201. マイ・ルーム
《ネタバレ》 お荷物と思ってしまっても仕方ない老人二人のことを「愛している」と言って微笑む姉。可愛い二人息子のことを素直に愛せずにいつもイライラしている妹。この二人の違いはいったい何なのか…。血の繋がった絆っていうものは、切ろうとしても気づかない振りをしても絶対的に存在するもの。残された時間、余命が短くなればなるほどその大切さに気づくものなのだろうか。妹がそのことに気づいてくれたであろうラストはとても後味が良い。ハッピーエンドではないにせよ、すがすがしい終わり方だ。ラストのテーマソングもとても良い。 [CS・衛星(字幕)] 8点(2007-06-11 17:49:35) |
202. スナッチ
何度か繰り返し見れば見るほど面白くなっていく作品。1回目、まずそのテンポを楽しむ。2回目、人物を整理して人間関係を楽しむ。3回目、悪事を働く男たちのアホっぷりを楽しむ。最低そのくらいは見て楽しんだらいいんじゃないかと思う。 [地上波(字幕)] 8点(2007-05-31 18:11:47) |
203. 秋刀魚の味(1962)
とにかくやさしいお父さんである。優しい気持ちが画面いっぱいに溢れている。見ているだけでついニヤニヤしてしまう。あの棒読み、大して内容も無い会話、ゆる~い空気、このペースに慣れてくると何とも心地よい。オーバーリアクションやハイテンション、スペクタクルを見慣れる現代、あの棒読みは不自然に感じるが、この何気ない会話、口調の方が逆に超自然なのかも、と思った。岡田茉莉子(兄嫁)のセリフとかもすごく変で笑えるが、こういう人いそ~、なキャラである。唯一、東野英治郎だけが現代劇風の演技だった事に驚いた。 [CS・衛星(字幕)] 8点(2007-03-11 13:57:41) |
204. 情婦
ドンデン返しがあって、評価がものすごく高い、という知識だけを持って見ました。タイトルからの印象こそ違いましたが、そこ以外は全く期待を裏切らない上質な法廷推理ものでした。煙草欲しさにちょっと話しを聞き、成り行きで引き受けた仕事が驚きの結末をむかえるという流れの美しさにも唸りましたが、特に私は初めて出会ったチャールズ・ロートンという方、何と味わいのある俳優さんなんでしょう!良い人とか悪い人とか頑固者とか、そういう言葉では語れないウィルフレッド卿というキャラクター。この役をこの方がこの演技で、魅せてくれています。ラストはちょっと想像できてしまいましたが、サスペンスにして時折笑い所もあるという嬉しい作品です。 [地上波(字幕)] 8点(2007-02-20 12:48:50) |
205. ディパーテッド
《ネタバレ》 オリジナル未見。だもんで単体として見る限り、非常に面白かった。もちろんプロットのおもしろさは抜群だけど、レオ、マットデイモン、ジャックニコルソンはそれぞれはまり役。とりわけレオ!いや私レオファンではないんですが。恐怖と絶望と正義感を充血したあの目で訴えてかけています。揺れています。揺れっぱなし。対してマットも同じく揺れているべきなのに、それがイマイチ伝わってこなかったのが残念。よってレオの方に感情移入したまま最後まで見ると、え~!!ってことになっちゃうわけで、その後はもうみんな秒殺。ネズミ国家のネタばらしに終わるわけです。オリジナル見てないんであれなんですが、根本的にメッセージが別物で、スコセッシが描きたかったのは元ネタよりもライトで皮肉な世界観だったんじゃないかな、と思います。ただあの封筒、予想はだいたいつくものの、ちらっとでも見たかったです。 [映画館(字幕)] 8点(2007-01-30 13:12:31)(良:2票) |
206. 間違えられた男
ある意味非常にヒッチらしく、ヒッチ自身が実社会の中で「怖いよ~」と思っている現象を題材にしているのではないかと思う。サイコや鳥は確かに怖いが、それとは一味違った恐怖、例えば普通の人が普通に生活していて、あれよあれよと不幸な状況に引っ張られてゆく。いわゆる「巻き込まれ系恐怖」はヒッチ監督の得意とするところですよね。北北西然り。更には、通り一ぺんの取調べや裁判、人の記憶の曖昧さ、真実はそれを証明できなければ真実ではないという社会、これらを風刺しているところは珍しく社会派です。単に怖がらせようとするものとは系統を分けるジャンルの作品。 [CS・衛星(字幕)] 8点(2006-10-26 15:29:29) |
