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Yuki2Invyさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 1645
性別 男性
自己紹介 基本的に3~8点を付けます。それ以外は、個人的に特別な映画です。

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【製作年 : 2020年代 抽出】 >> 製作年レビュー統計
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221.  ブラック・フォン 《ネタバレ》 
街では、少年を狙った誘拐事件が連続していた。近しい友人達すらも異常犯罪者の魔の手に落ちてゆく中、遂に主人公も…地下室に閉じ込められた彼もまた、犯人の毒牙にかかってしまうのか…しかし、救いの手は意外な所から差し伸べられたのだった………  妹が軽く霊感持ってるコトなんかも含めて、状況設定としてはホラーとして観たコト無いなんてワケでは全くねーのですが、キモとなる中盤の展開とゆーのは率直にかなりユニークですね!このお蔭で今作、ジュブナイル・ホラーで霊能もので、当然サイコスリラーなのにオカルト、そして何より(一風変わった)青春もの・友情物語としても十二分に成立している、という非常に独特な質感に仕上がっていたかと思います。妹が(ガキンチョのクセに)相当に気っ風の好い・気持ちの好い女のコで、彼女が目立つ序盤&終盤は(比較的にも)シンプルにかなり面白かったと思いますし、特にラスト付近は主人公の兄貴の方も正に「一皮剥けた」という感じに抜群のキレを発揮してくれるので、観終わった感じもごく良好でしたです。フツーにオススメできる良作ホラーかと思いますね。  多少物足りなく感じた部分があったとしたら、そーは言いつつ中盤が少し地味でかったるかったかな…というコトですかね。描写自体が少し地味なのに加えて、ここら辺てのはヘルプ幽霊の助言に従ってるのに結局上手いコトいかん…という予定調和がまたダルいのと、同様にこの辺の幽霊ってのは(主人公が名前を知ってたってダケで)別に生前に深い繋がりが在ったというワケでもないのでその意味でも少しエピソードとして濃度が薄いのですよね。重ねて、かなりユニークで、かつホラーとして・娯楽映画としての基礎的なクオリティもまま高い作品ではあるのですが、その点を念入りに勘案してのこの評点というコトで。。
[映画館(字幕)] 6点(2022-07-01 23:09:33)
222.  神は見返りを求める 《ネタバレ》 
まず率直に、予想以上にワリと「予想通りな」映画だったとも思いますし(終盤までは特に「定石」的かと)またかなりコテコテにブラックなワリには終い方自体は少し軟着陸な方に倒したな…とも。とは言え、見かけはまた相当にバッド・エンド的でもありますし、ゆーてもキッチリ着陸し切ったなんてコトもない感じにだって見えるのです。それよりもやはり(=この終わり方も含めて)色々と多様に&高度に全編でごくモヤモヤさせられっ放しだったという感じでもあり、思わせられる・考えさせられる(+イライラさせられる)トコロとゆーのはごく非常に豊富だったと思いますね。個人的には近年稀に見る方の”心地好い”モヤモヤ映画だったかと(=脳ミソがピリピリと活発に動き出すとゆーか)。  重ねて、結構色々と思わされたコトはあったのですがソレは今回は詳らかには書かないでおきます。ただ個人的に、こーいうごく時流に沿った事柄を題材に取りつつも、肝心な部分のソレらとゆーのはワリとシンプルに本質的で共感可能だ…とゆうモノが多かった様にも思います。同時に、結構ダークでキツめな題材を好んで撮る監督かと思いますが、その部分の手堅さ(或いは一種の「確実性」)とゆーのに関してはごく「信頼」に足る映画作家だな、とも思います。好きな監督ですね。
[映画館(邦画)] 7点(2022-06-30 00:04:01)
223.  ザ・ロストシティ 《ネタバレ》 
キャストはそこそこ豪華なので比較的チャンとしたアクション・アドベンチャーなのかと思って観に行ったのですが、まず第一にメインはラブコメの方ですわねコレ。で、他方でアクション・アドベンチャーの方は結局かなりお手軽な質感ですし、かつコメディとしたって割と下らない感じでもあります(何なら結構しょーもない下ネタも多い)。重ねて、アクション・アドベンチャーの方が率直に(内容的にも描写の質的にも)大したコトないので、このコメディの方がハマらないとかなりキツめ…てな映画かも知れませんね。私は正直、まるでピンと来ていません(ブラピが面目躍如に大暴れ!な辺りはまずまず楽しめていたのですケド)。肝心のサンドラ・ブロックは今作でも素晴らしく美しいのですが、ナニかちょっとツッコミ難い風格・風情でもあるかなと言いますか、結果的には(コレも正直)こーいうバカっぽい笑いにはあんまり向いてないのかもな…なんて(かの悪名高い『ウルトラ I LOVE YOU!』然り)。
[映画館(字幕)] 4点(2022-06-27 23:39:03)
224.  PLAN 75 《ネタバレ》 
