1. ケイン号の叛乱
《ネタバレ》 なかなか面白かったがつい最近観た「ア・フュー・グッドメン」に ・軍時裁判がハイライト ・被告が絶対的権限をもつ上官 ・裁判は被告有利に進むが被告の激高する性質がアダとなり逆転勝訴する というストーリー展開が似ている。 ※同作では被告;原告の立場は逆だが。 それから終盤のヒーロー「ホセ・フェロー」は「刑事コロンボ(愛情の計算)」で犯人役だったが 失礼だが悪人顔だと思う。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2024-04-29 17:12:48) |
2. ア・フュー・グッドメン
《ネタバレ》 楽しめた。 終盤の法廷シーンは圧巻。 キャフィの追求にデジャヴを覚えるのは「コロンボ」流手法。 犯人のプライドの高さや激昂する性格を利用して思わず自白させる畳みかけ、また証人の価値のない地上係員(当時の事は覚えていなかった)を呼びプレッシャーをかけるハッタリや翌早朝出発予定のサンティアゴの部屋には荷造りの痕跡が全く無かったことに着眼するのもコロンボ的で面白かった。 [CS・衛星(字幕)] 8点(2024-04-18 16:35:39) |
3. 8月の家族たち
《ネタバレ》 感動・感涙、起承転結無く終始暗く陰鬱な映画。 どなたかが「渡る世間は鬼ばかり」の米国版、と評していたが言い得て妙。 しかし渡鬼には喜怒哀楽があり時折りホロッとするシーンもあったがこれには無い、また渡鬼にはいわゆるシモネタは一切無い。 ジョナだけがマトモ。 唯一スカッとしたのはそのジョナが終盤ジーンにマリファナを吸わせたり卑猥な言動をするスティーブにスコップで襲うシーン。 ここに一点。 [CS・衛星(字幕)] 1点(2024-02-22 10:37:14) |
4. Shall we ダンス?(1995)
《ネタバレ》 面白くない。 草刈民代のヘボ演技が致命的。 終盤ダンス大会でカツラを脱ぎ捨て見違えるような演技をした青木を見たたま子先生の 「カツラを取ってひと皮むけたのね」のひと言だけが笑えた。 [DVD(邦画)] 3点(2024-02-17 17:49:38) |
5. 黄色い星の子供たち
《ネタバレ》 切ない、悲しい。 ユダヤ人への迫害ぶりが延々描かれていたがラストでジョーとノノが生きていたことがせめてもの救い。 ただ、冒頭~随所に権勢をふるい優雅に暮らすヒトラー(実写や演技)が登場したがその没落ぶりも描いてほしかった。 その点が映画としてのスッキリ感が今一つ、マイナス1点。 [DVD(字幕)] 9点(2024-02-13 18:43:55) |
6. キッド(2000)
《ネタバレ》 映像、音楽は良い。 ストーリーはほとんどつまらない。 そもそも結構な家に住みイメージコンサルタントとしてそこそこの地位にあるラスが「負け犬」とは言えない。 40前で独身でもやましいことではない、まして犬を飼っていないなどは瑣末な話。 さらに8才の頃のトラウマだったイジメに屈したこともタイムスリップしリベンジし「変わる!」と思いきやウヤムヤ・・・。 40才からパイロットになり結婚し犬を飼うことが跳び上がって喜び合うハッピーエンドだろうか。 [DVD(字幕)] 1点(2024-02-10 19:13:00) |
7. バッテリー
《ネタバレ》 感動・感涙場面ほとんど無し。 主人公「巧」はいつも不機嫌、何があってもダンマリの連続、こんなにセリフの少ない主人公も珍しい。 エピソードのブツ切りが目立つ。 特に終盤、横手二中との試合途中で同校監督が乱入し中止になるがなぜ再試合できたのか。 なにより「バッテリー」というタイトルだが巧と豪のぶつかり合い、解り合いの細かな描写が希薄。 [DVD(邦画)] 1点(2024-02-10 18:26:26) |
8. 総理の夫
