261. 信長協奏曲
《ネタバレ》 <原作未読>戦国時代にタイムスリップしてきた高校生が織田信長と入れ替わり、本物の信長は明智光秀を名乗り家臣に加わる。これだけで既に面白いが、さらに秀吉は最初から信長を滅ぼす目的で織田家に入り込んだという設定でラスボスとして君臨。アイデアの勝利だ。アニメとドラマを見たが、サブローの決断から導かれる結果が意図せず史実と重なっていく面白さが特徴なのだろう。しかし信長の最期、本能寺の変を描く映画版に限っては変化が必要だったと思う。サブロー&真・信長が共に葬られ、秀吉が天下人へと近づくわけだが、サブローの物語としてはそれ(史実通り)でいいの?と。単純に負けだもの。帰蝶はなんやかんやと励ましてくれるが、そのような達成感は無い…。「金はかけたが、イマイチ評価が芳しくない最終回2時間SP」といったところ。 [CS・衛星(邦画)] 4点(2016-11-20 20:51:02) |
262. ソロモンの偽証 後篇・裁判
前編はかなり楽しめたんだけど、後編はちょっと落ちた。真相にたどり着いたとき、それが追いかけてきた前・後編4時間に見合うものだったかと問われれば、YESとは言いづらい。とにかく柏木くん。あれ何なんだろう? 取るに足らないというか…。こうなると神原にも感情移入できないし、このあたりから置いてけぼりを食らった感じ。裁判の結末や、裁判後の大出、三宅あたりの扱いも投げやりに感じてしまった。と言いつつ、楽しめた時間の方が多いので6点はつけます。最後に、俳優陣からMVPを選ぶなら浅井娘を演じた子にあげたいね。 [CS・衛星(邦画)] 6点(2016-11-17 17:37:24) |
263. ソロモンの偽証 前篇・事件
原作未読。んで、原作ファンが怒っている…というような話は耳に入っていた。一方でそれなりに賞を獲得してる映画でもあるので、どっちに転ぶかな~っていう期待と不安の中で見始めたが、嬉しいことに自分にとっては当たりだった。かなり面白い。ぶっ通しで後編へ。 [CS・衛星(邦画)] 8点(2016-11-17 17:34:32) |
264. ブリッジ・オブ・スパイ
二兎を追う者は…っていう諺が染みついてるんで、ドノバン氏の行動には戸惑った。どうしても動機の弱さが気になる。とまあ、それはともかく秀逸なのがアベルパート。冒頭で明らかになるんで、ネタバレも何もあったもんじゃなく、彼はスパイである。その「アメリカの敵」を弁護するアメリカ人。周囲の冷たい目はやがて家族への攻撃にも繋がる。それでもなお職を全うしようとする姿に「アラバマ物語」のグレゴリー・ペックが重なった。弁護人とスパイ、二人の心の動き、ふれあいが面白い。そしてこれを演じる俳優二人。トム・ハンクスは今更言うまでもなく素晴らしいが、マーク・ライランス? 失礼ながら名前すら存じていなかったが、見入ってしまった。脚本自体は7点、名優たちの演技を加味して8点。いやぁ、いい映画を観た。 [CS・衛星(字幕)] 8点(2016-10-24 16:37:00) |
265. ナイトクローラー
《ネタバレ》 いや~ 尻上がりに面白くなっていく。主人公は道徳的にはもちろん、黒人の刑事さんが追及してた通り、法的にもアウトなことしてる正真正銘のクズなのに、「この撮影が上手くいってほしい」と願う自分がいて、不思議な感覚を味わった。第一には金になるということだが、「凄いものを撮った」と称賛され、名誉まで伴ってくる快感もあったんだろうな。ユーチューバーでもなんでもないが、気持ちは分かる。クライマックスとなる最後の現場は圧巻で、しかも完璧に撮りきったという点が、そのままこの映画の満足度に繋がっていくのが見事だ。 [CS・衛星(字幕)] 9点(2016-09-30 20:17:21)(良:1票) |
266. GONIN サーガ
《ネタバレ》 なんだかな~。俳優陣の力不足もあるが、ストーリー的にも殆ど見るべきものはないという感じ。要は父親の仇討ちだけど、そこに行くまでの説明みたいなパートが長すぎる。いよいよ作戦決行!でちょっと面白くなってきたかなと思ったら、また萎んじゃう。三代目は気付いてる風に見せて、そうじゃないとか、演出もよく分からない。特別に復帰した根津さん(と友情出演の佐藤浩市)においしいところを持っていかせた点だけは良かったと思うが。 [CS・衛星(邦画)] 3点(2016-09-25 13:11:25) |
267. GONIN
ヤクザの事務所に強盗に入ったら、案の定殺し屋から命を狙われる羽目になりました…っていうだけの話だけど、この映画はオールスターゲームのようなもので、豪華キャストもさることながら、キャラが立ちまくり。主人公(でいいのかな?)の万代さんが唯一平凡で、他は一つの映画に一人いれば十分ってくらいの濃さ。この面々がやりあうわけだから、捻りなど無くてもそれなりに面白いっていう構図になってる。印象的なのはやっぱり竹中直人パートのあれだなぁ。軽くホラーが入って…。ちなみに娘を演じたのは子役時代の栗山千明だとか。 [CS・衛星(邦画)] 6点(2016-09-25 13:08:11) |
