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六本木ソルジャーさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

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コメント数 823
性別 男性

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【製作年 : 2000年代 抽出】 >> 製作年レビュー統計
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241.  ワイルド・スピードX2
カーアクションだけでストーリーなんて何もないだろうと思われがちだけど、そんなこともなくオトリ捜査を軸に要所要所にカーアクションを入れて退屈しないようにして、更に「友情」というスパイスをかけてなんとか味の濃いものにしようという努力が見える映画になったように思われる。 ストーリーも犯人側、ポールウォーカー側、FBI、地元の警察とそれぞれの思惑が入り混じり、多少分かりにくくもなっているが意外と凝ってて頑張っているなという印象。 基本的には前作並に楽しめる作品になったのではないでしょうか、前作がダメな人は楽しめないでしょう。 ヴィンディーゼルがいない分、緊張感や迫力は当然落ちてます。 この映画のストーリーにはリアリティを求めるつもりはないが、あの女捜査官はなんで1年間も敵ボスのオンナになりながら、ばれたら殺されるという状況下で頑張ってるのかキャラクター的に全然分からなかった。ミイラ取りがミイラになっていたパターンでラストで主人公達に銃でも向けたほうがもう一転して面白いかなあと思ったけど。
7点(2004-06-25 15:49:49)
242.  28日後... 《ネタバレ》 
普通の「ゾンビ映画」とは一線を画する映画だ。ゾンビからの襲撃から生き残って、危機的な状況から脱することをメインに描くのではなく、危機的な状況下における人と人との繋がりをテーマにしているように感じた。「希望」がないと諦めたり、自暴自棄になるの簡単なことではあるが、主人公とヒロインの関係性が深まることにより、何かしらの「希望」が生まれることを描いているように感じられた。人と人との繋がりには、「絶望」ではなく「希望」が生まれるといいたいではないか。 また、「殺し合うこと」が人間の本能だとしても、危機的な状況下だからこそ、その本能を捨て去ることが大事なのではないか。自暴自棄になって短絡的な本能に従うよりも、どんなに危機的な状況でも「希望」を捨てないことを訴えている。 現実の社会では、ゾンビに遭遇することなどないが、災害等いつ危機的な状況になるかは分からないものだ。 さらに、旅の道中で、主人公が意味もなくチーズバーガー屋に入り、ゾンビ化した少年を殴り殺すというシークエンスが実は結構重要なのではないかという気がした。主人公は、ちょっと暇だったから、ゾンビでも殺そうかと思い、チーズバーガー屋に入ったのではないか。この行動は、遊び半分で楽しみながら銃を乱射する軍のソルジャーとさほど変わらない行為だ。「殺し合うこと」の本能に従った行為であり、ソルジャー達と何も変わらないことを知り、主人公の中で何かが変わるきっかけとなっている。 「HELLO」で始まり、「HELLO」で終わるという構成も見事だ。確かに、挨拶こそ、人と人との繋がりの一歩なのかもしれない。「HELLO」と返してくれる人のいる喜びも感じられる。 DVDにはもう一つのエンディングが収められている。もう一つのエンディングは、銃弾を浴びた主人公がヒロイン達の手当の甲斐なく、あっさりと死ぬものであり、まったく意味のなさないエンディングだ。幸いにも、日本の初版の劇場公開版は、「DVD版」がエンディングだったと記憶している(もう一つのエンディング版も後発で劇場公開されたかもしれない)。 主人公が死ぬという絶望的なものを描くことは、本作のテーマとはそぐわないだろう。 危機的な状況でも「希望」を捨てないことがテーマであるから、「HELLO」で終わる、最後に「希望」をもたらすエンディングこそ、適切なエンディングだったのではないか。
