361. 猿の惑星:創世記(ジェネシス)
《ネタバレ》 面白い! そして短いっ! 最近はやりの前日譚モノですが、バットマンやX-MENと異なるのは、『猿の惑星』が、(コミックとして、ではなく)映画として、その歴史に名を刻む名作であること。そのオリジンとなる物語を、新人監督に任せてしまうハリウッドの懐の深さと、その重圧に負けず、そして冗長にすることなく必要最小限のカットとスピード感で見事に描いてしまう監督自身の力量に脱帽です。突っ込みどころはたくさんあります。父の病気治療のためにつくった改良版(ALZ113)が人類を滅亡させるウィルスとなるというのは、ちょっと都合よすぎる。また、シーザーの「知性」も、もっと人間との騙しあいや知能戦のような形で発揮してほしかった。それでも、つじつま合わせのための設定上の問題がどうでもよくなるくらい、本作の描く猿たちは魅力的でした。続編もありうる展開でしたが、3時間の人間vs猿の大戦争みたいなのは、あんまり見たくないので、このコンパクトな1作で終わらせてほしいな。あと、邦題は残念。少なくとも、(ジェネシス)は余分で、創世記だけのほうが、このシリーズの雰囲気にあってると思う。 [DVD(字幕)] 7点(2012-03-06 22:56:25)(良:2票) |
362. J・エドガー
フーバー長官の政治的な暗躍ぶりが見れると期待していたのですが、狭い人間関係(フーバー、母、トルソン、ミス・ガンディー)のなかで展開するドラマが主軸でした。ちょっとがっかり。そのぶん、人間関係のほうはなかなかの濃度で描かれ、俳優陣もなかなかの熱演を見せてくれるのですが、こっちを主題にするのに、わざわざJ・エドガー・フーバーという人物を取りあげる必要があったのかは疑問です。あと、老けメイク怖いです。顔はしわしわなのに眼だけが爛々としているのが不気味すぎ。スターウォーズのクリーチャーみたいでした。「老い」というのはメイクだけでなく、もっと全身のあらゆる器官を用いて表現しないといけないんだということがよくわかります。大統領のそっくりさん演技も何だかなあ。ニクソンなんて、パーティ・マスクかと思いました。というわけで、見せ方やこだわりの方向性が間違っているようにも思うのですが、人間ドラマとしては及第点か。好みは分かれると思いますが。 [映画館(字幕)] 5点(2012-03-05 11:40:24) |
363. 雨に唄えば
サイレントからトーキーへと映画界が変わる時代を、1952年にダンスとユーモアで描いた傑作ミュージカルを、さらにその60年後の2012年にDVDと大画面テレビで楽しむ。1950年代という「古き良き」ハリウッド・ミュージカル黄金時代の魅力を堪能できます。ただ、当時の最新技術を駆使して撮ったと思われる終盤の大がかりなダンスシーンは、いまの時代に見るとちょっと興ざめで、序盤のタップダンスや有名な雨のシーンのほうが断然輝いてる。ノスタルジーとテクノロジーのバランスは難しい。 [DVD(字幕)] 7点(2012-02-20 15:10:13) |
364. ウルヴァリン:X-MEN ZERO
《ネタバレ》 短い時間であらかじめ用意されている第1作目の設定までつなげなくてはならない、というのは難しいとは思うけど、あれこれ拙速になってしまったのが残念。ストライカーのやってることは全く理に適っていないが、彼の狂気のおかげで、いろんな設定のつじつまがあったっていうのも何だかなあ。でも、そういう狂気も、彼のこれまでがあってのことなのだろうが・・・。というわけで、次作は『ストライカー』って感じで、マッチポンプ化してくんじゃないかと余計な心配をしてしまった。あと、サイクロプスの残念な感じは昔からだったというのがわかって苦笑。 [地上波(吹替)] 5点(2012-02-20 06:40:24)(良:1票) |
365. 借りぐらしのアリエッティ
