281. スペシャルアクターズ
《ネタバレ》 観客には分からせても、お兄さん(主人公)には仕組みを悟られてはいけなかったんじゃないでしょうか?弟さんはまたしばらく兄さんの前から姿を消し、スペシャルアクターズの事務所も行ってみたらもぬけの殻だった、っていうのはどうでしょうか?それぐらいの周到さが欲しい。ネタバレなしの「泣いた赤鬼」作戦。【追記】ワタシ達も、みんな誰かのためのスペシャルアクターっていうとらえ方もあるよね。 [DVD(邦画)] 6点(2020-08-16 08:38:26) |
282. ホステージ
《ネタバレ》 人質立てこもり事件のねじり合いというと、本邦では映画ではなく小説ですが、筒井康隆の「毟りあい」、伊坂幸太郎の「ホワイト・ラビット」があります。つまり、日本ではこういう風なのは、スラップスティック・コメディ的にでないと扱えない事柄なのではないかと思うんですね。そんな無茶苦茶はないだろう、と。でも、アメリカの人は、こういうのを正々堂々と取り扱うのですね。そこはやっぱり、偉いと思うんですよ(若干漫画的演出はありましたけど)。7年ぶりのレビューかあ。結構面白かったけどね。【追記】実は、上記の「ホワイト・ラビット」のあとがきを読んで、本作にたどり着きました。 [インターネット(字幕)] 7点(2020-08-13 13:46:45) |
283. 風雲児たち 蘭学革命(れぼりゅうし)篇<TVM>
《ネタバレ》 これは、相当好きだな。主役の二人の年齢はアラフォー(杉田玄白)、アラフィフ(前野良沢)だけれど、青春群像劇ですよ。前野良沢は、「舟を編む」の馬締をさらにナイーブにした感じ。臆病すぎる。プロデューサー杉田玄白の打ち手にムダがないのもすごい。二人だったから、解体新書を世に出せた。ぶつかり合い、ねじり合い、紆余曲折はあるのですが、ただ二人の信頼の物語だったんだと思いますよ。原作未読です。読んでみたい。 [DVD(邦画)] 9点(2020-08-11 18:46:29) |
284. 刑事コロンボ/毒のある花<TVM>
《ネタバレ》 なんか、ヘンな話だなあとは思ってはいました。ダイエット学校の風景とか、朴訥としたチャーミングな秘書がヘビースモーカーでゆすり屋で、とかね。いきなり終わっちゃうサゲ。間合いの取りにくい作品だったと思います。 [CS・衛星(吹替)] 5点(2020-08-11 10:59:14) |
285. 菊次郎の夏
《ネタバレ》 ああ、もったいない。前半、お母さんに会いに行くくだりは、もうドキドキしてみていましたよ。地味目な正男が、お母さんに会えて終わるお話だと思っていましたので。バスのこないバス停のシーンとか好き、そこから歩き始めるシーンも好きでした。タケシ、正面から人情ドラマを作るんだと興奮しました。しかし、後半の「東京に帰る編」になってからは、映画の体(テイ)をなしていない。監督は、菊次郎自身も母親に会いに行くという趣向を思いついちゃったもんだから、それに囚われすぎて、照れ隠しが過ぎるんだ。この頃のたけしの照れ隠しは、そういう人だからと、世間も大目に見てたと思うんですけど、照れくさいの我慢してこそ監督でしょ。映画としては破綻しているし、もう一度見ようとは思わないんだけど、この有名なメインテーマを聴くたびに、この夏の中を歩くたけしのシーンは思い出してしまいそう。やっかいな映画です。 [DVD(邦画)] 5点(2020-08-07 23:00:29)(良:1票) |
286. エスケープ・ルーム(2019)
《ネタバレ》 これは要するに、いわゆる「リアル脱出ゲーム」が好きな人たちが、それに参加する前に予習としてみておくと、より盛り上がりますってもんだったんじゃないでしょうか?グロいのがないのも、そんな理由じゃないかな。ゲームありきの本作。ゾーイがどんどんこの趣向に傾注していくのも、そんな感じ。なので映画単体としては、まあ〜、5点かな。 [DVD(字幕)] 5点(2020-08-06 15:50:29) |
287. EXIT
《ネタバレ》 これは、面白い。山田孝之と東海林さだおを足して2で(略)ような主人公。自己評価の低い彼。ダサかっこいい。本編に散りばめられているコメディ要素が、なんか垢抜けないのは監督の計算通りなんでしょう。映画としても、ダサかっこいい。アジアのダイ・ハードって、ちょっと大袈裟だけど言っちゃうよ。エンドロールもちゃんと見てね。あそこんとこどうだったの?なんか見落とした?ってのも見せてくれるので。【追記】自己評価の低い彼に対して、終幕間際に父親がかける言葉が、「どうも、ありがとう」ってのは、ワタシ的には、すごく納得のワードチョイス。父親に認められたかったのだと思いますので。 [DVD(字幕)] 9点(2020-08-01 23:20:40)(良:1票) |
288. カツベン!
