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鱗歌さんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 3959
性別 男性
年齢 53歳

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2681.  チャップリンの消防夫
後半の火災と、チャップリンのとぼけた表情のギャップが、「笑える」というか、「笑うに笑えない(人命かかってるんだから、しっかりしてくれ~)」というか、そんな映画。前半は消防署が舞台。場面は各部屋をあわただしく行き交いします。フィルム逆回転ネタもいくつか登場、重力を感じさせずにスイスイと棒を登ってきたり。その一方で、クライマックスでは、まさにジャッキー・チェンかヤマカシか、見事なビルよじ登りを披露してくれて、我々をハラハラドキドキの引きつり笑いへといざなってくれます。そうそう、このシーンでは、火災の煙が漂っているので、間違っても“逆回転ネタ”は使うことができず、チャップリンは自力でよじ登らなければならないのであります(もっとも、降りるシーンの方が危険かもしれないけどね)。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2008-09-29 07:46:58)
2682.  パイレーツ・オブ・カリビアン/ワールド・エンド 《ネタバレ》 
私は予言する「あなたは 途中で 必ず 飽きる」
[DVD(字幕)] 4点(2008-09-29 07:31:00)(笑:1票) (良:1票)
2683.  アース
あれはハマったなあ、NHKで放送されてた『プラネット・アース』。で、こちらの映画は、というと・・・まったく一緒やんけ、あはははは。ニッポンの吉野の桜まで出てくるもんなあ。NHK版が緒形ケンなら、こちらは渡辺ケン、ってか(吹替は観てないけど)。そうそう、NHK版では、驚愕の映像のもたらす緊張感が、トボけたケンさんの登場で急速に弛緩しまくってしまうのでした。これが味わい深かったなあ、関係ないけど。本作の方は、さすがによくまとまっています。シロクマで始まりシロクマで終わる構成も印象的。圧巻は、アシカとおぼしき獲物をホホジロザメがジャンプして捕えるシーン!パクッ!すげー!美味そう!(アホか) まあ、地球のありのままを記録した映画というよりは、「えへへ、こんな珍しいシーン撮れちゃったよ」ってのを集めたような映画で、ややキワモノ的なところもありますが、見ごたえはありますね。
[DVD(字幕)] 8点(2008-09-29 07:25:42)
2684.  スパイキッズ2/失われた夢の島
冒頭からおバカ映像の連続。それに、前作があまりにもよくできたアホアホ映画だったので、その続編と思って安心して気を抜いていたら、今回は、何やらライバルが出てきたり、何やらインボーっぽいものが展開したりと、ゲゲッ、続編は何だか小難しい映画になっちまったのか、と少し不安になる(←いくらなんでも気を抜き過ぎ。普通、このレベルを小難しいと言ってるようでは日常生活にも支障をきたしかねない)。と思いきや、あははは、映画が進むに従い、今回もバッチリ、どんどんデタラメ映画になっていってくれます。後半はハリーハウゼン映画のテイストが満載。“失われた夢”であるところの、ハリーハウゼン的モンスターたちの、ハリーハウゼン的動きが、わざわざCGで表現されるという、まさにゴクローサマの極致。最後には、無意味にもプロレス技まで展開し(ブレーーーーンバスター!)、いやあ、何だかまるで、私のために映画を作ってくれたような気分にさせられるではないですか。いい映画でした。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2008-09-14 16:46:36)
2685.  スパイキッズ
「スパイとは何か」という点で根本的にマチガっている、楽しい楽しい作品。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2008-09-07 22:46:21)
2686.  奇跡(1955) 《ネタバレ》 
