341. ドラムライン
《ネタバレ》 そこそこ楽しめた。日本とは違うアメリカの大学、っていう雰囲気が良いじゃないですか。ほんとにこんなかどうかは知らないけど。 スポーツバトルモノの王道を良くストーリーと、王道なキャラ設定が安心して見ていられる映画にできあがることに貢献している。ここまでオーソドックスに作られていると、最後の決戦の盛り上がりは必至で、その迫力に目が奪われる。 普通であることをめざしてどうなるか、どうなって欲しいかを考え抜いた作りは諍いとかチームとか技量とか、そういうところを自分が望む形で演じてもらえる。なんという没入感か。この映画を作った人たちにはひねりがないという状態を作り込むことにいろいろな困難があったと思うが、最後までぶれずによく耐え抜いたものだと思う。地力の強さを感じた。 [DVD(吹替)] 7点(2010-10-31 13:58:05) |
342. ティファニーで朝食を
《ネタバレ》 今でも新橋駅の発車音でこれを時々思い出す。というよりこれを歌っているオードリー・ヘプバーンを思い出す。 そして思い出すのがジョージペパードである。ベトナムで鳴らした筋さえ通れば金次第で何でもやってのける命知らずで百戦錬磨のジョージペパードである。子供心にはこの映画は鉄壁だったのだ。子どもの頃、テレビの映画解説番組でこれが流れていたのが記憶にこびりついていた。さぞ良い映画なんだろうと。 高校生くらいになって初めて観た「ティファニーで朝食を」は、いろいろな意味でいろいろな思い出をぶち壊しにしてくれたのであった。 いくら何でもやっつけ仕事でしょ?大好きなハンニバル大佐が(しかも若っ)こうやって消費されていたのには憤りを禁じ得なかったのだ。 が、画像検索してみるとやっぱスンゴイカワイイのです。ヘプバーンカワイすぎる。こんだけつまんない話でもま、良いかと思えるほどに。 [ビデオ(字幕)] 4点(2010-10-11 19:34:25) |
343. マトリックス レボリューションズ
《ネタバレ》 そこそこ面白いけど、そこまで面白いかって言うとそうではない映画。 マトリックスが持っていた、仮想現実とそうではない現実という二つの層がそこそこ有機的に結びついている世界観というのがなんだか壊れてしまったのがもったいない。2003年というと、PCのプロセッサはPentium4真っ盛りだろうか。ブロードバンドという言葉がネットに何かあるという誘導を仕掛け、一方で90年代にあったネットやパソコンなら何でも実現可能というウソが、ホントにウソになっていった時期でもあるか。 90年代のパソコンブームが、物理層に存在する人間が論理層に存在する「自分がPCで作った何か」の同位性を強固にしていたが、ブームが去ってみるとPCの進歩など演算速度が速くなったり、バス転送速度が広くなったり狭くなったりしながら急速に伸びたに過ぎないことに気づく。そうすると、物理層にいる人間はあくまでも物理層での何かをなさなければいけないという当たり前の事実に気づくのみだった。 きっとそういうところに合わせてきた作りなんだろう。この映画でも、人間が戦うのは物理層に存在する様々な意味合いを持つハードウェアであり、それを動かすソフトウェアではない。しかしソフトウェア的な抗争を人間が論理層で戦うのをあきらめて、それを作るベンダがすべてを支配するという古典SF的な「機械が人間を虐げる」恐怖感を使っていたのは残念。 さすがに21世紀も1割終わった今、プログラムが自立的に自己生存や感情の生成を目的として、その上機械の設計まで始めた上に人間を虐殺するだろう。などという未来を想像するなんてことは小学生でもやらないだろう。そういう時代の最後の一粒だったのかもしれない。 アクションでは贅沢なCGがたっぷり観られて、実写ダンスアクションとは一線を画する格闘や、空想兵器の銃撃戦や、おどろおどろしい意匠の飛行軍艦の強行軍など見所が満載。ストーリーが面白くなくても、映画としてそこそこ面白いのはこの部分が太いからか。 とはいえ、私が大好きなマトリックスはここにはなかった。 [ブルーレイ(字幕なし「原語」)] 6点(2010-10-11 16:58:02) |
