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2061.  サブウェイ・パニック 《ネタバレ》 
犯人の作戦全体にも工夫があんまりないし、捜査側もワーワー騒いでいるだけであって、人質を取られながらも知能戦でクリアするという側面もないし、かといってとにかく何とかしようという情熱があるわけでもない。いっそこれだったら、思いっきりコメディチックにした方がよかったのではないかとさえ思います。導入部の犯人組がするする入っていく格好良さ以外には、あまり見るべきところがありませんでした。
[CS・衛星(字幕)] 5点(2014-02-02 00:31:04)
2062.  天城越え(1983) 《ネタバレ》 
この設定だったら、例えば「伊豆の踊子」程度にはロマンチックな世界と、そしてそれを現代から回想する視点を通じたほろ苦さや虚しさというものを(勝手に)期待するのであるが、全然そうはなっていなかった。何よりも、道中のハナとのやりとりにほとんどウェイトが置かれておらず、ハナは少年をどう感じていたのか、少年はハナのどこにどのように惹かれていったのかが不明確なので、肝心の場面に説得力がない。そもそも、現時点からの主人公の回想で進んでいるはずなのに(そうでなければならないのに)、主人公が見ていない警察の捜査や取調の状況をいくら拡げたところで、視点のブレと混乱を招くだけなんですが。
[DVD(邦画)] 3点(2014-02-01 00:00:20)
2063.  それでもボクはやってない 《ネタバレ》 
作品がもたらす問題意識、そのテーマの今日性と普遍性、制作におけるメッセージの強さと揺るぎなさという点においては、間違いなく10点。2時間20分を緩まず見せ切るテクニックも文句なし。しかし、理不尽な評価で本当に申し訳ないのだが、描写があまりにもリアルで生々しくて、この社会に対する絶望がひたひたと押し寄せてきてしまうところから、この点数とさせていただきたい(それでも、最後の主人公の静かな強い意志には、幾分か救われるのだが)。なお、捜査や公判の描写の仕方もいちいち丁寧なのだが、さらに鳥肌が立ったのは、小日向文世演ずる裁判官の、弁護側証人や被告人に対する、口調は丁寧で表情も穏やかながらも、言っていることは物凄い揚げ足取りな尋問の仕方。そして、判決理由においては、「被害者」が若年女性だからというだけでその供述を無条件に全肯定するダブル・スタンダードっぷり。これ、誇張でも何でもなく、「現実に」そうなんです。
[DVD(邦画)] 7点(2014-01-30 01:29:32)
2064.  ビフォア・ミッドナイト 《ネタバレ》 
前作と前々作を見てきた人ならば、あれから9年後の2人に、しかも実際の9年後に再会できるということだけで、もう感涙してしまうわけです。しかし、これまでの作品の実績によりかかるのではなく、あくまでも過去を崩さずに、しかし着実に過去を発展させた結果を存分に提示してくれます。長回しや延々と続く会話の応酬には「相変わらずだなあ・・・」と嬉しくなりつつも、しかしその中で提示される内容、そしてそこから拡がるジェシーとセリーヌそれぞれの「現在」は、まさに95年とも04年とも違う世界を示しています。クライマックスのホテルの一室での20分間の感情のぶつけ合い、しかしただぶつかり合うだけではなくて、アクセルとブレーキとハンドルを双方が目まぐるしく操作しながら行われるぶつかり合いは、何とスリリングなことか!そして最後には、タイトルの意味も分かり、第1作から通じてのタイトルの意味まで分かってしまうという、何とも味わい深い着地です。お見事。
[映画館(字幕)] 8点(2014-01-26 20:29:10)(良:1票)
2065.  バック・トゥ・ザ・フューチャーPART3 《ネタバレ》 
面白いことは面白いんだけど、その面白いところの大半って、1や2からのネタの使い回しなんですよね。もし、1のテンションそのままに作っていたら、例えばマーティの先祖やその妻なんかは、もっと上手く使っていたことでしょう(キャストからしてわざわざ流用しているわけですし)。あと、クララも実はタイムトラベラーだった、とかだったら面白かったのですが。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2014-01-21 02:19:43)
2066.  あなたに恋のリフレイン 《ネタバレ》 
