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Yuki2Invyさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 1615
性別 男性
自己紹介 基本的に3~8点を付けます。それ以外は、個人的に特別な映画です。

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201.  大雷雨 《ネタバレ》 
コレは面白いな~豪華キャストが織りなすシンプルな三角関係が描かれますが、三人ともがごく善人で、それぞれが互いを思いやった行動を取ってはゆくものの、しかし愛というものはそういった論理や倫理を超えていってしまう…とでも言いますか。前述どおりキャラがいずれも魅力的なぶん、徐々に不穏さを増してゆく展開にはどんどん引き込まれてハラハラしながら観れましたし、クライマックスなんかはもう釘付けでしたね。”イケメン”ジョージ・ラフトが結局イイ所をかっさらってゆく結末には、この世で唯一絶対の理は「カッコ好いは正義」なのか!と非モテの私などはそこはかとなく不満も覚えましたが、それでもエドワード・G・ロビンソンにも哀愁を纏わせてこちらもカッコ好く送り出してくれる粋なラストはかなり快感でもありました。マレーネ・ディートリッヒの風情も素晴らしかったですし。  でもな~個人的にはハンクに幸せになって欲しかったな~中盤の朝食のシーンなんかスゴイ感じ好かったじゃないですかー(だからこそ、ラストの哀愁が絶品なワケですケド)。
[DVD(字幕)] 8点(2021-01-14 23:59:33)(良:1票)
202.  美女と野獣(2017) 《ネタバレ》 
アニメ版から比べると、ミュージカル要素が量的にも質的にもとにかく強化されているという印象があります。アニメをはじめて観た昔は気づいてなかったのだと思いますが、ちゃんと聴いてみると地味に超の付く名曲揃いですよね。今作ではその上に、歌い手の力量も十二分だったかと思います。特にエマ・ワトソンなんて超巧かったすよね!率直にビックリしてしまいました。  一番好きなのは『ビー・アワー・ゲスト』ですね。ここは動きの面白さもアニメ版からは大幅パワーアップしてましたが、こだわりという意味ではモノ凄く凝った照明の使い方をしてたのが非常に印象的でした。映画全体としても「暗さ」を上手く使って、ディズニー一流のゴージャスさを更に一段レベルアップしたシックで大人な雰囲気に纏め上げていたと思います。そんな暗さの使い方が絶妙なもうワンシーン、やはり二人が広間で踊る『美女と野獣』も、観ているコチラまで人生の美しい光景が脳裏に甦ってきたとでもいうか。娯楽映画としては色々と最高レベルのハイ・クオリティぶりでしたが、特にミュージカル面の出来の好さには素直に感動しましたね。傑作です。
[インターネット(字幕)] 8点(2021-01-08 23:59:49)(良:1票)
203.  ファンタジア 《ネタバレ》 
アニメというのは「動く画」だと思うが、重要なのは「動くこと」なのか「画」なのか、というのは答えの出ない問いかも知れない。私見だが、日本のアニメというのはどちらかというと「画」であることを重視しているようにも思う。もちろんそれは「画を動かす」ということが必要とする多大な労力を鑑みての謂わば消極的な第二の経済的選択肢として、止まった画の中にも動きを取り込む、だとかいった方面の表現技法の方を磨いてきた、ということもあるのかも知れないし、(それも日本アニメの発展と決して無関係ではないだろうが)本邦における漫画文化の独自の発展も影響しているのだろうし、あるいは何らかの日本人的感性、静の中に動を見出す、といった価値観がそうさせた、のかも知れないと思ったりもする。それに比べれば(それは本作を観てもそう思うトコロであるが)アメリカのアニメというのはやはり「動き」だなあ、と思う。