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コメント数 885
性別 女性

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261.  ラウンド・ミッドナイト
実在のサックス・プレイヤーが架空のプレイヤーを演じるジャズ映画。 タヴェルニエが60年代フランスに流出した米国ミュージシャンの中のピアニストをモデルに描く。 デクスター・ゴードンの棒読みと枯れ声に驚くも、役者ではないし慣れると味ともなり。 パリで酒びたりの彼を再びステージに立たせたデザイナー、フランシスの献身的な友情は得がたく、不安定でありながらどこか飄々とした雰囲気が「バード」とは違って重苦しさは少ない。 復帰後NYに戻って娘との会話、「歌詞は?」「音楽にかならずしも歌詞は必要ない」 歌と切り離せぬポップ・ミュージックしか聴かないであろう少女への返答は「インストゥルメンタルの演奏だけで、音楽そのもので感動を与えられるものでなければ」との思いがこめられて、同感。 ロネット・マッキーが歌う"HOW LONG HAS THIS BEEN GOING ON"は情緒あるが、彼には声も楽器、歌詞はムーディな飾りかもしれず、またそれでよいのだろうと思う。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2011-07-05 07:00:03)
262.  アドベンチャーランドへようこそ
おなじヴァージンボーイの恋でも、「(500)日のサマー」は作りはともかく肝心のキャラクターに魅力がなかったんだけど、コレにはそれがあったと思う。 クリステン・スチュワートは撮影中に「トワイライト~初恋~」のオーディションに受かり、ジェシー・アイゼンバーグも「ソーシャル・ネットワーク」の前、ヒット作で有名になる前の彼らの自然な演技がさわやか。 ジェシーは「ゾンビランド」と似た不器用だけど芯のある男の子、クリステンは涼しげで陰のある少女(その分もう一人の子が80年代ファッション)。 彼女の秘密もしらずに、好きな曲を集めたテープをあげたりするアピールが男の子らしい。 それぞれの事情で遊園地で働く彼らは笑いさざめくお客さんを見ながら思いをめぐらし、悪友へのしっぺ返しがかなった時には夏の終わりの気配がただよう。 監督のノスタルジックな思い出がつめこまれた世界は下品にならず、みずみずしさがあってよかった。 タイトルバックにルー・リードの歌が流れ、ポスターやTシャツなんかもあって監督のシュミ。 選曲も渋め(キュアーとか)で、ヴェルヴェッツの「ペイル・ブルー・アイズ」にも彩られるひと夏。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2011-07-04 07:00:00)(良:1票)
263.  ゾンビランド
「ゾンビ映画史上№1ヒット」なのは、自分みたいに普段ゾンビ映画見ない人も見れるからでしょ? ゾンビ映画は様式化されているのがヘビメタに似た特殊な世界に思えますけど、これはその様式を借りただけで、中味は普通のヒューマン・コメディ。 これを見たからってゾンビ映画にハマるとも思えないし、キャストもソレっぽくない。 ハレルソン(回想シーンにきゅ~ん)やビル・マーレイ(監督は子供の頃GBが好きだった?)も出てるし、ジェシー・アイゼンバーグ(いつもちりちり髪のオタク青年)、アビー・ブレスリン(「私の中のあなた」とかダークな映画だとヘアも黒っぽく)の充実度で、一般向き映画。 イギリスの「ショーン・オブ・ザ・デッド」の方がずっとホネまでゾンビ・コメディですよね。 LAでは廃墟と化したチャイニーズ・シアターやチャップリン・ゾンビなんかも見れちゃう。 「ささやかなことを楽しめ」(ENJOY LITTLE THING)はいいルールだけど、アレって小さなこと?
