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ユーカラさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

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201.  怒り 《ネタバレ》 
俳優陣が熱演と称して盛大に泣きまくる映画だろうというのは劇場予告の段階でわかるし、実際に映画の後半はそういった展開となる。 確かに俳優らはみな力の入った芝居を見せ、音楽は心に染み入り、そして笠松則通のカメラは絶品と云って良いくらいである。 妻夫木聡らを照らし出すネオンの艶。揺れる波光が繊細な照り返しとなって投影される宮崎あおいと渡辺謙の切返しショット。 あまりにも痛ましい広瀬すずの強姦シーンの暗い木影と、ラストで青い空と海へと歩み出す彼女の横顔を明るく照らし出す白光。 全編、気合の入りまくった照明テクニックが光と闇のモチーフを鮮烈に浮かび上がらせる。  各エピソードはフラッシュバック・フラッシュフォワードを時折織り交ぜながら、そして台詞や音を相互で巧みに重ね合わせ 一つのうねりを作ろうと試みているのがわかる。  後半はどうしても説明頼りになり、泣き芝居・絶叫芝居に陥ってしまうが、そこがいかにも日本アカデミー賞好みという感じである。
[映画館(邦画)] 7点(2016-09-18 19:35:29)
202.  キング・オブ・エジプト 《ネタバレ》 
宇宙空間と地表の図とか、貢物を天秤にかける審判の場とか、ダークな画調の場面はいかにもアレックス・プロヤス監督らしいイメージが 全開で楽しめる。 冒頭から三次元的ダイナミズムをとことん活かしたカメラ移動が追求されており、まずもってアトラクティブであることが目指されている。 翼を持った神々の設定といい、立体性を活かした舞台でのアクション構築といい、デジタル3Dの見せ場作りを大前提としてストーリーが組まれている為か ドラマは前半・中盤と低調に感じてしまう。ドラマが要請するカメラワークではなく、空間・運動感覚を満たすためのカメラワークだから、 次第にそれに飽きてくるのも当然である。  それをようやく覆してくれるのが、クライマックスの高層建築上で主人公が下すある決断のシーンである。 それまでのアクションに強い感情が伴ったとき、キャラクターが輝き出す。 最終盤で、ようやく映画として盛り返したという感じである。
[映画館(字幕なし「原語」)] 5点(2016-09-14 20:36:38)
203.  四月は君の嘘 《ネタバレ》 
このような臆面の無い安手の病と死で泣けといわれても困る。勿論、病と死の利用が悪い訳ではないし、 症状に整合性を求める訳でもないが、少なくともイイカゲン過ぎとかデタラメ過ぎとか思わせては駄目ではないか。  風と楽器の音色から導かれていく広瀬すず登場シーンがなかなか良く、ヴァイオリン演奏シーンも 頻繁なカット割りながら彼女の表情と運指を出来る限り同時にみせる意気がみえる。  その登場シーンや海辺のシーン、橋からの飛び込みのシーンなど、彼女の素足へのこだわりが窺がえて、その足が動かなくなる絶望感が 演出されていくはずなのだが、ならば前半でもっと足のアクションを充実させて欲しいところだし、 そもそも音楽家を苦悩させるのなら、手を不自由にさせるべきではないかなどと思ってみたり、 とにかくドラマのチグハグ感が半端ではない。  演奏シーンの途中で、いちいち口に出される台詞もほとんど不要。説明病に侵されすぎである。演奏中はお静かに願いたい。
[映画館(邦画)] 2点(2016-09-13 23:57:50)
204.  ディアスポリス DIRTY YELLOW BOYS 《ネタバレ》 
腕にギプスをはめて登場する松田翔太は、テレビドラマからの流れという事なのだろうけれど、その経緯とかはどうでも良いとして 折角のギプスならそれを映画の中でもっと活かせないものなのか。須賀健太らを追って奔走し、いま一歩で取り逃がしつつも執拗に肉迫していく。 そのハンデとしてすら使いこなせていない。アクションの中でもっと見せ様があると思うのだが。  酒や血糊や雨や海。湿り気に満ちた画面の中で、須賀らが撃った貯水槽から降り注ぐシャワーを浴びてはしゃぐ少年たちの画がいい。  クライマックスの舞台となる「銀行」が極度に地味な画面の中で展開し、それに続くのが雨の夜と泥土と中破したバンと ひたすら閉塞的なだけに、その中盤の光る雨が尚のこと輝いたものとして思い起こされてくる。
