2081. ソルジャー(1998)
《ネタバレ》 うーん。単純におバカノリを楽しんだりもしたんですが、映画終わって「ん?」と内容を考えて、むむむ・・・って感じになっちゃいました。SFですけどフォーマットは西部劇。町に受け入れてもらえない流れ者が、結局町を救う、って。だけど、この見事な人種分けはどーなんでしょ? 平和な白人の町に攻めてくるのは黄色人種。それを全滅させて白人とちょいとだけ活躍した黒人がめでたしめでたしと。黄色人種=ネイティブアメリカンという西部劇の図式を単純に引用しただけの、無意識でやってる状態にしても無神経、意識的にやってるとすれば、かなり悪質。まー、私の考え過ぎである事を望みます。 [映画館(字幕)] 5点(2003-12-09 23:56:03) |
2082. ソードフィッシュ
《ネタバレ》 すいません、クライマックスのバスぶら~んのところで「ドリフだ~」って感じで笑えて仕方ありませんでした。いやいや、ちゃんと計画しておきながら、あんなマヌケな展開してちゃいけませんでしょ~、というのはあるんですけどね。で、物語はまんまと騙されちゃいました、って物語なんですけど、いちいち強引なのでマジメに見てるとバカを見る、って感じが。あと、あんまり長いブレット・タイムはやめてね。私、ブレット・タイムを見ると何故か息止めるクセがあるんで、窒息しちゃいます。 6点(2003-12-09 23:37:41)(笑:2票) |
2083. 千年女優
《ネタバレ》 千代子のラストのセリフが不評だったりするのですが、私はあのラストのひと言に強く納得してしまいました。「そーでしょうとも!」って。ありゃ落語の「下げ」にあたるモンだと。千代子が「あの人」を追いかけ虚構と現実の間をひらりひらりと駆け抜ける波瀾万丈の物語は、題するならば『ホラ吹き女優の大冒険』。「あの人」のために女優を生きた千代子にとっての世界の総て。なんて幸せで素敵な人生なんだろ!と思った私だったりします。『キル・ビル』にも通じる映画の愛に満ちていて(元ネタ映画のセレクトがなんでもありだ)、虚構の映画、虚構のアニメ、だけどそれがなんだっていうの?とばかりに次々と花開いてゆく映像世界に、満ち足りた気分になるひとときでした。 [映画館(邦画)] 9点(2003-12-09 23:18:53) |
2084. 1000年女王
《ネタバレ》 ≪めちゃネタバレ≫女王の正体は?ってウリだったんですけど、いや、最後まで判んないし。そのうち、公開中の新聞広告で「1000年女王はメー○ルだった!」って。ええー?んなコト何にも言ってなかったじゃん、そういえばプロメシュームって呼ばれてたなぁ、でもそれってメー○ルのお母ちゃんじゃん、つーか、そもそもラストで死んじゃってるじゃん・・・。もうワケ判んない。独特のクドい絵柄は最後まで馴染めず、意味のない映像に気合い入った作画してたり(ドクターがただ延々と歩くシーンを大々的な動画で描いております)、物語は感動しろ~!と押しつけてきながら、全く感動できず、散々な映画でした。主題歌は良かったですけど。 [映画館(字幕)] 3点(2003-12-09 22:55:44) |
2085. 戦場のメリークリスマス
兵隊と捕虜。立場が異なりながら抑圧されたもの同士が、己の弱さを隠しながらぶつかり、惹かれ、そして離れてゆく。価値観が覆された人間の弱さ響いてくる悲しい映画でした。ただ、物語がスムーズに流れていなくて、散らかった印象が強かったのが残念です。それに、演技は各人バラバラでしたしねぇ。そのバラバラさ加減もコントラストの一つ、と解釈できなくもないですが、日本兵はリキんでる人が多くて浮いてました。たけしは自分の監督作よりも人が監督した作品での姿の方が魅力的だと思います。 [映画館(邦画)] 7点(2003-12-09 22:45:27) |
2086. 戦場のピアニスト
