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鱗歌さんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 3957
性別 男性
年齢 53歳

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2921.  皇帝ペンギン
子育てが大変なのは人間だけじゃない、ってことが、よおぉっくわかる作品。よおし、ペンギンに負けないようにがんばるぞ~。それにしても求愛のシーン、こりゃほとんどポルノだ、赤面しちゃったよ。
[DVD(字幕)] 8点(2006-05-06 22:41:37)
2922.  青い山脈(1963)
昨日、国民の休日の昼下がり、BS2にて「おかあさんといっしょ」~アニメ「アルプスの少女ハイジ」~映画「青い山脈」という絶妙のラインナップで放送されていたので、違和感なく観ることができました(笑)。つまり、そういう、のほほ~んとした映画です。城下町を舞台に、ロッテンマイヤーさんを彷彿とさせるイジワル女子高生軍団と対立しつつ、旧態依然の保守的な町の雰囲気に風穴をあけるスーパーカブライダー・小百合さんの大活躍!というほどではありませんが。コメディタッチのノリにもそれなりに楽しく、笑い3割・苦笑7割ってとこですかね。しかし今の目から見ると、イジワル女子高生の方になんとなく肩入れしてしまう。彼女たちは奥床しい日本の美徳を守る最後の砦。その美徳が失われ、今のオゲレツな日本の社会へと移り変わり始めたのは、まさにこの頃、なんですかなあ。
[CS・衛星(邦画)] 6点(2006-05-05 10:35:07)(良:1票)
2923.  キングダム・オブ・ヘブン
モーレツな合戦シーン、いやはやご苦労さまでした。でも、「この合戦シーンを盛り上げるには映画の長さはこのくらい必要だナ」「じゃあ脚本をもっと水増ししないとナ」「でもネタがないナ」みたいな感じがして。スペクタクルシーンを見せたいというのが目的なんだったらもうちょっとドラマをまとめてよ、とか、ドラマを見せたいんだったらこのハデな合戦シーン本当に必要だったの?とか、でもこのイビツさもまたそれなりにオモシロかったりするんだよなあ、とか色々無責任なことを考えてしまうわけですが。映画はもっともっと、「理不尽」でよいと思うぞ。冬木を見倣え(←誰だよ)。
[DVD(字幕)] 7点(2006-05-02 22:34:56)
2924.  息子のまなざし
映画的な“大局”からの視点ではなく、生身の人間の視点を思わせる生々しい映像が、ハンディカメラによってどこまでも綴られる。このため、極端なまでに断片的な印象を受けるが、次第に映画の背景が浮かび上がってくる。それでも、映画はあくまで彼ら登場人物たちの人生の、ある「一断片」を描いているに過ぎないのだが、考えてみれば我々の人生もまた、一見連続的であるようでいて、実は非連続な断片の集合体に過ぎない。この映画でも、「ある事」をたまたま「してしまった」人と、たまたま「してしまわなかった」人がいて、そこに何か明確な差があったわけではない。「ある事件」から5年たったその日、あるきっかけがあり、ある顛末となった・・・では「1年後」だったら?「4年後」だったら?あるいはそれこそ、例えば雨が降ってなかったら?それは誰にもわからない。我々もまた、たまたま何かをしちゃったり、(より多くは)何かをせずに終わったりして、無難に終わったり、後悔を残したりする(後者の方が記憶に残るために、我々は過去を思い出すたびに頭をかかえてしゃがみこんでしまうのだけど)。