2501. ゴジラVSデストロイア
初鑑賞時は、「ゴジラ死す」と触れ込んでおいて、前々作から登場させておいた“リトルゴジラ”にちゃっかりと引き継がせる顛末に、裏切られた印象を持ってしまったが、その後何度か鑑賞しなおしてみると、これはこれで悪くないと思えるようになった。 むしろ、1954年の第一作「ゴジラ」へのオマージュとリスペクトをしっかりと掲げ、「平成VSシリーズ」の明確な区切りを付けた今作の在り方は、とても正しく、はっきりと「良作」と言えると思う。 キャッチコピーに偽りは無く、第一作目に次いで二作目の“ゴジラの死”を明確に描いたゴジラ映画としても、その価値は高いと言える。 そして何よりも、暴走する体内の核エネルギーで赤く発光するいわゆる“バーニングゴジラ”のビジュアルは、極めて破滅的であり、格好良い。 そのゴジラの最期に対峙する怪獣が、“1954年”に芹沢博士が自らの命を賭してゴジラを葬った際に使われたオキシジェン・デストロイヤーが生み出した新怪獣であることも、何とも皮肉で、何ともドラマティックだ。 一方で、人間描写もなかなかいい。 物理学者を主人公に配し、第一作の山根博士の子孫をメインキャラクターに据えた構図は、“1954年”とのリンクをより効果的に成している。第一作でヒロインを演じた河内桃子を同じ役で再登場させるあたりは、新旧のゴジラ映画ファンを喜ばせるキャスティングだったと思う。 (平成VSゴジラシリーズの“心のヒロイン”三枝未希の最終作であることも忘れてはならない) そして自衛隊の活躍も外せない。 敵う筈も無い相手に無謀だろうが何だろうが挑み続けたことこそが、東宝ゴジラ映画における自衛隊の意地と誇りだったろう。今作ではその長きに渡る苦闘の日々がついに報われている。 過去2度に渡り撃墜された“スーパーX”は三号機にしてついにゴジラを最後まで苦しめ、無事に帰還する。それに乗り込んでいたのがあの“黒木特佐”であることが殊更に胸熱だ。 さらには、破壊され続けてきた“メーサー車”が、冷凍レーザー仕様でついにゴジラを追い詰める。 いやあ最高。 と、ついつい長くなってしまう。 大部分において陳腐な描写や展開も多く、冷静に観れば決して褒められた映画ではないとは思う。 しかし、特に平成ゴジラ世代のゴジラ映画ファンにとっては、見れば見るほどバーニングゴジラよろしく熱くなるゴジラ映画だと思う。 [映画館(邦画)] 8点(2003-10-14 11:57:04) |
2502. ゴジラ(1984)
1981年生まれの映画ファンとしては、1984年公開の今作こそがゴジラ映画の“デフォルト”であると言える。おそらくはゴジラ映画ファンの親に連れられて行った映画館で鑑賞したと思う。 もちろん僕自身もゴジラ映画ファンだが、ファンだからこそ、歴代のゴジラ映画の殆どが駄作揃いであることも認知している。 ただ、今作はその中でも数少ない「良作」と言える部類のゴジラ映画であると思っている。 “良いゴジラ映画”に共通することは、強大なパワーを有するモンスターであるゴジラに対して、非力な人類は、限られた可能性と科学技術を礎にした「知恵」で、ゴジラを退けるというプロセスが描かれているということだと思う。 今作においても、人類は、鳥の波長を利用した超音波装置でゴジラを“おびき出し”活火山に誘い込むという極めて地味な作戦で勝利をおさめる。 そして、何よりも欠かせないことは、ゴジラは人類の「敵」であるという大前提と、同時に人類の業の権化であるという「戒め」だと思う。 苦心の末、人類はゴジラを退けるが、後に残ったものは決して喜びではなく、ある種の悲しみと、自己嫌悪感だ。 それが、ラストシーンで、小林桂樹演じる首相と、夏木陽介演じる生物学者の悲哀に溢れた表情に表れている。 1954年のオリジナルに対するまさに原点回帰と言える今作の方向性は正しく、極めて真っ当なゴジラ映画であると言えると思う。 個人的には、内閣総理大臣を演じる小林桂樹の存在感が堪らない。 もちろん、武田鉄矢の見事な浮浪者ぶりも忘れてはならない。 [映画館(邦画)] 8点(2003-10-14 11:44:28)(良:1票) |
2503. メカゴジラの逆襲
シリーズ通してメカゴジラというキャラクターの出演は意外に多くて、その度に宇宙人製作だったり地球人製作だったりと設定は変わっている。そして今作は2作連続の出演で、タイトルも独占してしまっている。しかしそれほどこのキャラクターに魅力はないのではないかと思う。 3点(2003-10-14 11:30:34) |
2504. 地球攻撃命令 ゴジラ対ガイガン