《ネタバレ》 前半の胸が締め付けられるホロコースト描写から、後半は一転して安易にヒューマニズムを訴えたりせず、一人の男がただ生きてゆく様を描いてゆきます。ガラス、窓、ドア、壁、塀。幾度となく登場するモチーフ。シュピルマンの前にあって他人や世界と彼を隔てているもの。彼は耳をそばだて息を殺し、その外側にあるもの、そこにいる人間の様子を窺います。自分を隠し、守るもの。そしてそれを越える時、常に彼に新しい世界が広がります。それは他との接触、そこから新たに生まれてゆく摩擦と融和。殻から抜け出し新たな殻を見つけてゆく・・・。オープニングからして、シュピルマンの殻(スタジオ)が砲撃によって破られ怪我をするところから始まる訳で。私はこの映画が、そんな象徴から戦争と個人について読み解いてゆこうとしたのかな、と思いました。ただ、描写については、少々気になる部分もあり(シュピルマンが指の動きで曲を奏でるシーンでピアノの音を流すのはサービス過剰で、あそこは無音の方がドラマティックじゃない?とか)、映画を見終わった後の印象は「それなりかな」止まりでした。 [映画館(字幕)] 7点(2003-12-09 22:21:46) |
2087. セロ弾きのゴーシュ(1982)
ぽこぽこぽこっ、って。ああ、ちびタヌキが愛らしい・・・。ネコは前衛芸術みたいなコトになっちゃってましたが。高畑監督の映画では、これがいちばん好きです(もっとも他は全部あんまり好きじゃないんですけど)。田舎の風景の中にふわふわたゆたってゆく映画。最初の方で登場するタヌちゃんの印象があまりに強くて、それ以降の他の連中がワリを喰っちゃった印象はありますが、サラリとした、心穏やかになる映画でした。ちなみにこれは劇場公開作品ではなくてホールでの自主上映だったのですが、鑑賞環境は映画館(邦画)で正しいのかなぁ? [映画館(邦画)] 7点(2003-12-09 21:41:31) |
2088. 007/ダイ・アナザー・デイ
《ネタバレ》 うーん、「トゥモロー・ネバー・ダイ」を楽しんだ私でしたが、これは楽しめませんでした。なんていうのかなぁ、形骸化されたモノを見せられたような感じ。ボンド映画はこうあらねばならない、みたいな要素をただ羅列しているだけのような。美女ですキザですボンドカーですアクションです・・・って。設定の縛りがキツくて無茶できない、まるで寅さんかゴジラみたい。世界情勢を取り込んでいても、元が007じゃいつも通りでしょ、っていう感じしかしませんしねぇ。あ、要塞決戦がラストじゃないあたりは、いつもとちと違いましたか。CGばりばりな世界でしたけどね・・・。 [映画館(字幕)] 4点(2003-12-09 21:25:07) |
2089. 007/トゥモロー・ネバー・ダイ
劇場では飛び飛びでしか見てない007ですが、一応シリーズ全部、何らかの形で見ていて、でも、この映画で初めて007を心から「うっわ、面白い!」と思った私(『ロシアより愛をこめて』は名画でしたけど)。この映画、シリーズの他の作品に比べるとかなり簡潔。上映時間はシリーズ中でも短い方で、物語はとんとんっと展開。美女とのキザな絡みもあまりなく、一方でジャッキー映画風なアクションがあって、ちょいと野暮なそれまでの007よりも娯楽度が高かったがゆえに楽しめたのでしょう。うーん、でも個人的に実はミシェル・ヨーの魅力が全て!かもしれず。いずれにしろ007の魅力を今もって全然理解できてない気がして仕方ありません。 [映画館(字幕)] 7点(2003-12-09 21:14:28) |
2090. 007/私を愛したスパイ
スパイアクションもスパイひみつどうぐセットも充実の、当時のシリーズの中では、いちばん楽しい映画でした。でも、な~んか野暮ったい感じがしちゃったのは、視覚的なインパクトの連続で構成されてるけど、そういうのはハリウッドにゃ敵わない、って感じがあったからでしょうねぇ。物語勝負!みたいなところは、今ひとつのまんま、とゆーかジョーズがバリバリン!と登場しちゃったら、もう物語もナンも吹っ飛んじゃいますからねぇ・・・。 6点(2003-12-09 21:00:22) |
2091. 007/ダイヤモンドは永遠に