そこに何とか因果を見出そうとするはかない試み。人生がときに複雑怪奇に思えるのは、実は人生の断片が脈絡無く連続しているそのシンプルさが、それが実に残酷だからではないのか(ある日突然、事件・転機は訪れる。主人公の男と少年の間にも、大きな変化が発生した、にもかかわらずなお、ラストシーンは「外面的には」日常と連続している「かのような」この人生の不可解さ。これが時には救いにもなり得るのだが・・・)。この映画の演出方法は、もしかしたら映画的ではないのかもしれない、けども、人生の真実をしかるべき方法で描いた、ひとつの映画の可能性と言えるだろう。
[DVD(字幕)] 9点(2006-05-02 22:17:16)
2925.  村の写真集
我が家の徳島出身者の話では、「徳島弁がヘン」だそうですが(笑)。ここはやはり出演者を徳島関係者で固めないとな。まず高橋写真館長は坂東英二だな。しゃべりまくりそうやな。じゃあジャンボ尾崎か。行方不明の姉役には、えーとえーと、瀬戸内寂聴。なんでやねん。ほんで、息子役は、困ったな、お、そうそう、大川隆法。 とかいうヨタ話はさておき。ユーモラスな人間模様と、美しい徳島の風景が、実に魅力的な映画でした。ちょっと親父を美化しすぎるセリフが過剰にも思えたものの、まあ、このくらいのサービスはあってもよいかな、と。ガンコ一徹藤竜也は、「村の風景」を写真として残すことに情熱を燃やしながら、徳島の自然あふれる「村の風景」の中に自らが溶け込み、静かに消え去っていく。写真を撮る瞬間の控えめな笑顔がたまらない。映画を観てる最中よりも、観終わった後で、あの笑顔が脳裏に浮かび、何だか泣けてくる。まさに即身仏ですよ、こりゃ。しかし村の他の人々もまた、自分達の生活を営みながら、彼同様にこの谷間の静かな村に溶け込んでいく存在なんだけども、ダム建設により村そのものが変化していきつつある、その脆さ。皮肉にも、その非永続というギリギリの線に美しさがあったりする。この先いつでも撮ることのできる映画ではない、「今撮っておかなければいけない」映画、なのでしょう。また、映画の中でかわされる、様々な「ありがとう」の言葉。藤竜也は写真を村の人々の写真を撮らせてもらうたびに頭を下げて丁重な礼を言う。その彼もまた、「生前の親父を撮ってくれたことに対して」「病身をおして山奥まで写真を撮りに来てくれたことに対して」ありがとう、の言葉を受ける。故郷・徳島に対して思い入れの無かったはずの息子もまた、徳島まで足を運び「来てよかった」と言う中国人(?)彼女に、ありがとう、の言葉を漏らす。ちょうど、この「ありがとう」の言葉が、通奏低音のごとく、映画を貫いて流れつづけます。というわけで、映画『村の写真集』はオアシス運動を応援しています、提供は立木写真館でした、なんちゃって(蛇足ですが本作の写真監修は立木義浩氏)
[DVD(邦画)] 9点(2006-04-29 10:40:58)(良:1票)
2926.  水爆と深海の怪物
どうでもいいような、オジサンオバサンの三角関係を、工夫のない演出で延々と見せられて、最後にようやく巨大ダコが現れるも、これじゃあ、港に打ち上げられてアップアップしてるだけ、という感じ、こりゃ相当低予算だなあ、と思わせる、手に汗握るスペクタクル超大作。タコの活躍少なすぎ。登場人物達もあんまし真剣に戦ってなさそうだしなあ。でも火炎放射器でタコ足と戦うのが何だかとってもカッチョいいぞ! 肴はあぶったタコでいい~と八代亜紀も唄っているし。熱燗が飲みたくなるネ!