268. 国際市場で逢いましょう
《ネタバレ》 いい映画だな~。2時間まったく飽きさせない。主人公の爺さんが頑なに店を売ろうとしないのはなぜか? 出稼ぎ労働者を笑う高校生に激怒したのはなぜか? 朝鮮戦争から始まる激動の人生を振り返ると、その答えが明らかになる。小ネタはヒュンダイ以外さっぱり分からなかったけど、本筋とは関係ないんで大丈夫だろう。日本の戦後といえば「ALWAYS 三丁目の夕日」で描かれた通り、明日は今日よりきっと良くなるとみんなが信じられた時代だった。これに対し、韓国の同時代はやや厳しい。戦争は終わったわけではないし、経済もまだまだ弱い。特にドクスはドイツ、ベトナムにおいて立て続けに苦難を味わう。だからこそ彼の言葉が身に染みた。「何も起こらないことが、もちろん一番いいだろう。でも、その苦痛を味わったのが子供たちじゃなく僕たちで本当によかったと思う」 当然、現代は現代なりの苦しみがある。が、少なくとも爆弾が降ってくるようなことはない。このありがたみは忘れちゃいけない。そしてついに訪れる妹との再会。あんなの反則だわ。ええ、泣きましたとも。 [CS・衛星(字幕)] 8点(2016-09-08 19:33:21)(良:1票) |
269. ゴーン・ガール
《ネタバレ》 妻の物語、夫の物語に分けると前者は理解を超えいくんで、それが面白さといえばそうかもしれない。TVで懺悔する夫への食いつき、そしてその後の行動。頭の切れる妻の復讐劇という範囲を逸脱して観る者を置き去りにしていく。一方、後者は身近。ニックはよくいるタイプの人間だし、痛みを伴う決断ができず、結局…っていうのがよくわかるんだよな~。またベン・アフレックはこの手の役がよくハマる。将棋で言うところの「詰んだ」感がなんともいえない終盤、、、こういう余韻もありかな。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2016-09-06 20:01:00)(良:1票) |
270. ドラゴンボールZ 復活の「F」
シリーズの中でも屈指の人気を誇る悪役フリーザを復活させようという思いつきですが、だいぶ無理があったようだ…。今の悟空、ベジータと同程度の強さになって襲来するってのがそもそも…。んで悟飯はもう戦力外なんですね。あれだけ強かった悟飯が雑魚に苦労してるの見ると悲しいよ。殺さないようにやってるんだとフリーザ様から直々に説明があったけど、それはそれで意味が分からない。逆に亀仙人は健闘しすぎ。めちゃくちゃですな。今やってる超とかっていうシリーズも1~2回見て切っちゃったし、やはり自分の中ではドラゴンボールはZで終わりです。少年時代のよき思い出として、悟空はウーブと共に修行の旅に出た。そこで完結としたい。改めてそう思いました。 [地上波(邦画)] 4点(2016-08-30 22:45:07)(良:3票) |
271. きみはいい子
《ネタバレ》 「そこのみにて―」はまだ観ていないが、監督と池脇千鶴の信頼関係みたいなものがあるのだろうか。あのママ友が最後にこれほど効いてくるとは。不意に訪れる救い…。これにて万々歳というものでもないが、一筋の光が観る者にとっても救いとなる。映画も商売なのは重々承知だけど、こういう「ヒットは見込めないけど…」っていう作品もちゃんと世に出るのは意味のあることだと思う。良かった。 [CS・衛星(邦画)] 7点(2016-08-22 23:31:37)(良:1票) |
272. ターミネーター:新起動/ジェニシス
掴みとしては「おっ」と思わせるものもあるのだが、これは旧作(1と2)ファンを取り込むための手だった。メインはあくまで2017年の戦い。ファンが「ターミネーターは2まで」と言っているのを逆手に「ならば好きにやらせてもらう」と言わんばかりの内容(特にオチが)。それでも面白ければいいのだが、結局、敵も液体金属の二番煎じ程度で、ただのアクション映画として収まってしまった。老けてもいい理由を得てイキイキしてるシュワちゃんと、エミリア・クラークのたくましい上腕くらいしか印象に残ってないです。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2016-08-02 18:07:52) |
273. ミッション:インポッシブル/ローグ・ネイション
人気シリーズ5作目。1作目では30代半ばだったトム・クルーズももう50代。しかしこの若々しさである。今回も様々なアクションを見事にこなしていた。個人的には水中のシーンがお気に入りだけど、この撮影のために数週間トレーニングを積んだらしく、映像技術だけでどうにかしようとしない所が素晴らしい。イルサ役レベッカ・ファーガソンはセクシー、ボス役ショーン・ハリスは存在感があり、お馴染みのメンバーももちろん登場。少々長さを感じてしまったり、最後が意外とあっけなかったりと所々不満はあるが、総括すれば十分に楽しめた。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2016-07-06 23:44:34) |