[DVD(字幕)] 7点(2011-07-03 07:00:06)
264.  画家と庭師とカンパーニュ
ダニエル・オートゥイユにはルコントの「ぼくの大切なともだち」もあり、どちらも人に無関心な主人公が新しい知人によって変わっていくお話。 猛禽類のような大きな目をしたオートゥイユには偏屈男がよく似あう。 ルコントの都会的でしゃれた軽妙さに対してベッケルのこの作品は、パン・ド・カンパーニュ(田舎パン)のような素朴な味わい。 会話と自然でできていて音楽も最後のモーツァルトだけ。 庭や風景を映した映画は多いけれども、おいしい野菜を実らせてくれる菜園への愛情というのもあるのだ。 妻に離婚されたくない一方で適当に遊んでいるキャンバス(画家)と妻をあがめ惚れぬく国鉄退職者のジャルダン(庭師)は、およそ似たところがないのに気がおけない関係が形作られ、語り合う日々が続くのだが。 画家に連れて行ってもらったパリのルーヴルで庭師が目をとめるのは、ドラクロワの「民衆を導く自由の女神」。 コールドプレイのCDジャケットにも使われた名画に家で毎日見ていたカレンダーの絵だと親しみを見せるジャルダン。 限られた人間のものである抽象画の画家だったキャンバスの画風が変わったのもそのせいか。 「芸術のための芸術より人生に彩りを添える作品を」と。 妻の眼差しも自分本位だった夫の変化に和らぐ。 2人で釣りあげた伝説の池の主はあるものをねじふせた証、たとえ一時でも。 哀れっぽい映画には泣けなくともこれは泣けた。 小説に空白があるように、あえて描かれぬ部分に。
[DVD(字幕)] 8点(2011-07-02 07:00:00)
265.  夏時間の庭
野趣のある緑の庭をかけまわる子どもたち。 親族が集うと生まれるにぎやかさに始まり、オルセーの企画作品ということでちょっと趣向のかわった映画、主役の半分は郊外の邸宅をふくめた美術品。 美術館というと建物のイメージだけれど美術品を愛する人たちの仕事も意味し、価値のある品々が散逸するよりは多くの人が見ることができる安全な場所で余生を送らせたい、という気持ちが強い人々なのだと思う。 個人蔵と違ってもう誰も使うことはできず、使われてこそ価値があるという考えも道理であるし、美術品のあるべき場所はここ、と謳ってはいない。 もし行き場に困ったら美術館という選択肢もありますよ、と囁いているようではあって、監督と美術館双方の思惑の間に微妙なジレンマも介在。 それとフランスの美術関係の映画を見ていて思うのは19 世紀に端を発した日本との美術交易が今も根強いことで、これにも極東の顧客への目配り。 金髪のビノシュは「嵐が丘」以来? 自分も男兄弟2人なのでちょっと親しみをおぼえる。 ふだん映画に出ることのないイーストウッドの息子(ミュージシャン)が出演しているのは、アート系の作品だからだろうか。 それぞれの人生を歩む彼らの選択は少しばかり世知辛くて寂しさも残るけれど、やさしい家政婦さんに価値を知らずにもらわれていった花瓶や修復されて美しさを取り戻した彫像、祖母の言葉をかみしめる孫娘の涙に、美しきものにことよせて人の心も映しだされる時間。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2011-07-01 07:00:00)(良:1票)
266.  スミス都へ行く
「素晴らしき哉、人生!」とならぶフランク・キャプラの傑作は、シンプルな構成ながら白のスミスと黒のテイラーの間に灰色のペインを置いたのが効果的。 クロード・レインズは「カサブランカ」では署長さんになるイギリスの俳優さんですが、まだ良心が残っているペインの苦しむ姿が印象的で、悪辣なテイラーは憎めてもペインを憎むことはむずかしい。 無論ジェームズ・スチュワートの熱演をひきたてるためのものでもあるのですが。 世間知らずのスミスを最初は小バカにしながら、彼の純粋さと熱意に動かされる秘書サンダース(ジーン・アーサー)の「一生皮肉言ってるのも不幸だわね」もいい言葉で、30年代のヒロインとしては古くささのない女性像。 彼女とスミスの野球のサインのような連携プレイが堅苦しくなりがちな議会のアクセントになり、彼女に求婚する記者ムーアは世間とのパイプ役をはたし、必死に応戦するスミスをニマニマしながら見守る議長は「初(うい)奴じゃ」とカワイく思ってるんですよね。 テレビやネットのない時代にはラジオや新聞の影響力がとても大きかったのが感じられ、そういう時代性の中にタイムレスな価値のある作品。