《ネタバレ》 うーん。終幕20分前くらいからのシーン。DVDのチャプターとしては「大乱闘からの世紀の追いかけっこ」の部分。そのチャプター名からして、おそらくあのパートは、サイレント時代のドタバタ喜劇を撮りたかったんじゃないかと思っています。そうじゃないと、あのいわば牧歌的とも言えるシーンが延々と続くのが理解できないので。であるとすれば、あの部分は昔の技法(白黒のフィルム撮影、コマが少なくなんかカクカクしてるヤツ)を使うべきだったのではないでしょうか? そしてそのパートのカツベンは、活躍が少なかった伝説の山岡秋声にお願いしたい。なんてのは、いかがでしょうか?【追記】なぜ、チャップリン(茶風鈴)のワンシーンを入れられなかったのだろう? [DVD(邦画)] 4点(2020-07-25 21:42:50) |
289. 刑事コロンボ/二つの顔<TVM>
《ネタバレ》 本作において、おもしろ担当だと思っていたペック夫人。彼女にとってこんな救いようのない話はないでしょう。気の毒。そんな残酷な趣向がおもしろい本作と思っていますが(非道い?)。 [CS・衛星(吹替)] 5点(2020-07-25 16:18:08) |
290. ナンシー
《ネタバレ》 ああ、あの予告編は何だったのか?「サイコスリラーの最高傑作」。30年前に誘拐された女児は「ワタシかもしれない」という女ナンシー。「エスタ-」みたいなDVDジャケットもあいまって、すっかり詐話師が他人の家庭をぼろぼろにする話かと思ってましたよ。ところが。ナンシーは、ネットの知り合い(ジェブ)にはウソついてましたが、育ての母を常識的に介護する娘さんじゃないですか。彼女は本当に、自分のことをブルック”かもしれない”と思ってしまったのではないか。万が一を信じて、DNA検査を受けていたのではないか。「無条件に、愛してる」といわれた夜に、ヒッソリと姿を消す。視聴前の情報の混乱があったからこその、ワタシにはどんでん返し。とはいえ、「う、ナンシー。メンドクサイ奴」ってところは、想像通りでしたけどね。 [DVD(字幕)] 7点(2020-07-25 16:13:32) |
291. 刑事コロンボ/断たれた音<TVM>
《ネタバレ》 コロンボ自身が知らなかったように、犯人がこのゴミ処理装置の操作を知らなかったとすれば、近くに操作盤があったとしても、それをいじることはしないでしょう。クスリの件もしかり。ネタが、ワタシ子供の頃好きだった、推理クイズの域を出ていないような気がします。が、しかし。難聴のチェスの名人っていう犯人の設定。冷静でいようと努めるんだけど、感情の高まりを抑えられない。R・ハーヴェイの演技。共感得られないだろうと思いつつ、ワタシ、「マルサの女」の権堂、つまり山崎努を思い出しながら見てました(なんだ、それ)。コロンボの顔が魅力的なシーンが多かったとも思います。ワタシは、好きなエピソードです。 [CS・衛星(吹替)] 8点(2020-07-18 05:05:38) |
292. 人生タクシー
《ネタバレ》 イランの映画に出てくる子供は、なんていたいけなんだろう。「映画」なんだから何か出来事がおきてしかるべきなのですが、本当にこの子達にとにかくなにも起こりませんように、と祈らざるをえない(間違った視線なんだと思っています)。この監督さんの映画について知っていると、見えるものがだいぶ変わってきそうです。しかし、なにも知らないでも、ただタクシーがあっちこっちいったり、いろんな事情のある人を乗せたり降ろしたりしているのを、なんとなく見てられるって、味のある一作と思っています。村上春樹的?、とか見てて思ったのは、正しかったんだろうか?どうなんだろう。 [DVD(字幕)] 6点(2020-07-11 05:54:16)(良:1票) |
293. 天気の子
