフラれたり。だけどそれだけで本当に「負け組」行きだろうか。この家族は、それぞれが思い通りにならない現実を抱えているが、家族でみんな仲良く生きている。それなのに「負け組」なんて、誰が言えるだろうか。そもそも「勝ち」と「負け」は所詮相対的なものでしかなく、人生の当事者にとっては「幸せ」か「不幸」かしかないはずだ。この家族はそれぞれが欠落を抱いているが紛れもなく幸せだと思う。でもまあそんな難しいこと考えなくても、コメディ+家族+ロードムービーときて面白くないわけがない!欠落を抱きながら生きている全ての人にお勧めしたい。満点! [DVD(字幕)] 10点(2012-04-04 20:08:39)(良:1票) |
2. ロード・オブ・ザ・リング
《ネタバレ》 映画の魅力に目覚めさせてくれた作品。スケール感・物語・映像・音楽、全てが素晴らしい。ホビット、人間、エルフ等それぞれ種族の違う仲間たちが魅力的だが、その中でも僕は特にボロミアが好きだ。人間の強さ、そして弱さを端的に表しているキャラだと思う。人間の世界を守りたいという強い使命感を持つがその思いに支配され指輪の誘惑に負けそうになってしまう。「頑張れボロミア」と応援したくなる。かく言う私も誘惑には滅法弱い。だからボロミアが自分に見えて感情移入してしまうのかもしれない。そんなボロミアも最後に意地を見せ、ウルクハイからホビット達を守る。そしてウルクハイの矢に倒れてしまう。「立て!立つんだボロミアー!」丹下段平ばりに思わず叫んだ、そんな気もする。しかしそんな願いも空しく最後はアラゴルンの手によって水葬になる。しかしその先に待ち受けるのは…滝。しかも超高い滝。ボロミアは死んでもなお厳しい現実と戦うのだ。あぁ、人間は大変だ。生きても死んでも大変なことばかり。悲しき哉、人間。なんだか何が言いたいのかよく分からなくなってきたが、とにかくボロミアが、そしてこの作品が大好きだということだ。 [DVD(字幕)] 10点(2012-04-02 17:46:47) |
3. アヒルと鴨のコインロッカー
《ネタバレ》 ブータンからたった1人で仙台にやってきたドルジはきっと孤独だったはずだ。琴美と河崎はそんな彼の心の拠り所だった。しかしドルジは2人とも失ってしまう。それからドルジはずっと2人に代わる存在を探していたのだと思う。ドルジは河崎と琴美との思い出を椎名に求めていたのだろう。自らが「河崎」になりきることによって。なんて切ない話だ。だからこそ、椎名の教科書を奪ってまで「河崎」になりきっていたのに椎名にそれがバレてしまった時のドルジの落胆は想像を絶するものがある。しかしそれと同時にある日部屋の外から突然ボブディランの「風に吹かれて」が聴こえてきた時のドルジの嬉しそうな表情も印象深い。きっとドルジは河崎と琴美を失ってから、椎名のような人が現れるのをずーっと待っていたのだろう。そう、これは河崎とドルジ、そしてドルジと椎名の物語なのだ。切なくて温かい、友情の物語だ。 [DVD(邦画)] 10点(2012-04-01 17:16:40)(良:2票) |
4. 永遠のこどもたち
《ネタバレ》 現実世界と妄想の世界のギャップをファンタジーという手法で描き切った「パンズラビリンス」は個人的に大傑作だった。そして「パンズ~」の監督のギレルモデルトロが制作総指揮ということで期待して鑑賞しましたが、予想を遥かに超える大傑作だった。今回も思う存分ダークファンタジーしており、とにかくストーリーは暗いしグロくて目を背けたくなるシーンも多い。ほとんどホラーと言ってもいい。しかし最後の最後に息子に辿り着き、「過去」の世界に永遠に留まることを決断するラウラの「母の愛」には胸を打たれずにはいられない。この決断が正しいのかどうか、それは分からない。しかし、最後の夫の妻を失った哀しみと、永遠の世界で幸せに暮らす妻に対する安堵の混じった表情を見れば、「これで良かったのだ」と思える。素晴らしいの一言。 [DVD(字幕)] 10点(2009-11-28 00:38:28)(良:1票) |
5. バタフライ・エフェクト/劇場公開版