[DVD(字幕)] 7点(2004-06-25 15:44:39)(良:1票)
243.  10日間で男を上手にフル方法
かなり笑えます。 自分が観た劇場内も相当盛りあがっていた様子。楽しめるのは間違いないけど、ラストのあたりが多少失速したかなあという印象。しかし、設定も意外と無茶苦茶な設定でもないし、下品な感じも全くしなかったし、笑顔がキュートなハドソンだからかもしれないがキャラも嫌なオンナにならない点は良かった。
7点(2004-06-25 15:41:39)
244.  座頭市(2003)
この映画はかなり評価が割れそうな気がする。 リズムこそいいけど、テンポが悪く、ストーリーもそれほど大した事はない。映像やCGも結構、雑な気がするのでつまらないと思う人もいるかもしれないが、見終わった後の余韻というか何かがいつまでもココロに残る気がした。 観終わった後に何も残らない映画が多い中で、これだけでも評価に値するのではないだろうか。 ストーリーとはあまり関係はなかったけど、いくら目を見開いても、見えないものは多い、「めくら」のほうが逆に多く見えることはあるというのもなかなか面白いメッセージでもある。 話題のラストの踊りのシーンだが、踊り単独でも確かに見ごたえは充分あるけど、映画を通してあの踊りに対して何を感じるかだろう。 自分はあの踊りに対して、姉と弟の復讐という呪縛からの解放と悪党がいなくなり10年の苦しみから救われ、これからいい村に再建していくという村人達の希望みたいなものを感じた。 残念なのは、悪党の黒幕がバレバレなこと。もっといい伏線を貼ったり、いい演出が出来たものだろうと思う。 序盤でバレないようにしておいて、ラストで一転させたほうが更に面白い映画になると思う。 いい奴だと思ってた奴が実は悪い奴だったら、テーマにもリンクするんじゃないのかなあ。 服飾も良かった、「市」の帯とか結構センスあるなと感じる。
7点(2004-06-25 15:39:51)
245.  名もなきアフリカの地で
序盤は、イマイチかなあと思ってたけど、後半になってじわじわと感じられる作品。 アフリカの地で自分の居場所、存在理由を見出せない父親と最初嫌がっていたが逆に自分の居場所を見出していく母親、そして誰よりも早くアフリカに順応していき、父と母の間に揺れる娘という主人公三人とその周囲の人々の気持ちが観るものに伝わって来る。 そして、広大で野性的なアフリカの地で「違うこと」を尊重することの大切さも感じ取れる。 更に、ドイツだから作れたようないつもとは違う視点からのユダヤの宿命も描けている。 他の作品が良かったからアカデミー賞外国語映画賞受賞は手放しで納得というわけでもないけど、こういう作品に賞を与えられるのもなかなかやるなあと思いましたね。
7点(2004-06-25 15:28:13)
246.  エデンより彼方に
50年代の雰囲気を楽しむメロドラマ映画というのが事前の知識だったけど、人種差別などアメリカだけでなく、現代の日本にもまだまだ残る「偏見」を扱った映画。 楽しめるかどうかは別として、数多くの賞を得ているのも納得です。 外見にとらわれず本質を見極めることの難しさはいつの時代どの国でも一緒ですね。 「誇り高く生きて欲しい」という彼の言葉は胸に響きました。
7点(2004-06-25 15:24:06)(良:1票)
247.  コールド マウンテン
ストーリーはかなり坦々とした印象を受ける。 ジュードロウ、ニコールそれぞれのエピソードには様々なドラマがあるんだが、何か薄さのようなものを感じる。 やはり詰め込みすぎた感はぬぐいきれない。 ラブストーリーとしてもそれほどのものとは思えない。確かにキスシーンや再会のシーン、森でのシーンなどは息を呑むほど美しかったが、最初の設定がそれほど会話もない二人だから、引き裂かれた感もなく感情移入しづらい。 そんな状況でこの映画を見て何を感じたか。戦争下においては憎しみによって、人を醜くする。 そのような状況でも人を愛する気持ちや家族を想う気持ちが人を正気に保ち、明日を生き抜くチカラを与える。 特にナタリーポートマンのエピソードを見ている時にこのことを強く感じた。女性の自立映画としても中途半端な印象。一人で鶏を撃てた程度で喜んでいてはどうしようもない。