[DVD(字幕)] 8点(2011-06-10 07:00:01)(良:2票)
267.  或る夜の出来事
1934年っていったら「キング・コング」の次の年ですよ~スゴイ! キャプラ初期のヒット作はお金も時間もかかってなさそうだけど、十分オモシロイ。 かわいくないエリーがだんだんかわいく見えてくる。 エリーの衣装はローブ、イブニング、ウェディングとある中で、ずっと着ていた質素な服が一番似合っていたし、巨額の大金をふりまわすわりに金勘定が細かいのが庶民的。 新聞記者ピーター(「風共」のレットより感じイイかもね)の特ダネ交渉は20年後の「ローマの休日」がソックリいただいてる。 エリーのパパは名の知れたパイロットよりホネのある貧乏記者がお眼鏡にかなったよう。 エリーの結婚式の後は2人が画面に登場しないのも粋な演出に見えるんだけど、すでにスターで短期間しか参加しなかったコルベールの都合ってことはないよね? 重要視していなかった作品でオスカーをもらった彼女は壇上でキャプラに謝辞をのべ、彼女もエリーのように改心したってこと。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2011-06-09 07:00:01)
268.  ラヴェンダーの咲く庭で 《ネタバレ》 
乙女チックなジュディ・デンチ、TV「名探偵ポワロ」のヘイスティングス役が印象深い英国俳優チャールズ・ダンスの初監督作品。 戦争で恋をする機会を逸し少女の心を残すアーシュラと寡婦ジャネット(マギー・スミス)姉妹の静かな生活の変化は見ていて楽しく、おっかさんタイプの家政婦さん(ミリアム・マーゴリーズ)がいることでコミカルな雰囲気も。 胸に恋を秘める妹、妹の心が自分よりもろいのを知っている姉。 海岸に流れつきアーシュラの「王子様」となるダニエル・ブリュールは「グッバイ、レーニン!」ほど純朴な役柄ではないし、どんなに大事にされても若い小鳥は飛び立っていってしまうもの。 でも思い出とあの絵が残って、やっぱり出会いがあってよかったのだと思える。 去っていったから素晴らしいコンサートも聴けたのだものね。 村人もつかのまの住人の出世を誇りにしているみたいだった。 やもめの医師(デヴィッド・ワーナー、お年を召しました)も外は老いても内はまだ情熱的。 短編を脚色したダンスはリアリティよりも年を重ねてもかわらぬ人の心と邂逅がもたらす輝きを大事にしたように思われて、せつなくもやさしい余韻が残る。
[DVD(字幕)] 8点(2011-06-08 07:00:10)
269.  Queen Victoria 至上の恋
ジュディ・デンチの恋する女の役はそう多くありません。 アルバートの死後喪に服したまま国務に復帰しないのも馬番ブラウンにご執心で手離そうとしないのも独善的に感じ、ヴィクトリア朝を取り仕切った有能な女王にしては軽々しきお振舞い。 孤独で心のよりどころを必要としていたのかもしれませんが。 女王を家来としてではなく人として守ろうとするビリー・コノリーの強い意志と一本気な父親の身を案じる息子ジェラルド・バトラー、名君でも伴侶を亡くせば弱き人ということや史実を虚飾少なく描いた点は評価すべきかも。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2011-06-07 07:00:02)
270.  グッド・ウィル・ハンティング/旅立ち