映画の結末において、“奇跡”は起こるのか、起こらないのか。正直、途中までは「起こってほしくないなあ(ベタ過ぎるもんなあ)」と思っていたものの。いったいこの、“奇跡”を観終わったときの納得感、充実感は、一体何なのか。やはりこの映画のもつ説得力、なんですかね。厳密に、ひとつのシーンをワンカットで撮影、というわけではないけれど、かなりそれに近い構成。やや大げさにいえば、1シーン=1エピソードという印象すら持つ(シーンはしばしば、部屋に誰かが入ってくる光景で始まったりするもんだから、「前の場面からのつながり」よりも、「新しいシーンが始まった」という印象が強い)。部屋の中での人物の配置、人物の動きに合わせ、カメラがゆっくりと動き続ける場面が多いのだけど、その中で、ところどころでは細かいカットが使用され、これにハッと息をのむ。ヨハネス失踪の場面もそうだけど、やはり、インガがよみがえるシーンの緊張感(印象的な少女の表情!)。これで“奇跡”が起こらんかったら、そりゃサギやで、ってな気分にもなろうもの。ま、実は、ホントの奇跡は、人と目も合わさない頑固ジジイが宗派を超えて和解するあたりですでに起きていたのかもしれませんけどね。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2008-09-07 22:32:52)(良:1票)
2687.  勇気ある追跡
父を殺された娘の復讐譚、とは言え、何とも言えぬおおらかさに満ちた作品、であります。確かに凶悪犯は出てくる、死人も出る、でも、悲惨さは感じられず、ユーモアが勝っており、登場人物みんな何だかいいヒトたちに思えてくる。ジョン・ウェイン演じる保安官も、“ヒーロー”という雰囲気ではなく、ひと癖もふた癖もある、やや屈折した役柄、それでも屈折しすぎてないところがミソ。確かに、この辺でオスカーあげておかないと、もうチャンスが無いかもしれない(ははは)。彼を始めとする、血はつながってないけど親子3代、みたいな凸凹3人組の珍道中、これが映画後半、雄大な大自然の中に(ときに小さく、小さく)ゆったりと描かれています。ラストで、蛇の穴とかなんとか無理に盛り上げてるのが、とってつけたようで、まあこれも娯楽作の宿命というか、ご愛敬、なんですけども。ロバート・デュバルはこの頃から、アタマが涼しげ。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2008-09-06 16:37:33)
2688.  シンドラーのリスト
スピルバーグの第2のデビュー作とでも呼びたくなる、渾身の力作。本当に撮りたい映画を、本当に撮りたいように撮る(あるいは「撮らなければならないように」撮る)。熟練の映画人が集まり、新人のごとき意気込みで撮る。そんな時に、こんな映画が生まれるのでしょう。主人公は、一見何ということもない商売人、オスカー・シンドラー。しかしこの映画には、真の主人公が別にいて、それは数多くのユダヤ人たち。いや、そのユダヤ人の“数”というものこそが、本当の主人公のように、我々を圧倒します。その2つの“主人公”の交差が、この映画のドラマであります。この映画には、山と積まれたナベ、略奪された品、散らばる鞄など、数を象徴するものが色々登場します。顔写真の山。そして、連行される生身の人間たち。死体。これに対し、後半、シンドラーが救おうとするユダヤ人もまた、1100人いう数字で表現される。そしてその上での「あと10人、いやあと1人が救えなかった」という重い事実が、シンドラーに、映画全体にのしかかります。この映画、モノクロ作品ですが、パートカラーの効果がまさに圧倒的。高みから町を見下ろすシンドラーの視線の、その遠い先に、赤い服の少女が映された瞬間、その生々しさに、鳥肌が立ち、涙が出ました。このパートカラーの意味は映画後半で明らかになるのですが、それを抜きにして、印象に強く残るシーンでした。
[CS・衛星(字幕)] 10点(2008-08-23 14:42:46)(良:3票)
2689.  姿三四郎(1943)
舞台は明治15年、これは講道館創設の年、まだヤワラの道にはナゾの流儀が横行していた時代。って、ほんまかいな。劇中に出てくる、ダイナミックすぎるほどの投げ技の数々、今なら金メダル間違いなしですね(いやこれが、ホントに遠くまで投げちゃうんだ)。フィルムの一部が失われた短縮版、ということですが、確かに、途中の1エピソードまるまる字幕で説明されたりして、どうもヘン。しかし、黒沢監督のデビュー作ということで、全編に工夫が凝らされた、まさに力作になってます。彼がこだわり、かつ彼が抜け出せなかった“黒澤ワールド”が、ここにあります。要所要所に映される雲が印象的。嵐の中の命懸けの対決のあと、最後に出てくる機関車が、カワイイですね。