誤解を恐れずに言えば、ある面で非常に「日本的な」お話だなあ…とも思うのです。現実問題として、こんな「政策」てのが万が一にも実行される可能性が在るのか無いのかを考えると、日本以外の全ての国に関してはまず100%在り得ない!と言ってしまって好いかと思うのですね(フツーにホロコーストだ!と言われ兼ねないレベルなワケで)。そしてそのコト自体は日本についても基本的には同様かとも(やはり)思うのです…が、ソレでも何となく1%くらいは「もしかしたら…」という気がしなくもない…という意味で、やはり「ならではの」という映画かもな…と。少なくとも、こんな題材の映画をあくまでブラック・コメディではなくてココまで真面目で真摯でかつ「静かな」作品として製作し、そして皆が鑑賞できるという社会的(・映画産業的)土壌とゆーのは、やはりごく日本的で独特なモノだとは確実にそー思うトコロでありまして。  とは言え、この特殊な状況下にあるコトを脇に置けば、今作の登場人物たちが陥るシチュエーションの本質的な側面てのはそれでもごく一般的・普遍的なモノかとも(やはり)思うのですよね。ごく極端な例としても、私の実家の近隣でも(おそらくは家庭の環境に依るものとして)自らその人生に幕を引くという決断に至った高齢の方は実際にいらっしゃいましたし、或いは高齢者の孤独死などは(残念ながら)近年それこそごく一般的なコトになってしまったものかとも思います。そーいうある種普遍的な社会的課題をヴィヴィッドに提起しつつ、本作ではそれに対するゼネラルな解決策は疎か、登場人物個々人の問題としてもその解決・答えに辿り着いた…というトコロには(最後まで)至らなかった様にも思えました。その意味では結構「投げっぱなし」な映画だとも思いますし、そーいった結果 or 過程の部分、またはそれらの描き方自体、或いはそもそものこの題材選定の是非、等々、非常に多くの側面について極めて多様な見方・評価の出来る作品ではないかと思うのですよね。評価自体の難しい or 評価が割れる、て映画だな…とゆーのは(コレも確実に)そー思うトコロでありますね。  私自身は、それでも比較的深く共感しまた考えさせられた(身につまされた)=心動かされたコトの一種の心地好さと、そして肝心な(謂わば主人公たる)その「決断」をする高齢の俳優2人(倍賞千恵子・たかお鷹)の演技がまた素晴らしいモノに感じられたコトを鑑みて、ワリと文句無しにこの評価とさせて頂こうかと思います。娯楽映画では決してない作品ですが、興味の有る方は是非。
[映画館(邦画)] 8点(2022-06-23 21:22:46)(良:1票)
225.  炎の少女チャーリー(2022) 《ネタバレ》 
ドリュー・バリモア版てのは、とにかく終始かなりグダグダしていて、だから決してソコまで面白い映画ではなかったかと思うのですが、コレもとにかくドリューが死ぬほど可愛い!+彼女演じるチャーリーがモ~目ン玉飛び出る位にオニ強い!という二点に関しては確実に大きな見ドコロになってはいたかな、と(そこそこヒットもしたらしくて)。今作も、基本的にはそのコンセプトとゆーのはほぼ変わってないと思いますし、そもそも話の流れも結構「旧作のまんま」でもありますね。ただ、内容は少しコンパクトにした上で展開運び自体もだいぶ整え直したという印象があって、結果かなり観易い・(ソコまでは)ダレない・オーラスに向けてしっかり盛り上がってゆく様な抑揚も備わってる、という感じで、リメイクとしてはその辺は確実に向上出来てるという部分ではあるかなと。んでオーラスではまたチャーリーちゃんがキッチリ縦横無尽に全開大暴れ!もしてくれますし、個人的にはまずまず「観たかったモノは(最低限)観れた」て感じすかね。  ただ、まずはゆーて今作ってたぶん若干B級寄りとゆーかソコまで予算が潤沢…とかでもないのかなと思えてまして、描写自体のクオリティや特にその物量的な面にはあまりゴージャスみとかは感じられませんでした(⇒少し物足りない…と言っちゃっても好いかと)。あと、原作が40年以上前なモンを(前述どおりほぼ)まんま再映画化してるので、特にその能力バトルというSF面についてもその部分の質感は好く言って「オーソドックス(クラシカル)」悪く言えば「古臭い」そして「既視感タップリ」てな感じではあるのですよね。やっぱ何より、能力者の能力そのものがも~ちょっとシンプル過ぎるかな、と。だからかな…とも思うのですが今作では結局最後にはチャーリーちゃんは(パイロキネシスに加えてお父ちゃんお母ちゃんの能力も兼ね備えた)アルティメット・サイキック・ガールに成り果ててもーてますケドね(個人的には、コレは別に嫌いなコトではありませんでした)。
[映画館(字幕)] 5点(2022-06-23 00:47:27)
226.  峠 最後のサムライ 《ネタバレ》 
題材的にはソレこそ去年の『燃えよ剣』ともメッチャ被るし、で双方の主人公の単純な人気・知名度、或いは映画自体の「物量」とかの面でもアッチの方がだいぶん「ポピュラー」な感じはするのよね(私がこの原作読んでないダケなのかも知れんケド)。だから元々同じ年(2020)に公開しよーとしてた…てのだってある意味チョイと「無謀」な気がするし(アッチは東宝でコッチは松竹なんすかね)んで(今や) 割かし大事そーなコトとして「ドッチを先に観る?」てのだって、私自身も答えはちょっと出て来なかった…と(思案に暮れてはみたものの…)。  ただ特に、今作で監督が「表現としてはナニをやりたかったのか」てのは結構高度に真逆だな…とも思ったりして。テンポの緩やかさ・華美に走らないシンプルで落ち着いた画づくり・演技の重厚さ…等々、コッチはごく非常に硬派で実直(もはや「朴訥」)といった感じに思えまして、そーいう演出方針的な部分は(全体的な「分かり易さ」も含めて)少なくとも個人的にはかなり好みな方のヤツだった…とは(まず第一に)言っておきたいのです。