[映画館(邦画)] 5点(2016-09-10 22:04:34)
205.  君の名は。(2016) 《ネタバレ》 
その時間差などに関する整合性や疑問点を指摘し、あげつらうのは容易い。その弱点は作り手が一番自覚しているだろう。 それでも尚、現在ー過去の時間差にこだわるのは新海的な郷愁の風景を立ち昇らせるうえで重要なモチーフだからだ。  「仕掛け」をばらすに至るまで、時代差を意識させることなく二人の交流をテンポよく畳みかけることが出来たのは編集と省略の巧さでもあるし、 何よりも現実的な異界を舞台と出来るアニメーションの強みだろう。  その仕掛けによって島根の風景や事物や風俗が「過去の光景」であることが明らかにされたとき、その繊細に描き込まれた情景の数々は さらにかけがえなく美しくノスタルジックなものとして輝き、匂い立つ。  朝陽の中に光の粉として舞う羽毛、紅葉の山道を歩く三人の顔を流れる木漏れ日の斑模様の光。  すり鉢状の山頂でのマジックアワーでは、ショットごとに背景の空の色が繊細に描き分けられ、短く長い時間の推移が表現される。 キャラクターの影も4色使われているというこだわりようだ。  情景のみならず、映画のアクションもこれまでで最も充実している。 歩行する足、駆ける足、自転車を漕ぐ足、その足の表情が想いを語っている。  ローアングルからレイアウトされた、閉まる引き戸のショットが反復され、フェードアウトと共に断絶的なアクセントになっている。
[映画館(邦画)] 7点(2016-08-30 21:58:36)
206.  黒い牡牛 《ネタバレ》 
ダルトン・トランボの偽名、ロバート・リッチのアカデミー最優秀ストーリー賞受賞で有名だが、 ジャック・カーディフ撮影の蒼空と積乱雲が鮮やかに映えてより印象に残る。 様々な動物たちの駆け回る雄大な放牧地から、後半は車が走り回るメキシコ市内へ。 クライマックスの闘牛場はさらに華々しい色彩に彩られ、悲壮を引き立てる。  少年が間一髪で牡牛を救うものと思いきや、さにあらず。 大統領に嘆願するため街中を彷徨い歩く少年と、闘牛場を駆けまわる牡牛が対となるが、 牡牛自身の尊厳と勇敢が勝利する、というストーリーがやはり泣かせる。 二人が寄り添いながら出口へと向かうシルエット、そのラストショットが素晴らしい。
[ブルーレイ(字幕なし「原語」)] 7点(2016-08-25 23:59:43)
207.  傷物語Ⅱ 熱血篇 《ネタバレ》 
あの字幕はゴダールを気取ったか何かだろうか。ただただ鬱陶しい。暗闇と雨と蒸気と、確かに「NOIR」かもしれないが、しつこい。 面白味の無い格闘に、面白味の無い会話のサンドイッチが続く。  『魔女の宅急便』で二木氏が原画を担当した細やかな草々のなびきには文化の味わいがあるが、 この無機質なCG草原の機械的な動きに感興を覚えるのは困難だ。  主人公共々さして魅力的でもないヒロインが下着を見せたり脱いだりというアレは一応エロティックなつもりなのだろうか。 ただただ醜悪でしかない。
[映画館(邦画)] 1点(2016-08-24 23:44:50)
208.  ジャングル・ブック(2016) 《ネタバレ》 
公開が重なっている『ターザン:REBORN』で、ターザンと動物たち(確か、ライオンだったか)が身体をこすりあわせて再会を喜び合うシーンがある。 動物たちの身体言語に準じてのコミュニケーションであり、それを説明する脇役の台詞も入るのだが、そうした補足説明がなくともシーンの意味は 双方の仕草という主に視覚情報から十二分に伝わる。 例えばこの『ジャングル・ブック』で口語をある程度省略したとしても彼らの主たる感情は視覚の優位性を以て表現可能なのではないか。  勿論、一概にどちらが正しいという事ではないし、これが動物を擬人化するディズニー流の一貫したアプローチであり、ミュージカルという形式でもある以上 これはこれで一つのスタイルであろう。  確かに驚異的なリップシンクの技巧によって人語が表現されているのだが、どうしてもキャラクターデザインのリアル志向との違和感は拭えない。  3D仕様ということで、崖上のハチミツ採りや絶壁の登攀や樹上の決斗など、高低差を活かしたアクションは良好。 土石流のシーンの迫力とサスペンスはなかなかである。