7点(2004-06-25 15:14:16)
248.  ディボース・ショウ
ストーリーのテンポの良さで全く飽きさせないし、楽しいオープニングクレジットも必見。 主役のあの二人に加え、脇役もジェフリーラッシュやビリーボブソーントンなどの実力俳優が演じ、死にかけの上司のじいさんや殺し屋ゼェゼェ、証言してくれた男爵など面白いキャラクターも多数登場するのが良いですね。 今回はタトゥーロやブシェミは出てないけど。 ゼタジョーンズは「シカゴ」とは違い、かなりかわいい感じの女性を演じていて、「騙す」というキャラクターにもかかわらず、憎めないなかなか好感のあるキャラクターになっている。 原題のイメージとは違う感じのキャラクターになっているのがどうなんでしょうね。 ストーリーにはひねりはないけど、お金より何よりも結局、愛が全てというテーマで気軽に観れるのがこの映画の良さではないでしょうか。観れば分かるが絶対に傑作というわけではないけど、時間分は楽しめるという映画には仕上がっている。「バーバー」の後にこういうのを出してきたとは、コーエン兄弟の引き出しの多さにはびっくりする。
7点(2004-06-25 15:09:17)
249.  パッション(2004)
ストーリーもドラマもない純粋に映画といっていいのか分からない映画で評価はしにくい。 自分的には鑑賞前に言われていたほど、耐えられないほどの残虐性や酷さはなかった。 確かに残酷な映画なんだが、残酷であればあるほどキリストの深さや覚悟が現れてくると思う。 あれほどの仕打ちをした人々に対しても、「赦し」を乞う姿にキリスト教でもなんでもない自分でも何かしらの想いを感じずにはいられなかった。  そして「人類の罪を一人で背負う」という重さがあの十字架の重さにも感じられたし、一緒に運んでくれた人によって、その重さはやはり一人では背負えないのかもしれない、我々も背負わなければいけないモノなのかもしれないと感じた。 宗教には興味はないが、我々日本人としては、欧米の人が信じるキリスト教とはどんなものかを知る一助にはなったと思う。
7点(2004-06-25 15:07:28)
250.  キル・ビル Vol.2
殺し屋としての哀しい宿命を描いた作品に仕上がった。 殺し屋が「母親」として生きるとはどういうことか、殺し屋としての「愛」を貫くとはどういうことか。 ブライドとビル、両方のけじめの付け方には納得がいく。 ビルのスーパーマンを引用したセリフには重みを感じた。自分が感じたのは、ビルは最後に本気を出したかどうかだ。裏切られたと感じた当時は愛する人を殺すことは出来ても、真相が分かった今となっては本気を出して愛しているブライドを殺すことはビルには出来なかったと思う。 ラストのブライドの「ありがとう」というセリフは、BBが無事に育ってくれたことや、自分を助けてくれた半蔵やパイメイだけでなく、ビルにもある意味で感謝をしているのではという想いを感じた。 ラストクレジットを見ると、やはりこの映画には多くのユニークなキャラクターが多数登場していたことを改めて気づかされる。今回は個人的に何故かエステバンが気に入った。自分が顔を切った女性を呼ぶ不気味な仕草が面白い。彼と幼い頃のビルだけでまた一本映画が撮れそうなもんだ。
7点(2004-06-25 14:49:31)
251.  殺人の追憶 《ネタバレ》 
犯人逮捕への執念、情熱、怒り、無念さが伝わってくる骨太な映画。 重厚感に溢れた創りになっており、雨の滴る中を這いずり回る男たちの姿や、ラスト間際の容疑者との緊迫感ある、やり取りには並々ならぬ迫力を感じる。科学的な捜査方法を多用し、拷問を反対していた冷静な都会から着任した刑事でさえ、物証が乏しいためあせりの余りに「自白させてしまえばいいんだ…」と呟いてしまう。あの刑事たちの無念さには多いに共感できる。 足跡等の証拠を捏造し、被疑者に対する執拗な暴行により自白を強要させたり、霊能者に頼ったり、銭湯で無毛症の男を捜したり、学校での噂を調査したり等…普通ならばあり得ない捜査とは思うが、それだけ彼らが追い込まれていることの現われに過ぎない。これらの一部が実際の捜査でも行われていたというから驚きだ。 ただ、あまりに過激な捜査だったためか、それぞれ因果応報的な結末に陥っているのも面白い。