[CS・衛星(邦画)] 7点(2008-08-23 14:16:05)
2690.  チャップリンの替玉
「売上金の持ち逃げ」「そっくりさんとの入れ替わり」という、わかりやすい設定を背景にして、チャップリンのコミカルで激しい動きが冴えわたる、楽しい作品。エレベーターやエスカレーターという大がかりな仕掛けを使ったギャグのオモシロさもさることながら、特に映画後半における、チャップリンがこれでもかと飛び跳ねまわるアクションと、カメラの切り替わるスピード感が魅力。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2008-08-17 17:27:13)
2691.  ケープ・フィアー
『恐怖の岬』のリメイク、それも「コレ、リメイクでっせ!」と強調せんばかりに、元作品の俳優を出してみたり、テーマ曲を流用してみたり。そこまで強調するからには、逆に、何か後ろめたいことがあるんだよ、きっと(笑)。というのも、主要登場人物たちがそれぞれ、まるで各自で勝手に台本を書いて、各自勝手に役作りをしてしまったかのような、ハチャメチャさ。いわば学芸会のノリ、ですな。特にデニーロは、もう誰にも止められない。個性とかいうレベルを超え、しまいにゃカメラに体当たり(?)する傍若無人ぶり。リメイクだもん、やっぱり羽目を外さなきゃあ、存在価値が無くなるよね。元作品以上に屈折した主人公のキャラも、イマドキっぽいアレンジ。犯人に狙われる主人公の娘、元作品ではいかにも少女っぽくて(嘘。結構オバチャンっぽい)ハラハラさせられるが、コチラは正反対の色気ブリブリで(嘘。サービス不足)、イマドキっぽいハラハラ感。意図したようなチグハグさや、突っ込みポイント(とは言え、突っ込んでしまうと製作者の思う壺にハマりそうなポイント)が、全体にちりばめられており、その迷走ぶりこそがこの映画の楽しさ、でもありますね。
[試写会(字幕)] 8点(2008-08-17 17:08:39)
2692.  殯の森
奈良県は「天国にいちばん近い都道府県」なのか? ちなみに私も奈良県在住ですけどね。あくまでフィクションとは言え、前半における老人たちの表情はまさに実生活のナチュラルさ。後半、森の中を彷徨う二人の姿、それはフィクションとしての物語なのだけれども、森はそれを圧倒的に包みこみ、もはやそこは、フィクションとドキュメンタリのはざま。生きることとは「人とのつながり」、であるならば、その二人の姿は、生と死のはざまでもある。我々はカメラを通じ、そこに同席し、森を共に彷徨い、森の底に沈みゆく二人の姿を見守る。いやあ、気色悪いんだ、これが(笑)。「映画とこうあるべき」という観点からは、少し外れた映画、いわば「はざま」の映画、かもしれませんけどね。観終わったときに感じる“居心地悪さ”を、不愉快に感じるか、観てよかったと感じるか。
[CS・衛星(邦画)] 7点(2008-08-17 11:47:57)
2693.  地上より永遠に(1953) 《ネタバレ》 
ふた組の男女の物語、それも「体目的以上、恋愛未満」みたいなちょっと微妙な関係のふた組の物語をうまく絡め合う見事さ。またその脇を固める登場人物たちそれぞれの存在感、物語への絶妙の関わり、といったこともあって、グイグイ引き込まれる映画ですね。見ようによっては、ボクシングをやるのやらないのとかいうツマランことでイジメが横行する平和ボケの軍隊に対して、どこかの国が空爆で鉄鎚を下す、という物語にも見える? まあ、それはともかく、イジメに黙々と耐え続ける主人公、その描写がステレオタイプであればあるほど、主人公の背景というか、彼の「伝説性」が高まるわけで、「いったい彼はどれほどスゲーやつなんだろうか」と思えてくるのだけど、結局はボクシンググラブをはめることもなく、ラスト、どっちかと言えばツマラナイことで命を落としてしまう。伝説が伝説のまま封印されるときの、その無念さと虚脱感。いいですなあ。少し残念な点としては、途中で死ぬキャラとそうでないキャラが、観てておおかた予想がついてしまうという、「出来すぎ感」ですけどね、えへへ。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2008-08-17 11:02:02)
2694.  恐怖の岬