《ネタバレ》 概ね5点レベルの評価ですが私は終盤まで7~8点くらい面白く観ていた。 ややリアリティには欠けるが志高い凛子、純心な日和、凛子を敬う富士宮、ワケありなるい、腹黒い原九郎などが織りなす人間模様、 そしてその原がるいを使って日和に仕掛けるハニートラップ~凛子の妊娠~選挙で勝利、まあそこそこ楽しめた・・・ が、終盤、凛子の辞任記者会見会場へ乱入した日和の演説(絶叫?)には唖然呆然。 内容も支離滅裂、ほとんど心に届かなかった。 それにあれだけ凛子降ろしに暗躍した原がなぜ日和乱入を助けたのか、凛子の後任は原ではないしかなり高齢の設定のようなのでその変心が解せない。 そんなこんなで評価は急降下、3点。 [DVD(邦画)] 3点(2024-02-02 18:15:51) |
9. アヒルと鴨のコインロッカー
《ネタバレ》 原作未読、事前知識無し。 ストーリーは面白かった。 河崎=ドルジで始まる前半、終盤でのネタバレ(「隣りの隣り」は笑える)まで飽きずに観れた。 ただ一点、琴美のキャラ(行動)にはほとんど共感できず。 公園でペット殺しの現場を見た時になぜ警察に通報しなかったのか、逆に逃げ際に「警察に言ってやる!」と犯人グループを挑発しあげく身元の判る定期券を落としてしまうドジさ。 案の定待ち伏せされ襲われるがここは「河崎」に救われる。 それにも懲りず脅迫電話の音声で察知した犯人グループの居場所(ボーリング場)に押し掛ける。 ※ここでさすがにドルジが通報し警察官が駆け付けるが簡単に逃げられる(その間抜けさに私は警備員かと思った) そして逃亡しようとする車の前に仁王立ちするが轢かれてしまう。 はっきり言って琴美のこれらの行動は正義漢というより無謀。 琴美が過去に警察(あるいは学校、役所等の公的機関)に不信感を抱く体験でもあれば印象はまた違ったはずだがその伏線もなし。 このモヤモヤ感のウェイトは結構高く結果3点。 [DVD(邦画)] 3点(2024-02-02 17:21:26) |
10. あなたを抱きしめる日まで
《ネタバレ》 まさに「事実は小説より奇なり」、感動した 圧巻は終盤のマーティン、フィロミナ、ヒルデガードの息詰まる対決(言い合い) マーティンはヒルデガードに「謝れ、せめて死んだ母子の墓をきれいにしてやれ」と迫る ヒルデガードは「自制と禁欲によって神に近づける」と一歩も引かない しかしフィロミナはヒルデガードに「私はあなたを赦す」と、 そしてマーティンに「赦しには大きな苦しみが伴う、私は人を憎みたくない」と言い部屋を出る マーティンも後に続き部屋を出るが間際にヒルデガードに「僕はあなたを赦せない」と言い放つ 実に考えさせられる対決だ 私の共感ウェイトはもし20代30代ならマーティン90% フィロミナ10% ヒルデガード0%だが、 そこそこ年を重ね寛容(赦し)を学んだ今(72才)はそれぞれ30% 65% 5% だ [CS・衛星(字幕)] 10点(2024-01-25 17:45:16)(良:1票) |
11. 風の電話
《ネタバレ》 ハルにはほとんど感情移入(共感)できない。 ストーリーにもリアリティ(あるある)を感じない。 確かに震災で両親と弟を一度に亡くしたことは大変なショックだっただろう。 だがすでに8年経ち高校3年にもなって倒れた叔母を病院に置いたまま制服のままヒッチハイクして岩手に帰ろうとするのは無茶。 そして公平はじめハルに出合う面々もまずは警察に相談する、病院や学校に連絡する、など未成年者を保護した時の常識的な対応が全くない。 終盤で母親に無断で「風の電話」に行こうとしている少年にハルが「親には連絡したほうがいいよ」と忠告するが「よく言うよ!」と思った。 [DVD(邦画)] 1点(2024-01-25 16:37:14) |
12. 決戦は日曜日