344. マルホランド・ドライブ
《ネタバレ》 そこそこ面白かった。おそらく公開当時に観ていれば、仲間内で大いに盛り上がったであろう映画だが、今は仲間内で盛り上がるのはアメリカ製のテレビドラマだったりする。だから必然的に今頃になってこれを観た私が、昔夢中になっていた仲間に、 「あのさ、マルホランドドライブ観たんだけどアレって難解だよね」 とか言ってみたところで、 「アレは並列で緻密な筋書きを数種類作るじゃん?多段で入れ替えて双方向に行き来できない組み合わせになってるからそう感じるだけだよ。今更一人で観たって大勢で妄想しないと面白くないよ?」 とか言われてしまうのが落ちなんだろう。5年くらい前にツインピークスを挫折した原因と同じだなきっと。そうだよ、こういう考えオチ前提の話題で引っ張る型の映画はリアルタイムでその流れに参加しないと楽しみづらいんだよな。 ブレアウィッチとかノロイなんかをリアルタイムで観なかった仲間が、 「アレはさ(以下略)」 と、一蹴された時の切ない顔を、今度は自分がする番だったのか。 [地上波(字幕)] 6点(2010-10-10 02:35:50) |
345. JM
《ネタバレ》 子どもの頃、夜中に近所の映画館に映画を見に行くのがすきだった。そうやって見に行った映画の一本で、当時その着想のおもしろさにメッタ刺しにされた。 当時はHDDは数ギガの単位で、5万円くらいする世界。2010年のように1TBが5千円で買えてしまう世の中ではない。その単位の巨大さに想像力を刺激されたし、記憶するギミックや操作端末のような空想のガジェットに心躍った。 が、しかし。とは言え、である。ハードな世界観と、何となくチープな感じの作りがぎくしゃくしていたJMはすんごい面白い映画の一つにはならなかった。あそこが変だったとか、ここがもっと盛り上がってくれればとか、あの時点では凄いと言われても麻痺しちゃうであるとか。脳内JMをもったいないな、とか思いながら反芻したのを思いだす。 翌日、なんかもったいなかったので「JMってスゲー映画だったよ。観るべき」とか言ってたらしばらくしてJMを観に行った仲間内、少年少女のなかで「なんか変な映画好きだよね」とかいう短評をいただくことになった。 [映画館(字幕)] 5点(2010-09-23 13:50:10) |
346. おもひでぽろぽろ
《ネタバレ》 高畑勲の最高傑作である。高畑勲のなかで最高傑作である。高畑勲の最強の一手である。 とにかく高畑勲の作品の中では最高レベルのアニメで、見所が盛りだくさんだ。ノスタルジックな昭和40年代という世界に、公開当時の若年層にはメルヘンチックに感じられる触ったことがないのに懐かしく感じられる小道具をちりばめ、トレンディドラマといわれたドラマの俳優を声優として起用して物語にプラスアルファの質を与えている。 さらに、アニメには見られないしわや陰影を付け、視覚的リアリティをますという手法には実験的な意欲とその労を惜しまない姿勢に裏付けられた実在感がある。 ちびまる子市場の裾野の広さに獰猛に食らいついたジブリのマーケティングの技術力と、バブル期の金の力が気持ち悪い絵を気持ち悪くないんだと洗脳電波をゆんゆん飛ばしてくる非常に不気味な作品だ。 それだけに拝金的側面というか、人を取り込もうとする猥雑な側面というか、ジブリの獰猛さというか、そういう暗黒面全開なのである。実は何にも考えていないし作り出しても居ないのに、技術だけでそういう風に見せるという究極の姿だ。見るべき物がたくさんある。 このどん欲な勝つためなら何でもするファイトスタイルこそが高畑勲のすごさなのだと思う。 [地上波(邦画)] 4点(2010-09-23 01:23:56) |
347. さらば宇宙戦艦ヤマト 愛の戦士たち
倒したと思ったらしかし、って時間いっぱいに繰り返してるだけ。観客の感情操作もひどく雑。 中国製アニメみたいなかんじ。 [ビデオ(邦画)] 1点(2010-09-23 01:07:30) |
348. 2010年