足蹴りを得意とした刑事は足を失うという結末。「書類は嘘をつかない」が信条の都会の刑事は、最後の最後には「書類」に裏切られてしまうという結末。「俺は人をみる目だけはもっている。犯人を見ればすぐに分かる」と言っていたソンガンホが最後には「もう何も分からない…」と呟くシーンをみると、犯人逮捕に掛ける「情熱」が失われていってしまったようにも思える。そのためか、「警官」を辞めるという結末を迎えている。 それぞれ報われなかった想いに対する代償の大きさが窺われるようになっている。 そして、ソンガンホが最後に再び用水路を覗き込むが何も見えない。「この事件を通じて我々は何を見たのだろうか。事件の闇の中に何かを見れただろうか。」という問いかけにもみえる。 また、「殺人」が起きる条件が揃ったにも関わらず、デモ鎮圧のために機動隊がこちらの事件に対処できなかったことや、夜間灯制のため犯人に好都合の状況を与えてしまったこと等の姿も描かれており、「時代」が事件に加担してしまった背景もきちんと描かれている。 初見は、アホな捜査を繰り返すことによって逮捕を逃した刑事たちに共感できないと思ったが、改めてみると、気迫溢れる演技に圧倒され、無念さが強く伝わってくるようになり、本作の印象が変わった。
[DVD(字幕)] 7点(2004-06-25 14:46:21)(良:1票)
252.  フォーチュン・クッキー
母と娘、お互いが理解しあうというテーマでは、ありえないように見えてこの設定は非常に効果的ではないでしょうか。母が学校に行くことにより娘のトラブルの元を知ったり、興味あることを理解する。娘は母親の仕事を知りどんな思いで暮らしているのかそして再婚の悩みや不安を感じる。多少、強引でもラストのライブシーンやスピーチなどお互いが理解しあえたシーンはなかなか感動的でした。よく言われているけどやはりジェイミー・リー・カーティスの演技はこの映画にとってぴったりだった。
[映画館(字幕)] 7点(2004-06-25 14:37:32)
253.  エレファント
子ども達の繊細でもろくて壊れやすい様をじっくり描き、「エリーゼのために」が映画にいい影響を与えている。 「ボウリングフォーコロンバイン」では銃社会アメリカに原因を求めたが、本作では子どもたちの繊細な感情を描ききることで原因の一端が何かを示したような気がする。 この映画に答えはないかもしれない、しかし大人たち、社会に何かしらの問題があるのではないだろうか、自分はそう感じる。 このような事件が起きると、一面に焦点を当てて原因を探ろうとする、しかしそれでは物事の本質を見極めるのは難しい。そのような想いを本来の意味とは違うかもしれないが題名と映画から感じる。 
[映画館(字幕)] 7点(2004-04-11 02:07:38)
254.  ミレニアム3 眠れる女と狂卓の騎士 《ネタバレ》 
原作は当然未読。 原作に面白みがあるので、ストーリーの進行を追っていけば、前作同様にそれほど飽きることはない。 しかし、基本的にはストーリーを追っかけているだけの映画であり、映画としての質はそれほど高いとは思えない。 例えば、組織に編集部が脅迫されていたと思うが、切迫された“恐怖”というものが感じられず、追い込まれた感があまりない(怖いのは直接攻撃のヒットマンだけであり、心理的な恐怖が欲しいところ)。 また、組織についての“不気味さ”なども感じ取れない。あの程度では、ただの犯罪グループを摘発したくらいしか思えない。 とてつもない巨大な組織を相手にしているという“怖さ”がないと面白みが半減するだろう。 法廷パートにおいても、『これで勝てるのか?』というドキドキ感を生むほどの緊張感や焦燥感がない。 隠し玉がDVDくらいなのでもっと焦りが欲しく、勝負の鍵となるギリギリに掴んだ精神科医のパソコンの逆転劇を効果的に演出して欲しいところ。 しかし、ハリウッド映画のような洗練された感はないが、小細工せずにストレートに製作された映画というものも懐かしいようでありそれほど悪くはない。 ラストもハリウッド映画ならば、部屋に入れたり、キスしたりといった小細工をしそうだが、「また今度…」「きっとだぞ」と言って別れる辺りのあっさりした感じも悪くはなかった。 