マット・デイモンとベン・アフレックが20代で書いた共同脚本は、二組の世代のちがう男性の友情を描いてなかなかの出来。 天才ウィルの造形は今ひとつのような気がするんですけど、チャッキーがウィルは自分の世界にいるべき人間じゃないと見定めて、彼との関係にしがみつかないのが潔い。(天才を宝くじのアタリ券にたとえるのは確率が低いってことをいいたいのだろうけど、才能=お金に聞こえるのがアメリカ的) 最初はウィルの能力に惹かれたスカイラーもお飾りじゃない。 大学構内の清掃をしていたウィルの才気を見出すランボー教授役のスウェーデン俳優ステラン・スカルスガルドが巧かった。 自分も秀才だから誰よりもウィルの天才の価値がわかって、本当は死ぬほど羨ましいんだけれど必死に妬むまいとして自分の気持ちを彼の育成に振り向ける。 「アマデウス」のサリエリに近い役どころ、あれほどドロドロはしておらず、その采配が旧交を復活させる契機にもなり。 彼とショーン(ロビン・ウィリアムズ)の長年の確執も、お互いの思いをぶつけあった翌日に「昨日は」「ああ俺もだ」の二言で和解してしまうのが男らしくサッパリとして気持ちがいい。(教授が常に身につけるロングスカーフで2人の地位の違いをだした衣装も巧み) ガス・ヴァン・サントは自分で脚本も書くことが多いけれどこれは例外で、それが功を奏した? 力をあわせた脚本でオスカーを受けとったマットとベンは本当に嬉しそうだった。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2011-06-06 07:00:04)(良:2票)
271.  リトルマン・テイト
ジョディ・フォスターの初監督作品。 天才的な頭脳をもった少年とそのシングルマザー、彼の才能を正しく導こうとする児童心理学者の三者三様の思い。 フレッドの天才ぶり、母親と学者の住居の対比、フレッドと年上のエディとの関係などはよいのですが、二人の女性のキャストはミスマッチ。(自分が母親をやりたかったので対照的なダイアン・ウィーストになったんでしょうけど彼女のほうが母親タイプ) ラストも安直で解決にはなっていない気がします、「アイ・アム・サム」のようにね。 これだけ見ていると母親に育てられた天才子役だったジョディが「天才に生まれついても常人と変わらない」のをうったえているようですが、精子バンクからIQの高い優秀な男性の精子を購入して子どもを作ったジョディには、やはり「頭のいい子」へのこだわりがあるんじゃないかと思うので。(自分も才媛だし) でもまだ20代の女性が初めて撮った映画としては上出来かもしれませんね。
[地上波(吹替)] 6点(2011-06-05 07:00:12)
272.  歌え!ロレッタ 愛のために
シシー・スペイセクはエイジレスで不思議な女優さん。 「キャリー」は26才、これは30才にして13才の幼な妻、ビヴァリー・ダンジェロとともに歌も聴かせる。 歌手ロレッタを生みだした夫トミー・リー・ジョーンズの粗野なようでいて抑制のきいた繊細な演技もよく、結婚早々父との約束を破り妻に手を上げてしまった時は「あ、やっちまった・・・」のがよくでていた。 山アリ谷アリの夫婦愛はベタな邦題とはウラハラに淡々としたシーンの積み重ねで画も美しく、冒頭のヤマの情景は味がある。 ツアーバスの正面に掲げられたCOALMINER(炭鉱夫)のプレートは早すぎる巣立ちを惜しんだ父への愛情と誇りが感じられて。 カントリー・ミュージックは得意ではないけれど、ロレッタ・リンの人生は実りあるもの。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2011-06-04 07:00:07)(良:1票)
273.  ローズ 《ネタバレ》 
「こういう風にしか生きられなかった、でも歌ってる時だけは最高」ってコトなんだろうけど・・・ ラストの名前どおりのバラ色のステージングはすごくパワフル&ソウルフル、あれがあってもローズのマイナスな印象は拭いきれず。 それでもあの散り方はミュージシャンとしては本望な気がする、ジャニス・ジョプリンだって死に場所はホテル。 人としては不幸でも歌手としては幸せ。 ベット・ミドラーはこれと「ステラ」はちょっとヘヴィー。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2011-06-03 07:00:06)