《ネタバレ》 実は、2001年よりも面白い。だいぶ面白い。特殊効果はヘボく見えてしまうが話が面白くなったからそれで良いやと思えてしまう。 前作の鼻持ちならん雰囲気はなくなって、SF映画として真っ向勝負にむかったかんがあるので芸術っぽさとか意味深さも同時になくなっている。それならそれで良い。 とは言え、現在この映画の宇宙空間に飛んでいくオーパーツ的宇宙船以外はすべて現実世界の2010年がテクノロジー的に追い抜いてしまっている様に見える。今このレビューを書いている半径5メートル以内でさえ、PCは考えたり主張したりはしないが、学術計算の計算速度ではHALを遙かに超えるだろうし、圧縮音源をロスレスデコードしたバイナリを無線でアンプに転送している。デジタルアンプはCDに存在しない非可聴帯域を復元するマルチビットストリームDACを載せていたりもする。煩わしい携帯電話を留守電にしてしまいながら、レール上を250キロで走る高速列車に乗る準備をしている。予約はオンラインで可能である。 そういう日常的なガジェットやインフラを予測したSFは少なく、この映画もその一つではない。車で未来や過去に行ったり来たりする名作もこの時代の映画だが、オーパーツ意外は2001年の時点でほぼ現実世界に抜かされている。 がしかし。あれって何だったの?とかこんな世界が広がるのか?とか、ファンタジーはまだ生きている。 仮にたとえ、「オイオイ、いくら何でも神様に丸投げはねーだろ」だとか「科学者が超常現象の疑似説明に科学を使うな」とか「ホントはだれも宗教なんかで戦争してないし、万が一そうだとしても神様で解決するような戦争はねーだろ。テロというんだそれは。」とか、テーマがガンダムレベルでもだ。指輪の方がよっぽど寓意がしっかりしているが、これはSF的なファンタジーなのである。 私はこれをしっかり笑って済ませておいた。 [地上波(吹替)] 7点(2010-09-20 16:59:10) |
349. イルマーレ(2006)
《ネタバレ》 素敵すぎでしょ。もうね、凄いステキ。 正直、借りるきっかけは単に、ブルーレイのラブストーリーがこれくらいしかそそらなかったって言うくらいで、あんまり面白そうにも見えなかった。ポストに過去や未来からの手紙が届くって言うのも、あまりにも飛び道具過ぎて最後の30分で空中分解するんじゃないのか?とかいろいろ文句を言うの方のが楽しみだったりした。 ところが、このギミックは抑えめで至って旧時代的な控えめな恋のお話だったりするからたまらん。呼ばれもしないのに会いに行ったり、見てる人の四分の一はドン引きになる告白の仕方もせずにひたすら少しずつ近づいていく空気感が秀逸だ。 会いに行けないような距離に居た訳でもなく、事実を知らせられないSF的な仕組みが存在した訳でもない。だけど、お互いが一方的に事実を知っている時間が流れて行ってくれることを生活と両立し待ち続けた事がこのお話を凄く上質な物にしたと思う。 おかげでパーティでのキス、イルマーレにこない、冒頭の事故。この3点のミステリー的な小技が相対的な存在感を引き出した。純粋なタイムトリップ物としては甘口に過ぎる構造も、基本になる「ありそうな大人の二人のつきあい方」の装飾として上手に機能していた。 だから建て売り住宅の現場監督に収まっているアレックスが、ケイトの職業を外科医であると知ったときの距離感がほんのりと漂っていたのが良い。イルマーレに誘ったときの覚悟や、会社の成功や建築家としてのスタートをすることができた彼の最後の覚悟は、ケイトがいつどこにいるかを唯一知っている、冒頭のあの場所に彼を向かわせるけれど。そのやりきれなさのさじ加減は凄く良い。 実は冒頭、轢かれた人が来ていたジャケットを覚えてしまっていた。イルマーレに来なかったときに死んだと気づく観客の経路でラストを迎えた。だからその後の進行は胸がキュンキュン。最後手紙が届かなくてもきっと感動したと思う。もしかしたらもっと感動してしまったかも知れない。だけど、殺してしまう飛び道具よりも届けてしまう飛び道具の方が私は好きなんだ。 [ブルーレイ(字幕なし「原語」)] 8点(2010-09-20 01:35:26) |