アメリカ産のそれがより簡単に動かすことの出来るCGに偏重していったのも然もありなん、とは本作を観ても実感できるのである。それこそ、かつてNHKがこの『ファンタジア』を模して製作した番組『音楽ファンタジー・ゆめ』がこれもCGアニメであったことからも察せられる様に。  その観点からすると本作の凄さというのは、「画」を芸術的な画のままに「動かす」というそのどちらにも何らの妥協もしていない点だろう。原画100万枚!という無理難題を持ってせねば実現できぬこのクオリティは、もはやオーパーツであり、またロストテクノロジーだと言ってよい。今後これを超えるものは恐らくないだろう、という意味では、これも恐らく永遠に歴史の頂点にある作品であることにも間違いが無いし、可能性、という意味で日本のアニメでこれを超えることが出来たかもしれない唯一の作品『かぐや姫の物語』ですら、惜しむらくこれも50億を費やしてさえ今一歩の完成度の不足に泣いた、というその事実が、むしろ如何に『ファンタジア』が異常な作品であったのかを示している様に思えてならない。  どれも素晴らしい作品の数々ではあるが、一つだけ選ぶとすれば個人的には『はげ山の一夜』を推したい。とにかく魔人がカッコいいコト!雄々しく、禍々しく、そして確実にどこか美しい。画自体の質・動きのダイナミックさも素晴らしかった。私はこれが一番お気に入り。
[インターネット(字幕)] 8点(2021-01-06 21:05:14)(良:1票)
204.  ライオン・キング(2019) 《ネタバレ》 
これも公開時はあまり興味無くスルーし、さほど評判も高くなくイマサラ観ましたが、想像より二回りは楽しめました。と言うか、超面白かったです。CGは超クオリティで、ライオンが実にカッコ好いコト!序盤にシンバとナラを助けに来たムファサのシーンなんかオジサン震えてしまいましたよ。内容はアニメ版より更にシンプルな感じにも思いますが、やはり実写的な動物のビジュアルではコミカル面やミュージカル要素の表現は中々難しいということかと思います。代わりに、シリアスなシーンや自然・生命の雄大さを表現するといった部分の良さというものが物語に取り込めていましたかね。動物のCGクオリティのみならず、そういった「大自然の偉大さ」を感じさせる部分のつくり込みも見事だったと思います。  いや~これは映画館で観るべき映画でしたね。。というかこれから、ディズニーは即・映画館行き、とする方が正しいのでしょうね。
[インターネット(吹替)] 8点(2020-12-31 20:03:34)(良:1票)
205.  ジョゼと虎と魚たち(2003) 《ネタバレ》 
確かに、ともすればアレなオチだと思います。ただ、一生彼女を背負い続けることが出来るのか、という現実に直面したときに、誰しもが十分に強くなれるという訳ではないのも事実でしょう(少なくとも私自身は、同じ状況でその決断は出来ないと思います)。その意味では私はこのラスト、自分の無力さに涙する主人公にはその面からは大いに共感できましたし、それを許容したジョゼの優しさ・強さにも深く感じ入りました。人間というものの描き方として、私はここはかなり好きですね。そしてこの恋愛は、決してふたりにとって無意味なものであった訳ではないのです。その直後にジョゼの変化・成長を感じさせるシーンを持ってきてそれでジ・エンド、という流れも巧みであり、また適切だったと思います。そこは、アレなオチを演出・演技のテクニックで巧く乗り切った、という感じだといつ観ても思いますね。  色々と変わりダネな映画だと思いますが、この映画で一番変わっているのはやはりヒロインでしょうか。見た目や喋り方、性格も含めて、パッと見はどーにも魅力的には見えないのですが、じーっと観ていると次第に魅力が滲み出てくるというか、そこら辺の表現も奥ゆかしく、また巧みだったと思います。その大部分を担っていた池脇千鶴は、やはり凄い女優だと思いますね。