[映画館(字幕なし「原語」)] 5点(2016-08-22 23:56:37)
209.  ゴーストバスターズ(2016) 《ネタバレ》 
清々しいくらいの「女尊男卑」映画で、学部長だか市長だかを始め、まとも(?)な男性はほとんど登場しない。  クライマックスで、あわや三人のメンバーが押しつぶされそうなところでクリステン・ウィグの登場によって勢ぞろいとなるのだが、 彼女は単なる遅刻でしかない訳だから、そこには再結束のケレンというものがない。 普通は事前にメンバー間の確執だとかを配置しておくのが定石なのだけれど。  メリッサ・マッカーシーとの過去のわだかまりもいま一つ判然としないので、ラストの救出もエモーショナルな起伏に欠けてしまう。  というわけで、ドラマの抑揚のつけ方がまるで拙いのである。  政治的に配慮されたキャスティングバランスと、先端のVFXでありながら陳腐なバカ騒ぎ。それだけでは戦略的に厳しいのは当然である。
[映画館(字幕なし「原語」)] 4点(2016-08-21 07:16:18)
210.  青空エール 《ネタバレ》 
吹奏楽と野球と、欲張ってしまった感もあるし、エピソードの脈絡として腑に落ちない流れもある。幼稚に過ぎる科白は多々あるし、 協賛や配役絡みであちらの顔を立てこちらの顔を立てというしがらみの露呈もわかる。そんな中での、土屋太鳳の成長のドラマが清々しい。 楽器演奏の練習を丹念に描写して、次第に上達していく様が描かれているということ。 そして、序盤では俯いて足元を見ていた彼女が終盤では上を見上げて、声をあげる様が描かれているという事である。 その為に二人の身長差があり、病院の庭から屋上に向けての吹奏楽演奏があり、竹内涼真が空高く放つ逆転ホームランがある。  努力を続ける彼女を見守る竹内、上野樹里、葉山奨之らのさりげない窃視が心地よく、彼らの視線にスムーズに同化させてくれる。 それらがメンバー発表のカタルシスを生んだ。  失意のグラウンドには雨を降らせ、土屋と志田未来が語り合う開放的な渡り廊下には風が通っている。 不穏なシーンの幕開けとして曇る空や、強風で荒れる窓外の木々が挿入され、失恋した土屋をいたわる屋上の空は青く澄んでいる。 トロフィー陳列ケース前での主演二人の出会いを印象付ける光の処理など、照明も画面の清潔感を増幅して素晴らしい。 スマートフォンの出番をわずか2箇所に留めたのも良し。本来なら無いに越した事はないが。 直接家に出向いて声を届け、自転車で伴走し、音色で心を伝える映画に、携帯などそれこそ不要だろう。
[映画館(邦画)] 7点(2016-08-20 23:33:38)
211.  ルドルフとイッパイアッテナ 《ネタバレ》 
佐藤直紀のBGMを例によって盛大に煽情的に鳴り響かせ、センチメンタルなドラマを展開するが、 コミックリリーフのブッチの功労でほどよく笑わせてもくれる。  トラックへのジャンプなど、前半は諄く感じるスローモーションだが、デビルとの対決シーンでは ブッチのコミカルな動きがスローで強調されて劇場の子供たちも大いに沸いた。  キャラクターで笑わせ、パントマイムで笑わせ、そしてルドルフとイッパイアッテナを仲介する重要なクッションでもある。  学校の調理室を舞台に使うなら、『パンダコパンダ』のようなドタバタアクションに発展させても良いと思うが、 全般的におとなしめで、優等生的におさまってしまった感がある。  それでも、シンプルな「家に帰る」の一歩先を行って独り立ちのドラマは感動的であり、劇場の子供たちの歓声がなによりだった。
[映画館(邦画)] 7点(2016-08-18 23:59:57)
212.  ペット 《ネタバレ》 