2大スターが対決するサスペンス。狙う側も狙われる側もオッサン同士、そんなんで盛り上がるのか?と思いきや、家族をつけ狙う、という恐怖と、後半は趣向を変えてハウスボートでの攻防、というのが、印象的。できれば、せっかく後半は非日常的な場所を舞台にしたのだから、ここでワンクッションおいて、静かな田舎の不気味さみたいなものをもう少しじっくりと出してくれてもよかったかも。狙う側と狙われる側が、結構バランスよく描かれてる気がしますが、これは両スターへの気兼ねなのだろうか?いや、悪くないですけどね。特にクライマックスの対決におけるシツコサなど、ワタシは結構好きですけどね。まあちょっと気になった点といては、ロバート・ミッチャムの肉体美、見ようによっては、無理に腹を引っ込めているように見えちゃうのだけど(笑)。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2008-08-17 10:37:02)
2695.  スーパーマン(1978)
見どころはスーパーマンの飛行シーン。さすがは第一作、飛び立つシーン、降り立つシーン、空中シーン、それぞれに様々な工夫が凝らされてますね。大掛りなワイヤー吊り、ビルの窓越しの合成映像など、いろんな手を使って楽しませてくれます(シリーズを追うごとに形式化・手抜きが目立つ。3作目に至っては、飛行ならぬ非行に走るスーパーマン。とほほ)。また、久し振りに観たのはディレクターズ・カット版でしたが、前半の少年期の部分がじっくり描かれ、大草原の光景が実に見事。後半の大都会との対比もさらに印象的なものになています。クライマックスは、次々に発生する災難に様々な手を使って立ち向かうスーパーマン。この図式は幸か不幸か第4作あたりに誤って引き継がれてしまうけど、少なくともこの第一作には、私の大好きなパニック映画風の面白さがあふれており、第一級のワクワク感!であります。あと、「何でもアリ」のラストについては、とりあえず、「何で養父の時にはソレ使わなかったんだよう」という突っ込みは、しないことにします。
[CS・衛星(字幕)] 9点(2008-08-15 11:06:05)
2696.  ドラゴンハート
何といっても、ドラゴンの造形の見事さ、そしてCGによる動きが、実にスバラシイです。夕日をバックにした光景が、恥ずかしいくらいカッチョよい・・・。滅びゆく運命を受け入れたような達観したドラゴン、一方ではコメディタッチで子供向け丸出しのストーリー、その落差にはズッコケますが、これもまあ、特撮への自信があってこそのことでしょう(と好意的に受け止める)。デニス・クエイドが“真の騎士”ってのもウサン臭くてなかなか斬新。と思ったら中盤以降はこれまた実はコミカルな役回りでした。コバヤシも大活躍。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2008-08-15 10:34:54)(良:1票)
2697.  スリーパーズ
まあ、あまり物語にこだわりすぎると、「自業自得」とか「懲りないなあ」とかいうコメントに終始しちゃうのだけど、それにしてもこれはスゴイ。いわば司法制度への挑戦とも言うべき恐るべき内容。怒れる男が十二人もいるというアメリカで、一方ではこんな映画を作ってしまう(しかも実話と称して)、これもまたアメリカ。現代におけるファンタジーとは、夢と悪夢が、半々なんですかね。登場人物たちの、感情を表に出さない抑えた演技が、かえって映画そのものの「感情」を象徴的に浮き彫りにしています。そしてこのサスペンス。何がドキドキするって、頼りないオヤジ(ホフマン)に重要な役割を任せることほど、ドキドキすることはありませんって。 あと、ケビン・ベーコン登場のシーンの彼の顔が、実に不気味でコワイ。完全にあれは、爬虫類の顔。あ、元々か。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2008-08-15 10:13:16)
2698.  スーパーマンII/冒険篇