[DVD(邦画)] 8点(2020-12-29 17:44:46)(良:1票)
206.  燃ゆる女の肖像 《ネタバレ》 
流行りのLGBT系とも言えるでしょーが(めくるめく百合的ロマンチック)、個人的にそっちもまあまあ面白かったのですが、どっちかというと肖像画制作の純粋な芸術面の話が面白かったのですよ。というのも、主人公の画家マリアンヌ役のノエミ・メルランという女優さんが、何つーか凄いイケメンというか、否、見た目よりは内面、職人としての矜持に満ち溢れているというか、なんかもう迸ってたんですよね(彼女は、芸術家というよりは職人に近い方の絵描きかと思いました)。そこへ来て素人に表面的な仕事を喝破されて(図星)悔しさのあまり作品をブチ壊す、というシークエンスにはある面で非常に納得・共感できますし、演技にもキレがあって迫力抜群でしたし。  今作、全体的に非常に静かな作品で(台詞なんか全部囁く様なとでも言いましょうか)、その静謐で文学的な趣もとても心地好いのですケド、却ってそういう熱が籠るシーンの切れ味というものは逆に際立っている様でした。音楽も多分2か所くらいしか入らないのですが、その2か所、祭のシーンのソウルビートな歌&終盤のヴィヴァルディ『夏』のシーンは、全編を通してもかなり強い印象を残す優れた箇所だったと思います。緩急の付け方、ここぞというシーンのハイライトの仕方に巧みさが感じられましたね。  一方で、前述どおりその静かな雰囲気も正に絶品でした。あくまで歴史ものといった系統のごく実直な演出がされていましたが、これでもし演出をもう少し抽象的な方面に寄せていたら、その空気感は恐らくタルコフスキーにすら匹敵し得たのではないか、とさえ。結論、随所の演出に監督の力量というものが大いに感じられた傑作だったかと思います。監督の過去作をチェックしたくなりますね。
[映画館(字幕)] 8点(2020-12-29 00:06:53)
207.  静かな雨 《ネタバレ》 
『四月の永い夢』と少し似た様なテーマかも知れない。より正確に言うなれば『静かな「永い」雨(と月)』とでも言うか。  ただ主人公の生活は、孤独な研究生活にせよ一転してこよみと共に生きる「進まない時の中」にせよ、思いがけず平穏でありつつも(それは主人公あるいはこよみの障碍がある中でも、という意味で)しかしその裏に確実に絶望を宿すという点では、あくまで静かな(しかし決して止まぬ)雨、なのだろうと思う。大事なのは、そこに差し込む月の光、つまりほんのささやかであっても、それでもそこに確かな「希望」というものがあるということなのだろう。でもそれはあまりに頼りなく、か細い幸福。それを噛締める様な2人を描き出すラストは、グッドエンドと言えるのか、それともそうではないのか。観ている私も哀しいのか、それとも違うのか、不思議な感覚とでも言うか。  比較的「言葉」の力を活用して肝心なトコロを描く監督だと思っていたが(流石「詩人」と)、今作では「音楽で語る」方向に少しシフトしていた様にも思われる(それだけ音楽の出来が好かったということだとも)。これまた非常に繊細で、かつ万人受けする(みんながしっくり来る)様な作品でもないかと思われるが、あくまで個人的にはとても好き。
[インターネット(邦画)] 8点(2020-12-25 23:48:56)
208.  フリーソロ 《ネタバレ》 
中々に凄まじいですね。スポーツというにはあまりに危険すぎて、例えばボクシングやF1といった(かなりの危険を伴いますが)あくまでスポーツと言える範疇の極限とも、やや比較にならない様にも思われるというか(F1も最近では以前ほど死亡事故の話も聞かないでしょーかね)。あと、スポーツの「競技」とは少し異なってクライミングはひたすらに自分との闘いであり、中でやはり恐怖心に打ち勝つことが最も重要かとも思われましたが、中盤で明らかになる様にこの主人公、ある部分でホントにバグっちゃってるというのが然もありなんとは言えやはり驚愕でしたね。  とは言え、ライフスタイルという言葉を超えて「生き方」そのものを定義し直し、文字通り全身全霊を賭けて挑んでゆく姿には大いに心を打たれました。あの広大な断崖絶壁にポツンと存在する人影の小さく見えることと、それでいて大きく雄大に見えるということ!終盤の迫力・スリル・映像の美しさはある意味空前絶後です。これは必見ですね。