他方、戦争(戦闘)描写なんかもまずまず手堅くもありましたし、結論、私は今作全然悪くない作品だと思いました。面白かったすね。  でも、確かにこの感じは(言い方を変えると)少し「古風」または(誤解を恐れずに言えば)「シニア向け」で、かつ決してキョウビの映画っぽくもない(=スタイリッシュさとかはあまり無くて、本当に少しだけはリーズナブル感もある…カモ)と言えるかとも思うのですよね。重ねて、テンポの緩さ・雰囲気の重々しさ(=ある種の「キレ」の無さ)なんかは多少好みの分かれるトコロかな…と。あと純粋な内容面にしても、例えば(脚本の取捨選択的なコトとして)北越戦争の最中には領民の一揆が発生しててコレが戦況に大きく影響した…とかって事実はオミットされてるし、またオーラスの継之助の最期だって単純にナニが起きているのかが非常に分かり難かったりもするのですよ(=恐らく、単に破傷風で死んでゆく…という描写にはしたくなかったのだケド、じゃあどーいう風に描くかって部分のアイデアが残念ながらチョイ凡庸ぎみだった…てコトかと)。だからコレも、全部が全部どこまでも面白かった(=行き届いてた)とは言い切れない…という作品だってのも確かにそーだとは思うのですよね。  ただ重ね重ね、私は今作かなり面白く観れましたですよ。一番面白く観れてたのはナンてったって主人公の役所広司の重厚な役づくり&随所で迫力抜群な演技&(そしてナニより)醸されるオトコ臭い人間的魅力!だったのですね。確かに、彼こそが「最後」の⇒そして(それ故に)最も近代的な・進歩した「サムライ」だったのではないかな…と思いました。コレもやはり、原作の方も読みたくなってしまいますよね(『燃えよ剣』も買ったダケで積んである状態なんですケド…)。
[映画館(邦画)] 6点(2022-06-17 23:42:10)
227.  犬王 《ネタバレ》 
題材の物珍しさに加えてアニメ的表現自体もかなり独特で、確かに相当にユニークな映像世界が展開されるコトからして(その時点で)観る価値てのは十分だとは思うし、音楽性にしてもシンプルなロックの様でコレも確かになんか「和風」な…とゆーか和の趣を大いに含むというやっぱ結構に独特なモノだったと思うし、かつ純粋な音楽シーンの分量が思ったよりもかなり多めで結果音楽だけにも相当高度に「浸れる」てのも個人的にはシンプルに好きな感じでした(巷では、映画の皮を被ったロックフェスだ…とか言われてたりもするよーで)。  ただ、一つだけ(言おうか言うまいか物凄く迷うのですケド+コレは私の観方が捻じ曲がってるダケなのは重々承知なのですケド)思い切って言ってしまうならば、じゃあ嘗ての(或いは今に至る迄の)観世の能楽とゆーのは、シンプルな現代のフツーなロックに「劣る」というモノなのか、というどーしようもないモヤモヤが(今作を眺めてゆく中で)私にはどーにも拭い切れなかった…てコトなのですよね。モチロン、実在の犬王の失われた芸術に「権力によって腕ずくで葬られたモノ」としての性質(=テーマ)を仮託するうえで、ソレに必要な芸術的クオリティを(現代の視聴者に)分かり易く実際の映画表現として落とし込む単なる「ツール」であるというコトは私とて重々承知なのです。とは言え、現代でも実在する二つの要素を実際に二つ並べて確実に「比較」しているという物語の構造(⇒ぶっちゃけこの構造自体、そもそもこの二つって比較できる様なモノなのだろーか?という点にも大いに疑問が在りますケド)がある中で、流石にちょっと「片手落ち」すぎやしないですかねコレ?と思ったりもするのが(重ねて)正直なトコロでありまして。  まあ、諸々と事情があるコトだとも思いますが、そもそも今作はまず尺が短めで、んで前述どおり純粋な音楽シーンが比較的にも多いというコトで物語やキャラ・世界観の描き出し自体からして少~し軽めには為っていたかと思うのですね。その中である種、根本的な「能楽」の何たるかの描写とてまた軽く薄くなっている…とゆーのは仕方が無い or 高度な取捨選択の結果、なのかも知れないとは思うのですよね。まあ実際、今作を観てそんなトコロ=「能楽」と「ロック」が比べられているというコトに「引っ掛かる」という客なんて殆ど居ないだろう…とは、私だって当然の如くにそ~思うのでありますですし。
[映画館(邦画)] 5点(2022-06-05 23:01:21)
228.  きさらぎ駅 《ネタバレ》 
コレも元ネタは2ちゃんねる発の都市伝説で、大きな括りとしては異世界ものホラーである。展開は前半・後半の2つにシンプルに大きく分割できるが、ホラー的には前半が(コレも)シンプルなPOV系、後半は前半の流れを再度なぞりつつの一種の「解答編」になっていてその意味では『カメ止め』的だとも言える。元ネタにせよ、前後半それぞれのつくりにせよ、ホラーとしてはごく「安上がり」なアイデアの集合体だとも言えるし、お話の内容にしたってその真相部分とかを詳細につくり込んでチャンと説明してくれるというワケでもないし、そして映画自体の質感とて(チョコチョコと観たコトある人達が出て来るワリには)特にホラー描写なんかはかなりチープだったかなあ、とも(ややホラーゲーム的な、と言っても好いかと)。諸々含めて好くあるB級和ホラーの一作だと思っておけば好いかなあ…とも思われますかね。  ただ、例えば前述のPOVにせよカメ止め風にせよ、お手軽にそこそこ怖く or 面白くなるという点では今作でもまずまず効果的だったと思うし、加えて今作ではオーラス(=お話の結論的な部分)にも多少の仕掛け・意外性を仕込むコトが出来てもいて、ごくコンパクトな尺も相まって結果的には結構楽しく観終れましたですよ。それに「安上がり」なアイデアだとは言ったもののやはり今般、海外のA級ホラーとは(予算的に)ちょっと真っ向勝負はキビシイという状況において、今作の和ホラーとしてのこの「戦法」とゆーのはひとつ間違ってはいなかったとも思います。またその点についてはここ数年の和ホラーの(ある種の)プチ集大成的なモノだった…とも思いますかね。重ねて、私は結構面白く観れましたし、ホラーファンにはオススメもしたいトコロです(まあ、映画館で観るかは別にしても⇒結構早めにサブスクに出てきそう…てな感じのヤツではあるので)。