350. ドランク・モンキー/酔拳
昔、ジャッキーが大好きで、「ボッボボ、ボー」とか口で風切り音を発しながらカンフーゴッコをやった。今思うとなぜ手がゆっくり動いてるのに「ボオオオオオ」とか鳴るのか意味不明なんだが、やっぱり●●拳的には手足が動くときには「ボオオオオ」でしょう。 で、酔拳面白かったなぁ。わかりやすくて嘘がきちんとフィルタに掛かってくれる心地よさ。ジャッキーはやっぱ●●拳だ。 が、昔深夜番組で極真空手と酔拳がガチスパーリングするという企画があった。これが、まぁ、当たり前なんだけど。酔拳の拳がペチンって極真会館の黒帯の方に当たっても、全然効かないんだ。現実には酔拳って「ボーボー」言わないんだ何故か。スパーリングじゃなくて試合だったら死んでるんじゃないかって言うくらい。 やっぱりジャッキーくらいの達人じゃないと「ボーボーボボボ」とボコボコにはできないんだな、ヤッパ。素人にはお勧めしない。 [地上波(吹替)] 7点(2010-09-19 01:20:37) |
351. アンナと過ごした4日間
《ネタバレ》 なかなか面白かった。 文学的な匂いがプンプンにおってきて、卒倒しそう。特にこういう完成度の高い物になってくると、もうミステリーでもラブコメでもホラーでもいいから娯楽になってくれ、と願ってしまったりして。 要するに、私はこういうヨーロッパ然とした文芸作品にあんまり興味を惹かれないところが原因なんだけど、じわじわと人間性を映しはするけど行為そのものの画的な面白さという物には焦点があたらないお話にはいつも当惑する。とは言え、この作品の忍び込む件とか裁判なんかの派手になりそうなシーンを技術で抑え込むなんて言うのはスゴいなと感激してしまったりもした。 現実には起きなかった幸運を劇中事実に反して起こすという古代からある手法を、よく吟味もせずにご都合主義とか言ってしまうことは、嫌いだ。同じように、こういう映画の主人公の行為をあり得ないとか、境遇を貶めすぎだとか、そういう風に捉えるのも嫌いだ。 ご都合主義も悲観的な作品も本質的には両者現実からの距離を同じくして逆方向にした、技術の上で成り立っている物語だ。両方同じくらい現実には馴染まないのだが、やっぱりこの悲哀が何となくより上質な物に感じさせる。それだけに満足度が高い。 [DVD(字幕)] 6点(2010-09-18 23:33:09) |
352. ヴァン・ヘルシング
《ネタバレ》 なかなか面白かったと思う。 アホみたいなプロットに、ゴリゴリ特殊効果が乗って削り削られの泥臭いバトルというか、つぶし合いのようなアクションが非常に心地よかったりして。 劇場専用な環境依存的画質で、おそらくBDで観たらCGIとそうでない部分は違和感ゴリゴリだろう。DVDや地上波で観たらかなりパワーダウンするかもしれない。 それにしても、こんだけ荒っぽい話でも目的に向かって主人公ががんばる話というのは面白くなるのか。ある意味スゴいなこれ。エンディングも意外と良い。 [映画館(字幕)] 7点(2010-09-13 19:18:43) |
353. 第9地区
《ネタバレ》 面白い! 冒頭の嘘くさすぎる設定と、なかなか良くできた特殊効果が一気にこれは壮大なB級映画なのかもしれないと期待させてくれ、そしてその少し斜め上を行ってくれる。 どうしようもなくいい加減に見える共存の設定が、むしろこの上なくリアルだったりする。現実に移民政策とか福祉策とか、変わったことをやっているどこの国も巧くいってないくせに海外に巧くいってるかのようなプロモートして、本人も気づいていない共産主義的な考えを持った外国人あたりが簡単にだまされているし。この映画はそういう政府の実際は巧くいってないくせに巧くいってる体で、国内なんかより国外で影響力を持つおっちょこちょいな有名人あたりに外見を取り繕う「現場」っていうのを上手に作り込んでいた。 そんなおっちょこちょいな現場にはおっちょこちょいな政府と、お約束的映画仕様のアホな国連軍。それからおっちょこちょいな現地(宇宙人も含めた)人。そういうのが織りなす不可逆的な災難っていうのは病みつきになる。