高所に登って、地下に落ちて、クライマックスは水平軸の追っかけから再び水面下への落下―そして浮上。 グリモ―、フライシャー、ラセターと継承される王道のドラマツルギーをここでも踏襲。 あまりにも模範をなぞりすぎて、逆に陳腐にもなってきたか。  『サタデーナイトフィーバー』に乗って闊歩し、『グリース』に乗って夢心地となり、『燃えよドラゴン』に乗って大立ち回りを演じるetc、、。 ノリの良い70年代の懐メロサントラに合わせて画面も華やぐが、その辺も棚ざらえ感が強い原因か。 洗濯ものの翻る路地裏も舞台となる「多種族映画」ということで60年代『ウエスト・サイド物語』風の味付けもあったりして。  主演コンビの仲違いと和解も、ありがちな段取りを踏んだという程度でどうも弱い。ウェルメイドすぎると云えば良いか。
[映画館(吹替)] 7点(2016-08-14 23:12:36)
213.  HiGH&LOW THE MOVIE 《ネタバレ》 
冒頭でこれまでのドラマの顛末らしきものや多極的な勢力図らしきものを説明してくれるのだが、この時点で脱落しそうになる。 どうやら、五つのグループ+αの抗争となるらしい。  案の定、話は中途半端な場面であちらへ飛びこちらへ飛び、過去に飛んではさらにその又過去へと飛ぶ。 とにかく散漫でストレスばかり溜まる。  おまけに、のべつ幕無しに音楽が鳴りっぱなしで鬱陶しい。どうやらこの気障なオニーチャン達のプロモーションらしい。 とにかく苦痛でストレスばかり溜まる。  そして、キーワードは例によって仲間、仲間、俺たちは仲間。まただよ。  それにしても、とにかくよく殴りよく蹴る。話をしていても脈絡なく殴りだしてしまう、というのが凄い。 まるでミュージカル映画が突然歌いだすように。いわゆるバイオレンス・ミュージカルか。 当人達はあくまで真剣だ。ここでは大乱闘も盛大な舞踊なのである。  俳優らの周囲にはスモークが焚かれ、美術もいい仕事をしている。女優たちに当てられる照明も配慮が行き届いている。 スタントも結構無茶をやって頑張っているのが何よりである。
[映画館(邦画)] 3点(2016-08-13 23:16:44)
214.  アリス・イン・ワンダーランド/時間の旅 《ネタバレ》 
冒頭の帆船チェイスが、波間のローリングやマスト登攀による立体的なアクションになっていて クライマックスの「時間城崩壊」と併せて3Dの見せ場だが、スペクタクルありきで仕立てられたドラマの方は 相当に無理矢理である。 彼我の境界もあまり簡単に往来されては、別離の情感も半減である。  そして結局はヘレナ・ボナム=カーターがまたもやヒロインを凌駕してしまっている。
[映画館(字幕なし「原語」)] 4点(2016-08-12 16:38:58)
215.  X-MEN:アポカリプス 《ネタバレ》 
より細密に、より大スケールにというのは重々承知しつつも、この都市破壊のパノラマももはやマンネリと化している。 正直のところ、またかと思う。無味乾燥なインフラ破壊の絵解きであって、災厄の描写とは程遠い。 (劇中のスターウォーズネタは、特撮ジョン・ダイクストラ絡みでもあるのだろう、その1983年設定は、 今の時代に勧善懲悪ものをやるエクスキューズの意味合いが強く感じられる。)  not alone、 not alone、の合唱も食傷してきた。ギャラクシーだか、ガーディアンだかの幼稚な映画も そうだったが、とにかく仲間だ、仲間だと声に出して確認していないと気が済まないのか。 目線なり、身振りなりでスマートに表現出来るものを。  前半の悪役側の仲間集めも、やりようによっては『七人の侍』的な面白さが出せたかもしれないが、 この若干三名がまた小粒なのだ。 寝返りとか翻意のシーンこそ映画の高揚する瞬間のはずだが、そこの演出が弱くてどうするという話である。
[映画館(字幕なし「原語」)] 3点(2016-08-11 16:57:33)
216.  TOO YOUNG TO DIE! 若くして死ぬ 《ネタバレ》 
ミュージカル風味とか極彩色の美術とか、てっきり三池監督作品とばかり思っていたら、違った。 キャスティングの意外さも後から気づかされるパターンで、そういう意味では後からもう一度見返したくなる作品だ。 この内容なら100分程度に収めて欲しいところだが、やりたい事はとにかく詰め込んだというような潔さとパワーがある。  インコや犬から精子に至るまで、多彩な動物の芝居があり、二転三転する舞台と時空の変化があり、120分越えも苦にはならなかった。  賑やかで毒々しいギャグシーン満載の中、森川葵のヒロインがまさに清涼剤となるが、その約10年後、20年後を演じる宮沢りえは 森川の面影をしっかり受け継いでキャラクターに深みを与えている。 二人のささやかな思い出の場所である、海を見下ろす高台のベンチ。その変わらぬ場所が時の流れを印象づけ、 宮沢のどこか憂いを帯びた穏やかな表情・佇まい・そして何気ない一言一言が、生き残った者の思いを滲ませ、胸に沁みる。
