2681. 渚のシンドバッド
肝心の伊藤君と吉田君のあれこれの方は、何か単調で作為的でもあり、あまり面白くない。むしろ、周辺人物の方に見るべきものがある。清水さんはいかにもクラスにいそうな優等生キャラで、画面に登場するだけでぱっと焦点を引き寄せてしまうほどの存在がありますが、この女優の高田久実さんって、もしかしてほかには出てないの?また、浜崎あゆみがきちんと演技ができているのにもびっくりしました。あと、長回しの多用はなかなか意欲的ではあるのですが、「ほーらここが重要場面ですよー」というようないかにものところでばかり使われているので、かえって効果を削いでいます。 [CS・衛星(邦画)] 4点(2023-02-25 00:48:41) |
2682. ピラニア(1978)
どこをどう切ってもB級なのは、もともと予想どおりだからいいのですが・・・それでもやはり、肝心のピラニアがほとんど「見えない」のは、モンスター・パニックとしてはいかにも不十分ではないか。せめて、どこか途中で一匹だけでも回収し、生態の観察とか何とかいう口実で、そのディテールを見せる、ということはできなかったのかな。みんなが都合よく騒いでいるだけに見えます。 [CS・衛星(字幕)] 4点(2023-02-23 00:10:16) |
2683. 女必殺拳
いや、うん、とりあえず悦ちゃんのアクションが最初から最後まで堪能できるのはいいんですよ。しかしやっぱり、悦ちゃんのアクションが輝くのは、日本時代劇ですよね。こんなにひたすら「キエーッ」とか叫びまくる香港流は、悦ちゃんの魅力を十分に引き出しているとはいえません。もっとも、歴史的には、悦ちゃんの存在を世に知らしめて、後の1人の名女優(この時点では演技力はほぼ感じられませんが(笑)。当時19歳ですか・・・)の存在の礎となったという偉大な功績はあります。 [DVD(邦画)] 4点(2023-02-17 00:26:53) |
2684. 風に立つライオン
《ネタバレ》 どうしてこの種の遠隔地モノって、主人公はとにかく前向きでいい人で、現地の子供たちはちょっとスネた子もいるけどみんな素直で目が輝いていて、主人公が何かすると揃ってワイワイ大喜び、みたいな定番パターンばっかりなのかな・・・。この作品も、いくらアフリカロケの風景を贅沢に入れ込んでも、そういう中身の乏しさはカバーできていません。中盤以降の時系列操作や場所飛ばしはちょっと面白かったけど、何となく全体のバランスが悪くて(日本パートにあんなに延々と時間を使う必要はないはず)、本来可能なほどには機能していません。 [CS・衛星(邦画)] 4点(2023-02-07 22:22:56) |
2685. 螢川
《ネタバレ》 主演の坂詰君は、顔が老けすぎ(笑)。三國連太郎は風格がありすぎて、借金まみれのダメ親父には見えない。というか、危機に陥っても、秘めた実力でどうにかしそうにしか見えないので、ドラマにならない。恋のお相手の沢田玉恵ちゃんは、演技はそんなに上手くないのに、存在感がもたらす麗しさが絶品ですね~。で、作品としては、少年が見聞きするああだこうだがそのまま流れているだけで、面白みがありませんでした。最後に螢で何とかしようとしても、それだけでは無理です。奈良岡朋子が登場するくだりのみ、登場人物の心理の動きを感じました。 [CS・衛星(邦画)] 4点(2023-01-26 00:34:41) |
2686. われに撃つ用意あり
《ネタバレ》 根本的なところで、訳あり台湾人のお姉ちゃんをめぐるあれこれを追いたかったのか、元全共闘世代がどうしたということを表に出したかったのかが分からない。お姉ちゃんについては、ただ逃げて、追いかけられるというだけ(そもそも敵があまり強くなさそうなので、それに立ち向かうという展開も生まれてこない)。また、拠点に集まっている人たちは、かつて闘いましたという切実感というか、ヒリヒリ感というか、そういうものがまったくない(逆にそれを消化したならしたで、それを表現しなければならないはずだが、それもない)。つまり、いくら原田芳雄がそれっぽく振る舞おうが、全体として、その辺のおっさんおばさんの久々の集まりというのと、それほど変わりません。 [DVD(邦画)] 4点(2023-01-23 00:52:26) |
2687. PARKER/パーカー
《ネタバレ》 ステイサム作品なので、最初から最後まで彼の見せ場(ピンチも含めて)が続く・・・のは、まあ、いいのです。しかし、敵の4人組は、単に「計画がよくできているだけ」であって、特段個々の技術も頭脳も感じさせない。ジェニファー・ロペスはほとんど機能してない、というか変に風格があって、かえって邪魔。もっと若くてあまりいろいろ考えてなさそうな人にさせるべきでした。ニック・ノルティなんて、あれだけもったいをつけまくって、結局あれだけですか!という具合に、全体がものすごくチグハグでした。 [CS・衛星(字幕)] 4点(2023-01-17 00:12:36) |
