2321. 刑事コロンボ/攻撃命令<TVM>
《ネタバレ》 映画ファンの犯人の風変わりな殺しの手口。キーワードがrose budというのに、間男された男の自意識過剰ぶりを見ました。警部を亡き者にというシーンの rose bud、しつこい演出に白けてしまいました。そしてここには矛盾がありました。2頭はそのキーワードを発した者を襲うはずなのです。この矛盾はいけません。 [DVD(字幕)] 3点(2009-08-16 16:35:08) |
2322. 白い恐怖(1945)
物語の展開の面白さへの期待感を打ち消してしまうテンポの悪さに閉口しました。結末も鮮烈さに欠けたもので、気だるい思いが晴れぬままのひと時にグッタリとさせられました。 [DVD(字幕)] 4点(2009-08-15 21:39:15) |
2323. アイガー・サンクション
ジャック・キャシディ目当ての鑑賞。彼の魅力が活かされていない中途半端な役どころが残念だったのはともかくとして、肝心のクライミングシーンは滑落のハラハラ感のみで、明かされる真相へのハラハラ感がありません。せっかくの舞台が活かされていない展開と結末はいけません。 [DVD(字幕)] 4点(2009-08-15 21:21:11) |
2324. オリバー・ツイスト(2005)
人々が生きてゆく舞台の生々しさが伝わってくる目を見張るセットはポランスキーならではのもの。冒頭の病的な程に肥え太った大人達が、オリバーの「御代わりを・・」の申し出に激怒する姿。この如何ともし難い現実に僅か9歳のオリバーが翻弄され続けるのは当たり前で、母を思うこと、7日間歩いてロンドンに向かったこと、恩人に感謝し裏切るまいとする意志を見せる事だけで充分だと思います。小悪党フェイギンは彼なりに子供たちに愛情を注いでいましたが、ラストの命乞いする姿に子供たちの将来が重なり、やるせなさが募ります。作品のインパクト部分であろうビルの描かれ方が効果を果たしていない点が惜しまれます。 [DVD(字幕)] 6点(2009-08-15 20:42:31) |
2325. 紳士協定
《ネタバレ》 個人の価値観や人となりを知らない状況で、人種や宗教、(職業にも言えます)でのみの判断で見下して優越感に浸る事の愚かさ、それを無垢な子供達に刷り込む事の罪深さ。紳士協定という言葉の響きと実態の乖離を突きつけられます。主人公が自ら望んだ8週間のユダヤ人生活は、「被虐ごっこ」の如きは言い過ぎとしてもどこか上からな目線を感じて釈然としません。最後の方でユダヤ人である友人が語る「君はその時どうした?・・・口に出した?」に、体験ではなく生涯ユダヤ人である事実の重み、思う事から実行する事への一歩の距離の長さを知らしめられます。 [DVD(字幕)] 7点(2009-08-13 17:23:30) |
2326. テルミン
理不尽な国家権力によって翻弄された生涯には、ご自身は一言も語られませんが数知れない苦悩や葛藤があった事が想像出来ます。それでも生き抜かれたところに感銘を受けます。音程が外れる、外れないが紙一重の危うさを感じるテルミンの音色に生を授かった者が生きてゆく姿が重なりました。映画に関して、テルミンという楽器に関しての知識が皆無の状況で出会えた本作。この喜びがあるので映画鑑賞はやめられません。 [DVD(字幕)] 8点(2009-08-09 17:49:56)(良:1票) |
2327. レッドクリフ Part II ―未来への最終決戦―
《ネタバレ》 「続編を映画館で」Part1を観た直後から待ち遠しかった水曜日。満を持しての鑑賞となりました。将の智略の妙を堪能し、尚香と一兵卒と同様な心情を持ち合わせた何十万の兵士の壮大な肉弾戦では、業火に彼等の思いが表れているようで鳥肌が立ちました。ですので史実であったとしても結末が残念でなりません。曹操の首を取れなかったのならともかく、取らなかった。これでは死者が浮かばれない。取った上での「戦争に勝者なし」なのではないか。と思います。 [映画館(字幕)] 7点(2009-08-09 02:05:19)(良:1票) |
2328. 刑事コロンボ/構想の死角<TVM>
ただただ、ジャック・キャシディを堪能する作品です。自信に裏打ちされたエレガントな立居振舞と語り口、冷酷非情な凶悪さを併せ持っている事を示す彼の眼に俳優の凄みを感じ、惹かれて止みません。軍門に下る姿も彼らしいので、その決め手が極めて弱い点が何とも惜しいです。 [DVD(字幕)] 7点(2009-08-09 01:25:54)(良:1票) |
2329. スーパーフライ(1972)
題名からジミー・スヌーカーを思い出したというだけの理由で借りて観ました。クスリの売人のクスリの仕入れ・販売に関するお話で、全編を覆い尽くしている薄汚さとチープ感が音楽と歌で更に引き立てられておりました。主役がひっきりなしに鼻から粉を吸っている姿に、人生を投げた輩ならともかく、そうでない者がこんなものの深みにはまってはいけないのであり、また、こんなもので金儲けをする外道が撲滅されん事を思いました。 [DVD(字幕)] 2点(2009-08-09 00:48:46) |
2330. 刑事コロンボ/指輪の爪あと<TVM>
ラストシーンが記憶に残っている作品です。警部の理詰めな推理とこれでもかという程の反則ワザでもって自称切れ者の犯人からギブアップ宣言をさせるシリーズの魅力を堪能出来ます。加えてレイ・ミランドの存在感が渋い彩りを添えている良質な作品です。 [DVD(字幕)] 7点(2009-08-03 01:22:33) |