冒頭の、エッフェル塔占拠の場面がグー。水爆が仕掛けられたエレベータが転落!しかもエレベータにはロイスがマヌケにもぶら下がっている! そこに間一髪到着するスーパーマン、無事ロイスを救出する。さらに爆発寸前のエレベータを持ち上げてエッフェル塔を上昇(ミニチュア撮影にも見えるが、役者をエレベータにぶら下げて撮影しているようにも見え、後者だったらこれまたマヌケでイイナ、と思う)。そのままエレベータを宇宙にまで持って行って、無事爆破させる。ただしそのために三悪人が復活してしまう、というのだけど……。爆破寸前のエレベータを宇宙に運ぶスーパーマンが、異常に素早い。こんなに速く飛べるわりには、フランス到着までエラく時間かかってたやんけ、と。まあ、そこがスーパーマンらしいところでもありますが、ねえ。三悪人がしょぼいド田舎で暴れまわったり、スーパーマンとロイスのどうでもいいいちゃいちゃシーンがあったり、スーパーマンが人間になったり、まあ、中盤はどうでもいいのですが、クライマックスは、期待通り、いや期待以上のハチャメチャ市街戦に発展、この点では、シリーズ屈指ともいえるスペクタクルになっている、ような、なっていないような。でも興奮した。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2008-08-03 09:08:51)(良:2票)
2699.  バック・トゥ・ザ・フューチャーPART2
いささかまとまりなくドタバタし過ぎの感もあるのだけど、それにしても、未来~現在(?)~過去と時間を飛びまくり、まさにアイデア満載、実によく考えたもんだなあ、なあ、と。全然頭使ってるとは思えない続編の企画ばかりがまかり通る今のご時世(続編の企画を優先する分、もっと気の利いた企画が闇へ葬られている可能性も高いのだ)、それを考えれば、本作、なかなか良心的なのでは(とは言え、本作も当時は、「単なる第3作への繋ぎやんけ」と陰口も叩かれたけど)。物語のアイデア自体もさることながら、本作の面白さのもうひとつは、一人二役、三役の多用。当然、メーキャップの面白さもそこにはあるのだけど、それ以上に、「敢えて同一人物を(特撮で)同一画面上に載せる」という面白さ。これが結果的に、一歩引いた画面の中での、パントマイム的なオモシロさを出すことになっています。この「パントマイム的」というのが、スポーツ年鑑の奪い合いという、単純なテーマともマッチして、魅力を発揮しています。
[ビデオ(字幕)] 7点(2008-08-03 08:52:41)
2700.  崖の上のポニョ 《ネタバレ》 
2歳10ヵ月の娘が、「ポニョ、観たい~」と言うもんで(どこまで本気か不明)。映画館に連れて行くのは『ゲド戦記』以来2年ぶり(って、0歳だもんな)、などと言ってる私自身、映画館に足を運ぶのはそれ以来、という、実にお恥ずかしい次第……と言う訳で、久し振りに味わう劇場の興奮に、モハヤ冷静さの欠片も無く、感動の連続、涙腺緩みっぱなしでした(例えばバケツが風に飛ぶシーン…)。ああどうして、絵がここまで動くのか? 背景はいかにも“手書き”っぽく、言わば「動く絵本」。絵をどこまで本物っぽくリアルに描くか、よりも、線で描かれた「図形」としての絵を、どのようにオモシロく動かすか。音楽でいえば、濃密なオーケストレーションよりも、一見素朴なメロディが、これでもかと絡みあう強烈な対位法の世界(まるでマーラー5番の第五楽章!)。自分の視覚が認識できる以上に、複雑に動きまわる絵、これが人の手でなされているという事に恐ろしさも感じれば、その一方で、まだまだ自分が汲みつくしていない魅力がそこに残り続けているという、安心感もあるわけです。とか何とかゴチャゴチャ言ってる私だけど、一番気になったのは娘が途中で飽きないか、だったりする訳で。で、どうだったかと言うと、ちゃんと最後まで、それこそ身を乗り出して観てましたよ! 意味が判ったかどうかなんて、どうでもいい。何しろ私にだってよくワカランのだし(笑)。で、どういう話だったかと言うと、少年の前後を弁えぬアサハカな“決断”の話でして。ポニョを何がなんでも守る、いや、ポニョは魔法を使えるもんだから、守ってるのやら守られてるのやら。とにかく彼は頑張る。そしてラスト、ポニョは半魚人だけど引き取ってくれるか、との問いに、深く考えもせずOKする。こんなワガママ娘と、この先長い人生、うまくやっていけるワケが無い、不幸の始まり。とは言っても、童話のシンデレラと王子様だって、あんないい加減な馴れ初めで、その後幸せになれたハズもない。結局我々の人生だって、過去の誤った決断のせいで、何と面倒なことになっていることか(笑)。でも、それがもし無かったなら、人生そのものが成立しなくなる! 悩むのは良い、だけど、気にし過ぎるなかれ! 時には宗介クンのように、ストレートに、信じる道に向かってエイヤッと、決断することも、必要なんでしょうなあ(もちろん相変わらず、私は自信が無いのだけど)。
[映画館(邦画)] 9点(2008-07-27 18:15:51)(良:4票)
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