結局、二人の関係はメールや言葉を交わさない視線のやり取りのみであり、精神的な部分・心の中での絆は深いと思わせるものではあるが、直接的なやり取りが少なかった。 直接的なやり取りが出来ないということは、リスベットが幼い頃に受けた心の傷というものがかなり根深いということなのかもしれない。 ほとんど笑わないリスベットが笑顔を見せたのが、父親が死んだ時などの数回というのも印象的なものとなっている。 彼女は確かに勝利をしたのかもしれないが、本当の意味で勝つことは難しいのかもしれないと感じさせる。 背中のドラゴンタトゥーのように、心に刻まれた傷は消えないのか。 ただ、ミカエルだけではなくて、保険会社のかつての上司、親身になってくれた医者、疫病神、ボクサーなど、彼女を支えてくれた人たちの存在も彼女の心に刻まれただろう。
[映画館(字幕)] 6点(2011-04-16 13:21:24)
255.  アンチクライスト 《ネタバレ》 
きちんと内容を理解できていないのかもしれないが、それほど衝撃的な作品とは思わなかったということが正直な感想。 本作に描かれている内容を言葉では上手く表しにくいが、人間(特に女性)の“本質”のようなものを感じ取れればよいのではないかと思う。 三匹の乞食、森に対する恐怖、靴を逆に履かせる行為、ドングリや手についていた変な虫などは理解しようと思えばできるかもしれないが、放って置いても構わないと思う。 そのようなことよりも自分が感じたことは、性と暴力が人間の“本質”ということだ。 自分の赤ちゃんが危ないことに気付いたのにセックスを優先したということか。 そうなると、激しく後悔する理由や自傷行為などの理由が分かり、本能と理性が絡み合ったカオス的な作品となっている。 ただ、人間の“本質”をきちんと描いてくれれば分かりやすい作品になったかと思うが、サタンや虐殺などに触れられるとやや分かりにくくなってしまう。 分かりやすい作品を作っているわけではないので仕方はないが、全体的にまとまり感がないという印象。 好きな作品というわけではなかったが、トリアー監督作品は悲劇的な内容にも関わらず、逆に変な心地よさも感じられる。 心地よさという表現が合っていないかもしれないが、不思議と居心地の悪さはそれほど感じられない。 映像美や音楽の効果ということもあるだろうが、それだけでもないだろう。
[映画館(字幕)] 6点(2011-04-02 22:15:46)(良:1票)
256.  ウッドストックがやってくる! 《ネタバレ》 
1969年という“時代”の雰囲気をなんとか再現しようと頑張っていることは評価したいところ。 あの頃のアメリカの“自由さ”というものが伝わってくる。 現代においては、何事においても便利な世界にはなったが、何か大切なものを失ってしまったような気がしてならない。 自由を謳歌する精神や、熱狂するようなクレイジーさや、人と人との繋がりというものが失われてしまったのではないか。 法律や規律を守ることはもちろん大事なことだが、悪い意味で行儀良くなってしまったのかもしれない。 主人公の父親もラストで語っていたが、生きているのか死んでいるのか分からないような状態が、現代のような気がする。 ドラッグやフリーセックスが正解とも言えないが、生きているという実感が現代に欠けているような気がしてならない。 映画としては、興味深いイベントが描かれているため、集中して鑑賞できるが、手放しで絶賛するほどの面白さはないと思われる。 多数のユニークなキャラクターが登場しているが、どのキャラクターも活かし切れていないという印象であり、中途半端に映る。 登場してきて会話して終わりか、登場してきて騒いで終わりのパターン。 サブキャラクターは登場するだけでよく、核となる主人公の成長ストーリーと捉えることもできるが、それも曖昧な仕上りとなっている。 ウッドストックフェスティバルを経験することにより、人間的に成長して、地元や親元を離れて旅に出るという流れが、心に訴えてくるほどのデキではなかった。 母親との関係や、ユダヤ人やゲイについても踏み込めていないか。 イベントの描き方としても、祭りの後に残る疲労感やゴミの山というものはきちんと描かれているが、イベントの苦労や障害も簡単に描かれており、バタバタしている間に、なんとなくイベントが始まり、なんとなくイベントが終わったという印象も残る。 実際にその通りだったのかもしれない、また主題から離れているのであえてカットしているのかもしれないが、この点についても物足りない。 また、当時の映像を使えなかったのか、使いたくなかったのか分からないが、肝心のミュージックシーンもないというのもやや拍子抜けか。 1曲くらいはきちんと聴きたかったところだ。