2688. 僕らはみんな生きている
せっかくの「サラリーマンチームが異国の内戦に突入」という美味しすぎるシチュエーションなのに、どうも使いこなせていないかなあ。こういう設定だったら、ビジネスのことしか考えてない(考えられない)日本チームが、銃撃戦からゲリラ戦からなぜか全部解決してしまう、みたいなギャップコメディを期待するのに、そういうシーンはあまりありませんでした。一方で、各種のロケにはやたら気合が入っているため、変なシリアス感が逆に立ちこめて、勢いを削いでいるのです。えらく消化不良感が残りました。 [CS・衛星(邦画)] 4点(2023-01-10 23:36:29) |
2689. 大忠臣蔵
《ネタバレ》 導入部からいきなり松の廊下のシーン。その後の開城か殉死かの議論のあれこれもあっという間。これこの後どうするの?と思っていたら、ほとんど本筋に関係ないような男女間のああだこうだとか、誰かがどうにかなった愁嘆場とかが延々と続きます。これには逆の意味でびっくりでした。その辺だけで全体の半分以上あったのではないでしょうか。ようやくやっとのことで討ち入りになるわけですが、これもそれほど迫力がありません。そもそも、浪士の役者がみんな同じような芝居をしているので、個々の人生が集積するドラマとしての場面の位置付けも弱くなっているのではないでしょうか。●そんなわけで、見どころは、当時15歳!の松本幸四郎(九代目)の驚くような初々しさ。そして、当時25歳!の有馬稲子の突き抜けるような麗しさ。 [CS・衛星(邦画)] 4点(2023-01-06 01:11:42)(良:1票) |
2690. パーフェクトゲーム 究極の選択
《ネタバレ》 セブンの劣化版みたいなダークシティ猟奇連続殺人が展開されていくのですが・・・中盤では一番大事なところをあっさりネタばらし、しかも結局枠組はそこから外れることはありませんでした。ちなみに私が想像していたのは「実はエディもその事件では別の自分の犯罪のために現場にいて、ダニーだけは偶然それを見て知っていた」だったのですが。それと、これならば例の暗号とやらは、ほとんど意味がないのでは・・・。●あと、序盤でダニーが偉い人らしき人物からこっそり金をもらうシーンがありましたが、あれって結局どこかで説明されてましたっけ?●そ、それとサリー・ホーキンスがどこに出ていたのかと思ったら、あのイカレた母親だったとは! [DVD(字幕)] 4点(2023-01-02 02:24:09) |
2691. ユーズド・カー
《ネタバレ》 道路を挟んだ2軒の中古車販売店の商売騒動!というあまりにもこぢんまりした設定が実に魅力的。さぞや馬鹿げた下らないネタがいろいろと、と期待したのですが、意外にストーリーが跳ねない。至るところで妙に深刻だったり真面目だったりする。終盤の中古車一斉大移動はそれはそれで壮観であり、むしろここから逆算したんだろなどと思いつつ、それでもやはり本来の作品世界とは合っていない。というわけで、妙に長く感じました。いえ、実際にもこの設定と内容で110分超えって、長いんですが。 [CS・衛星(字幕)] 4点(2022-12-30 22:08:18) |
2692. ある天文学者の恋文
《ネタバレ》 もっとシンプルにまとめられるべき話なのに、思いついたネタを次々に詰め込みすぎなのです。一方で、主人公男女2人のやりとりは、妙に生々しく、この世にいない者としてのある種の距離感がありません。結果、ただ目まぐるしい、そして制作側に都合の良いだけの展開になってしまっています。 [CS・衛星(字幕)] 4点(2022-12-09 01:40:39) |
2693. 60歳のラブレター
《ネタバレ》 3組の夫婦を登場させたところで、制作側が力尽きてしまいました。3組もいながら人物造形は似たようなものだし(特に男性側)、それ以上に随所にちりばめられた台詞やナレーションの稚拙さが気になります。せっかく原田美枝子や井上順まで投入していながら、ほとんど才能が発揮されていません。最後の病室ギター+翻訳プロポーズ+絵のラベンダーの3発のインパクトはそこそこあったので多少は持ち直しましたが、これがなければどうしようもなくなっていたでしょう。 [CS・衛星(邦画)] 4点(2022-12-04 00:27:38) |
2694. オルカ