キム・ベイシンガーのステージアクションは間違いなく頑張っているのに、作品としては何であまり面白くないんだろうなあ。やっぱり、制作側が筋を追うだけで手一杯になっており、それ以上の演出や人格造型に至っていないのが問題なんだろう。主人公の友人なんかはあんなに数はいらなかったし、ギャングのボスとか元の婚約者およびその父とか、もっと使いようのあったキャラもいたと思うんだけど。
[DVD(字幕)] 5点(2014-01-20 01:22:14)
2067.  落葉樹 《ネタバレ》 
母親との想い出はいろいろあるのだろうが、ここでの場面選択根拠は、おそらく「主人公が想い出した順」。したがって、各場面に関して、何があったからこうなったとか、どこを受けてこれがあるとかいう関係が希薄であり、全体がほぼ並列である。なので、映画というよりも、再現フィルムを見ているような感じ。
[DVD(邦画)] 5点(2014-01-19 00:28:39)
2068.  バック・トゥ・ザ・フューチャーPART2 《ネタバレ》 
1では、いろんなトラブルや危機が発生しつつも、それを手際よくさばいていくテンポが爽快だったわけなのだが(脚本という意味でも、キャラクターという意味でも)、この作品では、何かにつけてマーティとドクがもたもたしていて、自分からピンチを拡げているような気がする。ビフが「悪ガキ」から「モノホンの悪」になってしまったとか、未来の方でせっかく二役を駆使していながら今ひとつ活用されてないとか、細かいところが雑あるいは安直なのも残念でした。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2014-01-18 00:43:02)
2069.  太陽の雫 《ネタバレ》 
3時間の長編なんだけど、実質は1時間の話×3といった趣なので、そんなにダラダラした印象は受けない。やたらとテンポが早くて突っ込みは浅いんだけど、ほとんど出ずっぱりのレイフ・ファインズのスタミナは見事だし、ハンガリーという国家そのものに向き合った制作者の姿勢も讃えたい。とはいえ、これだけの話だったら、年月の経過とか、そこに絡みつく血の系譜といったものをもっと見たかったのも事実。何となく、どこも同じトーンの同じ時代に描いているように見えてしまう。
[DVD(字幕)] 6点(2014-01-16 00:03:05)
2070.  恋愛睡眠のすすめ 《ネタバレ》 
エターナル・サンシャインが何故成功したかということを踏まえずに、そこで特徴的とされた部分だけをデフォルメした結果、設定だけがふくらんでいくつまらない作品になってしまいました。エターナル・サンシャインは、現実の部分の作りがしっかりしていたからこそ、夢と現実が相互に絡み合って唯一無二の世界を作り上げたわけですが、ここではそれはなく、ただ単に妄想だけが作り手の都合の良いように継ぎ接ぎされています。妄想なり夢想をテーマとするからこそ、現実の部分がどうなのかを固めておかないといけないはずなのですが。
[DVD(字幕)] 3点(2014-01-14 00:24:57)
2071.  東京オリンピック 《ネタバレ》 
マイナーな競技もきちんとカバーしているのが良い。選手のみならず、ボランティアスタッフの動きもきちんと捉えているのが良い。当時の日本人の服装、髪型、表情、ときには街中の風景も収められているのも興味深い。ああそれと、一番良かったのは、淡々と冷静に話しながらも、必要な情報は伝えており、無表情というわけでもなく感情もこもっている、アナウンサーの実況中継。ただ叫んだり大騒ぎしたりすることを盛り上げと勘違いしている人たちは、この作品を見て勉強し直すべきだ。あと、映像はいろいろ興味深いのだが、ドキュメンタリーである以上は、今映っている競技の開催日や場所なんかの基本的データもきちんと記しておいてほしかった。
[CS・衛星(邦画)] 6点(2014-01-12 23:37:26)
2072.  ニュースの天才 《ネタバレ》 
結論を知ってから見ると、序盤から中盤にかけても、各登場人物の心理がさりげなくぶつかり合っていて、スリリングに展開しているのが分かる。いろんなシーンで、それぞれの編集部員の表情や雰囲気を丁寧に撮っているのが効いている。それにしても、普通の人間だったら、フォーブスからの突っ込み一発で、これはやばいことになったと動揺しそうなのに、常にとりあえず謝罪しながらもぎりぎり逃げ道は確保している、それを呼吸するようにナチュラルに行っている主人公は、やはり何かの異人格を感じる(し、それを表現したヘイデンの演技も絶妙)。さらに、そういった人間にはどう対応すべきかということも、チャック・レーンが教えてくれる(し、それを表現したサースガードの演技も絶妙)。記事の裏を取りに行く場面で、ひねりも何もなくごく単純に、裏を取るだけで捏造を破っていくあたりに、逆にサスペンスを感じる。