《ネタバレ》 これは…。新海監督、本気出しましたね。全力フルスイングの中二病映画じゃないですか。この映画をどう語ればいいのかわかりませんが、印象的だったセリフをひとつ。「大丈夫ですか。あなた、いま、泣いてますよ」。 [DVD(邦画)] 9点(2020-07-05 22:57:10)(笑:1票) |
294. 刑事コロンボ/偶像のレクイエム<TVM>
《ネタバレ》 実はもう一つ〇〇があったというところがミソの本作ではあります。しかし、本作の犯人はどう見ても連続殺人を犯すような狂気や、あるいは知性を感じさせません。品のいいおばさんなんだ。殺しの手口も割とおおらか。凝った設定ばかりが先走っているような一作でした。【追記】なおワタシは、品のいいおばさんによる連続殺人のうまいミステリーがあったら、観てみたいとも思っています。…あれ、もしかして本作はそういうのを狙ってたの?うーん。 [CS・衛星(吹替)] 4点(2020-07-05 16:10:38) |
295. 21世紀の資本
《ネタバレ》 うーん、期待外れ。資本収益率が経済成長率を上回り続けており、これがすなわち金持ちがどんどん良くなって、こっちはさっぱり良くならない(格差)このざま、ということのみ予習して見に行きました(ということですよね?)。もっと、このことを身にしみたいと思ったのですね、さて本作、書籍版では膨大なデータを駆使して説明したことを、あえて数字を使わず、過去のドキュメンタリーや映画を駆使して、つまり映像で説明しようという趣向のものだったのだと解釈しています。しかし残念ながら、そのチョイスされた映像が、なんかメリハリがなく(同じものが繰り返されたり)、やはりデータによる説明が少ないから説得力に乏しかったと思います。上記の主張が身にしみて、こんなことではいかんと立ち上がり、行動様式を変えるということまでに至らず、なんとなく明日からも同じようなことを繰り返してしまいそうです。そうです、残念なのはワタシです。【210225変更】 [映画館(字幕)] 3点(2020-06-15 16:07:34) |
296. 刑事コロンボ/黒のエチュード<TVM>
《ネタバレ》 まあ、胸の花が証拠になるんでしょうけど、あの場に奥さんが居合わせて(仕組んだものなのでしょう)、その点だけは夫のためにも嘘がつけなかったというところがポイントなのでしょう。それでも、奥さんをなびかせようとする犯人の狂気。警察のスタッフに向けての謎の「チャオ」。終幕は結構良かったと思っています。 [CS・衛星(吹替)] 6点(2020-06-10 22:22:57) |
297. タクシー運転手 約束は海を越えて
《ネタバレ》 何度か、主人公であるキム運転手は状況から逃げようとするワケです。検問している軍人から強く言われて帰ろうとする。記者の乗り込んだトラックを追尾することをやめる。私服軍人から追いかけられた際には、記者と一緒だと捕まるから別ルートを選んで逃げる。そして、光州に記者を置いたまま、ソウルに帰ろうとする。すべて無理からぬことだし、責められるようなことではありません。ワタシ、最後にウソの連絡先を書いたのも、記者から足がついて、当局に捕まることを避けようとしたんだと思っています。関わり合いを、ここで絶つ。これも、彼の行動として一理あり。本作は、危機的状況における、徹底的に憶病で、どうしようもなく善人の「普通のひと」のふるまいを描いた秀作だと思います。人間臭いのが、たまらなくいいんだ。【追記】タクシー軍団対軍隊のシーンは、おまけについていたショートフィルムだと思うことにします。そうだと思えば、ゴージャスな特典映像です。 [インターネット(字幕)] 8点(2020-06-02 06:14:13)(良:1票) |
298. 若おかみは小学生!