序盤の父とアリエッティの「借り」のシーンで高まった期待の回収先がないまま終わってしまった、という感じ。個人的には、ストーリーはたいして展開しなくても小人の借りぐらしという世界観に浸る「雰囲気映画」という路線も別に悪くないと思う。ただ、雰囲気を楽しもうとすると、翔君の「滅び行く種族」発言とか家政婦さんの突然の悪役展開など、中途半端なメッセージやドラマがそれを邪魔する。あと、セシル・コルベルに日本語で歌わせる必要があったのか? 「雰囲気映画」だったら、ラストこそその世界観に浸っていたい部分なのに、突然の「かーりぐぅらーししてたのおー」でぶち壊しです。いや、セシルは本当にがんばって日本語の詞をモノにしてると思います。でも、なぜわざわざエンディングであれを流さなきゃいかなかったのか。雰囲気に浸りたいのに浸らせてくれないフラストレーションを抱えての終幕でした。 [地上波(邦画)] 5点(2011-12-19 06:17:37)(良:1票) |
366. 悪人
《ネタバレ》 妻夫木聡と深津絵里といえば、昔ぱっとしない「月9」でも共演してたが、そんなテレビドラマ的キャスティングという制約はありつつも、主演の2人、樹木希林から柄本明まで、見事な演技で吉田修一のイケテナイ世界を再現してました。原作既読でしたが、ほとんど違和感を感じることなく、その世界観に浸ることができました。なかでも、満島ひかりが演じる佳乃の二面性(「性悪女」と「愛される娘」)に代表される主要登場人物の多面性を、2時間少しの制約のなかでちゃんと描いたのは偉い(岡田君の享楽的な生き方も繰り返し見せられると虚しさのほうが伝わってくる)。一方で難点は音楽と演出。音楽はとにかくうるさい上にシーンにあってない。『おくりびと』もそうでしたが、久石譲のしつこいメロディは実写ドラマに向いていないように思います。演出といえば、何と言ってもクライマックスのスローモーション。これまで細かく丁寧に描いてきたものが一気に崩れ去るようでした。そして、イカの目玉は、この映画最大のホラーでした。今思い出しても恐ろしい。 [地上波(邦画)] 6点(2011-11-21 12:52:52) |
367. X-MEN2
《ネタバレ》 一作目と比べると、ミュータントの能力の見せ方がうまくなってる。とくに、冒頭の大統領襲撃とかマグニートーの脱獄シーンは必見。ただ、主役格のウルヴァリンの見所は、「ツメで刺す」「撃たれてもすぐに復活」の2点なのでけっこう地味だし、プロフェッサーも今回はいいように操られて残念。ラストでは、ジーンが乗りうつったプロフェッサーとスコットの今回役に立てなかったコンビが見つめ合う珍シーンまであります(感動シーンのはずなんだけど・・・)。シリーズものとしては内容・映像ともに順当な進化を見せてくれましたが、ラストのジーンの扱いにはやっぱり疑問で、わざわざプロフェッサーにジーンの動機について解説させたのもさらにマイナス。 [地上波(吹替)] 5点(2011-10-28 05:58:54)(良:2票) |
368. 天国の本屋~恋火
《ネタバレ》 この作品の設定では、「死」というものと深く関わってくるわけですが、この映画では、ほとんどのエピソードがいい話に回収されてしまって、その「苦み」のようなものがほとんど描かれず、ぼんやりとした印象です。公開当時は『黄泉がえり』や『いま会いにゆきます』とか、いい話路線の映画が多かった(あ、全部竹内結子だ)ので、これもそっちを狙ってたということでしょうか。ラストの花火とピアノのコラボだけは見る価値あるかなと思いましたが、そこにいたる過程がとにかく(姪役の竹内結子ばりに)強引なので魅力も半減でした。 [CS・衛星(邦画)] 5点(2011-10-18 06:33:31) |
369. X-メン