[CS・衛星(字幕)] 6点(2006-04-23 22:41:26)
2927.  未来世紀ブラジル
作品のテーマは「タテ割り行政の課題について」ですが(笑)、ギリアムおじさんの妄想が炸裂したヘンテコ映画。劇中劇ってのがありますが、この映画はさしずめ「妄想中妄想」、ですな。ほとんど一般性のない妄想に付き合うのは、観ててそれなりにエネルギーもいるが、それにしても、この観終わったときの謎のような充実感は一体何なのか。「よーわからんけど観てよかった」というこの不思議な気持ちを味わうために、映画を観るのです、にこにこ。『マトリックス』あたりの妄想は、「こう見せればカッチョ良くて一般受けがいいぞ」という、ある種一般化され記号化され人目を気にした「個性」。これはこれで実は嫌いじゃないけど(笑)、客観化された個性には新鮮味が無く、その延長上には、「自分は個性的だ」と信じ込みつつ実は同じ顔をした人々が、「“個性的”という名のステレオタイプ」に安心して嵌り込み、世の中にあふれ返ることになる。本当の個性ってのは、もっととりとめが無いものであり、それを持ち続けるには勇気と図々しさとある種の誠実さが必要であることを、この映画は教えてくれる。
[DVD(字幕)] 9点(2006-04-23 22:27:58)
2928.  我が心のオルガン
結構ベタなオハナシで、ヌルイと言えばヌルイんだけども、どこか懐かしいテイスト、美しい風景にも支えられ、いやいやこれ実はイイ話なんじゃないか、とも思えてくる、なかなかの作品。田舎に赴任してきたオボコ顔の小学校教師、イ・ビョンホン(うわー若いー。きゃー)。主人公の年増小学生の少女はビョンホン先生に恋心を抱くが、ビョンホン先生は別の美人教師に好意を抱き・・・という、ウレシハズカシ赤面モノ、しかし「ちょっと意外な」予想通りの展開あり(?)、思わぬスペクタクルあり(?)で、目が離せない。映画を通じ、LPレコードという小道具もうまく使われ、背景の季節の移り変わりも美しく、魅力的です。タイトルの「オルガン」はサホド活躍しませんが・・・。前半イモっぽかったビョンホン、ホントに素でイモなのかと思いきや、やはり役作りだったようで(当然か)、後半では先生らしい顔立ちに「成長」してくれます。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2006-04-23 13:16:34)
2929.  幕末
主演の中村錦之助、本人は自分のことを「サカもとりょーま」と名乗っているが(注:カタカナ部分にイントネーションをつけて読んで下さい)、途中からはやはり、宮本武蔵の霊が降臨しちゃってる。寺田屋騒動ではナゼか敵をバッサバッサ斬りまくり!まさに「錦ちゃんのどこまでやるの」状態!いよっ待ってましたっ。でも小百合さん、露出が少なすぎるぞ~っ。ってそれはどうでもいいですけど。まあ、日本史において圧倒的な人気を誇る坂本竜馬を描いた映画ということで、各人のイメージに合うかどうかが難しいところ、少々豪快さに欠けるネクラな印象の竜馬ではあります。しかも、映画全体がややブツ切りのエピソードの積み重ねで、坂本竜馬という主人公が見えにくい。でも、それを補うように、最後の夜のシーンでは、しっとりと彼に語らせ、その後に訪れる暗殺の衝撃を盛り上げるのに成功しているように思えます。
[CS・衛星(邦画)] 7点(2006-04-16 11:14:15)
2930.  フールズ・ファイア