[DVD(字幕)] 7点(2014-01-11 01:49:42)
2073.  最後の忠臣蔵 《ネタバレ》 
何と予想外に面白かった。誰もが知っている忠臣蔵は背景にずどんと設置し、そこでは注目されない脱退藩士や寺坂にスポットを当てる。そして、登場人物が「その先」へ向けてきちんと機能しています。途中、全員が全員の正体や状況を知っている状態になって、その先どうするのか?と思っていたら、そのまま堂々と嫁入り一本で押し通す自信満々ぶりにも驚きました。俳優陣では、安田成美の芝居が随所で場を引き締めており、ここまで存在感のある人とは思っていませんでした。脚本全体では、ところどころおかしな日本語や言葉遣いはありますが、目をつぶります。
[CS・衛星(邦画)] 7点(2014-01-08 01:07:51)
2074.  深呼吸の必要
5人の若者がみんな同じ顔をしている時点で、創作としては失敗。各人が過去を語らないということは、各人に過去や背景がないということを意味しない。明示的に表現しないのであればなおさら、人格について丁寧な作り込みを行わないと、登場人物としての必然性がなくなってしまうのだが、この作品はそこまで考えていない。結果、サトウキビ畑の風景や作業そのものに寄りかかってしまっただけ。
[CS・衛星(邦画)] 4点(2014-01-07 00:55:05)
2075.  ロング・ライダーズ 《ネタバレ》 
人物設定については、兄弟出演ありきで組んでしまったような感じで、そんなにたくさんメンバーが必要だったのか?という気はするのだが。よって、中盤までは、作った側も、誰をどう動かしていいのか困っている気配があるのですが、終盤、決戦の敗退から脱走までのシークエンスの迫力はなかなか。
[CS・衛星(字幕)] 5点(2014-01-06 02:54:55)
2076.  愛情は深い海の如く(2011)
レイチェル・ワイズ主演の不倫ロマンスものなんて、それだけで期待が高まるのですが、がっかりするような内容でした。台詞を必要最低限にしているのは、もしかしたら原作の戯曲との違いを設けたのかもしれませんが、そうだとすればそれが裏目に出ている。つまり、登場人物は会話ともつぶやきともつかない発言をぼそぼそしているだけで、しかも各シーンは役者が演技力を発揮する前に容赦なくブツ切りにされて次に行っているのです。設定から来るはずの背徳感も焦燥感もあったものではありません。これは残念だな・・・。
[DVD(字幕)] 3点(2014-01-06 00:48:02)
2077.  レイチェルの結婚
何かが起こりそうでぎりぎりのところで起こらない、この不自然な緊迫感を延々続けているところが、問題を抱えた家族の生々しさを実感させてくれる。キーパーソンの母親役にデブラ・ウィンガーを引っ張り出したのは大正解で、彼女の存在感がもたらす圧迫感が、登場人物全体に落としている影をそのまま物語っている。
[DVD(字幕)] 6点(2014-01-06 00:37:15)
2078.  ブラザーズ・ブルーム 《ネタバレ》 
エイドリアン・ブロディとマーク・ラファロとレイチェル・ワイズという芝居ができる人たちを投入しておいて、何でこんなにつまんなくなるかね?凝ったつもりでやっている部分が、ことごとく的を外しています。大体、冒頭で兄弟がどうのこうのというのをしつこく言っておいて、中身とほとんど関係ないじゃん。途中からの適当な継ぎ接ぎにくっきり見えてくる息切れぶりも見苦しい。
[DVD(字幕)] 3点(2014-01-05 02:32:18)
2079.  トイ・ストーリー2
とにかく、みんなが喋りすぎ、動きすぎで、むしろそれを目的として作品を作っているのかということを疑わざるをえない。いくらCG技術が優れていても、それを用いて物語として何がしたいのかが定まっていなければ、面白くはないのです。
[ブルーレイ(字幕)] 4点(2014-01-04 18:51:13)
2080.  卍(1964)
2人のヒステリー女に見る側が延々とつき合わされている、という印象しか持ちませんでした。描写に背徳性もなければ耽美性もなく、台詞で説明しているとおりのことをただ実行しているだけです。
[DVD(邦画)] 3点(2014-01-02 01:14:57)
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