274.  新しい人生のはじめかた
ダスティン・ホフマンとエマ・トンプソンのラスト?ラブ。 秋のロンドンが舞台のアメリカ映画、監督・脚本はイギリス。 一度共演ずみでエマの方から声をかけたそうで息もあっているよう、目を見はるような才気走ったところはなくても丁寧な作りは好み。 ハーヴェイ(脂の抜け具合がよろし~意外とコートが似合う)とケイト(少し太っちゃったね!)の半分アキラメの人生。 元気のない2人が出会った効用は大きくて、ハーヴェイの娘の披露宴スピーチでは継父(ジェームズ・ブローリン)にも花を持たせる心ばせが場をなごませ、ピアノのシーンもしっとりと。 エマの方が背が高い・・・と思っていたら、ラストシーンのためだったんだ。 助演女優もキャシー・ベイカー(米)、ブロナー・ギャラガー(英)と好きな人たち。 デーム演じる被害妄想ママも進展があってお守役を卒業できそうな気配。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2011-06-02 07:00:00)(良:2票)
275.  (500)日のサマー
キュートなゾーイ・デシャネルの天然ップリにビックリ★ そんなサマーにヒトメボレしてしまったトムのファースト・ラブは、シュガーコーティングされてるけれど苦味のある映画。 気まぐれにチョッカイだして「友人」のつもりで何となく付きあってるサマー、ちょっと変わったコだけどルックス好みだし俺ラッキー♪なトムの500日。 アメリカで新鮮に受けとられたのは、きっとアメコミはあっても普通の男の子の恋愛マンガはないから? 初めて見る気がしなかったのは、ゴダールの「男性・女性」にも似ているせいかな。 アレも男性目線で片思いに近く、女の子はかわいいけれど人格がなくてマイペース。 スミスやクラッシュも流れるタイム・シャッフルな恋模様はトムの一人相撲、夏のあとには秋。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2011-06-01 07:00:01)
276.  キャバレー(1972)
1930年代のベルリン。 芸人の華やかな世界を見せる一方でナチス台頭の時代背景をチラつかせることによりひきしめ、原作が「ベルリン・ストーリーズ」というように物語も一つじゃない。 イギリス人歌手とアメリカ人学生の関係にドイツ貴族もからんで、ブライアン(マイケル・ヨーク)の忘れていた設定が後で生きてくるのには思わずゾクッと。 白塗りMCのジョエル・グレイ、マリサ・べレンソンのユダヤお嬢様もオモシロイのだった。 ボブ・フォッシーの映画は自伝的な「オール・ザット・ジャズ」の方がより好きだけれど、ライザ・ミネリの強い個性が天真爛漫な歌手サリーで生きて、「私は子羊じゃなくてトラ、自由な根無し草」と歌う"MEIN HERR"、そして何といっても"CABARET"「人生はキャバレー」♪ 犠牲をはらっても夢を追おうとするサリーの望みはこの時代の中で潰えるのを予感させつつも、ライザの生命力にみちみちた存在感はオーディエンスの心からはずっと消え去らぬはず。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2011-05-20 07:00:03)
277.  ニューヨーク・ニューヨーク
サックス奏者デ・ニーロの役はあんまり好きじゃないな、悪い人じゃないけど不安定でヤクザっぽい男。 ライザ・ミネリの歌うシーンは素晴らしい♪(特にタイトル・ナンバー!) スコセッシの思い入れタップリの贅沢ミュージカルは冗長に過ぎて、2時間半は長かった。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2011-05-19 07:00:03)
278.  アナザー・カントリー 《ネタバレ》 