[映画館(邦画)] 5点(2022-06-05 15:37:23)
229.  辻占恋慕 《ネタバレ》 
いちおう、監督の青春三部作のラストを飾る作品とゆーコトだそーで(一作目はちょっと私観れてないケド)。ただ、二作目にせよ今作にせよ(あるいは『アストラル・アブノーマル鈴木さん』とかにせよ)ごくごく夢・理想⇔現実の狭間で藻掻き抜き、そして敗れていった人々にスポットを当てている作品だとはまた感じ取れる、のですし、監督ってのはソレを(全体的には絶妙にアイロニックでルサンチマン溢れるややブラック・コメディ風な作品に纏め上げつつも)決して安易なハッピー・エンドで(ある種)誤魔化す…という映画作家では決してない様にも見えてました。そしてその意味では、今作はその面では更にラディカルみを(大いに)増していた…とゆーか、その「ままならなさ」を作中ごく抜群なキレ味でもってラストで「鮮烈」に描き出していた…という様には当然の如くにまた思われましたかね(⇒率直に、このラストは嫌いな人は結構嫌いなヤツだ…とも思いますのでね)。  ただコレもある種、その部分すらも当然の如くに吟味された「狙い」の一つなのだろうなあ…とは(個人的には)また大いに感じられたトコロであります。ナニせラスト間際まで、実に丁寧に丁寧に二人の若者?のジレンマ・葛藤を(コチラが大いに共感可能なモノとして)描きつつ…からのソレ!ではあったと思うのですし。そーいう「やるせなさ」・共感の「し切れなさ」・「イタさ」とかっていうごく高度にモヤモヤとした居心地の悪い感情、という意味では、実に極上なモノを(観終わった瞬間から)新鮮に感じ取れた、とも言えます。そしてその上で、本質的にそれこそが(多くの「敗北者」たちにとっての)青春そのものなのではないか…と思ったりなんかもしてね。結論、私の評点は(見た目)あまり高くはならないのですケド、それでも多くの人に観ていただきたい作品だとゆーのは間違い無いのですね(とは言え、このレビューもちょっと酒カッ喰らってから書いてますケドね)。引き続き今後の作品にも期待します。
[映画館(邦画)] 5点(2022-05-30 23:50:18)
230.  アフリカン・カンフー・ナチス 《ネタバレ》 
設定が少しアレすぎる故に日本では一部で物議すら醸したらしいですが、そんなにマジメに捉えるべくもないごくお気楽・暢気なコメディ・カンフーです(=内容はモ~無い様な)。カンフーとしての話の中身とて、最初にボッコボコにされたった!⇒修行!⇒リベンジ!という極めてオーソドックス・シンプルな系統ですし、主人公のスキルも蛇拳(影蛇拳とかって)+酔拳+鉄指拳(三指拳、的な)というコレもごくオーソドックスなモノだと思います。舞台がガーナというコトでヒトラーと東条英機以外は全員キャストが現地の方ぽいのですが、皆総じてしっかりした格闘技の素養があるとは決して思えない…一方で身体能力はまま相当に高そうでもあって、それ故にアクションもそこそこ観れなくもない程度には仕上がっている…かと思うのですね(二人ほどトンデモなくバッキバキなガタイしてるヤツが居たりして)。あと、音楽も現地産ぽいのですが、コレもノリが好くてまあまあ面白く興味深く聴けましたかね。  いちおう解説としては、日本在住のドイツ人の方が仕掛人で彼が監督+ヒトラー役も演じてます(+彼の知人の一般日本人男性が東条英機役をやってると)。で、このドイツ人がガーナ側の監督と本作を企画して現地で撮影した、というコトのよーですね。まあそもそも、ガーナ映画っての自体殆ど存在を聞いたコトもねーですし、今作ではその中で現地ガーナの様子もある程度映される(市場とか建物とか)ので、実は地味にその部分に一番観る価値が在ったかも…と思ったりもしますですね。珍品を求めて止まない方なら、是非。
[DVD(字幕)] 5点(2022-05-30 23:50:12)
231.  トップガン マーヴェリック 《ネタバレ》 
まァ言わずもがな、トム・クルーズとてやっぱ大概バケモノですからね。今作で改めて見てもフツーに40代にしか見えないし(否、30代でも通用するかも)、作中でも(実年齢からすれば「年甲斐も無い」てな感じの)前作と殆ど同じ様なコトをごく若々しくやってのけてるのですし。そしてそもそもお話的にも30年以上寝かす必要があった様な内容には決してなってもいないのですよね(続編の企画開始自体は10年以上前とゆーコトらしくて)。そーなのですよ、本作って内容的にもまるでナンにも「老け込んで」なくって、今どき唯ひたすらに乗り物万歳!スピード万歳!スポ根上等!アメリカ万歳!筋肉こそ正義!みたいな如何にも「80年代やね~」てな質感に満ち溢れていて(音楽だって当然の如く)、コレもね、そもそもやっぱキョウビの若者ってモ~車とかに乗れるダケで「楽しい」とはあんまし思わないんじゃねーかな…てコトに思ったりもね(モノより「思い出」な世代ですから)。