渋谷全線座という、キャパだけはめっちゃくちゃ大きい、だけどボロい名画座で見ました。やたら混んでいたものの、早くから並んでいた私と友達3人は二階席の一番前に陣取れました。しかし、この映画はキチンと見れたものの、もう1本の「ドクター・ノオ」は友達に途中でトイレに行こうと誘われ、気がすすまないながらもトイレに行ったら、立ち見の人がドアの外まで溢れていて中に入れなくなってしまい、結局半分くらいしか見られないまま終わってしまいました。もっともその時の「ドクター・ノオ」はフィルムがズタボロ、ボンドが画面内をワープしまくるという状態だったので、もー全くアタマの中に入ってこないシロモノではありましたが。さて、いい加減、「ダイヤモンドは永遠に」のハナシ。スパイアクション映画としてもスパイひみつどうぐセットオモチャ映画としても中途半端で(製作準備期間がなかったの?)、なんだかボンドも悪役も冴えない映画でした。でも、最大の疑問は、こんな事言っては大変失礼なのですが、ボンドガールは彼女で本当に良かったのでしょうか? [映画館(字幕)] 5点(2003-12-09 16:47:45) |
2092. 007は二度死ぬ
リバイバルで見たのも今から25年以上前の事。いやあ、不思議な映画でした。「オースティン・パワーズ」の元ネタいっぱい、と言うより、この映画自体が「オースティン・パワーズ」状態です。あんな日本があったら、一度訪れてみたいものです。映画としては、007がスパイアクション映画からスパイひみつどうぐセット映画へと変化してゆく真っ最中って感じで、中途半端にバカバカしい、という感覚が目立ちました。まさかこの感覚が、多少の出来不出来こそあれ、35年以上続くとは・・・。 [映画館(字幕)] 5点(2003-12-09 16:36:35)(良:1票) |
2093. セブン・イヤーズ・イン・チベット
ブラピがスクリーンに映ってる時間だけはたっぷりあって、でも、会話やエピソードの積み重ねで彼に人間的な魅力を持たせる、という事はあんまりしていないので、ちっとも迫ってきません。ダライ・ラマと出会ってから最後までが実は短いというのも、なんだか肩すかし。そこの部分こそ、しっかり見たかったんですけれど。実話を元にしていながら、まるでブラピのプロモーション映画。これを、映画ファンが興味を惹くであろう『マジメでドラマティックで感動的な作品』というイメージに仕立て上げた配給会社の勝ち、ってところでしょうか。 [映画館(字幕)] 4点(2003-12-09 16:22:54) |
2094. セブン
《ネタバレ》 延々と降り注ぐ雨、鉛色にくすんだ都会、絶えず流れ込んでくるノイズ。個人的にカイル・クーパーのベストワークだと思うメインタイトルとエンドクレジットに飾られたこの映画は、細部に至るまで意匠が凝らされていて、深い絶望の色が美しい映画でした。サマセットとミルズを追うカメラは、シネスコの魔術師ダリウス・コンジによって絵画的に切り取られ、音は、スピーカー位置がハッキリしてしまうデジタル音響の欠点を補うように移動し、包み込みます。物語的には、ちょっと?なところ(ミルズの奥さんに必要以上にウェイトを置くのが疑問で、最後にそれはラストにかかっていたため、と理解するのですが、いかんせんバランスが悪いです)もありましたが、超鬱なこの映画が嫌いになれない、消極的ながらも好きと言えてしまうのは、その負の美を芸術的なレベルにまとめあげたフィンチャーのセンスがあればこそ、だったと思います。 [映画館(字幕)] 8点(2003-12-09 16:03:48)(良:1票) |
2095. 絶体×絶命
アンディ・ガルシア演じる刑事が、自分の息子の命さえ助かるならば、あとはもう誰がどうなろうが構わないって考え方、行動の仕方。だから利己的で感情移入できません。一方マイケル・キートン演じる凶悪犯は、具体的にどう凶悪なのか、過去の犯罪内容もあまりハッキリしないし凄く凶悪な事をするワケでもないから、どこら辺がどう凶悪?っていうのが判らなくって。そんな二人の追っかけっこは、案の定アンディ側がおバカ。おバカであるがゆえにサスペンスが生まれます、という脚本は、もうカンベンして欲しいです。頭がいい同士がぶつかってこそ、面白くなると思うんですけどねぇ。当時、通路が落ちるところをウリにしてましたが、実はハデなのはそこだけという悲しい映画でした。 5点(2003-12-09 15:34:14) |
