3341. ナバロンの要塞
《ネタバレ》 撮影や音響関係の頑張りは認めますが、内容的には、すごく重大なことをしようとしているはずなのに、登場人物の雰囲気も行動も何かのんびりしていて、緊張感がありません。裏切り者を割り出す部分は、ミステリーの解決編的な冴えがあって印象的でした。 [CS・衛星(字幕)] 4点(2008-02-27 02:43:01) |
3342. ビートルジュース
今見るとかなりの豪華キャストというか、「こんな人にこんなことをさせるか?」の連続なんだけど、当時はマイケル・キートンもジーナ・デイビスもウィノナも、まだ駆け出しに近い頃だったんですよね。内容については、いろんな方向性の無茶ぶりがあまりにも濃縮還元されていて、見ていて疲れます。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2008-02-27 02:26:45) |
3343. ミクロの決死圏
視覚効果面は当時としては死ぬほど頑張ったのでしょうが、肝心の話の盛り上げ方がごく凡庸で、見ていてさっぱり盛り上がりません。そもそも状況的に大ピンチでないと話が成立しないのに、関係者は妙に淡々としているし、また各キャラも描写が機械的で無表情です。これだったら、これを下敷きにしたインナースペースの方が、お馬鹿な部分もあるとはいえまだ楽しめますね。凄すぎる邦題に+1点。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2008-02-22 02:57:18) |
3344. ラブ・レター(1998)
《ネタバレ》 後に韓国版でリメイクもされましたが、残念ながらこれは韓国版の圧勝。まず、大きな違いは、こちらは最初に偽装結婚の手続の部分を延々と描写して、そこで吾郎とパイランもかなり顔を合わせていること。しかし、この話の出発点は、主人公がごく安易に偽装結婚の話に乗り、かつそれがあったことすら忘れていたというところであって、そこにこそ感動の源流があるはず。また、吾郎とパイランはまったく顔を合わせない方が後の切なさや手紙の重みが増幅されることはいうまでもありません。原作に免じて4点。 [地上波(邦画)] 4点(2008-02-20 01:14:25) |
3345. キャットウーマン
《ネタバレ》 最大の致命傷は、肝心のキャットウーマンのアクションがちっとも格好良くないという点。猫の動きを取り入れたアクションと、猫の真似そのまんまというのとでは全然違うよ。その他の部分も工夫なさすぎで、例えば、この種の主人公が警察に疑われて逮捕されて留置場行きというごくごく一般人的なピンチを迎えるなんて、センスがありません。 [ブルーレイ(字幕)] 3点(2008-02-19 02:36:50)(良:1票) |
3346. 男と女(1966)
《ネタバレ》 レストランでの子供2人を含めた食事シーンとか、優しさと丁寧さに満ちたベッドシーンとかはとても良い。他方、回想シーンはやたら長い上にとっちらかってて、かなり邪魔なのです。途中までは、一種の前衛作品なのかと思ってしまったくらいでした。それでも、突出した良いシーンのおかげで見た後の印象は悪くないのでこの点数。 [DVD(字幕)] 6点(2008-02-18 02:53:13) |
3347. 陽のあたる場所
《ネタバレ》 ドラマの形としては悪くないというかある種の基本型なのですが、主人公がどれだけどん底の環境から這い上がってきたのか、令嬢との結婚にどれだけの重みがかかっていたのか、その辺が画面から見えません(台詞でさらっと語られるだけ)。このタイトルだったら、当然その辺を期待してしまいます。逆に、裁判以降は変に引っ張りすぎ。物語としては、逮捕の時点でほとんど終わっているわけですから、あとは5分でラストまで行ってもいいはずです。このバランスの悪さが残念でした。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2008-02-18 02:37:34) |
3348. エリザベス:ゴールデン・エイジ
ケイト・ブランシェットがきちんと芝居ができる人であることはすでに分かり切っているのであるが、それでもこれだけ最初から最後まで少しの緩みもなくその女王ぶりを見せつけられると、改めて驚嘆してしまう。衣装や美術関係の充実は言わずもがな。ただ、すでに即位して黄金時代を築いた後の話なので、ドラマチックさとか作品のテンションという点では前作に及んでいない。あと30分は長い尺で見たかったと思います。 [映画館(字幕)] 6点(2008-02-18 02:27:45) |
3349. 鬼畜
《ネタバレ》 東京タワーのシーンで、最後の一瞬で良子が振り返って目が合い、その瞬間に扉が閉まる。その後はまったく良子は登場しない。この容赦なさには痺れましたが、他方、利一については、砂の器の使い回しみたいな感じで父子旅が延々と続いて、中延びしてしまいました。最後も、なんか親子の絆みたいな方向に話が向いてしまって拍子抜け(ラストは利一のアップだし・・・)。それよりも、タイトルがこうである以上、主人公夫妻の人間としての堕落ぶりと崩壊ぶりをもっと見たかったし、岩下が終盤でほとんどいなくなるのも不満。本来、父子関係よりも夫婦関係の方が中心であるべき設定ではないだろうか。 [DVD(邦画)] 6点(2008-02-17 01:55:18) |
3350. 疑惑(1982)
《ネタバレ》 法廷シーンが突っ込みどころ多すぎなのが最大の難点。作品のテーマも、最後に岩下と桃井が中途半端に分かり合ったようなシーンを入れることで、かえって見えにくくなってしまった。そんな中でも、岩下の弁護士としての役作りはさすがにきっちりしており、また桃井演ずる球磨子の「変さ」を裏から支えることにも貢献している。 [DVD(邦画)] 5点(2008-02-17 01:45:04) |
3351. ロミオとジュリエット(1968)
《ネタバレ》 オリヴィア・ハッセーの絶句するほどの可愛らしさはいうまでもないが、ただ可愛いだけでなく、きちんと演技をしていることも見逃してはならない。仰々しい台詞回しもごく自然にこなしているし、動作や表情にもきちんと指導が行き届いている。また、それぞれのシークエンスにじっくりと時間をとることによって、衣装なども含めた全体の構築美が作品世界として無理のないものになっている(決闘シーンだけ、少々長すぎか)。欲を言えば、神父は最後すたこらさっさと逃げるのではなく、二人が亡くなった後に現れて含蓄のある一言を決めてほしかった。 [ブルーレイ(字幕)] 8点(2008-02-16 01:50:36) |
3352. オリバー!