重ねて、コレが成立するってのはやっぱトム・クルーズ凄えな…とは思ってしまいますよね。。  本作はそのトム・クルーズが主に体現する「若さ」「強さ」が絶大な第一コンテンツとして在りつつ、やはりどーしたって世代によってはソコに対する憧憬とノスタルジィが大いに醸されるコトの心地好さがまた大きな見ドコロになってゆく…という作品なのかとは思うのですよ。でも、とは言えそーじゃない世代にしたって全然フツーに楽しめる…とゆーか、とにかくコレだけアクション部分の映像が素晴らしいのだったらお話なんてシンプルで在れば在るほど好いに決まってる…とでも言いますかね。ソコはモ~ただ「腕力」で捩じ伏せる様な映画だったとも思うのです(その意味でもごく「マッチョ」な…とゆーか)。4DXで観ましたケド終盤の空戦シーンは確かに軽く「映画の域を超えている」感じではありました。結論、コレは必ず映画館で観ていただきたい…という作品ですかね(少なくとも)。
[映画館(吹替)] 8点(2022-05-29 17:36:08)
232.  真・事故物件 本当に怖い住民たち 《ネタバレ》 
ほぼ同じ様なタイトルのA級ホラーが在るので若干目ェ眩まされてたとでもいう感じですが、コッチはごくごく低予算で「やりたいコトをやり切るコト」に(予算その他を)集中させたコンセプト・ホラーとでも言いますかね。で、そのやりたいコトってのはモ~後半残り30分以降のスプラッタシーン、としか言えねーのですわ。他の要素はかなりチープ、かつ全体的なお話の出来具合にしたって好く言って不可解・悪く言えば支離滅裂ですし、加えて、後半もスプラッタではあれども(あんまし)ホラーではないかな…という感じで気持ち悪く・グロくはありますが怖くはないかな…ともね。そんでもってとにかく一番痛恨なのが、このスプラッタってのもゆーて宣伝文句ほどにヤバくはなくって、描写自体としてもまァ観たコト無くはなくない?てなモンでして(別に結構昔からコレぐらいはフツーにやってたぜ…とゆーか)。ま~確かに、日本では少し珍しいレベル感・質感ではありましたが(=邦画ホラーとしてはニッチな方の分野だってのは確かかな、と)このジャンル全体を前提として捉えるならばソコまでユニークなモノだとは思えませんでしたかね。映画館鑑賞はスルーしたのですが、ある種正解だったかな…という程度の感じかと。
[インターネット(邦画)] 4点(2022-05-21 18:31:29)
233.  子供はわかってあげない 《ネタバレ》 
ナンか(何故か)壮絶に勘違いしてて、ちょっと重い映画なのかって思い込んで観るのを躊躇してたのですよ(+俺トリュフォーってあんまし観てねーんだケドな~とかも懸念マデしちゃってた、つーか)。が結論的にはぜんぜんフツーに超・肩の力抜いて観れるヤツだったのですよね(漫画原作なのですね)。んでまたミョ~に尺が長いのも勘違いの原因ではあるのですケド、それも単にごく非常にノンビリとした時間(=ある夏のひととき)を描き出すのが主眼ってゆう映画だからなのであって、ですね。  全体的には多分にコメディであって、かつソレもまたオーソドックスではありつつも⇒本質的な内容の面にも比較的しっかりとしたモノがチャンと在るって言える様な作品ではありますね。が、やはりシンプルな青春映画であるが故、コレも全体的にも役者さん達の「素」の魅力とゆーのがかなり重要になって来てるヤツかな…とも思うのですね。その意味では、今作はとにかく主演の上白石萌歌ちゃんの夏らしい魅力がそのクオリティの軽~く半分は占めてるかな…と思うのです。けっこう個性的なルックスだとゆーか、とてもほっぺたがぷっくらしてるのがチャーミングでソレこそ今作のホッコリした雰囲気にはまずドンピシャだと思ったのですケド、でも顔の個々のパーツ自体は(ほっぺた以外は)好く見ると相当に美的な感じとゆーか、ややエキゾチックさも醸す様なレベルで超・美人系なのですよね。であるからして、ココぞという場面における真剣な感じなんかも(コミカルシーンの感じからすれば意外なホドに)実にハイソでキレ好くイイ感じだったな…とゆーか、そこら辺も含めて非常に高度に役にハマってたな~と思わされてしまいました(優れたキャスティングだったな~と)。彼女が多少なり気になってる…という御仁には、全力でオススメしたい作品になりましたですね。
[DVD(邦画)] 7点(2022-05-20 00:08:27)
234.  パーム・スプリングス 《ネタバレ》 
『パーム・スプリングス』て言われても、ちょっとパッとは何のコトか分からないですし、単純に音としては(どちらかと言えば)多少オシャレにも聞こえる方のヤツかな…とも思うのですよ。でも、本編を観終わった第一の感想としては、コレってたぶん日本だったらフツーは『パーム・スプリングス!デスパレートなアタシの「時かけ」デート!』とかってごく下らないサブタイトルくっつけて公開される系のお気楽(ややB級)ラブコメ、じゃねーかな、と。まあ、そーいうタイトルだったら(私個人としては)もっと観るのぜんぜん後になったと思うので、ソコはむしろ(何となく)負けた…という気もします、が、ただし重ねて、本作のコメディ描写とかなんかは決して悪いモノではなかったし、暢気でお気楽なリゾート風味も大いに感じられて居心地も全然悪くはなかったのですね(とは言え、ま~結論的には諸々とかなり高度にそーいう系統のフツーなラブコメ…という感じだったかとは思いますケドも)。  でも、そーは言ってもやっぱ、今作におけるタイムリープのシチュエーション自体に関しては中々に羨ましくも思うのですよね。要は、永遠に終わらないバカンス、てなモンですから。私だったら多分、ナイルズ同様に相当に長期間は入り浸ると思いますね(取り急ぎ、アクセス可能な全ての映画と全ての本を観・読み終わる迄は…)。その意味でも、決して観ていて悪い気はしない映画だ…とゆーのは確かだったかとも思うのですよね。