思わず何度も何度も観てしまう。 物語が進むトリガーになっている、あの液体。あの「設定?あ、それは何だって良いんすよ」的な割り切りにはガッツポーズ。やっぱそうそう、その辺はどうでも良い。ターミネーターだって内骨格の頭部に同縮尺でシュワルツェネッガーの写真重ねるとアゴが出っ張るとかそういうところ誰も突っ込まないし、そんなのどうでも良いし。というか物語全般に言えることだけど設定なんていう後からいくらでも作り込めるものはどうでも良いし。 そう言うわけで、非常に巧く作られているし私はハンディカム視点の映画は基本的に大好きだし、なるほど2009年のSF映画で一番面白かったと思う。 [ブルーレイ(吹替)] 8点(2010-09-05 18:25:15) |
354. リーピング
《ネタバレ》 冒頭の雰囲気は良い。オカルトな味わいがなかなかに秀逸で、いろんな予感をさせてくれる。けど、中盤以降はサスペンス的な作りにウェイトが掛かってきて、仕舞いにはジェダイマスターかよみたいなことになってしまうあたりに何とも印象が薄くなった。 一つ一つの要素の完成度が高くちぐはぐでも無いため、映画としてはバラバラな感じはしないけど、不特定多数でなおかつ対象を絞らないことを狙っている様な作りなため何とも市場分析重視で作られているな、と感じられた。 おそらく多くの人が観てギリギリ面白かったと思ってくれれば良いという方向に特化されているのだろう。ツタヤのホラーコーナーで真っ先にBDが置いてあると言うことは、やはりそういう思惑があるのではないかと思われる。 実際、ホラー慣れしていない私は終盤後戻りできないような後味の悪さや不気味さが無かったため気軽にみられてむしろアーオモシロカッタハイハイ、というくらいの恐怖感が心地よかった。怖すぎないけど怖がらせてくれればむしろベターっていう位の映画を観たい人にはお勧めなんじゃないかと思う。 アメリカ人ってこうやってキリスト教をいじって楽しんでしまえるところが懐深い。サタン信仰の農村が地方の奥地にあって、数十万人の生け贄が捧げられてる的な都市伝説を巧く調理しているし、おもしろおかしく聖書を解釈してみたり、それを多くの人がボーッと楽しんでいるんだから基本的には無宗教なんだろう。 [ブルーレイ(字幕なし「原語」)] 6点(2010-09-05 17:56:15) |
355. ハゲタカ
《ネタバレ》 可も不可もなく。画的に惹きつけられる物があり、設定等なにかとんでもないところに行ってしまえる予感を感じさせるのだが、時間がたつにつれなにか不自然に感じられるところが気になってしまい残念だった。話自体はこのままでも「ん?」と感じずに済ませる方法はあったと思う。 [ビデオ(邦画)] 5点(2010-09-04 13:37:49) |
356. 20世紀少年 -第2章- 最後の希望
《ネタバレ》 年に一度あるか無いかの外れ映画!ぴったり!2008年は2度あった!この映画は欽ちゃんの仮装大賞2時間枠みたいな、そっくりさん大会完成。 この映画を観て原作の味わいが、とか誰それはイメージが違うとか、全く感じない。そっくりさん集めすぎ!そっくりさんなだけなので、役者じゃなくて良いじゃん。絵で良いじゃん。アニメで良いじゃん。原作まんまの進み方するんなら深夜だらだらアニメでやれば良いじゃんモンスターみたいに。原作がだらだら無意味に長いんだから。 そっくりさんとして画面に出てきてしまう役者さんたちは、非難とか嘲笑失笑の矢面に立たされる。かわいそう。 それ以上でもそれ以下でもない。 [地上波(邦画)] 2点(2010-08-29 19:26:41)(良:1票) |
357. 20世紀少年