確かに今作の子供だましにも行き過ぎの演出には参ってしまった。対ガイガンのわりにはガイガンの印象は極めて薄い。ゴジラ映画は世界的に人気もあり評価も高く、もちろん私も好きだけど、全体的には駄作の方が断然多いのではないかと思う。 3点(2003-10-14 11:25:31) |
2505. ゴジラ対ヘドラ
数あるゴジラ映画の中でも異色と言えるのが今作ではないかと思う。公害怪獣のヘドラの設定と造形美はなかなか見事なものだったけど、公害を強調するあまり部分的に教育映画っぽさを感じさせられたのは残念。半ば意味不明に当時の風俗描写が映し出されたりと異色の名にふさわしい仕上がりだった。 4点(2003-10-14 11:10:05) |
2506. 三大怪獣地球最大の決戦
タイトルの「地球最大の決戦」が始まるまでは、まあまあ良いんですよ。日本語をベラベラに喋る某小国の一行、「私は金星人」と連発する王女の放浪なんかも陳腐とナイスセンスの絶妙のラインだと思う。そして、今作で初登場となったキングギドラのインパクトとその精巧さは見事に尽きる。と、ここまできて、怪獣同士の“最大の決戦”で大コケするのだから、正直参る。モスラのアホ臭い説得模様(同時通訳by小美人付き)から始まり、繰り広げられるゴジラとラドンのギャグ合戦、結局ゴジラが岩を投げ続けてギドラを追っ払う……。最後は、“平和な島としてお馴染”のインファント島に帰っていくモスラをゴジラとラドンが呆然と見送る。なんだそりゃ。 4点(2003-10-14 11:03:25) |
2507. モスラ対ゴジラ
近年製作作に出てくるモスラは不自然にカラフルでいかにも作り物っぽい子供だましな造型だけれど、この頃のモスラは毒々しく粉っぽくて蛾の怪獣らしかった。タイトルを見ても分かるようにこの映画では主役はモスラでゴジラは完全に敵役になっていて興味深い。そしてモスラは何故か強い。 7点(2003-10-14 10:58:36) |
2508. ポリスアカデミー'94/モスクワ大作戦!!
傑作シリーズの最後の作品であるが、出来は散々なものだった。かつての一級コメディ映画の風格は消えて、どうしようもないC級映画に成り下がってしまった。まあもともとがハチャメチャなコメディ映画だったからこういうラストもありっちゃありか。 [ビデオ(字幕)] 1点(2003-10-14 10:47:38) |
2509. 新ポリスアカデミー/バトルロイヤル
1~5と変わらぬ笑いを提供してきてくれていたシリーズだったが、今作で大きくトーンダウンしてしまった。まだまだ笑わせてくれることは確かだけれど、ネタ切れという感は否めない。まあここまでシリーズ化が進めばそれは仕方ないことだけれど。 [ビデオ(吹替)] 4点(2003-10-14 10:43:33) |
2510. ポリスアカデミー5/マイアミ特別勤務
人生において初の映画体験なんてのはひとそれぞれだろうけれど、僕の場合、人生初の“コメディ映画体験”は、間違いなくこの「ポリスアカデミー」シリーズだった。 親がダビングしていたPART1からこのPART5までのVHSを、小学校低学年の時分に繰り返し観たことは、幸福だったと思う。 今作にも変わらず登場する、ハイタワー、タックルベリー、ジョーンズ、キャラハンなどお馴染みのキャラクター名が今なお即座に出てくることを鑑みても、自分の中の楽しい記憶として強く残っていることは明らかだ。 前作の「ポリスアカデミー4/市民パトロール」で、シリーズの主人公“マホニー”役のスティーヴ・グッテンバーグが、映画のラストでヒロイン(売れる前のシャロン・ストーン)と文字通り去っていってしまったので、マホニーが登場しないこのPART5にはどうしても物足りなさは感じる。 しかし、ラサール校長やハリス部長も含め他のキャラクターは健在で、舞台をマイアミに移した“社員旅行”的な展開は、ファンにとって楽しい限り。 個人的にはもう20年ぶりくらいの鑑賞だったので、たわいもない1シーン、1シーンにノスタルジーすら感じ終始ニヤニヤが止まらなかった。 欲を言えば、子供の頃と同様に日本語吹替え版で観たかったな。 [インターネット(字幕)] 7点(2003-10-14 10:40:27) |
2511. ポリスアカデミー4/市民パトロール
大傑作のシリーズだけれど、今作で主役のスティーブ・グッテンバーグが去ることになってしまい、これより後の作品は4までと比べると若干質が落ちてくる。ヒロイン役で売れてない時期のシャロン・ストーンが出ていることにずいぶん後になってから気付いた。 7点(2003-10-14 10:36:36) |
2512. ポリスアカデミー3/全員再訓練!