[DVD(字幕)] 6点(2022-05-19 01:12:27)
235.  シン・ウルトラマン 《ネタバレ》 
『シン・ゴジラ』を受けてのモノなのだから、今作も映画的なコンセプトとゆーのは非常に明確で、コレもやはり一種の「現代訳(モダナイゼーション或いはオトナ化、ソコに加えての”庵野化”とでもゆーか)」が求められているトコロだと。でも、ゴジラは元々も映画作品で(背景となる世界観自体はまましっかりとつくり込まれたモノであったにせよ)お話としても非常にシンプルに「ゴジラを倒せば好い」ヤツだった、と。翻って、ウルトラマンてのは全部で40話近いテレビコンテンツなのだから、コッチは当然シン・ゴジラでやった作業に加えて高度に取捨選択・省略・整理整頓が必要になるワケだ…と。で基本、映画てのは内容がタップリなモノを(涙を呑んで)削ってつくった方が面白いモノにはなり易い、だから本作も(全然フツーに)面白く観れるのは間違い無いと思うのですよ。でもだから、個人的に観終わって一番強く感じたのは、結局ただただ「色々ともっとチャンと観たいな~(2時間の単発映画には勿体無いな~ or 1クールの1時間ドラマでおんなじ様なコト出来たりしねーのかな~)」というコトだったのですよね。重ねて、今作に用いられたオリジナル題材の取り合わせ・物語の(超・テキパキとした)運び方自体・或いはその「現代訳」にあたって新たに持ち込まれた種々のアイデアのクオリティ、に関してはほぼほぼ不満などは無いのです(=2時間の映画としては非常に好く出来ていたな、と)。ただコレも重ねて、もう少しボリューミーな別のコンテンツとして(クオリティそのままに)出てきてくれた方が個人的には当然に嬉しかっただろーな…というコトなだけであって(実現可能性は度外視するとしても)。  再度、フツーにかなり面白い映画だったとは明言しておきます、が、とは言え二点ほど、前半はともかく後半はほぼ(ウルトラマン本人も含めた)「外星人」絡みの話ばっかになってしまっていて、コレはむしろ『セブン』の方に空気感としては近いんじゃねーか?とも思いましたかね(=もう少しだけ単純な怪獣バトルの方も観たかったかな、と)。あとは純粋に映画として、個人的にココまで「間」とか「余韻」の少ないヤツはやや苦手なのですよね。そこら辺を含めてこの評価で。
[映画館(邦画)] 7点(2022-05-15 00:47:34)
236.  流浪の月 《ネタバレ》 
結論的には、極めてシンプルな(文字通りの)「純愛もの」なのですよね。もう、メロドラマと言っても好いヤツかと。偶然の邂逅ではあったものの相性とゆーのが何から何までドンピシャで、だからお互い相手が自分の唯一無二だとも、そして(翻って)自分が相手にとっての唯一無二だとゆーのも総て(何となく)悟っては居て、時を経てまたそれが確信に変わってゆく…と。だからコレも結論、どっからどー見ても(理性の箍など弾け飛ばしても)「そーなるしか無い」お話なのであって、ソレがそのままそーなったこの結末自体は(別に)本質的にバッド・エンドというワケでもないのでしょうし、個人的にもある程度腹には落ちたトコロでありますし、また見ように依っては美しい…と言っても好いモノなのかも知れません。加えて、単純に映画としても(好いか悪いかで言ったら)諸々と出来自体は好い方だ、ともまた確実にそー思うのです。  ただね……如何せん、前述どおり理性なんざクソ喰らえ!なお話だとは言え、それにしてもと実に感情的で非・理性的な人物しか出て来ないお話でもあり、だから個人的には中々感情移入の取っ掛かりってのが全般的に見い出せませんでしたです(終始ウンウン唸って観てましたですよ)。中でもとにかく主役の二人は、そもそもじゃあ誰が一番悪かったのか?と言えばンナモン松坂桃李に決まってるだろ!(発端は)とも思うのですし、広瀬すずちゃんだって(中盤~終盤は結構謝り通しに謝りまくってるワリには)自分の感情の在り方なんかには実に確信的で頑なでもありますし…  どだい、このお話は横浜流星があーいう極端なキャラだから多少見え方が変わってる、とも思うのですね。で、彼がもう少し真っ当なキャラだったなら、またきっと全然違うお話に見えていた…とも思うのですよ。ソレこそが、つまりどーいうお話に放り込んでもこーなったであろう…とゆーのがこの二人のある種の「本質」なのであって、だから厳しい言い方をすれば(社会の中で正道を歩んでゆけそーにないという意味では)この二人は一種「社会不適合者」だ、とすら思うのですね(あくまで個人的には)。モチロン、ソコには「理由」とゆーのがチャンと在るんですよ、でもコレも、じゃあ何かしら理由が在るのならソレがそーであっても善いのか、とゆーと、そーじゃないだろ…とゆーのがまた私の結論なのですね(まあ、別に彼らは最後に「幸せ」に為れなかった…というワケでもないのでしょーから、外野の意見なんても~関係の無いコトかも知れませんケドも)。  その意味ではやはり重ねて、個人的にはちょっと本質的な意味で主役二人への感情移入の難しいお話ではありましたし、更にその意味でゆーと(どちらかってーと私は)彼らに巻き込まれて不運な目に会った種々の人々…の方に(少しだけ)同情してしまう…という感じなのですよね。観終わっては正直、ムムム…という感じでしたかね。