《ネタバレ》 なるほど。面白かったですというか、なんか好感を持ちましたというか。基本的なフォーマットは、幼気(いたいけ)で、元気な女の子(チョット勉強は苦手)が、大きな不幸にも負けず(健気)に、周囲の心を動かしていくってやつ、つまりNHKの連ドラのアレ、往年のケンちゃんシリーズのソレなわけで。まあ、この式に馴染みがあるオトナにとっては、外さない仕組みなわけです。ですからこれ、今回は映画でやりましたけれど、続編はNHKの深夜にドラマとして、半年に一回くらいのペースでやったらいいんじゃないでしょうか。おっこの成長をもう少し見守りたいような気になっています。旅館屋のおっこちゃん。【追記】ああ。テレビで日曜の朝に15分枠で子供用にやってたのですね。しかしそれでも、NHKの深夜枠で、少し屈託のある内容でアニメドラマとしての続編。ノスタルジーに浸りたい大人向け。需要ないっすか。 [地上波(邦画)] 7点(2020-05-31 22:50:00) |
299. 刑事コロンボ/もう一つの鍵<TVM>
《ネタバレ》 稚拙な殺人者といえば、古畑任三郎シリーズの、田中美沙子さんが犯人をやったエピソードを思い出します。「哀しき完全犯罪」。彼の作では被害者である夫の本当の優しさを犯人確定後に観客は知る、という切なく趣深いお話でしたが、しかし。本作の犯人は、ただ単に稚拙、場当たり的。コロンボとの絡みも、ほぼ警官であるコロンボを遠ざけ、嫌悪するのみ。しょうもない人が、考え浅く、取り返しのつかないことをしただけの話でした。つまらん。 [CS・衛星(吹替)] 2点(2020-05-24 22:52:06) |
300. どこへ出しても恥かしい人
《ネタバレ》 友川氏とそのご子息たちとのコミュニケーションのシーンがありますが、これは仕込みでしょう。友川氏は父親としては機能しなかったのではないかと思いますよ。変な親戚のおじさんとしてなら、人生煮詰まったときに会いたいような気もしますけどね。とにかく、やっかいなヒト。たぶん一緒にいたら、相当めんどくさいですよ。日々の日常のなかで、人生の結論めいたことをポロポロ話すんでしょ(「何かに酔ってなきゃ、人間じゃないだろう。酔うために人間は何かに走るんだろう」、「(お前が敷かれているいっている人生のレールを)誰かが見たことあるのか」とかね)。うるさいよ。あんたが引き受けずにすんだ役割を、オレはどうにか引き受けてるよ、っていいたい。友川には含羞がない。あるいは、そういったものの方向性が違う。オレなら、ゲンナリしそうだよ。おつきあいしたくない。あんなヒトがいたなあって、いつか思い出したいんだけど、遠巻きにしていたいヒト。どうせ、自分のことしか考えていないんだろう。…でも、なんかやっぱり、うらやましいんですよね。ズルいよ。 [インターネット(邦画)] 4点(2020-05-19 20:20:46) |