《ネタバレ》 エンディング曲・Oasisの「Stop crying your heart out」の歌詞の一節に「You'll never change what's been and gone(過ぎ去ったことは変えられない)」とあるがこの映画では過ぎ去ったことを変えまくりです(笑)しかし結局何かを変えるたびに別の悪いことが2人に起こってしまいます。最後はあれ以上の選択はないと思います。1日1日の「選択」が運命を決めていく、そう考えさせてくれた映画でした。 [DVD(字幕)] 9点(2012-03-30 17:15:40) |
6. ダークナイト(2008)
ヒース・レジャーの存在感が本当に凄い。この映画の公開を待たずして急逝した経緯もあり、きっとこの演技は伝説になるんでしょうね。ストーリーも人間の「善」と「悪」の葛藤を重厚に描いており、勧善懲悪のヒーローもの映画とは一線を画しています。人間ドラマとしてもエンターテイメントとしても超一級の作品だと思います。ヒース・レジャーありがとう! [DVD(字幕)] 9点(2012-03-27 12:22:48) |
7. ショーン・オブ・ザ・デッド
《ネタバレ》 この映画では、ゾンビ映画好きなら誰でも一度は考えるであろう、「ゾンビになりきったら気付かれずに済むのでは?」という素朴な疑問を何と本当に実現してくれている。このシーンは馬鹿馬鹿しさの極致であると同時に「そうそう!こんなの待ってました!」と思わせてくれる。コメディとしてもシュールで好きだが、ゾンビモノとして観ても、決してグロに手を抜いていない所もグッド。サイモンとニックは名コンビでしょう。ジョージAロメロが誉めたのも納得の一本です。必見。 [DVD(字幕)] 9点(2009-11-28 01:14:36)(良:1票) |
8. 愛のむきだし
《ネタバレ》 「ヒミズ」を観た時にも感じたが、園監督は「人が人を救済する」という演出が好きなんだなあと率直に思った。「ヒミズ」では、自暴自棄になった主人公をヒロインが救済しようとするし、この作品ではインチキ宗教団体に洗脳されたヨーコをユウが救い、終盤ではヨーコがサソリ(ユウ)を救おうとする。人が人を見捨てずに救おうとすること。それこそが園監督の考える「愛」であり「希望」なのではないだろうか。そう考えると、過激な演出に注目が集まりがちな園監督だが、意外と優しい人なのかもしれないと思った。 [DVD(邦画)] 8点(2013-02-09 20:20:17) |
9. ドーン・オブ・ザ・デッド
ゾンビたちの全力疾走に唖然とした。お前らは陸上選手かよと言いたくなるぐらい。タイトルは「よーいドーン!オブ・ザ・デッド」がいいでしょう。 [DVD(字幕)] 8点(2012-04-11 16:29:12) |
10. once ダブリンの街角で
《ネタバレ》 2人が歌うシーンを挟みつつ淡々と進む展開が心地良かった。主演の2人は本当のミュージシャンということで、歌や演奏の上手さは流石という感じである。全く境遇の違う人間同士が街角で出会い、そして別れる。切ないがその繰り返しが人生だと思う。2人とも新しい生活で幸せになって欲しいと心から思った。 [DVD(字幕)] 8点(2012-04-08 11:05:58) |
11. タイヨウのうた
《ネタバレ》 YUI演じる雨音薫のように可愛いが天然で「好きなバナナは食べ物です」という、いかした名(迷)セリフを吐いてくれるような女性を探しているが、未だに見つからない。 [DVD(邦画)] 8点(2012-04-03 10:17:36) |
12. インファナル・アフェア
いや~面白かった。ところで、エレベーターに足を挟むと扉はずっと閉まらないままなんですね。・・・って当たり前か。 [DVD(字幕)] 8点(2012-03-27 17:10:21) |
13. トロイ(2004)
《ネタバレ》 評価低いみたいだけど個人的には好きな映画。特にパリス王子のヘタレっぷりが好き(笑)指輪物語3部作であんなに強くてストイックだった彼がまさかここまで変貌するとは… DVDのパッケージに映るヘレン王女の姿まで、まるで「アキレスから逃げやがって!このヘタレがぁ!」と言いながらパリス王子の胸ぐらを掴んでいるように見えてきます。DVDを持ってる方は確認してみてください(笑) [DVD(字幕)] 8点(2010-07-19 21:58:51) |