[インターネット(字幕)] 8点(2020-12-16 22:06:39)
209.  運命じゃない人 《ネタバレ》 
監督の作品は『鍵泥棒のメソッド』『アフタースクール』から先に観ていましたが、個人的には本作がダントツで一番面白かったです。ストーリー上のギミック自体の面白さ・テクニックを超えるもの(テーマ性だとか)がある映画では確かにないのですけど、その種類の面白さ、という面では最高レベルではないでしょーか。最初、宮田の話はさほど面白くはありませんが、次の神田の話でガクッと面白さが跳ね上がり、そして素晴らしいのが、最後の組長の話でも同じぐらいガクッとまた面白さが跳ね上がる「尻上り」な作品である点かと思います(このレベルで優れたアイデアが二度も楽しめる、というのは、非常にゴージャスに感じますね)。  あと意外とよく出来ていると思ったのが、それでも酷い目に会うのはどこかアクドイ奴から順番に、という少しだけ勧善懲悪な点でしょうか。神田もしれっと100万円なぞせしめようとするから少し怖い目に会う羽目になったのだし、それにイラっとして逆襲してやろうとしたが故にあゆみも組長に捕まる羽目になりました。神田の事務所に自分の調査資料があることは分かっていたのですから、そこに組長を誘導したのは(組長が宮田の家に行ったのは確かにほぼ偶然に近いとは言え)やや迂闊だったと言えるでしょう。一方で、全く悪いコトをしていない宮田には被害が皆無、というのも中々鮮やかだったと思います。色々とお見事な作品でした。
[DVD(邦画)] 8点(2020-12-15 23:32:21)
210.  ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー 《ネタバレ》 
SWの三部作というのは、壮大な世界観やキャラクターの壮絶な人生を描いているのであって、そこでつくり込んだ設定を活用したスピンオフを持ってきて単品の映画としての出来を比べる、というのは、ややアンフェア・お門違いな気もしていますが(スピンオフが描いているのは、単なるひとつのエピソードなのですから)、それにしても単純に面白いっすよね今作。SWの設定を随所に生かしたシンプルで明快なストーリー、やや長尺ながらダレない展開運び、そこそこ魅力的な登場人物、アクションや映像面のクオリティも無難にそこそこで、娯楽作としてはかなり高水準な仕上りだと思います。  とは言え、前半はやや駆け足気味で、特に個々のキャラがどういう人物で何をしてきたのか、という部分の描写は少し軽めにも思います。あと、この手のハリウッド大作では珍しい全員玉砕エンドも(私は別に気になりませんが)好みから外れるという人も居るかも知れません。ただ、個人的に非常に好かったと思うのが後半の盛り上がりです。評議会がダメ!と言ってるのにテヤンデエ!とばかりに飛び出すヤンチャ具合に、いつ観ても共感し引き込まれるのです(それに感じ入ってすっ飛んでくるラダス提督、というのが私は特に大好きですね)。
[インターネット(字幕)] 8点(2020-12-12 20:53:47)
211.  叫びとささやき 《ネタバレ》 