2096. セカンド・チャンス(1983)
神様も、何もわざわざこんな二人に賭けるこたぁないでしょうに、と思ってしまいます。しょーもない二人のしょーもなさを、天使が一生懸命フォローする姿は、笑いよりも同情の気持ちが。プリントがあんまり良くないのか発色の悪い映画を、当時そろそろ旬の終わりかけだった主演二人の精彩のなさが、更にジミ~な色に染め上げておりました。この映画、予告がオリビアのプロモを延々と見せる状態で、映画を見に行くたびに早く本編見せろよ!とイライラしたものですが、結局、そのクドい予告編効果で映画見に行っちゃったのかな。確かこの映画が公開された84年は私のこれまでの人生の中で2番目に映画を沢山見た年だったし。 [映画館(字幕)] 5点(2003-12-09 15:22:00) |
2097. 世界中がアイ・ラヴ・ユー
ミュージカル好きで、出てくる役者さん達も好きな人が多くて、楽しい映画で、でも、どうしてもこの映画には違和感がつきまとってしまいます。これが1996年に作られた映画だって事自体がヘンな感じ。ラップが1シーンだけ入っていて、そこで辛うじて時代を感じさせるのですが、後はひたすらノスタルジー、悪く言っちゃえば後ろ向き。ウディ・アレンの近年の作品には「ボクには映画の未来なんて興味ないね。好きなモノだけ描いてればいいんだ」みたいな匂いが感じられて、どうも今ひとつ。好きなモノから更に一歩進んで、この時代に残す何か、をどうしても感じられないのです。 6点(2003-12-09 15:09:44) |
2098. セイント
あの特徴ありすぎな口とアゴ(アメリカのアニメのマッチョ男風)じゃ、変装全て無効状態だよなぁ、と思いつつも、やけにシリアスに流れてゆく展開に戸惑いっ放し。華麗なる怪盗の物語、だと思っていたんですけれど、中身は荒唐無稽なエネルギー方程式を巡ってのシリアスなロシア政府の転覆計画話で、泥棒テクニックのところはちょろちょろ、あとは捕まっては逃げる、また捕まると。人間臭く描こうとしているのかもしれませんが、ハデなアクションもなく、シャキッとしないヒーローにスッキリせず。マント姿で王冠抱えてロープに捉まりながら「わははは!」とか笑って欲しかったですわ(発想が俗っぽすぎですか・・・)。それにしても、ヴァル・キルマー、私にとって『なじめない顔』上位ランキングスターですわぁ(あとはルーク・ウィルソン、ジャック・ニコルソン、マット・デイモンあたりかな・・・)。 [映画館(字幕)] 5点(2003-12-09 14:49:52) |
2099. スリーピー・ホロウ
ティム・バートン久々のダークファンタジーが戻ってきて、その世界にワクワク。冒頭の、灰色の畑の中に立つパンプキンヘッドの案山子を見ただけでも「わーい!」状態。でも、映画は少々オリジナリティが欠けてるよーな感じ、他の映画、コッポラの『ドラキュラ』や『スノー・ホワイト』『ヤング・シャーロック』なんかを連想しちゃいました。特に、少年(ワトソン)の前から馬車で去ろうとするクレーン(ホームズ)、カトリーナ(エリザベス)の部屋の窓を見上げる・・・とゆー一連の映像、『ヤング・シャーロック』そっくり。パロディ? でも、闇の中に存在する退廃的な美の世界には、やっぱりうっとりさせてもらいました。首がころころ~、にうっとりしてたワケじゃないですけど。 [映画館(字幕)] 7点(2003-12-09 14:20:20) |
2100. スリーパーズ
少年時代と大人になってからの繋がりがいまいちかなぁ、って感じがしました。もう少し両方の時代を繋ぐ映像があってくれたなら、って思います。それと少年時代部分ではワリとすぐに事件になってしまってダークな状況になるんですけど、その前にもっともっと彼等の明るく楽しい日々を見せて欲しかったな、とも。その方が悲劇も際立つと思いますし。それにしてもジェイソン・パトリックは目立たない人ですねぇ。これだけ大スターが出てると、霞む霞む。まあ、彼の頭部には最近親しみを覚え始めな状態ですけど・・・風が冷たいや・・・。 6点(2003-12-09 13:59:06) |