2331. 刑事コロンボ/策謀の結末<TVM>
笑う時の口元がダスティン・ホフマン似の犯人。内面のゲスさを言葉遊びで飾り立てる確信犯の本性が警部によって明らかにされていくところは見応えがありました。決め手が弱い事、ドン臭い税関が何時になくスケールの大きい事件を盛り下げてしまいました。 [DVD(字幕)] 6点(2009-07-30 17:51:48) |
2332. ダイ・ハード4.0
むやみに町を混乱させているだけで恐ろしさのない小悪党な犯人グループ。全くの役立たずな当局。不死身のマクレーン。三者の絡みは、殺るか殺られるかの張り詰めた緊張感、殺られないために振り絞る知恵の感じられぬ、ただただ町や建物や人を破壊しまくるだけで怪獣映画を観ているようでした。同じ人物が演じているマクレーン。自身の風貌や成長した娘に時の流れを見ますが、それ以外で彼の年輪を見せて欲しかったです。固いこと抜きでアクションをお楽しみという点ではボスのあまりにも貧弱な最期がダメでした。 [DVD(字幕)] 5点(2009-07-29 18:29:42)(良:1票) |
2333. 刑事コロンボ/ハッサン・サラーの反逆<TVM>
《ネタバレ》 決定的な証拠を突きつけた上での国王のお出ましとなれば尚良かったです。サラーのうろたえる様子は現実味がありますが、国王と警部の心通じ合う様子に現実味を感じられませんでした。 [DVD(字幕)] 5点(2009-07-20 22:37:16) |
2334. イングリッシュ・ペイシェント
《ネタバレ》 ハナの物語によけいなモノがくっついて二兎追うものは一兎も得ず状態となったようです。夫婦や友を死に至らしめ、あまつさえ、Noble obligationに反し国家をも裏切った売国奴の不倫をダラダラダラダラ見せ付けられるのは苦痛でした。アカデミー賞を多数獲得しているようです。他人様の評価に対してとやかく言うのは独り善がりなので「ふ~ん」と言うに止めます。 [DVD(字幕)] 3点(2009-07-19 01:57:13) |
2335. 女囚さそり 701号怨み節
《ネタバレ》 細川俊之と田村正和の最期のみ当時の記憶が残っています。観直してみて、荒唐無稽な話の中にあって工藤の負け犬根性だけが現実味があり、裏切り者に相応しい最期に納得。とは言うものの、寡黙な者の放つ一言の重みが皆無なのは脚本が拙いのか演者が大根なのか、さそりがお粗末なので、観終わっても何の感慨もありませんでした。若かりし細川俊之の懐かしさにプラス2点です。 [DVD(邦画)] 4点(2009-07-18 13:34:24) |
2336. 怪物團
《ネタバレ》 オープニングの演出に見世物小屋の観客となったかのような気分にさせられます。数多くの正真正銘の畸形の方々の第一印象は正直息を飲むものがあります。しかし、決して怪物ではありません。この世に生を受けて懸命に生きているのです。真の怪物はクレオとヘラクレス。二人の笑い声は常にグロテスクでラストのクレオの成れの果ての姿はその醜い心が剥き出しになった正視に堪えない恐ろしさでした。私の中ではホラー映画ではなくサスペンス映画であり、まさに「空前絶後」という形容がピタリと当てはまる作品でした。 [映画館(字幕)] 8点(2009-07-16 00:47:31) |
2337. 刑事コロンボ/忘れられたスター<TVM>
50万ドルの工面はついたのか疑問である動機が弱く、11分間も決め手としては弱く、哀愁漂うラストシーンは「人が一人殺されている。本当にこれでいいのかどうか?」と釈然としない。観終わって残尿感の残る作品でした。 [DVD(字幕)] 5点(2009-07-15 12:56:38) |
2338. 刑事コロンボ/5時30分の目撃者<TVM>
犯人にワナを仕掛けて観念させる。シリーズの魅力の一つですが、本作は「ああ、引っ掛かる」と観てる者にまる分かりのあからさまなワナに、冷静沈着な犯人がコロッと引っ掛かっており、がっくりしました。 [DVD(字幕)] 5点(2009-07-14 02:24:50) |
2339. M(1931)
実話を元にしている事、監督のトーキー初作品という事を本サイトにて知り、リアルタイムで鑑賞された方のインパクトは並みではなかったと想像されます。78年前の私設裁判の模様は現在に通ずるものがあり監督の先見性に驚きました。また、「国家は精神に異常をきたした者の犯罪を裁けるのか?」ナチス台頭に対する監督の不安を表していたのかと考えると不気味さが一層増しました。冷酒と親の意見はではありませんが、あとから効いてきた作品でした。 [映画館(字幕)] 7点(2009-07-12 00:56:18) |
2340. 新幹線大爆破
《ネタバレ》 初鑑賞。予備知識は「主演が高倉健である」のみ。主犯の理詰めな行動、警察が犯人を特定していく過程、国鉄が爆弾解除を行う過程。結末に向かって片時も目が離せず、山本圭を筆頭に各々の俳優としての個性が役柄に反映されている豪華出演陣の演技も見応えがありました。三者の中で分が悪かった警察ですが、高飛びへの最後の一歩を阻止した手際は忘れられないものとなるでしょう。あの子の姿には衝撃でギョッとしました。惜しむらくは、乗客が事態の好転にも悪化にも絡む事無く、ただうろたえている存在でしか描かれていない点です。あと、どうでも良い事なのですが、一心に太鼓を叩く一団は謎でした。あれも形を変えたヒステリー状態ということなのでしょうか? [DVD(邦画)] 9点(2009-07-10 17:58:16) |