シャチの動きとか撮り方などは、制約の多い環境の中で頑張っているとは思う。ただ、肝心の進行の部分が、攻撃も単調で人間側の反応も平坦なんですよね。尺の割に、えらく長く感じました。 [CS・衛星(字幕)] 4点(2022-12-03 21:31:58) |
2695. 極道の妻たちⅡ
《ネタバレ》 十朱幸代の凜とした存在感はもちろんさすがなのですが、制作側がそこに依存して終わってしまいました。かたせ梨乃は最初は堅気だったのがいつしか「極妻」へ、と思っていたら、結局そのまんまで、あれなら最後の処理も含めてその辺のチンピラの愛人と同じです。村上弘明は途中から不自然に出番が増えすぎで、かえって立ち位置がはっきりしなくなっています。で、そういった合間合間に十朱幸代と藤岡琢也の夫婦漫才もどきのやりとりが挿入されているので、さらに方向性が迷走しています。神山繁先生の対抗組織の大親分というのは、なかなか貴重かも。 [CS・衛星(邦画)] 4点(2022-11-20 01:32:12) |
2696. 起終点駅 ターミナル
元裁判官だというのも、弁護士になってからは国選弁護しかやらないというのも、実はその後の展開にまったくつながっておらず、つまり設定のための設定になってしまっています。周辺人物のあれこれも、結局機能していません。唯一良かったのは、佐藤浩市の「歩き方」。疲れているわけではないけど特に前向きであるわけでもなく、そして真面目ではあるという背景が適切に表現されている、いい歩き方でした。 [CS・衛星(邦画)] 4点(2022-11-02 01:53:30) |
2697. キング・オブ・マーヴィン・ガーデン -儚き夢の果て-
《ネタバレ》 ジャック・ニコルソン扮するDJが、兄からハワイでの事業に誘われて・・・という設定。派手な事件や展開が起こらず、地味に淡々と進んでいくのは、この年代ならではという気もするが、それにしても何も起こらなさすぎ、というか話がさっぱり前に進まない。兄が言っていることが胡散臭いのは、最初の段階で誰にでも分かっているはずで、そこで延々と立ち止まられても、と思ってしまうわけです。最後だけは当時のニューシネマっぽくて味わいがありますが、そこだけでした。バースティンとその娘という特徴的なキャラも、もう少し使いようがあったのでは? [DVD(字幕)] 4点(2022-10-31 03:15:14) |
2698. スクープ・悪意の不在
《ネタバレ》 おおこれは硬派な題材、しかもニューマンにサリー・フィールド、と期待しながら見始めたのですが、思ったほど話が弾まない。これはやはり、女性記者の視点で構成してしまったのが失敗ではないでしょうか。筋からいえばニューマンの報復話であるはずなのに、その立ち位置が曖昧になっていて、しかも男女の仲がどうのこうのまで絡んでしまったのだからなおさら。よって最後も、無理矢理まとめたようにしか映りません。サリー・フィールドの純粋一直線な記者役というのは案外新鮮だったので、点数はそこに対して。 [CS・衛星(字幕)] 4点(2022-10-25 00:34:58) |
2699. 戦場のフォトグラファー ジェームズ・ナクトウェイの世界
タイトルどおりに各地の過酷な状況を撮り続けたカメラマンのドキュメンタリーです(ただし、「戦場」に限定されたものではなく、例えば貧困にあえぐ人たちの生活だったり、戦争が終わった後にどうなっているかというような対象もあります)。彼のカメラそのものに付いているミニカメラ(?)で撮ったとおぼしき、被写体との立体的距離感も分かるショットも多数あります。その追求ぶりはなかなかなのですが、しかし、ドキュメンタリー映画として見た場合は、彼がそこに注目した理由とか、対象地までのアクセス経緯であるとか、そういう「彼自身」をもっと浮かび上がらせてほしいところでした。でないと、結局は彼が生み出した写真そのものに頼っているということになってしまいます。 [DVD(字幕)] 4点(2022-10-16 00:12:26) |
2700. スーパーマン(1978)
《ネタバレ》 みんなが知っているスーパーヒーローが、悪と戦って大活躍!みたいな単純な内容を予想していたら、どこかの星のウダウダから始まって、その後も話がまったく前に進まない。それにしてもこの前置きは長すぎる上に、本体の展開にもつながっていません。一方で、ジーン・ハックマンの悪役も、コメディキャラっぽくしようとする演出と、無限の悪でも表現できるハックマンの持ち味がかみ合っていません。結局、センスを感じさせたのって、路上強盗を撃退する一幕だけでした。 [CS・衛星(字幕)] 4点(2022-10-15 00:37:48) |