憎悪・苦痛・不安・猜疑・嫉妬・疎外感…人間の持ち得る負の感情を様々に描き込んだ重苦しい映画だが、登場人物の背景や具体的な人間関係の説明はごく限られており、だから何故彼女らがそういった感情を抱くに到ったかという「理由」の部分はあまり明確にはなってゆかない。むしろ、敢えてそれを説明しないことで、それらの感情をより純粋なものとして描こうという試みにも思える。ベルイマンの他作品を観てもたびたび思うことだが、ひとつのストーリーと言うよりは絵画的な、それも抽象画的な映画だと感じるのですよね(その意味では終盤、アングネスを抱くアンナの場面の画づくりなんて完全に巨匠の手に成る傑作のレベルでしたよね)。  内容的にもそういった傾向がある様に思われるが、やはりそういった描き方の手法的な一助となっているのが、映像表現のクオリティの高さ。舞台となる屋敷の諸々にせよ、服飾やメイク・髪型にせよ、非常に細部まで拘り抜き、かつ高度な統一感を保つことで、実に見事な抽象的・非実存的映像空間の構築に今作でも成功している。そこに加えて、今作では女優4人の演技がいずれも超ハイレベル。完成度、あるいは芸術性、という意味では、確かにこれも映画史における屈指、という域にある作品であろう。
[インターネット(字幕)] 8点(2020-12-07 07:15:38)
212.  太陽を盗んだ男 《ネタバレ》 
確かに少し冗長なのは否めませんが、個人的にはそんなに気にならないとゆーか、むしろこのかったるさが本作でもアメリカン・ニューシネマ的と言える様な優れた閉塞感の醸成に一役買っているのは間違いないワケですし(私、こーいう雰囲気大好物なのですよね)。原爆製造という大それたコトを仕出かしておきながら、主人公には動機も目的も何にも無いというのが、どこまでも実に行き詰まっているじゃあないですか。(実際の映画制作場面も含めて)やってはいけないコト&タブーな設定を盛り込みまくった作品ですが、主人公自体は別にそこまで反社会的・反権力的というワケでも無くて、ただ原爆でも造らなければ自分の存在意義すら実感できないという哀れな男なだけに見えます(→だからこそソコに少しだけ共感すらできるのですケドね)。反権力的なのはむしろ池上季実子の方ですよ(まあただバカなだけという風にも見えますが)。極めて荒唐無稽な作品でありながら、描かれる人間の有様は驚くほどに血の通った切実なモノであり、ココに関しては単純にアメリカン・ニューシネマ的とも言い切れない、中々に面白くてかつ独特な質感が醸し出せていると感じます。  一方で、クライム・アクションとしての出来にも随所で非常に優れたモノがあります。デパートに捜査員が殺到する場面や終盤のカーチェイスなど規模の大きい撮影の出来が見事なのと、あとは何と言っても抜群な菅原文太ですね(正に鬼神の如く、というか)。ある種、二度美味しいタイプのお得な映画と言えるのではないでしょーか。今後もますますマニアック扱いになっていく作品だと思いますが、映画好きなら観て損はないかと。
[DVD(邦画)] 8点(2020-12-05 19:44:00)
213.  さびしんぼう 《ネタバレ》 
ファンタジック・ノスタルジック・ロマンチック・コメディ。『別れの曲』のなかに淡く融合されてゆく様なこれらの要素はいずれも中々出来が好いと思いますが、やっぱり今作はロマンチックですかね。個人的な趣味ですが、富田靖子が色々とにかく可愛いんですよね(紛う事無き昭和の美少女、というか)。膝下スカートの制服で自転車に乗り、棚引かせるは長い碧の黒髪(昭和な感じの豊かな毛量)と、それだけでロマンチックとノスタルジックは私の合格点を完全に凌駕してゆきます。ちょっとおバカなコメディ面も好きですね(チョイ役の樹木希林と小林聡美とか実にイイ味出してましたね)。残るはファンタジックですが、あくまで軽いノリの世界観も全体の雰囲気に対してとても適切だったと思います。更に年齢を重ねて、また観てみたい作品です。
[インターネット(邦画)] 8点(2020-11-28 16:57:44)(良:1票)
214.  沈黙 ーサイレンスー(2016) 《ネタバレ》 