[映画館(邦画)] 6点(2022-05-14 00:01:15)(良:1票)
237.  すばらしき世界 《ネタバレ》 
世界は決してただ美しい、素晴らしいモノではないのであって、多くの不条理・不正義・不公平と残酷な運命に満ち満ちている。それは人ひとりの力で何とか出来るものばかりでは全くないのだし、そもそも人智に依っては如何ともし難いことだって今だ数多く存在する。だから残念なことに「努力は人を裏切らない」とか「人生は何度だってやり直せる」だとかいう美辞麗句というのは、言葉の使い方の問題でもあろうが確実にそこに「嘘」を孕んでいる、とも思うのだ。人生とは、この世界とは、元々全く「ままならない」ものなのだろう、と考えている。  でももし、そこにただ純粋に素晴らしいことがひとつだけ在るとしたら、人が自分の人生を少しでも、ほんの少しずつでも「前に」進めようというささやかな意志を持ったのならば、その人生はどんな時でも、ほんの少しだけはより善い・より意義深いものにきっと変わるだろうということなのだ。例え明日死ぬとしても、その明日を今日よりも少しだけ何か意味の在るものにすることはたぶん可能なのだ。それだけが、人に許されている唯一つの絶対なのだ(人生の意味とは、ただひたすらにその積み重ねでしかないのだ)。だから、それでも世界は絶対に素晴らしいのだ、と。
[DVD(邦画)] 9点(2022-05-08 18:20:35)(良:1票)
238.  死刑にいたる病 《ネタバレ》 
原作未読。ある種「二本立て」という感じの構成で、岡田健史自身に関わるお話と、そして阿部サダヲの「九件目の殺人」の真相を追うお話を織り交ぜて進行してゆくのだケド、結論から先にゆーと、映画全体としてはサスペンスとして十二分に面白い作品だとは思いつつ、その二つのお話の真相とゆーのはどちらも衝撃的とまで言える程のモノではなかったかな…とゆーのが正直なトコロなのだすね。特にこの映画では「九件目の殺人」の話はどーいうコトだったのかがやや判然としないまま終わってゆくのだし、示唆される「真相らしきモノ」がもし真実なのだとしたら、更にドコがどーいうコトだったのかを事細かく訊きたいゾ!という意味でも色々と少~しモヤっとしたまま終わってる…とは思うのだよね(原作ではソコもも~チョイ詳細に語られるとゆーコトらしいのですが)。  ある意味、二つの話はそれぞれが単独では映画の題材にはならない程度のレベルかな…という感じなのですね。でも、その二つを巧みに重ね合わせてかつ緻密な展開・人物造形でもって補強するコトで(一つの作品として)完成度を高めて見せている、という感じかと思うのですよ。その意味では、特に登場人物のキャラ設定の部分は諸々と好く出来ていた・各キャラも巧くリンクされていた、と思いました。中でも阿部サダヲのキャラクター・行動原理にはまま強力な説得力が在りましたね(私はなんとなくジョン・ウェイン・ゲイシーをイメージしつつ観ていましたが、今作の阿部サダヲは部分的には彼よりも更にサイコパスの度合いが深い様にも思われましたケドね)。また、その阿部サダヲの恐ろしさを常に孕む演技も、あとは岡田健史の不安定さを巧みに醸し出す演技も、どちらもまずまず優れたモノだったとは(コレも確実に)そー思うのですし。  ただね~一点だけ、オーラスは……個人的にはコレちょっと余計だった様に思えましたかね。阿部サダヲの「九件目の殺人」について、やや判然としなかった…とは先ほどそー言ったものの、彼が年貢の納め時を悟ったが故にその行動様式に変容が生じたのだろう…とか、収監されても尚心残りの「かつての標的」を害せんが為に「遠隔的に」犯行を企てていたのだろう…とか、そーいった部分は(コレも重ねて)合理的かつ説得力もある展開だったと思うのですよ。んで、確かにあの彼女の岡田健史への近付き方の不自然さ、とかだって伏線としては決しておかしいモノでもないかな…とだって思ったりね。でもやっぱり、彼女はナニがしたくて(=阿部サダヲがナニをさせたくて)あーいうコトになってるのか、という部分はソコまでの話と全く繋がらないとは思いましたし、だからやっぱコレって「意外性重視の思いつき」にしか見えなかったりするのですよね(ココは原作とは異なる展開なのでしょーかね)。コレもある種、結局は二つの話のオチがそこまで「強くない」コトの弊害でもある様に思われます(でもゆーて、個人的には岡田健史がある面で阿部サダヲに「勝った」という話として終わらせる…でナンの問題も無かった様に思われるのですケドね)。  その他、まずメイク技術ないしは修正技術の進歩なのか、阿部サダヲや中山美穂リンは若い頃のシーンもチョコチョコ入るのですケドその部分の若作りに違和感が全く無かったのは好かったなと思いました(イイ時代になりましたね)。また、本作はPG12なのですが、特に序盤にチョコチョコ入ってくる拷問シーンは(普段そーいうのばっか観てる私の感覚でも)フツーにR15+レベルだと思いましたね(苦手な方はご注意ください)。
[映画館(邦画)] 6点(2022-05-06 13:34:32)
239.  ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス 《ネタバレ》 