《ネタバレ》 なかなか面白かった。 近くの図書館で何気なく借りたが裏金やキックバック問題など政治家のモラルが問われている昨今、タイムリーな作品だった。 ストーリーもリアリティを感じさせ二世候補者、秘書、後援会の重鎮、あるある感満載だった。 宮沢りえは「湯を沸かすほどの熱い愛」や「紙の月」などのシリアスな役より昨年の大河ドラマでの「牧の方」や本作のような「跳んでる」キャラのほうが適役ではないか。 特にツッコミどころは無かったが一点、終盤の投票日のシーンで今は投票締め切りと同時にTV各局とも出口調査等に基づき当選確実を報じているが本作では確か約二万票ほどリードしているのに開票状況を見守るシーンが続き違和感を覚えたのでマイナス一点。 [DVD(邦画)] 9点(2024-01-13 16:09:11) |
13. ものすごくうるさくて、ありえないほど近い
《ネタバレ》 あるある感(リアリティ)わかるわかる感(共感)をほとんど感じない作品でした。 ・なぜあれほど執拗に母を責めるのか?(父から電話があった時不在だったことを) 母も出勤中だったからであり遊びやまして他の男性と会ったりしていたわけではない。 オスカーは当然理解しているはず。 ・母も父から会社に電話があり最後の会話ができたことをなぜオスカーに話さないのか? ・「鍵」がなぜこの物語の「キー」になっているのか?またメモに書いてあった「BLACK」を名前と決めつけるのか? ・「間借人」はオスカーへの態度で早々にお祖父さんと解ってしまう ・オスカーのハチャメチャぶりも見苦しい(工場での部品バラマキなど) これでは感動・感涙には程遠い。 あげく鍵の主はアカの他人、というオチではズッこけるしかありません。 [DVD(字幕)] 1点(2023-12-04 18:40:04) |
14. 卒業(1967)
《ネタバレ》 終盤にロビンソン氏がベンジャミンに浴びせた言葉「貴様はゴミだ!」「最低の人間だ!」「変態だ!」が一番響きました。 こんな男に付いていったエレーンも輪をかけたアホ。 ラストのツーショットがバカップルで名をはせた羽賀研二と梅宮アンナに見えた。 サイモン&ガーファンクルの名曲サウンド・オブ・サイレンスを始めスカボロー・フェアやミセス・ロビンソンが台無し。 観なけりゃ良かった・・・ [CS・衛星(字幕)] 0点(2023-11-22 18:12:34) |
15. 幻の光
《ネタバレ》 随所に小津さんの作風が観られましたが映画全体としては月とスッポン、雲泥の差がありました。 小津作品は親子、兄弟、男女等々・・・様々な人間関係が織りなす機微を繊細かつテンポ良く描いています。 その中に時折映し出される静謐な情景が観るものの心の琴線に触れるのです。(「東京物語」が好例です) しかし本作品は喜怒哀楽・起承転結がほとんど感じ取れないストーリーなのでいくらローアングルで部屋を、そこにたたずむ人を、 また能登の風景を映してもなんの感情も起きません。 とにかく登場人物のキャラがあまりわからぬままストーリーが展開するのでゆみ子にも民雄にも感情移入(共感)できず、 あげく郁夫の自殺の原因は「幻の光を見たから・・・」で締められては何の奥行きも深みも感じられず開いた口が塞がりませんでした。 マァ私は「映画は芸術ではない、娯楽だ」派なので映像美だの、音楽性だの、監督の世界観だのと言った高尚な感性は一切持ち合わせておりませんのであしからず。 [DVD(邦画)] 1点(2023-11-05 17:42:47) |
16. 暗くなるまで待って
《ネタバレ》 オードリーヘプバーン主演作品の中では最も良かった。 「ローマの休日」や「裏窓」「麗しのサブリナ」などはそれなりに楽しめたがどれもストーりーが雑すぎる。 やはり「あるある(リアリティ)」「わかるわかる(共感性)」が乏しいと感情移入できない。 その意味で本作はハラハラドキドキの連続で楽しめた。 極悪「ロート」、チョイ悪「マイク」ボケ悪「カルリーノ」の微妙な駆け引きも面白い。 少々頼りない夫「サム」も逆に「スージー」の引き立て役になった。 何より「グローリー」の存在感が際立った。 [DVD(字幕)] 9点(2023-10-29 10:00:13) |