うーむ。ファーストジェネレーションを見て面白かったので、シリーズ第1作にも手を出してみたけれど・・・。テーマ的には共通しているけれど、この第1作ではあまり掘り下げられていないので、「設定」を説明しているだけで、肝心のキャラたちの苦悩が生々しく伝わってこない。とはいえ、シリーズ化を前提としたキャラクターたちの顔見せ的な作品だと思えば、こんなものか。 [DVD(字幕)] 5点(2011-10-16 01:54:04) |
370. うさぎドロップ
原作もアニメも未見。設定も演出も脚本も、なんかうまくかみ合っていない。芦田愛菜は、僕が見ただけでも、「他人」と暮らすことになる話が3回目(あとの2つはテレビドラマですが)で、さすがにキャラ被りすぎ。大吉の喜怒哀楽の感情表現はマンガ的で、急に6歳の女の子を育てることになった「不安」の表現としては理解できるのだが、せっかくの実写映画なので、もう少し丁寧にとその不安感や不安定さを表現してほしかった。それから、映画のクレジットにいくつか「イクメン」系の団体の名前があったが、本当に彼らが監修や助言をしたのかと思うほど、「男の育児」という点では安易な表現が目立つ。たとえば、子どもに相当の熱があれば、保育所がどういう対応をするか「イクメン」なら知ってるでしょ。あんなふうにほったらかしなんてあり得ない。子ども抱いて走ってれば育児を表現したことになるのか。そういう細かい表現の荒さや薄っぺらさが積み重なって、映画としての完成度を低くしてしまったようです。残念。 [映画館(邦画)] 4点(2011-10-13 05:18:55)(良:1票) |
371. ゴールデンスランバー(2009)
《ネタバレ》 原作既読。「首相暗殺の犯人に仕立て上げられた男」という古今東西の巻き込まれ型エンターテインメントの典型のような設定なのに、その「真相究明」やら「主人公の逆襲」みたいなところを完全に無視して、ひたすら「逃げる」原作を、きわめて忠実に映像化してます。個人的には、この原作も映画も、サスペンス・アクションというよりも、ロードムービーなんだと思う。そこが原作の味なので、下手なCGで娯楽アクションに改悪されなくてよかった。というか、爆破シーンやラストの花火のお粗末な映像技術を見る限り、そうしてたら悲惨な映画になってただろう。とはいえ、あの宣伝の仕方じゃ壮快なエンタメを期待するなというのも無理な話だし、人間ドラマとして見れば細かい描写よりも「いい話」的な伏線回収のほうに熱心な感じなのもマイナス(これも原作者の悪い癖だと思いますが)。要するに、原作のよいところもイマイチなところも、きちんと映像化した作品ということでしょうか。原作ファンには安心の出来だと思います。 [地上波(邦画)] 7点(2011-10-03 06:36:14) |
372. 椿三十郎(1962)
《ネタバレ》 予想よりコミカルな展開でちょっと戸惑ったが、これはこれで面白い。コミカルであるだけに、三十郎が逃げ回る敵方の侍たちをあっという間に切り殺すシーンや超有名なラストシーンでは、殺陣の爽快感よりも「人斬り」の哀しさのようなものがいっそう際立つ。そういう三十郎や室戸半兵衛の生きる世界と、若い侍たちの生きる世界は全く異なっている。そのコントラストが喜劇にもなるし悲劇にもなる。短くあっさりしているが深い。さすがの名作。 [CS・衛星(邦画)] 8点(2011-09-21 16:43:50) |
373. プリンセス トヨトミ
《ネタバレ》 原作既読。3人の会計監査官の性別が微妙に変わっている(原作では鳥居がおっさんで、ゲンズブールが若い女性の設定)のは何でかなあ。綾瀬はるかを走らせるため・・だけ・・? 物語はほぼ原作どおり。ツッコミどころも原作どおり多数あるが、原作の場合は、そういうツッコミをするのが無粋に感じるような世界観づくりの巧みさがあったように思う。でもこの映画は、小説の文章をそのまま絵にしてみましたという感じで、映像でしかできない世界観を作り上げようという気概がゼロ。原作も個人的にはあまり好きではなかった(若干期待はずれ)だったのだけれど、この映画版は、原作のダメな部分を忠実に映像化しましたという感じの残念な出来でした。 [映画館(邦画)] 4点(2011-09-05 14:18:30) |