274. フィッシュストーリー
<原作未読>これは、、、微妙…。はじめは面白かった。濱田岳のパートなんて本当に良くできてたと思う。でも、だんだん失速していった印象。真面目にやるのか、ふざけるのか、もっとはっきりしても良かったかな。オチもあらかた想定内。ついでに言わせてもらうと、日本の役者さんももうちょっと考えた方がいいね。こんな芝居を続けてたら映画が台無しになるぞと。世界に置いていかれるぞと。無論みんながみんなじゃない。上手い人は上手い。きついこと言って申し訳ないけど、邦画が好きだから、期待してるからこそです。 [CS・衛星(邦画)] 5点(2016-06-27 19:44:05) |
275. パレードへようこそ
これってイギリスでは有名な話なのかな? 自分は全然知らなかったので、逆に感動が大きかったような気もする。ラストにその後のことが紹介されてたけど、なるほど映画になるべくしてなったんだなーと思う。本当にほっこりした。性的マイノリティに対する偏見や差別はそう簡単にはなくならないだろう。また、当事者とその周辺でなければ分からない事もあるだろうから、軽々にものは言えないが、少なくとも歴史を知り、考えていくことは大事。「パレードへようこそ」はその第一歩にも成り得る秀逸な映画であった。 [CS・衛星(字幕)] 8点(2016-06-18 22:14:05) |
276. 日本のいちばん長い日(2015)
どこか散漫で、乗り切れない。そして地味だ。クーデター未遂も発生した終戦までの数日間という大変なテーマを扱っていながらサクサク薄味。エンターテインメント性の欠如と言ってもいい。手に汗握る人間ドラマ、スリリングな展開、感涙… こういったものを期待して観ると拍子抜けになってしまうので、歴史のお勉強程度に思っておくといいのかも? 映画的にそれが正しいのかは置いておく。 [CS・衛星(邦画)] 5点(2016-06-07 00:07:28) |
277. HERO(2015)
「HERO」に特別思い入れは無いものの、エンドロールを見てたら妙に懐かしくなってしまった。阿部寛なんかも出てたんだよな~。劇場版第2作の売りはなんと言っても雨宮との再会。しかし、それだけで終わってしまった映画でもある。結局、後は何もしなくても客を呼べてしまうという事実が脚本の手抜きを生むのか。本気で良いものを作るっていう意志が見えない。「人気ドラマを使ってもう一儲けしよう」じゃこの程度にしかならないでしょうね。 [CS・衛星(邦画)] 4点(2016-06-03 20:38:21) |
278. 海街diary
<原作未読>数々の賞に輝いただけあって高いクオリティであることは間違いないと思いますが、合う合わないはまた別で…。私は少々あざとい感じがして、変な話ちょっと照れ臭かったんですね。「歩いても、歩いても」は妙に居心地が悪かったりで、これはもう監督との相性の問題と言えるかもしれない。といっても7点は付けます。4姉妹を演じた女優陣が良かった。長澤まさみなんてロボコンの頃から見てきてるから、当たり前だけど、この10年で演じる役どころも変わってきて、しみじみ思うところがある。逆に広瀬すずのようなキラキラした新星を目にするのも楽しい。10年後、どんな女優さんになってるんだろうな~ [CS・衛星(邦画)] 7点(2016-05-11 22:00:24) |
279. バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)
《ネタバレ》 わりと面白かった。特殊な撮り方については正直、良いとも悪いとも思わないんだけど、個性を持たせる意味では成功してる。物語は落ち目の俳優がすべてをかけた舞台に、型破りな役者が代役として入ってきたところから始まる。彼に加え、薬物依存症の娘や、しつこく付きまとう20年前に演じたバットマ…じゃなくてバードマンと、キーになりそうなのが並んでて、全く先が読めなかった。どんな結末になるんだろうとワクワクできる。で、その解釈が分かれるラストについては、そもそも舞台で死んだ説がかなりしっくり来ますね。伝説を作って、嫌味な批評家からも絶賛される。そして最後は空も飛べる…という強い願望の映像化。観る者に委ねる手法はあまり好きではないのだが、この映画に関してはこれがベターだったと思う。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2016-04-24 17:40:29) |
280. セッション
《ネタバレ》 主人公とはいえニーマンは好きじゃないし、フレッチャーに関しては「いつ撃ち殺されるんだろう?」とゲスなことを期待しながら観ていた。だけど、そんなことはもうどうでもいいんだ。究極を追い求めた者同士が、ついに憎しみすら超えていく最後の数分間…。間違いなく映画史に残ると断言できる。あ~~ まだ興奮の中にいるんだな。ちょっと10点以外つけられないです。 [CS・衛星(字幕)] 10点(2016-04-02 22:34:00) |