17. チェンジリング(2008)
《ネタバレ》 感動しました。 142分がとても短く感じました。 何より「ハラハラ」場面と「ワクワク」場面のバランスが絶妙でした。 評価が高い「シーシャンクの空に」も感動しましたが終始「ハラハラ」場面の連続、「ワクワク」はラスト10分くらいなのでちょっと疲れます。やはり「ハラハラ」はほどほどが精神衛生上良いです。 登場人物も善悪がハッキリしています。 警部は5,60年前に大ヒットしたアメリカドラマ「逃亡者」で無実の罪に問われた主人公を執拗に追い続けるジェラード警部を彷彿させる冷酷非情なキャラが似合います。 ウォルターに成りすました子役もずる賢さを良く演じていました。 そしてハッピーエンドに近い結末もひと安心です。 猟奇殺人犯は逮捕、ロス市長・市警本部長・警部らは糾弾、精神病院は解放されました。 ウォルターは発見できませんでしたが生存に一縷の望みをかけ探し続けるコリンズ・・・でのラストは良かったです。 このところ「ハズレ」を数本観続けていたので相対的にも10点献上です。 [DVD(字幕)] 10点(2023-09-23 17:05:05) |
18. ヒトラー 最期の12日間
ドイツ版「日本のいちばん長い日」でしょうか。 ドイツであれ日本であれ敗戦濃厚になると徹底抗戦派と講和(降伏)派の対立が浮き彫りになる様子が良く解ります。 ゲッペルス夫人が幼児らを毒殺するシーンは心が痛みます。 それにしても戦争終結を日本では昭和天皇自らのお言葉により玉音放送で国民に伝えられましたがドイツでは 街宣車まがいの車で淡々と伝えられたんですね。 映画としてというより独裁国家の末路を改めて知るドキュメンタリーとして良い作品と思います。 [CS・衛星(字幕)] 8点(2023-08-06 15:00:46) |
19. ツリー・オブ・ライフ
映画屋の映画屋による映画屋のための映画です。 どなたかが「映画は芸術ではない、娯楽だ」とコメントされていましたが全く同感です。 私はプロフィールに映画鑑賞のポイントは「リアリテイ(あるある)」と「共感性(わかるわかる)」と書きましたが 本作にはリアリテイも共感性のかけらもありません。 まぁ昭和の頑固で一徹の父親像が感じられますが「それで・・・?」です。 カネ返せ!と言いたいところですが公立図書館から無料で借りたのでそれは言えません。 時間を返せと言いたいところですが今は現役をリタイアしヒマなのでそれも言えません。 せめてここで「0点」を付けさせていただきます。 [DVD(字幕)] 0点(2023-08-04 16:23:52) |
20. アマデウス ディレクターズカット
《ネタバレ》 サリエリがいかにモーツァルトの才能を畏れ妬みあらゆる策を弄して滅ぼすか、神父への告白を中心に展開される180分が長く感じられない作品でした。特に終盤、死が迫る中レクイエムの作曲に徹夜で助力(代筆)したサリエリに「私はあなたに嫌われていると思っていたが間違っていた、赦してください」と穏やかに語りかけたモーツァルト。その言葉になんとも言えぬ複雑な表情のサリエリ。最も印象的なシーンでした。 ただ私がやや納得できなかった点が一つ、序盤モーツァルトが皇帝に拝謁した際サリエリが作曲した「歓迎マーチ」をモーツァルトが「ヘンな曲」とけなした上即興で見事に編曲し皇帝や取り巻きを唖然とさせた。そこまで実力の差が歴然としているのにその後のオペラではサリエリの作品のほうが絶賛されるのは今一つ納得できない。他サイトの解説をみると「歓迎マーチ」のエピソードは全くのフィクションとのこと。であればそのエピソードはサリエリを過小評価させる誤解を与えるので不要ではないでしょうか。その意味で私の評価としてはマイナス1点にしました。 [DVD(字幕)] 9点(2023-07-29 18:30:14) |