パブリックスクールの青春。ブラナーやデイ=ルイスも出演した舞台劇の映画化。 モデルであるイートン校での撮影がかなわずオックスフォードでロケされたのは、名門にマイナスイメージは不要というところか。 派閥に分かれるスクールの生活は英国上層社会の縮図のようだが、自由気儘な策士ガイ(ルパート・エヴェレット)は学内の権力闘争の中で危険分子と見なされるも行動を改めようとはしない豪胆さ、同室のガイに言い寄られてもなびかないクールな共産主義者ジャド(コリン・ファース)の思想は違っても友人として彼を見守る立ち位置が好ましい。 ハーコート(ケイリー・エルウィズ)への思慕を隠そうともしない無防備さゆえに、自身のものと疑わなかったエリートコースから永久に外れたガイが選んだ道は。 老ガイ(メイクアップの出来がよくない)の回想として語られる日々、モデルがある2人を結んで織った物語は英国の裏の歴史でもある。 デカダンなエヴェレットはブルジョワ学生に嵌り、早い時期から老成していたファースは今と変わらぬ声を聞かせる。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2011-05-18 07:00:01)
279.  モーリス 《ネタバレ》 
ケンブリッジの青春。 E・M・フォースター×アイヴォリー第2作。 死後出版されたフォースターの小説の同性愛と階級意識に主眼を置き、異性より同性に惹かれるモーリスの二つの関係、それぞれ三つの違う階級に属する青年たちの思いを描く。 ジェームズ・ウィルビーが上流のクライヴとプラトニックな関係を結ぶ中産階級のモーリス、彼を取り込みながら保身のため女性に心変わりするクライヴはヒュー・グラント。 主演ウィルビーの演技がやや不安定なのは気になるが、モーリスの焦燥とも受けとれる。 第三の男スカダーのルパート・グレイヴスが、前作「眺めのいい部屋」とは階級の異なる役で主人公を翻弄するのが妙味であり、同じ俳優を使いまわすアイヴォリー。 身分違いの自分への愛を信じきれず脅してみせるスカダーの心中が哀れで、彼との関係は二重の「壁越え」を意味し、クライヴを失った空虚さをスカダーで埋めようとするモーリスと、妻を娶り今では友人として接するクライヴの思いは二度と結び合うことがないのを予感させ、映画は野心に吹き消される情熱と青春の儚さを憂えているようである。 ヘレナ・ボナム=カーターがエキストラ。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2011-05-17 07:00:02)(良:1票)
280.  ぼくのエリ/200歳の少女 《ネタバレ》 
しごく美意識の高い映画。 主役2人に対照的なルックスの子を起用し、構図も配色も細心の注意を払い、深度を浅くし対象を浮かび上がらせ、空気は緊張と弛緩を交互に繰り返す。 そういう感覚的な部分の神経が細やか。 ただ(「キャリー」もだけれども)極端なイジメの映画はいいと思わない、観客に容易に感情移入させてしまうので。 耽美的であるといっても陰惨なホラーには違いなく、イノセンスの名の下に庇護されるエリとオスカーにも愛しさは感じなかった。 日常の中で自分の爪を隠すことに倦む人々には礼賛されそうな作品であり、ホラーはそういった抑圧を開放する目的を含むジャンルでもあるのだろうと思う。 映像にボケが多いのも元々目が悪くない人間には苦痛であったし、鮮やかなプールのシーンは水中だけで終わらせた方がよかった気もする。 それでもハリウッド・リメイク(トレーラーのみ視聴)の普通っぽさに比べれば一見の価値ありの世界。 母の愛も父の愛も投げ捨てて運命のソウルメイトと旅立つオスカーは、時の果ての自分も知らず今の至福に微笑む。 (「フギャーッ」となるCGネコたんの顔を使い回すのはマズイぜ!バレバレだよ~ん)
[DVD(字幕)] 7点(2011-05-16 07:00:03)
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