例え神が「沈黙」して語らずとも、どうにもならない悲惨な境遇の中で唯ひとつ残された手段としての「祈り」こそが、種々の信仰の源泉というべきものであることは大いに理解できるし、そして、物言わぬ神に向けての祈りに少しでも重みを付けるために、むしろその耐え難い苦難を受容する「忍耐」こそが信仰者としての美徳とされてきたことも決して分からぬことではない。冒頭からの凄惨な描写の数々の中で神に殉じてゆく日本人たちには、だからそれでも個人的には大いに共感できるのだし、その部分においては今作で描かれる価値観にもまた、キリスト教のそれを越えた普遍性を感じ取れる様にも思う。  しかし「神の沈黙」もまたあまねく宗教に普遍的なものであるのと同様に、耐え忍ぶ人びとに寄り添う神の在り方も所詮は普遍的なものではないのだろうか。何故、キリスト教の神父が危険な日本に来て布教をしなければならなかったのか。何故、キリスト教でなければならなかったのか。何故、信者たちは死ななければならなかったのか。そういった私の疑問に対しては、今作は答えを用意してくれていないようにも思う。恐らく、その根源的な問いに対する答えというのは、西洋キリスト教社会においては既に「前提」とされてしまっているものだからなのだろう。私にはその前提が無いから、神父たちの苦難と棄教、最後に「沈黙」を破った神、そういったものの意味というのは、実は本質的な部分では理解できていないのだろうと思っている。  描かれる中世日本の描写には、そこら辺の邦画時代劇の比ではない優れたリアリティと細部にまで行き渡った種々のクオリティが実現されていた。信仰とは何か、ということを真剣に考えさせられるに至った内容面の奥深さも素晴らしい。が重ねて、どこまで作者の意図する結論に近づけたのか、という部分には、少しばかりの片手落ち感を覚えるのである。
[インターネット(字幕)] 8点(2020-11-22 16:22:21)
215.  ディア・ハンター 《ネタバレ》 
特に第一章のパートで、そして全体としてもかなり重いテンポで、所々確かにやや冗長に思える箇所も在るとは言えるだろう。ただシンプルに、この重苦しさをそのまま作品全体の空気感として取り込むための演出方針であるのは明白であり、それ自体は分かり易くシリアスな見応えを形成することにも成功しているし、決して悪くない選択だと思う。中盤から後半にかけては随所に心を穿つ様な威力・迫力のあるシーンも増えてゆき、この(反戦と言う)題材の映画としては間違い無く一級品&ある種の水準を示す傑作と言ってよいと感じる(やや、オーソドックス過ぎる感は無くも無いケド)。  ベトナム戦争、という大きなひとつのコンセプトに関して言えば、中世以前ならばともかく人道主義が普及した現代に至っては、人は守るべき人々の為にしか本気で戦うことなど出来ないのではないか、ということをひしひしと感じる。それが侵略されたベトナムが勝利した理由であり、既に個人主義化したアメリカが敗北して絶望的な虚無感を抱えた若者が大勢生み出された理由なのではないか、と。その意味では、種々のテロ組織を影で操っているのはCIAだ、なんてのも、あながち単なる陰謀論でもないよーにも思われてくる、というか。
[インターネット(字幕)] 8点(2020-11-07 01:40:15)
216.  ざくろの色 《ネタバレ》 
確かに、アート系映画というよりは映画系アート、映像である以上に静止画としての美的価値の方をより評価するべき作品にも思われる。要所要所の画を引き延ばしてプリントして、美術館に飾って展覧会を開く(音楽は場面場面でのそれを流しとくとして)方が、更にじっくりと画の美しさに浸れて好いかも知れない。  個人的にはやはり、肌を塗った人物のシーンのあまりの美しさ・非実在感が衝撃的だった。この古びた映像の質感であーまで幻想的にやられると、本当に中世の古い美術品が現代に蘇って動いている様にしか思われないというか。映像で観流してしまうのがあまりにも勿体無いホドにひとつひとつの画の中に盛り込まれる種々の「こだわり」も、しばしば巻き戻して観直してやっと十分満足できるくらいに完成度が高かった。  映画館で一回観て見事に別世界に行けたのだけど、ちょっと消化不良だったのでDVDで再見してようやっと楽しみ切れた、という感じ。トリップしたければ映画館での鑑賞がオススメだが、消化不良になるのが嫌ならDVDで観るしかない(やはり、美術展形式でやって貰って好きな様に観るのが好さそうですね)。