《ネタバレ》 年に一度あるか無いかのショボ映画。間違いない。2点の基準にぴったり!頼むからそっくりさん大会やめて!何でマンガ絵をわざわざ人間使って再現するの?ゴッホの絵とかピカソのヤツとかを路上で再現してじっとしてる大道芸と全く同じことやってる。 何となくノスタルジックに見せるという、邦画の技術は巧く使われているが、SFに組み込まれたその要素は物語にははっきりと巧く機能していない。それにSFなのに何このCGは。発展途上国丸出し。 特殊効果で発展途上国なんですよ。日本は。こまめに大作を作ってこつこつ実践を重ねてる近隣アジア諸国にはっきりと劣ってます。できの悪い品物に使ったお金の多さを自慢するのは80年代バブルのオッサンかとおもいます。当時のオッサンはもうおじいちゃんですから居ないはずなんですけどね、伝統なんでしょうか。とにかく団塊世代的の「一番高いヤツくれ」な感じは気持ち悪い。 もっと小品を積み重ねれば?と思う。大作志向の邦画って昔から難しいことやって出来てないけど、出来てない状態から一歩も先に進んでない。 そして金ちゃんの仮装大賞出場に向けた、年に一度のショボ映画があと2本続く。4チャンのそうだいな一発芸なのだ。 [地上波(邦画)] 2点(2010-08-29 19:06:59) |
358. インデペンデンス・デイ
《ネタバレ》 普通に面白いですよ。 アメリカ人が自分の国への侵略を食い止める話作ったら軍隊が出てきてスペクタクル的な展開するのは当たり前だと思うので、国威発揚とかプロパガンダだとか帝国主義とか、そういう共産圏の人たちが言いそうな印象はまるで受けなかった。もっともそういう作りだとしても、西側の社会に普通に生活してる人間としては、社会主義の地域に住んでる人たちと一緒になって欧米圏の当たり前を変だと言い放つことが常識的とも思わないのでこの辺はどうでも良いや。 大統領が出撃するところとか普通にボルテージ上がりますし、アホみたいで普通に良いですよ良い。 [DVD(字幕)] 7点(2010-08-23 20:08:29) |
359. インセプション
《ネタバレ》 今年最強の映画ではないだろうか? プロット、ストーリー、キャラクター、苦悩、特技、それから映像。全部一級の構成。これだけ面白くすべてが美しくそろう映画は数年に一本しかお目にかかれない。ハリウッドにしか不可能な技を2時間半も掛けて1800円で観ることができるなんて、まさに今年最強の娯楽だ。 階層ごとの時間感覚の構造や、キャラクターの技能とその制限が実に理路整然と造られていてその完成度とフォーマットへの親和性には驚きがわかない。自然すぎて驚けない。見終わった後よく考えると、ハリウッド的な制限を完璧に回避しつつ、それを気づかせないギリギリの複雑さと嘘加減には舌を巻かれすぎてもつれるほど。 これを文章や漫画などのメディアで表現したなら、たとえばご都合主義であるとか、掘り下げが、とか無駄かも知れんが言ってしまえるかもしれない。仮に文章媒体であれば簡単に表現できてしまう状況を、画で見せる困難さを軽やかに超えて圧倒してくるのはノーラン兄弟の芸の域に達している。後出しやオマージュの類は、漫画や文章で簡単に表現されるだろうが、多くがおそらく陳腐でひどくつまらない物になるだろう。それほどの個性と構造だ。現時点では他媒体には無理だ。 自分の知る他媒体に一度変換しないと斜に構えてみせるができないほどの「映画としての完成度」には痺れる以外何もできない。何度も言うが今年最強のハリウッド映画だ。 [映画館(字幕)] 10点(2010-08-23 17:37:47) |
360. ファンボーイズ
《ネタバレ》 ちょっと感動した。いい話だ。 スタートレックに少し拒否反応があり、スターウォーズが好きな私は30秒ごとに笑うことができた。不覚にもカメオ出演者たちには大喜びしてしまうが、なかでもウィリアム・シャトナーが出てきたときに笑ってしまわないスターウォーズファンは居ないはず、とウレシくなった。 あきらめないで何もかも突っ込めばきっと良い体験ができる。もしかしたら嘘かもしれないけど、そうだろうと思わせる熱意がこの映画にはある。ふと惹かれる物があって借りたけど、凄く良い気持ちにさせられた。 推せ推せで棚一つヅゴーンとファンボーイズを並べ、あまつさえ専用の大型POPまで用意されたいた。ツタヤめ、なんて良い仕事しやがるんだ。 しかし、最後の台詞。「なぁ、駄作だったらどうする?」にはニヤリと来た。ただの礼賛映画ではない、分かってやがる。 [DVD(吹替)] 7点(2010-08-23 17:03:20) |