[映画館(邦画)] 5点(2016-08-09 22:21:21)
217.  秘密 THE TOP SECRET 《ネタバレ》 
設定上、アクションに乏しくなるのは仕方ないが、生田斗真と岡田将生も終盤には別行動となるのでドラマの収束感が薄く、 サスペンスも散漫である。 加えて生田ら警察側が現場の物証を素手で触りまくったりという描写の杜撰さがあちらこちらで目についてさらに緊張感を削いでしまう。  記憶の視覚化という設定にはメタ映画的な面白さがあってしかるべきなのだが、POV以外の余計な映像まで織り交ぜてしまっているので 映像の死角を探ったり、細部をブローアップしたりという『ブレードランナー』的な解析プロセスの面白味も無い。  生田・岡田それぞれの居間の美術セットは彼らの心象をよく表していて、ラストで動画を見る岡田の背景で窓外の緑が彼を癒すように広がっていく。 鏡や窓、マジックミラー、水面などもよく登場するが総じて不発気味の印象である。
[映画館(邦画)] 4点(2016-08-08 23:23:56)
218.  ファインディング・ドリー 《ネタバレ》 
ルイ・アームストロングが流れ出したスローモーションシーンの何とはない既視感。すぐには浮かばなかったが、 矢口史靖『スイングガールズ』の猪シーンだと思い出した。 移動に不自由を課された主人公たちが様々に飛ぶこと(上昇と落下)をモチーフに冒険を繰り広げるが、 そのクライマックスとなる大ジャンプを例の曲が情感とヒューモア豊かに彩っている。  トラックを一旦は止めたものの再びドアを閉ざされ移送される。今度こそ万事休すかと思われた瞬間、目に入るのは天井の非常ハッチである。 クライマックスの水平運動に慣らされた目に垂直軸のベクトルを不意に導入させることで驚きを創出する。 『トイ・ストーリー』から一貫した、軸転換によるアクションと作劇のスタイルだ。  ドリーにとって大切なのは、目の前に広がる光景すべてに、全方位的にまずは目を凝らして「見る」こと。 それが下方の貝殻の発見につながり、ピクサー的かつアメリカ映画的な「家に帰ること」に繋がっている。
[映画館(吹替)] 8点(2016-08-07 08:26:19)
219.  ターザン:REBORN 《ネタバレ》 
格闘アクションのカッティングが雑で面白味が無い。 『レヴェナント』の熊の後では何とも見劣りしてしまう。 頻繁に挟まれる回想シーンの多さも、都度ドラマの流れを阻むばかり。淡々とした追跡劇だ。 クライマックスの大暴動のさなか、アクロバティックな動きでヒロインを救う主人公のアクションもセットの構造を活かして厳密に設計されてはいるはずなのに これまたどうも高揚感に欠ける。 二人の感情がスペクタクルの中でドサクサまぎれのように埋没してしまっている。  一瞬のアクションの快楽と同時にエモーションの昂ぶりが頂点となる、『天空の城 ラピュタ』中盤のヒロイン救出シーンを思い起こしたい。 あのくらいの、アクションと感情の融合が欲しい。
[映画館(字幕なし「原語」)] 4点(2016-08-04 22:34:04)
220.  ロスト・バケーション 《ネタバレ》 
この画面一杯のクロースアップも相当きつい。 感動場面となるべきヘッドカメラの録画シーンもそれがために心はさして動かされず。 前作に続いてのスマートフォン画面の同時提示も、画面が散漫になってますます煩わしい。 これからますますこの方式が主流になっていくのかと思うと気が滅入る。  家族のドラマは如何にもとってつけたようで、オープニングの倒置法もミスリードの意義は薄い。 時折挟まれるスローモーションと併せて、いずれも尺伸ばしの手段という印象が強いのが残念。  ブイは一応期待通りの活用がされている。
[映画館(字幕なし「原語」)] 5点(2016-07-31 13:31:09)
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