もしもアノ有名な芸術家が現代において映画を作っていたら?なーんてことを想像しちゃうんですけどね、例えばピカソがスタジオジブリで長編アニメを作っていたら?とか、ジャコメッティがエイリアンの造形を担当していたら?とか、ウォーホールがホラー映画を作っていたら?とか(そりゃやってるよ)。で、まあ、「そしたら、もしかしたらこんな映画になってたかもなあ」みたいな感じの映画です。→ってことは逆にいうと、少々コレミヨガシに作りこみ過ぎでストレートな感じもするんですけども。でもその悪趣味ぶりが、確かに見所で、キグルミ登場人物や得体の知れないセットに、現実感はおろか遠近感覚まで狂わされ、不気味でありながらどこか妖艶とも言える、奇妙な世界が繰り広げられます。ところで音楽ですけども、挿入されるショスタコーヴィチの弦楽四重奏曲8番、聴いてて特徴のある演奏、「これってクロノスカルテットじゃないの~」と思ったら、やっぱりそうでした。変にマッチしておりましたなあ。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2006-04-16 10:50:01)
2931.  男はつらいよ 寅次郎夢枕
ナントモまとまりのない作品なんですけども、その分、ドタバタの効いたファースな作品になっております。セリフが冗長でクドイと思えてしまう部分もあるものの、ギャグも充実してて、一長一短。個人的には、冒頭の渋柿のくだりでバカ笑いしちゃったもんで、この時点で笑いの導火線に火がついちゃった、ははは。途中、旅先のシーンでヴィヴァルディの『四季』をかなり長々と引用して、ちょっと真面目な雰囲気も出すけど(なんだか『四季』がまるでイイ曲みたいに聴こえてしまったぞ)、あとは、寅さんの恋と、ナゾの東大助教授とが、噛み合うようで噛み合わず、支離滅裂なストーリーのまま強引に終わっちゃうスゴイ展開、暴走気味の作品でした。どうでもいいけど大学でのロケ、ありゃ東大じゃあないよな。もしやニセ助教授だったのか?  (ところで、最後にせっかくイイ感じになったのに引いてしまっていまくいかない寅さん、ウチの妻が観てて業を煮やし、「こんなの男じゃない!」と。「じゃああの助教授の方は?」「あれは人間じゃない!」・・・だそうです)
[CS・衛星(邦画)] 7点(2006-04-15 19:40:08)(笑:1票)
2932.  オールド・ボーイ(2003)
裏には裏があり、底には底がある二重三重のストーリー構成、どこまで行っても逃げ切れないような泥沼の世界には、正直唸らされました。それにまた、カッチョよいのよね、場面場面が・・・と言って素直に面白かったと言って終わりたかったのだけど、さすがにクライマックスは「やり過ぎ」、ここまでくると白けてきちゃいました。残酷描写に頼った衝撃は(特に繰り返しの鑑賞には)威力を損ねやすいもの。せっかく「カッチョええなあ」と思って観てたシーンの数々が、遡ってどれもこれも嘘臭く感じられてきちゃったのよね。ああ、あのタコの踊り食いも、所詮はコケオドシだったんだよなあ、と、醒めた気分で思い返してしまう。さらには、「ウヒョウヒョ、これ、グランプリ、決定ね。誰か文句ある~?」とか言ってタランティーノが喜んでる光景すら想像されてしまう。というわけで、残念な部分の残る映画でした。とは言っても、観終わってから、(最近はロクに聴くこともなくなった)ヴィヴァルディの「四季」の「冬」をフト無意識に口ずさんだりしてた私。やっぱり、この映画、カッチョよかったのは間違いないんだね。
[DVD(字幕)] 7点(2006-04-02 23:22:31)(良:1票)
2933.  巨人の星 大リーグボール
何で登場人物みな、始終泣いてばかりいるのかと思ったら、そうか、そういうことだったのか。泣いてない時は瞳の中に炎が燃え上がっているので、時々涙で延焼を防いで調節しているんだね、きっと。ところでワタシは子供の頃「侍ジャイアンツ」派だったこともあり、どうもこの一連の「大リーグボール」と言うヤツに馴染めませんでした(強いて言えば消える魔球が好きだったかなあ、野球盤にもあったしなあ)。さて、今回は大リーグボール一号を編み出すオハナシですけども、今回改めて観ますと、ウン、まあ、アニメで見たら、それなりにオモロイ魔球ですな。でも実際の野球でこんな魔球使われたら、かなりツマラン試合になると思うが、どうか。今回描かれる、魔球を生み出すまでの過程はまさに壮絶(若干意味不明の部分も)。画家のミロはシュールレアリズムの作品を生み出すために、自らを飢餓状態に追い込んで幻覚を見たとも言われるが、飛雄馬にもそれと同じくらい鬼気迫るものを感じる。いや、魔球の実験台にされる伴宙太の方がスゴイかもなあ。しかしやがてこの苦痛が、飛雄馬に対する倒錯した愛へと変貌し・・・・という展開ではなかったので、安心、安心。