[DVD(字幕)] 8点(2020-11-05 21:39:47)
217.  朝が来る 《ネタバレ》 
全体の構成としては、前半が永作博美の話で後半が蒔田彩珠の話、というのは明確である。もし、あくまでサスペンスに徹するのであれば、その主となる後半に比して前半をもう少しライトに済ませる、という選択肢も在った様に思う。そのひとつの理由は、この前半のヒューマンドラマとしての出来がそもそも非常に素晴らしく、こっちの話が更に展開していく訳ではないことが少し残念に感じられるというか、やや消化不良と言ってもよい様に感じられた、というか(まあ、単純に前半と後半で二度美味しい映画として味わう、で何の問題も無いとも思うケド)。  ただもう一点、少し気になると言ってしまうならば、前半の永作(+井浦)があくまで自然な台詞回しを実に慎重に言葉を選んで口にしてゆく、その部分に感じられる思慮深さと、後半の蒔田がとにかくどーにも自分が何をどう感じているのか、そしてそれをどう行動に落し込んでゆくべきなのかを全く突き詰められていないというトコロの短慮さが、この構成によって対比された時に、それがそのまま「親になる資格」の有り無しを冷徹に体現している様にも見えてしまうというか、むしろこれが本作の真のテーマなのではないかと思われるホドだ、というか(でもそれってちょっと残酷過ぎない?アンフェアじゃない?とも)。端的に、私は後半の蒔田にはあまり感情移入できなかった(正直に言えば、私が彼女に抱く感情はあのヤクザのものにも少し近いのですよね)。だからヒューマンドラマとしては、私にとって観ることにポジティブな意味があったのは圧倒的に前半だと言ってもよいのである。  とは言え本作、もっと平凡なオチかと思った肝心の後半のサスペンス的な部分のクライマックスにもかなり優れたアイデアが在るのだ(この部分を最も「キレ」好く観終わるためにも、蒔田彩珠に出来るだけ感情移入して観ていった方がよい作品だとは明言しておきたい)。こちらはこちらであまりにも残酷なこの結末からすれば、少しご都合主義にも思われ兼ねないオーラスについても、ここだけでも彼女に寄り添おうとするのは映画として決して許されないことでもないかと個人的には感じている(原作小説がどう終わるのかが少しだけ気になるトコロ)。  以上、話の内容の出来が率直にかなり優れた作品だと思っているが、例えば前述の自然でさり気なくも鋭く心を穿つ力強い台詞(脚本)のクオリティや、光、特に自然光の使い方にこだわった淡くて繊細な画づくりがもたらす美しくて心地好い空気感なども中々素晴らしかった。色々と普通に、さほど文句も無くオススメできる良作。
[映画館(邦画)] 8点(2020-11-03 01:16:20)(良:1票)
218.  火の馬 《ネタバレ》 
調べると、舞台は19世紀のウクライナということらしいが、それよりも幾分古い時代の、というか、貧しさと同時に原初の力強さを多分に残している様な人々の生活が描かれてゆく、という作品。映画ではあるが、その部分には非常に(劇映画の範疇を超えるような)リアリティを感じるというか、諸々つくりもの感があまり感じられないトコロがまず心に響いてくる。特に二度の葬礼と中盤の婚礼のシーンは衣装・美術も色鮮やかで美しいトコロに、まずは今作、非常に綿密に組み立てられた構図からなる静止画の美しさが絶品であり、そのクオリティは同時代のタルコフスキーに優るとも劣らないレベル(火や水を画づくりのモチーフに取り入れる所なんかも似てると言えるのかも)。  更に印象に残るのが、静止画の美しさを重々醸しつつも、同時にカメラを実に大胆に動かしまくる「動きながらの」画というものがこれまた更に美しく、躍動感を溢れさせ、また幻想的でもあり、率直に非常に見事だった。映す対象・映し方の技巧・シンプルなシナリオ・長すぎない尺、どれをとってもアート系としては非常にバランスが良い。後続作品のややスピリチュアルすぎる傾向に比べれば、ダントツで一番最初に観るべきパラジャーノフ作品と言えるのではないか。傑作。