207. ミセス・ダウト
最後にダウトファイアおばさんが子供番組で言った言葉、あれが最大のメッセージですね。アメリカ人の得意とする「家族とは、親子とは」という常套句ですが、ロビン扮する(というかダニエル扮する)魅力的架空キャラがスゴすぎます。ベタベタなテーマを、笑いあり苦笑あり、ドキドキありのコメディにしたところが、何度見ても新鮮です。 [地上波(字幕)] 8点(2006-10-16 15:00:38) |
208. アポロ13
《ネタバレ》 こんな事が実際にあったのか!!?と言うほどエキサイテイング。みんなスゴすぎ。かっこ良すぎ。特に風疹(結局感染しなかった)で搭乗出来なかったケンも、遠隔からミッションに携わるエピソードが感動的で粋。 [地上波(字幕)] 8点(2006-06-23 10:48:06) |
209. ナルニア国物語/第1章:ライオンと魔女
《ネタバレ》 皆さん期待はずれとおっしゃってますが、私は期待どおり楽しめましたょ。確かに子供向けおとぎ話ではあったけど、おもしろ動物達の戦闘シーンはなかなか迫力あったし、ストーリーも解りやすくてすんなりナルニアの世界に入っていけました。都合が良い展開、あれも結構好きなんです。だって単純にうれしいし~。そんなんじゃダメ? [映画館(字幕)] 8点(2006-04-13 08:50:44) |
210. パリの恋人
オードリーの可愛さと、ダンスの楽しさ、フォトショットのため息が出るほどの美しさ。それが全てです。それで十分。私なんて衝動に駆られて前髪を切ってしまったが、素材の違いに打ちのめされただけだった…。 [CS・衛星(字幕)] 8点(2005-11-26 10:50:22) |
211. アメリ
小ネタ、いたずらの寄せ集めのようでいて、それぞれが小幸せにつながっている、というなかなかよく出来たお話で。テンポよく飽きさせず、うまいなぁと思った。技ありイッポン!て感じです。みんな幸せになったかというと、カフェでたばこ売ってる彼女は、アメリの幸せと引き換えに再び不幸に…。ま、あんな変人と別れた方が良かったって事なのか。 [CS・衛星(字幕)] 8点(2005-11-26 10:44:42) |
212. 地獄の黙示録 特別完全版
地獄だ。そこではみんな脳内麻薬物質を出さずにはいられない。エンドルフィン出しまくりだ。その地獄で、麻薬から覚めたときに残るものといったら、恐怖しかない。怖い。恐怖だ。 [CS・衛星(字幕)] 8点(2005-10-27 18:20:55) |
213. 続・激突!/カージャック
「激突!」とは全く関係ない「続~」なわけですが、これはこれで非常に良かったです。前作は、見えない敵への恐怖、怯えまくる主人公という図式でラストまで強引に引っ張って突っ走る作品。対して本作は、予想外に大げさな追っ手、追われながらもちょっとお気楽で憎めない逃亡者。人質との友情関係、追っ手との信頼?関係なども描かれつつ、「あ~、こいつら絶対死ぬな…」という絶望感、悲壮感が漂っている。こちらは若さゆえの突っ走り、なのである。法と信念の矛盾つーか、道徳と本能の葛藤っつーか(笑)なんかこう複雑~なヒューマニズムを入れた分、どちらが好きか分かれるかと思いますが、甲乙付けがたい相対する作品です。どちらにせよ、若きスピルバーグの才能を認めざるを得ないのは確か。 [CS・衛星(字幕)] 8点(2005-08-12 14:21:19) |
214. トレマーズ
《ネタバレ》 未確認生命体パニックホラー?でも青春コメディのにおいが…。人口14人の町民が一丸となって、時には内輪もめなんかもしながら、ウルトラ○ンに出てきそうな怪獣を退治する。青空の下、広大な砂漠で。そう、密室でないから恐怖感が薄まるし、あくまでも自分達だけで、政府とかの力を借りずに、その巨大ツチノコに立ち向かってゆく姿が何とも勇敢というか微笑ましいというか…。B級なんだけど記憶に残る作品。 [地上波(字幕)] 8点(2005-07-11 09:58:17) |
215. めぐりあう時間たち