[CS・衛星(邦画)] 6点(2006-04-02 23:03:02)(笑:2票)
2934.  巨人の星 行け行け飛雄馬
巨人軍入団最後のチャンスに賭ける飛雄馬、その壮絶な闘いを描く感動のアニメ巨編! 各方面より絶賛の嵐! 「類を見ない心理描写」(ウシントン・ポスト紙) / 「むくつけき男たちの情熱、そして熱い友情。これが真のベースボールだ!」(NYタ仏ズ紙) / 「日本野球快進撃の秘密が、ここにある」(ホヒー・ハレンタイン監督) / 「巨人軍の監督としてただ一人、チームを優勝に導けなかった堀内。今にして思えば、当時から詰めが甘かった」(続売新聞)・・・・・・すんません勿論ウソですけども。で、私の感想ですが、そうですね、登場人物みんな、本当によく泣きますねえ。情緒不安定なんでしょうなあ。
[CS・衛星(邦画)] 7点(2006-04-02 22:50:09)(笑:1票)
2935.  ワンス・アポン・ア・タイム・イン・チャイナ/天地争覇
今回はお祭りムード全開、獅子舞大集団のオンパレードで、なかなか大掛かりな映画になっている(ように見える)のですが、かえってメリハリが無くなりましたかね。しかも、ラストに思わぬ展開~と思いきや、これがヒッチコックのアノ名作のパクリみたいな展開なので、トホホ。さらに散漫さが増しただけ、という気が。アクションは相変わらずスゴイんですけどね~。あと、ウォン先生らしからぬヤキモチを妬いたりするリンチェイの表情が、何となくいいぞ!
[地上波(字幕)] 6点(2006-04-02 22:34:35)
2936.  男はつらいよ 寅次郎恋歌 《ネタバレ》 
作品の基底に連なる「母」のモチーフ。さくらの歌う「かあさんの歌」、博の母の死、そして寅さんが惚れる今回のマドンナも子持ちの「母」。そこから浮かび上がるテーマは、「人生の重み」であり「幸せとは何か」、ということ(ここで寅さん自身の母親について触れられないのは、さすがにそこまでやるとあまりに見え透いているのと、蝶々さんのイメージではちょっとテーマに対し違和感があるから?)。母の人生は不幸だったと言う博。臨終を看取った兄は、母は満足して世を去ったと言うが、博は、そんな人生に満足すること自体が可哀想だと訴える。確かに、昔からよく世に言う、「幸福とは自分の不幸に気付いていない状態である」と。ではその人は実際は幸福だったのか不幸だったのか?ナントモ言えない問題であり、博の訴えは一理あるのも確かだし、自己矛盾しているのも確か。結局、幸せとは、絶対的にそこに「ある」ものではなく、人それぞれが「見つける」もの、あるいは「受け止める」もの、なのでしょう。ふと、モーパッサン「女の一生」の最後のあの有名なセリフ、あれを思い出し、あれこそが人生の幸不幸を的確に表現したセリフだったんじゃないか、とも思えてくる・・・。今回の寅さんは、明確な失恋を味わうわけではないけれども、より厳しい「人生の重み」を目の前に突きつけられ、嵐の夜、静かに柴又を去っていく。その後姿が哀しい。人生って、必ず、いいこともあれば、わるいこともあるのだよ。
[CS・衛星(邦画)] 8点(2006-03-26 23:11:26)(良:1票)
2937.  ザ・コア
いや~、地球の内部って、まさか、こんなんだったとはねえ。想像を下回る世界でした(笑)。製作者は、学研ひみつシリーズ「地球のひみつ」「できる・できないのひみつ」でも読んで勉強するべし。
[地上波(吹替)] 6点(2006-03-26 22:35:38)(笑:1票)
2938.  ハルク