14. 再会の街で
《ネタバレ》 劇中でチャーリーが1人でやっているゲーム「ワンダと巨像」。このゲームは主人公が、夭折した大切な恋人を生き返らせるために巨像を倒す、というストーリーです。ゲームでは巨像を倒すたびに「大切な人が生き返る」という願いが次第に実現されますが、現実の世界では、テロで亡くなったチャーリーの家族は決して生き返ることはありません。そんな、ゲームの中の世界と現実の世界の対比に切なくなりました。また、「ワンダと巨像」では、巨像に「掴まる」という操作が重要で、これをしないと巨像から落っこちてしまいます。チャーリーがゲームの中で巨像に「掴まる」というコマンドそのものが、現実の世界で見えない何かに必死に掴まることの暗示のようで興味深く観ることができました。良作です。 [DVD(字幕)] 8点(2009-11-28 02:21:47)(良:3票) |
15. ロスト・イン・トランスレーション
《ネタバレ》 はっきり言って派手さはない。ストーリー的にも捻りはない(でも脚本賞受賞)。しかし、旅先で出会った異性が何故か魅力的に見えて恋に落ちてしまうのは誰でも一度は経験のあることではないだろうか。そういう意味では非常に入り込み易い映画だと思う。スカーレットヨハンソンもこの頃のわずかに幼さを残した感じが良い。そしてビルマーレイの歌う「モアザンディス」が何故かとても心に残る。地味だけど時々見返したくなる不思議な映画。 [DVD(字幕)] 8点(2009-11-28 02:00:51) |
16. デス・プルーフ in グラインドハウス
《ネタバレ》 「耐死仕様(デスプルーフ)なのは俺の席だけなんだぜぇ~!」ひ、ひでえ(笑) [DVD(字幕)] 8点(2009-11-28 00:53:12) |
17. ハングオーバー! 消えた花ムコと史上最悪の二日酔い
《ネタバレ》 ヘザー・グラハムの「無駄脱ぎ」を堪能しました(笑) すごく綺麗で好きな女優だけど、脱ぐのに全くためらいが無さそうなところが素晴らしい!この作品でも「えー!そこで脱ぐ!?」みたいなシーンで脱いでて、もはやお色気というより笑わせるシーンになっちゃってます。なんだか「ヘザー・グラハムが脱ぐ」ことばっかり書いてしまいヘンタイと思われそうですが、頭からっぽで楽しめるおバカ映画(褒め言葉です笑)です。 [DVD(字幕)] 7点(2017-02-22 23:15:53) |
18. ゼア・ウィル・ビー・ブラッド
《ネタバレ》 1人の男の成功と凋落の人生が詰め込まれた2時間半。かなり重厚な作品です。印象的なのは、貧しい山師時代には割と無口だったダニエルが、石油を掘り当てて成功していくにしたがってどんどん饒舌になっていく点。良くも悪くも成功は人格まで変えてしまうということですね。石油王の話、程度の予備知識のみで観たため、タイトルから石油をめぐる血みどろの争いを勝手に想像してましたが、かなり違いました(笑)。超利己的な性格のために自ら堕落してしまい最終的には人も殺してしまう。そうした意味で「There will be blood」なのかな?とぼんやり思いました。 [DVD(字幕)] 7点(2017-02-22 23:01:30) |
19. スペル
《ネタバレ》 婆さんの執念深さを考えると、邦題は「地獄へ道づれ」とかのほうがしっくりくる気がします。汚い&面白い&グロいの3拍子揃った希有な作品です。いや~それにしても汚い(笑)墓地でのシーンとかほぼ泥レスリングでしょ、あれは。泥々の肉弾戦映画です。 [DVD(字幕)] 7点(2012-04-02 17:12:09) |
20. アクロス・ザ・ユニバース
《ネタバレ》 これはビートルズ好きにはたまらないでしょう。曲のアレンジも秀逸で特に「Helter Skelter」は気に入った。それと、最後の「愛こそすべて」も素晴らしかった。全体的には若干散漫な印象もあるが、まったり観るには丁度よい一本だと思う。 [DVD(字幕)] 7点(2010-05-08 03:47:27) |