アベンジャーズの中でもドクター・ストレンジは能力の「質」的な部分でいくぶん次元が違うので、コレと対等に喧嘩できそーなのを既存キャラからお手軽に(説得力込みで)引っ張って来るとなると確かにワンダくらいしか居ない…とゆーのにはまぁ納得もできるのですよね。しかし、ドラマの方でなんかどーかしちゃったらしく(ソッチは未見)今作のワンダは幾らナンでも強すぎるとゆーか、ちょっと桁違いにはなってもーてますのよね。片やのストレンジはコッチはちょっと弱すぎるとゆーか、今作では(ド初っ端含め)かなり苦戦に苦戦を重ねているコト自体は少なからずご都合主義にも思えますし、やはりそもそも今作のワンダはまた最初から最後までほぼ徹底して悪役の敵役で、かつラストもごく救いも無く終わってゆく、そのコト自体にもまま疑念の方をより強く抱くという人が決して少なくないとも思うのですね(私自身、可愛いし一途だしで結構好きなキャラだったので今作の顛末は確かに残念⇒それ以上に「可哀そう」だと思ったのが正直なトコロで)。  しかし、ソコも含めて全体の雰囲気はシリアスでキレ好く、かつ哀しみややるせなさといった(マーベルでは少し珍しい方の)質感も含ませて上手に纏め上げられており、中々「いつもの感じ」と違うヒーローものとしての新鮮味に近いモノも在ったと思いますし、また単純に筋も面白かったと思います(テンポその他もごく良好で)。そしてそれ以上に、監督に(ナンと)ライミを起用した最大の効果と言いますか、どれもごくホラー風に仕上がった個々の描写にもまたキレが在ってこちらもユニークさも感じながら非常に楽しんで観てゆけたのですね。結論、内容にせよ空気感にせよ多少好みは分かれる系統かとは思いますが、私自身はどちらもドンピシャに好みだったコトを加味して(少し甘めに)高めの評点としておきます。  ライミ御大、偶に仕事してると思ったらこのクオリティて、ファン泣かせも好いトコロですぜ旦那!大人しく次回作も監督して下さいね(別に他のホラーでもナンでもイイからも~なる早でお願いしやす)。
[映画館(字幕)] 8点(2022-05-05 14:28:25)
240.  KKKをぶっ飛ばせ! 《ネタバレ》 
『ぶっ飛ばせ!』たァ、率直にだいぶ日和ってるな…とゆーか(コンプラ上等)どー考えても適正なのは『ぶっ殺せ!』ですケドね(双方、ハナから皆殺しにするコトしか考えてねーです)。あと実際の事件を再現した…てのも、ま~嘘八百ですね(そーいうマジメな映画では毛頭ありません)。要は、輸入品の劇場公開作としては今どき珍しいまでのコテコテのB級(未満)!てヤツですわねコレ(否、意図するトコロなのかはイザ知らず、結果的にこのレベルの質感に為り果ててる映画自体は最近でも結構見かけますケドも)。お話の内容の無さといい、演技・演出諸々の安っぽさといい、コレも今どき全くCGを使わないという漢気、あとは肝心のショック描写だって総じてどれも今まで観たことが無いとゆーコトもない根本的な二番煎じ感といい、この手のとしては意外と上映規模も大きいんだケドもアレレのレ?という「驚き」の方がまずは胸に去来した…て感じすね。  監督はイギリスの制作会社「ダーク・テンプル・モーションピクチャーズ」を自ら率いてる御仁とのコトで、かつこの会社設立もごく最近(2015)であったりと此奴めは多分けっこう若手だと思うのですね。でも、意外なまでに本作て(+この会社の他作品含めても)質感はメッチャコテコテ!とゆーか、もう30年以上前からのB級ホラー(特に80年代中盤~90年代、00年代前半までくらいのゴア作品あたり)を愛して育った世代だな…という気が大いにするのですわ(=もはや一種のシンパシー)。重ねて、本作がアメリカでは大々的に上映中止の憂き目を見た…てのは(そもそもホントのコト?=ただの宣伝文句の作り話じゃね?とも思いますが)ソレって内容が過激だからとかではなくって、単純に質感が古臭すぎて相手にされなかった…てなコトだとはコレもひしひしと感じ取れるのですよね(まあ、アメリカには今でもKKKってのが現存してるのでして、その方面のリスクも無くはなかった…てなコトなのかも知れませんケドも)。  しかし、私はこの映画を大いに存分に評価して、そしてこう言わせて欲しいのです「コレこそが、我が青春のゴアである」と。チープな質感の気楽さもそーですケド、やっぱね~CGなんかクソ喰らえっすよね~私が死ぬまでに何度だって観たいのは何処までも、吹き出る血潮(=血糊)とナンだか分からない(=ナニで出来てるのか判然としない)肉塊らしきモノが弾け飛ぶというリアル!でしかねーのですわ。前述どおりゴア描写も総じて在り来りではありましたが、クオリティ自体は(B級としては)まま頑張ってる方でしたし、何より今作は(この手のでは「違い」を生み出すのにワリと結構肝心な)カメラワークについても思った以上に達者にも見えましたよ(構図も色々とまあまあセンス有ったし、特にアクションシーンはカット割りもまずまず手が込んでいて)。あと、無駄・無用なモノも潔く削ぎ落せていてテンポも終始相当に良好・尺もごくコンパクト(加えてOPとEDの曲がノリノリ)なので、気楽に観る分には思いの外リズミカルにスピーディに楽しめる…てな気もしました(勿論、この安い質感+そこそこ高度なグロ、をおおらかに許容できるという映画的素養は必要になると思いますケド)。結論、こんな映画を映画館で観ちゃった…という物珍しさで多分に補正が掛かっている気も(少なからず)するっちゃするのですケドも、私としては是非に!とオススメしておきたい作品ですね(1点プラスしておきます)。
[映画館(字幕)] 6点(2022-05-04 22:11:23)
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