とても良く撮れていると思う。リンクする三人の一日をきれいにフラッシュバックさせていて、演出力を感じる。ただカニンガムの原作を読んでいないと分かりにくいシーンも所々ある。小鳥の死、ケーキ、友人の病気、パーティ。ちょっとした出来事が生と死の狭間に生きる者の心をいたずらに揺るがし、どちらかの世界へ誘ってしまう。その緊迫した空気を三大女優(とエド・ハリス)が怪演しているのだが、読んでいないと意味不明な作品になってしまいかねない。そこがちょっと残念だ。 [DVD(字幕)] 8点(2005-06-05 12:56:24) |
216. おかしな二人
おもしろかったなぁ~。舞台劇の映画化だから良く出来たコントのようで、気軽に見れました。ふたりがどんどん夫婦みたいになっていくところがおかしい。ジャック・レモンとウォルター・マッソーは本当にすごい!黄金コンビ!「カリブは最高!」とか好きなんだけど、ここのレビューにはないんですね。 8点(2004-11-30 11:54:10) |
217. さらば冬のかもめ
「かもめ」とは水兵の事でしょうね。原題の「Detail」は軍隊用語で「特殊任務の為の分遣隊」ですから、タイトルは直訳すると「最後の分遣隊」。?。分かりにくいから「かもめ」にしちゃったんでしょうね。そこにちょっと哀愁も散りばめて、コメディテイストは感じられないタイトルになってしまいましたが。変なオヤジ役の多いジャック・ニコルソンですが、このバタスキーは変な(イカれた?)中にもやさしさがある兄貴気質ないい奴で、結構好きです。人が健全に生きていく為には、喜怒哀楽がいかに大切かということを、彼は理屈ではなく身をもって若い友に教えたかったんだと思います。8年後のメドウズはきっといい男になって帰ってくるでしょう(20数年後には酔っ払いの飛行士でしたが)。良い作品に出会うと私は、日本でリメイクした場合のキャスティングをつい考えてしまいます。この場合、哀川翔兄貴と宇梶総長でしょうか。メドウズは内山かな。みんなちょっと年がいき過ぎてるかな…。 8点(2004-11-24 14:50:26) |
218. ひまわり(1970)
「究極のメロドラマ」という印象ももちろん受けますが、それだけに留まらず戦争の不毛さ、やるせなさを男女のロマンスでもって充分に表していると言えます。むせ返るほどのひまわり(その下には兵士が眠るという)、丘の斜面に整然と並ぶ無数の墓標、勝気で美しかった女性が日増しにやつれていく様、愛する妻のことを案外あっさり忘れていった夫、それら全てが悲しく切なくやるせない。何度か使われる駅での別離、再会。そしてマンシーニの音楽。どこを取っても「どうしようもなく切ない反戦メロドラマ」です。 8点(2004-11-07 15:25:11) |
219. エリン・ブロコビッチ
企業を相手取った法廷劇と思ってたんですが、良い意味で違ってました。エリン・ブロコヴィッチという、見掛けは派手だけど一本筋の通った、心の温かい女性の元気な姿に勇気づけられます。ジュリア・ロバーツもきっとこんな女性なんだろうなぁと思いつつ、この作品で数々の主演女優賞を獲得したことに納得しました。私生活では来年早々双子を出産後、子育ての為5年間休業するとの事。これもエリンとジュリアでは子育ての方法こそ異なりますが、子供に対する愛情の深さは共通するものを感じてしまうのです。さすがハリウッドで一線を走り続けている女優、という感想です。 8点(2004-11-07 13:59:09) |
220. 刑事ジョン・ブック/目撃者
邦タイトルからして、ありがちな「刑事もの」「推理もの」を想像して拝見。前半はサスペンスタッチで予想通りかそれ以上の出来栄え。怪しげな音楽と、事件が起こる前後などはかなりの緊張感を保っている。が、この作品が他の刑事ものとの違いを見せるのが、皆さんもおっしゃっているアーミッシュの村へ逃げ込んだ所からですね。ここでののんびりした雰囲気が賛否を分けるところだが、カーペンター・ハリソンも見れ、カーラジオでダンスするセクシー・ハリソンも見れるという、一粒で二度も三度もおいしい、お得感十分な作品になっている。それだけではハリソンのプロモになってしまいそうだが、ストーリーの方もしっかりしており、閉鎖的なアーミッシュの村と、同じく閉鎖的な警察内部という対比がおもしろい。その二つの社会の交わりは実際困難で、ラストの別れのシーンが切ない余韻を残している。 8点(2004-09-15 10:13:26)(良:1票) |