374. SUPER8/スーパーエイト(2011)
《ネタバレ》 スピルバーグとエイブラムズという新旧エンタメ作家の共作という雰囲気で、TVドラマ『LOST』のスリルとサスペンスのなかに『ET』の子どもたちを放り込んだという感じでした。とくに最初の列車脱線シーンは、『LOST』の墜落シーンを思わせる見事なスペクタクルでした。宇宙人が思ったより凶暴でびっくりしましたが、それは80年代と現代と比べて「他者」というものの持っている意味がすっかり変わってしまったということでもあるかもしれません。9.11以降のあれこれを考えれば、恐ろしい存在のエイリアンだからこそ、そのエイリアンと心を通わせることの意味というかメッセージ性はとてつもなくストレートなわけです。これは『ET』とは似て異なる、現代的なメッセージを反映した映画だといえます。ただ、それでも、やはり2人の映画作家の世界がうまく共存しているとは言い難く、スピルバーグで育った自分にとっても、あまりにもスピルバーグ映画へのオマージュを詰め込みすぎの印象でした。もっとエイブラムズの色というか、「2010年代のSFはこういうものなんだ、すごいだろ」というところを、見せてほしかったなあと思いました。 [映画館(吹替)] 6点(2011-09-05 13:59:32) |
375. X-MEN:ファースト・ジェネレーション
実はシリーズ通してはじめてちゃんと観た(ほかの作品はテレビ放映時にちらっと見た程度)。もともとX-MENシリーズの背景にはアメリカの人種をめぐる問題があると言われていたわけですが、この作品では、X-MEN物語の誕生とアメリカの人種問題が歴史的にも結びつけられています。舞台となっているのは、1962年のキューバ危機ですが、実はこの時代はアメリカでは人種差別の解消を目指した公民権運動の時代でもあります。有名なキング牧師の「私には夢がある」演説が1963年です。しかし、この時代には、白人との「統合」を目指すキングとは対照的に、黒人の誇りや自立を求めるマルコムXも新しいリーダーとして登場してきます。本作のチャールズとエリックの対立は、この2人の黒人リーダーの対立に重なるものとして描かれています。いま私たちが直面している人種問題の根源的な対立(これはアメリカだけの問題ではなく、世界史レベルの問題の象徴として「ホロコースト」がある)を、物語のなかに、ちゃんと歴史的な同時代性をもって描きこむことで、単なる勧善懲悪ではない深みを物語に与えています。しかし、そんな頭でっかちな内容に終始しないのも本作のすばらしいところで、さまざまなミュータントが能力を発揮するようになるプロセスは見てて楽しいし、アクションにもセンスを感じます。娯楽映画としても一級品というところもすばらしい。 [映画館(字幕)] 9点(2011-09-04 10:44:47)(良:3票) |
376. クヒオ大佐
冒頭とラストに姿を見せる政治パートは、金さえだせば自分たちに都合がいい幻想を見せてくれる、という風刺だったのかもしれないけど正直前面に出しすぎ。さまざまな解釈がありえるクヒオ大佐と女たちのドラマの可能性を「ワイドショーのコメンテイターが無理して国際政治を語ってる」みたいな中途半端なものに貶めてしまったように思いました。主演の堺雅人をはじめ役者陣は誰もがすばらしかっただけに、本当にもったいない。 [DVD(邦画)] 5点(2011-08-30 14:10:01) |
377. 阪急電車 片道15分の奇跡