何よりも致命的なのは、ミュージカルなのに各楽曲がどれもつまらないこと。音楽表現をわざわざ採っているのに音楽がつまらなくてどうするの。しかもそれぞれが無意味に長い上にパフォーマンスも大したことがなく、見ていてがっかりしました。美術関係の頑張りに4点。 [CS・衛星(字幕)] 4点(2008-02-14 03:13:38) |
3353. アメリカン・ギャングスター
《ネタバレ》 前置きの部分がかなり長いのですが、退屈するほどではありません。ラッセル・クロウの捜査官は、特殊な技術や格好良いアクションがあるわけではなく、普通の手順の積み重ねで地道にターゲットに迫っていきます。何となく、昔の日本の刑事ドラマを思い出しました。デンゼルの麻薬王の方も、引くべきときは大人しく引いたり、マフィアのドンにありがちな仰々しい言動がなかったりするので、その辺が現実感があって意外に新鮮でした(弟たちの風貌が、いかにもその辺にいそうな一般人なのもよい)。ただし、最後の部分であっけなくまとまってしまったのは何とも物足りない。 [映画館(字幕)] 6点(2008-02-12 03:13:38) |
3354. シリアナ
雰囲気からしてトラフィックの劣化コピーのような予感がしていましたが、まさにそのとおりというかそのまんま。しかも、こっちの方がさらに各場面が細切れで、かつ登場人物に個性がない。終わるまでがとても長く感じました。ただし、いつものキザな役回りとは違って、冴えない地味なオッサンに徹したジョージ・クルーニーはなかなか新鮮だったので、そこに5点。 [DVD(字幕)] 5点(2008-02-10 01:45:52) |
3355. ピクニックatハンギング・ロック
《ネタバレ》 風に揺れる木々、そこから反射して漏れ落ちる陽の光、それと対照的に不気味にそびえる岩山。寝そべったり座ったりしている少女たちを、ローラーを引くようにじっくりと撮るカット。ボッティチェリの天使という表現が少しも誇張でない、そのまま神の国に消えても何ら不思議でない、ミランダの神々しい美しさ。謎に満ちた失踪事件の舞台を、映像で見事につくりあげてしまっています。何かに吸い寄せられるように上へ上へと登っていく少女たちは、まさに神に導かれたに違いありません。そう信じさせるほどの凄まじい映画としての迫力があります。後半は一転して、暗い屋内でのシーンを中心に、残された者たちの静かなる崩壊を描き、前半の失踪事件のインパクトを倍増してくれます。結局、謎の解決は何も示していないのですが、それが作品の奥行きを深め、台詞の一つ一つやちょっとした描写にまでいろいろと考えさせてくれる内容となっています。それと、音楽も効果的に機能していますね(メロトロンまで使っちゃってます)。 [映画館(字幕)] 9点(2008-02-09 00:38:38) |
3356. ノッキン・オン・ヘブンズ・ドア
もっとドタバタで笑える話かと思っていたんですが・・・。不治の病の2人がマフィアと警察の両方から追われて、うまいこと何とか逃げ続けるなんて、ありえない設定なんだから、それを真面目にシリアスに作ってはいかんでしょ。ラスト近くも、終わりそうでなかなか終わらなくて、ちょっと醒めました。 [DVD(字幕)] 5点(2008-02-09 00:18:59) |
3357. 道(1954)
《ネタバレ》 ザンパノもジェルソミーナも欠点だらけの人間であることは見ればすぐ分かるが(ついでにキ印も)、この作品が優れているのは、それらの対象を決して突き放したり見下げたりすることなく、暖かいまなざしですべてを包んでいること。だから、これを見た人も、何となく自分が赦されているような穏やかな気持ちになれるわけです。 [DVD(字幕)] 6点(2008-02-09 00:10:36) |
3358. カポーティ
主人公の行動を単純に追うことに終始しすぎていて、ドラマを見ているのか、よくできた再現フィルムを見ているのか、途中で分からなくなってしまいます。なぜ彼はこの題材を追い始めるに至ったのか、その背景にはどのような人生があったのか、途中でどのように変化したのか、といった点について、もっと深く掘り下げてほしいところでした。ホフマンの演技も、今ひとつ細部の表現に乏しく単調であり、モノマネの域を脱しているとはいえません。 [DVD(字幕)] 5点(2008-02-07 03:27:47) |
3359. エデンの東(1955)
《ネタバレ》 一つ一つのシーンを取り立ててみれば何も突飛なことはしていないのですが、家族内の心理関係を丁寧に積み上げることで、きちんとまとまった作品になっています。主人公は意外に行動自体は大人しいようにも見えるので、もう少し暴走して兄との対比を際立たせてもよかったような気もしますが・・・。それにしても、最後は兄がイッちゃったままで何のフォローもなしという荒技にはちょっとびっくりしました。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2008-02-07 03:07:23) |
3360. OK牧場の決斗
見ているときは退屈ではなかったのですが、主題が定まらずにふらふらしているので、見た後の印象はあまりありません。ドク・ホリデイの特殊なキャラクターで得しているような感じ。女性キャラの雑な描き方も難点。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2008-02-04 02:00:36) |