キャスト陣のチームワークも円熟味を出してきて何度観ても笑える。ヒット作のシリーズ化は常識的であるが、今作ほど変わらず面白いシリーズはなかなかない。アメリカ映画では№1のコメディ映画だと思う。 7点(2003-10-14 10:32:46) |
2513. ポリスアカデミー2/全員出動!
傑作ポリスコメディの第二作。個性的なキャラクター陣のチームワークも増して一作目と同様面白い。ギャングのボスのキャラクターがまた強烈で、彼は続くシリーズ作ではアカデミーに入学してくる。 7点(2003-10-14 10:29:20) |
2514. ダンボ(1941)
ディズニー映画の中でも特に子供向けに位置されてそうなこの「ダンボ」だけど、実際は今作ほど大人向けな幅広いディズニー映画はないように思う。ストーリーは幼稚なように見えて「まわりと違うことを負に思わずそれを生かす」という実に現代的なテーマであるし、随所に芸術的にレベルの高い演出が多い。特にダンボが酒に酔ってピンクの像が踊りまわるシーンなどは、非常に独創的でシュールであった。 [ビデオ(吹替)] 10点(2003-10-11 16:12:25) |
2515. ピーター・パン(1953)
子供の頃何度も繰り返し観てセリフが頭の中に焼きついているほどだ。ドジだけど、やっぱり海賊らしく悪党で卑劣なフック船長のキャラクターが良かった。確かにティンカーベルは嫉妬でシャレにならないとこまで行き過ぎてるねえ。 [ビデオ(吹替)] 9点(2003-10-11 16:03:49) |
2516. バックドラフト
ロン・ハワードという監督は、実に真実を映画的に映し出すことが巧い人だと思う。真実をリアルなままに描くことも簡単とは言えないけど、映画的に描き出すからこそ面白いし、感動する。そういう技術に秀でた映画監督だと思う。今作においては主役はカート・ラッセルではなく「炎」と言わせるほど、燃え盛る炎にキャラクターとエンターテイメント性を持たせていて見事と言うほかない。 8点(2003-10-11 15:58:17) |
2517. ラストマン・スタンディング
ご存知「用心棒」のリメイクであるが、ただただアウトロー的な暗さが続く一方で爽快感が最後まで無かった。それでも全体の雰囲気が良ければ見応えもあるというものだが、これといって引き付けられる描写もなく疲労感が残った。 3点(2003-10-11 15:50:10) |
2518. セブン
サスペンス映画において今作よりもストーリーが秀逸な作品は多々あるが、今作より「見せる」作品は少ないと思う。デビット・フィンチャーによる映像によるキリキリとした空気感は見事で、ラストの衝撃まで緊迫感に締め付けられる。 [ビデオ(字幕)] 10点(2003-10-11 15:45:32) |
2519. マイ・ルーム
アイドル真っ盛りだったディカプリオを押し出しているせいで映画自体に厚みを感じづらい作品であるが、ダイアン・キートン、メリル・ストリープ、ロバート・デ・ニーロとさすがに巧い演技を見せてくれる。特にダイアン・キートンの役柄は彼女ならではの力強さを感じさせてくれてとても良かった。 6点(2003-10-11 15:39:05) |
2520. フォートレス
こういう限りなく駄作に近い映画を一生懸命作るのもハリウッドの魅力であると思う。なかなか高い評価を受けることは少ないけど、これからもこういった映画を作り続けてほしいと願う。そんな中から傑作が生まれていることも事実なのだから。 5点(2003-10-11 15:34:01) |