子供の頃、テレビシリーズの「超人ハルク」、大好きでしたよ。子供って、筋肉ムキムキが大好きなんだねえ(と一般化する)。そして何となく漂う哀愁。あの超人ハルクが、CGになって帰ってきた!と思ったら、暗くて何やってるのかさっぱりわからん!イライラ~!と思ったら、突然、これでもかとイヤミな程に明るすぎる陽光の下に姿を現すハルク! こりゃ見やすくていいや、がんばれハルク~! 一方迫り来るは、「大」戦車軍団(笑)! こんなショボイ数の戦車、映画らしくなくって新鮮さすら感じる。こんなことで大丈夫なのか、アメリカ軍! というわけで、ハルクの手にかかったらひとたまりもないんだけど、さあ、ここがハルクの腕の見せ所。戦車を振り回してハンマー投げ! 室伏選手が以前、CMで巨大レンゲを投擲していたが、まさにそれに勝るとも劣らぬハルクの大投擲&気合のポーズ! このシーンに限らず、映画のアチコチでハルクのダイナミックな「投げ」が登場、なかなかの快感でありました。映画はこの後、支離滅裂となり(いやその前から支離滅裂だけど)、「お見苦しいものをお見せしてすみませんでした」とばかり、最後はまた画面を暗くして何がなにやらよく判らないまま終わってしまう。いやはや、おそらくもっと普通に「CGの都合」を優先し、普通にゴマカシつつ普通にCGを使って普通にハルクの活躍を描けば普通に面白い映画になったかもしれないのに、敢えてその「普通のゴマカシ」を逆手にとったかのようで、これがかえって味のある仕上がりになってます。「おや、この映画、もしもハルクさえ登場させなければ、ちょいとした傑作になっていたんじゃないの」と思った人がいれば、まさに成功と言えるでしょう(か?)
[DVD(字幕)] 7点(2006-03-25 20:28:47)
2939.  バニシングIN60”
まさに「カーチェイス映画の旧約聖書」と呼ぶに相応しい作品であります(新約聖書は当然「マッドマックス2」!←なんで「当然」やねん)。前半の車泥棒のオハナシははっきり言ってどうでもよくって(特にあの虎はなんやねん)、後半の際限ないカーチェイスのための単なる前フリ。それにしたって無理があるけど、とにもかくにも強引にカーチェイス開始、必然性を見失ったままひたすら走りつづけます。あとは、まるで環境ビデオのごとく、淡々と、粛々と、クラッシュシーンが続き、ここまでくると一種のワビ・サビを感じずにはおれません。まあ確かに、映画の完成度としては、決して高くない、というか、かなり低い作品ですけども、この徹底した愚直さは、我々も見習うべき点がありましょう。幸か不幸か、志の低さ故にかえって思わぬモノが生み出される可能性も、やっぱりあるのであります。
[DVD(字幕)] 8点(2006-03-06 22:20:05)
2940.  狼たちの午後
銀行強盗による篭城事件を描いているものの、緊迫のサスペンスと呼ぶには程遠い、奇妙な展開。緊迫感どころか、むしろ、登場人物の誰もが、なんとなく状況に流されてます。誰もこんな展開望んでないのに、誰にもどうにもできない迷走ぶり。いわば、この映画の主人公は、「この奇妙な状況そのもの」とでも言うべきか。「銀行強盗中」という異常な状況、本来「非日常」であるその状況が、ナントモ淡々と現実的に続いていくその一方で、「日常」であるハズの犯人の身の上がむしろどこか奇妙。アル・パチーノ演じる主人公が、チョット普通でない家族や愛人と長々と電話するシーン、これは彼にとっての「日常」なのだが、電話を終えてふと回りに目をやると、人質の診断をする医者の顔。まさにそこは「非日常」であるはずの「犯行現場」なのだけれども、まるで「日常」のごとく一見穏やかに、しかし問答無用に人々を押し流していく。「状況」に流されていく人々の無力さと、それを映画としてハタから眺める残酷さ・・・。それにしても、このふたり、やっぱり兄弟には見えないなあ(←それは映画が違います)
[CS・衛星(字幕)] 8点(2006-03-06 21:48:28)
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