《ネタバレ》 沿線近くに住んでます&原作は未読。阪急今津線を舞台に展開する群像劇で、短編小説集をそのまま映画にしたような感じ。個々のエピソードは比較的あっさり気味で、サブタイトルの「奇跡」は誇大広告だと思います。ファンタジーを期待したら何も起きませんでした・・・。ただ、映画のなかの各駅停車の電車同様のんびりまったりと見ていたらラストの2人の接点が思い出せず混乱したのは僕だけかと思ったらそうではないようで安心しました。関西、とくに「阪神間」における「阪急沿線」というものがもってるイメージ(「数千円のランチ」「大学生」「上品な老婦人」など)をうまく表現しているなあとは思います。地元民としては、西宮北口から今津駅までの「今津(南)線」も忘れないで~と言いたいけど、こっちを舞台にすると、もう少し下町人情もの的な話になってしまいそう。 [DVD(邦画)] 5点(2011-08-25 06:21:54) |
378. マイティ・ソー
《ネタバレ》 国際線の飛行機で鑑賞。なので、迫力不足はいなめず、映画館で見た方よりも点数が低めかも。予備知識ゼロで見たので、アメコミの世界に再現された『ゴッドファーザー』だと思ってみてたら、ソニーが改心してマイケルに支配されたコルレオーネ家をとり戻す、という話でした。別に『ゴッドファーザー』に限らず、ギリシャ悲劇からシェイクスピアまで定番のテーマではあるわけですが・・・。そういう意味では、ケネス・ブラナーという監督のチョイスは面白かったと思います。 [DVD(吹替)] 5点(2011-08-24 11:32:38) |
379. 八日目の蝉
《ネタバレ》 原作既読。基本的に時系列順に話が展開する小説と異なり、映画では2つの時間軸を交互に見せることで希和子と恵理菜のそれぞれの物語の重なりがうまく表現できたと思う。ちょっとあざといというか、わかりやすすぎ、という気もしないでもないが、小説以上にさまざまな観客を想定した映画の場合、それも一つの方法なのだと思う。2時間半という時間を考えれば、どちらかというと希和子のエピソードにページを割いた原作に対して、「恵理菜の物語」として全体を再構成したのも正解だったのだろう。そういう意味で、ラストが原作と異なっているのも、「恵理菜の物語」としての映画版としては十分に納得できるものだった。実は本作を観に行ったのは、原作が好きだったこともあるのだが、この夏休みに小豆島に家族旅行に行くことになったのも理由の一つだったのだが、あとでガイドブックとあわせてみると、見事に小豆島の観光スポットを抑えていてびっくり。小豆島観光協会の人たちがんばったなあ、と妙に関心してしまった。しかし、そういう映画の裏事情のようなものが嫌みにならないくらい、本作では小豆島という場所が魅力的に描かれていた。夏休みの小旅行が数倍楽しみになりました。 [映画館(字幕)] 8点(2011-07-22 18:04:34) |
380. ガン・ホー
不思議な映画だ。冒頭の「自己改造セミナー」から川での水練まで、奇妙キテレツな日本描写のオンパレード。日本語の発音がまともにできない俳優に日本人を演じさせるというトホホなお約束。本当に酷い。けれど、文化ギャップを笑うというハリウッド・コメディの定石を考えれば、これらのステレオタイプもある種のメソッドとして理解できるし、それに目くじらを立てるのもどうかなという気もする。それよりも不思議なのは、この映画のメッセージだ。映画の序盤から中盤までは、時代の変化についていけず、自分たちの価値観にこだわり続けるアメリカ人のほうが偏狭な人たちであるかのように描かれる。そして、主人公は日本のやり方を認め、また日本人ビジネスマンもアメリカの価値観を認めるようになる。ジャパン・バッシングまっただ中に作られたこの映画を、当のアメリカの観客たちはどう見たのだろうか? この映画のメッセージは、80年代の観客にはリベラル過ぎたのではないか? 内容的には、80年代に量産されたコメディ映画の定番パターンであり、いま見て新鮮に思うものはあまりないが、「異文化を笑いながらも認める」という姿勢には、どこかハリウッド的な懐の深さを感じさせる。 [DVD(字幕)] 6点(2011-07-08 08:24:03) |