[映画館(字幕)] 6点(2011-02-14 23:20:18)
257.  舞妓Haaaan!!! 《ネタバレ》 
「どうせくだらないんだろう」と全く期待はしていなかったが、くだらなさを超越しており、意外と面白かったという印象。クドカンの妄想が自由自在に暴れまくり、サダヲがその自由さの流れに上手く乗り切っている。 二人の自由さが相乗効果を生んだといえる作品だ。 サダヲ以外では、これほど面白い作品にはならなかっただろう。 もちろん、完璧な仕上りではないが、それほど完璧に作り込む必要もないだろう。 ちょっと恥ずかしくなるような“明らかに外している”ミュージカルシーンもその自由さを象徴しているといえる。 プラスという評価はしにくいところだが、このような無謀な冒険も評価したいところ。 再登場しようとするダンサー陣に対して、「もういいよ」と帰すところも効果的に上手く利用している。 ただ、相変わらずというほどクドカン作品を鑑賞しているわけではないが、相変わらず、ラストの展開やオチの付け方が性急というか粗いというかなんというか・・・。 途中まで異常なハイテンションでふっとばすところまでは面白いが、オチをそれほど用意していないのだろうか、訳の分からないもの(踊り)でゴマカすしかない。 また、ラストでオチを付けるために強引に方向転換を図らなくてはいけないが、その流れや処理がそれほど上手くはできていない。 しかし、観客に「なんやそれ?」と思わせたいという製作者の趣旨や狙いも感じられるので、面倒くさいのでゴマカすというよりも、計算されたゴマカしと言えるかもしれない。 それほどウマさは感じないが、本作に限っては、あの処理でも仕方がないところはあるかもしれない。 感動的なオチや驚くようなオチを付けなくてはいけない作品ではないので、このオチの付け方にケチを付けるのは野暮というところか。 クドカン流の粋な“遊び”というのはこういうことをいうのかもしれない。 気になったのは、駒子の顔のバッテンの件。 駒子は舞妓を辞めたくて、顔にバッテンを付けた様な気がしたが、舞妓を辞めるというよりも、逆に舞妓以外では生きられないようになった気がする。 重要なエピソードの割には、あまりしっくりとは来るデキには仕上がっていない。 内藤と駒子の関係、駒子と鬼塚の関係を物語る上では、活きてくるネタというわけではない。 内藤と駒子の関係を強化して、駒子と鬼塚の関係が最終的には深まらないような仕上りになるようなネタにして欲しかったところ。
[DVD(邦画)] 6点(2010-12-28 23:37:26)
258.  かもめ食堂 《ネタバレ》 
テイストはそれほど嫌いではなかった。 女性向け作品と思われるだけに、さすがに大ハマりというテイストではないが、落ち着いた穏やかな時間を堪能できた。 ストーリーはほとんど存在せず、何かに傷ついた人々が、ただコーヒーを飲んだり、おにぎりを食べたりする程度のものである。 その程度でも、それほど飽きることないということは、女優陣の自然体な演技力、監督の技量が高いということだろう。 フィンランドという国が持つ魅力もあるが、ナチュラルな空気感は見事だ。 本作においてはそれほどリアリティを気にする必要はないのではないかと思う。 「どうやって生活しているのか」「就労ビザはあるのか」「日々の余った食材を捨てているのか」などのつまらないことを気にすると面白みを減るので、あまり考えない方がよい。 汚いところも、きついところも、言い争いも全く描かず、「自分らしくしていれば、そのうち上手くいく」という妄想や理想に近いところがあるが、“映画”というものは現実逃避の手段でもある。 厳しく忙しく、常に何かに追われる日常生活を一瞬でも忘れることができる手段として、本作には存在価値がある。 「やりたくないことはやらない」、そのような理想が通じる世の中が良いのか悪いのかは分からないが、こういう作品もたまにはいいものだ。