[映画館(字幕)] 8点(2020-11-01 06:24:15)
219.  ネバダ・スミス 《ネタバレ》 
なかなか面白い質感・雰囲気ですね。様々な出逢いを通して主人公マックスは成長していく訳ですが、その彼らは皆マックスの往く道の傍をただ通り過ぎてゆくだけ、深入りすることはありません(終盤のジョナス・コードとの再会なんかもそうですが)。しかし、マックス自身はその数々の出逢いから確実に大切なことを学び取り、自らの人格を磨いてゆきます。その部分の押し付けがましさの無い奥ゆかしい感じが、西部劇的な緩やかなテンポと相まって逆に深く心に沁み入るものを生んでいる、と言うか。オーラス、暢気で静かで、それでいて仄かながらしっかりと哀愁を醸して終わっていく様子・音楽の使い方も非常に好みです。粋な、洒脱な西部劇ですね。  マックイーンも出色の出来ですね。原作では物語冒頭では16才で映画でもその設定を踏襲している、という部分には、確かにかなりの無理があります(序盤、まだガキじゃないか、なんて言われる場面もありますが、ナニゆってんの?という感じです)。しかし、その部分に無理をしたくなるのも分かる程に、実直で芯の強い、何よりもとにかく渋カッコいい主人公を抜群に好演しています。マックイーン起用を決断した時点で、勝利が約束された様な映画、だとも言えるのではないでしょうか。
[インターネット(字幕)] 8点(2020-10-12 11:05:44)
220.  最低(2009) 《ネタバレ》 
最低なのは、率直に男どもである。浮気性・甲斐性無し・息を吐くように嘘を吐き・そしてほのかに(一部は完全に)変態、等々、かなりどーしようも無い男の最下層。しかしそんな彼らには、そんな彼らをどーしても好きだ!という女が何故か必ず(時として複数)付き纏っている。その意味では、最低なのは女どもの「男を見る目」かも知れないし、否、そーいう駄目男に女が惚れ込んでいるサマがこれも何故やら大好物で、挙句(短編とは言え)このテーマで映画3本も撮ってしまうという監督こそが、最も最低な変態なのかも知れない、とも思う。  ①最低:のっけからこれ見よがしに「最低」な男2人。しかし彼らには、それぞれ自分を好いてくれる女性が(片や3人も)居るという、この短編集のテンプレート。やっぱそーなると理由が気になるよね。実は優しい、見た目の(風変わりな)好み、或いはカラダの相性、とかかもね。う~ん、面白いすね。  ②微温(ぬるま):嘘と隠し事に満ち満ちた、4者の織りなすカオスな恋愛関係。中で彼らに共通するのは、皆自分が二股の当事者であることは認識してるということ、そして(それなのに)誰も自分が悪いとは思っていないこと、である。あっけらかんと破廉恥なサマにはもはや唯々笑うしかないが、にしてもこれはかなり笑えるヤツですね。個人的には、ベランダに積んであるトイレットペーパーにも久しぶりに泣くホド笑いましたよ。  ③足手:ごく大目に見れば、発端としては(ギリ)無くはない話であるし、男も女子も友人も、ある程度は理解のできる(ある意味)常識の範囲内な行動をとってゆく。しかし、理解不能なのはラストの三竦みである。な~んだコレ?監督はどーいう指示を出している?私の思考の及ぶ範囲ではない…というか。この不可思議な一瞬こそ、短編映画のひとつの醍醐味ではなかろーか。この三篇では一番好き。
[DVD(邦画)] 8点(2020-10-10 00:04:26)
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