[DVD(邦画)] 6点(2010-12-28 23:18:32)
259.  ザ・ロード(2009) 《ネタバレ》 
文明崩壊後に、親子が二人で南を目指して彷徨うだけの映画。 悪人から逃れるために隠れて、食べ物や物資を探し求めるだけで目立ったストーリーがないだけに、好き嫌いが分かれそうな作品に仕上がっている。 素晴らしい作品とは思うが、正直言って自分の好みの作品ではなかった。 ただ、本作に描かれているメッセージは深い。 生き残るために他人を襲い、あるいは人間ですら食べるということが当たり前の世界の中で、善という“心の火”を灯し続け、その精神を息子に叩き込もうとする父親の姿が心を打つ。 文明が崩壊して秩序が崩壊して混乱した世界になっても、人々が“心の火”を灯すことで秩序が回復できるのではないかと、かすかな“希望”が感じさせる。 唯一の“希望”が自分達を撃つための銃弾という設定も泣かせる。 平和だった日常生活が随所に回想として挿入されているが、何でもないようなことが実は幸せだったと思わせる。 ラスト間際の父親の幸せそうな夢を見たときに、「悪夢を見る者は生きる希望を失っていないから」という言葉を思い出して、彼の死期を悟ることができるようになっている。 本作中においては、文明が崩壊した理由も明らかもされず、最後に楽園に辿り着くわけでもない。 そういった映画らしい展開を無視する辺りも本作の個性ともいえる。 むしろ、そういったお約束を描かない方が本作にはプラスといえるだろう。 “心の火”を灯した親の子ども達が出会うことが、自分には希望と感じられた。
[映画館(字幕)] 6点(2010-12-28 23:16:56)(良:1票)
260.  クロッシング(2009) 《ネタバレ》 
撮影方法に関しては凝っているようであり、それを注視していれば楽しめるかもしれない。 高架線を走る鉄道を映しながら、徐々に視点が下へと下がっていくシーンを観るだけでも面白い。 長回しや鏡といったアイテムを利用したり、静から動への移行など、緊張感・緊迫感が高まるようになっている。 アントワン・フークアらしい本格志向のリアルな作品には仕上がっていると思われる。 主演の3人の演技も素晴らしく、フークアのイメージ通りのリアルな演技を繰り広げている。 イーサン・ホークのかなり切羽詰った演技、リチャード・ギアのかなり情けない演技、ドン・チードルのかなり苛立っている演技、それぞれの演技は観客に対して訴えてくるものがあるだろう。 しかし、本作が言わんとしていることに関しては、自分には難しすぎたのかもしれない。 ストーリー自体には難解さは存在しないが、結局のところ何を言いたいのかがよく分からなかった。 家族を守るため、人生を取り返すために必死になった男たちは悲惨な末路を辿り、人生に絶望し諦めた男は何も望みどおりにならないというような“人生の無常”を説いたようなものかもしれないが、初見ではピンとは来ない流れ。 人生が思い通りにならない男たちがもがいて、あがいて、苦しんでも、人生は変わらないということだろうか。 「チャイナタウン」のような仕上りをアントワン・フークアは求めたのだろうか。 「犯人は誰か」「事件の顛末は何か」「出会うはずのない3人が出会うときに何かが起きる」といったような単純なハリウッド映画とは異なる仕上りとはいえ、もう少しだけ心に訴えてくる分かりやすいものが欲しかったところ。 冒頭の会話に「より善か、より悪か」「間違えた方法で正しいことをする」といったヒントが隠されていたが、これらのキーワード通りに進んだようにも思えない。 「トレーニングデイ」や「ティアーズ・オブ・ザ・サン」を見る限りでは、アントワン・フークアらしい結末ともいえるが、上手く“オチ”ていない気がした。 リチャード・ギアが呆然としながら歩んでいくラストは悪くはないが、あのシーンの意味を深く噛み締められる者は少ないのではないか。 “傑作”になり得る素材ではあるが、微妙に何かが噛み合わなかったか。 ただ、高い仕上がりになっているので、再見すれば評価は変わるかもしれない。
[映画館(字幕)] 6点(2010-11-24 23:36:15)
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