3941. オールウェイズ
《ネタバレ》 いい年したおじさんの純な恋愛を正面から讃美してみせた製作者のスタンスに感動。これこそが大人のラブロマンスです。主演3人はいずれもなかなかの好演ですが、特に、この種の「男勝りだけどよく見ると可愛い女性」を演じさせたら、ホリー・ハンターの右に出る人はいません。若い彼が引き寄せられるのもよく分かります。唯一の難点は、数回出てくる山中消火の場面が凝りすぎてて(特に音響)、本体のラブロマンスの部分を凌駕しかかっていること。この辺はスピルバーグの生真面目さが裏目に出たか。 [DVD(字幕)] 8点(2005-09-12 03:09:35) |
3942. ミート・ザ・ペアレンツ
《ネタバレ》 この種の受難系コメディでは、最低限のところでそれを切り抜ける知恵と器量が主人公にないと安心して笑えないのに、この作品では、むしろ主人公の無能ぶりと機転のきかなさが自ら危地を招いているので、イライラするばかりで少しも笑えない。彼女一族の冷たい視線に見送られて惨めに家を辞去するシーンのみ、哀感があって良かった。 [DVD(字幕)] 3点(2005-09-12 02:46:47) |
3943. エド・ウッド
《ネタバレ》 こんな変な人の人生を、全力で真面目に描写しているところが良い。主人公がやっていることは滅茶苦茶なのですが、芸術で大事なことは、周囲の視線とか段取りなどは無視した、こういう初期衝動であり、対象への愛情なのです。最後、主人公の周りに集まってきた変な人たちのその後の進路をいちいち説明してくれるオタク魂に笑いました。 [DVD(字幕)] 6点(2005-09-11 02:14:09) |
3944. スカーレット・レター(1995)
なかなか気合の入った歴史系ロマンスであり、やや大味な展開ながらも丁寧に筋を追っていて退屈しない。また、美術と衣装の頑張りは特筆すべきである。しかし、根本的な問題として、やはり、デミもオールドマンもデュバルもまったくのミスキャストであり、表情や立ち居振る舞いだけをみれば、とても背徳の愛に燃え上がるカップルとかそれに憤怒の情を燃やす夫には見えない。また、ラストもテレビドラマ並に安直で、一気に拍子抜けしてしまった。 [地上波(字幕)] 6点(2005-09-10 19:57:19) |
3945. アナライズ・ミー
面白くすることは可能な設定なのに、ギャグの切れが弱すぎ。こういうのは、マフィアは強面だったのがだんだん普通の人になってくる(周りの部下はそれに振り回される)、弱気な精神科医はマフィアに影響されてだんだん強気でイケイケになってくる、みたいな展開が基本であり、それに即していったら普通に面白くなると思うんだけど。 [DVD(字幕)] 3点(2005-09-10 19:47:41) |
3946. トラフィック(2000)
構成の試みとしてはなかなか面白いのだが、とにかく長い。いや、長いのはいいのだが、行けども行けども同じようなことを繰り返しているばかりで、話が少しも前に進んでいかないので、見ていて気が滅入ってくる。途中、30分くらい抜いても分かんないんじゃない?俳優たちの役作りはなかなか気合が入っていて、その部分で作品を何とか成り立たせている。 [DVD(字幕)] 5点(2005-09-09 02:34:47) |
3947. フレッシュ・アンド・ボーン/渇いた愛のゆくえ
《ネタバレ》 大平原を基調とした撮り方は悪くないのだが、内容的にはダラダラ長い印象を受ける作品だった。ヒロインはもっと、ベースは純粋で、でも人生の暗い影もあるという表現をしていかないと、設定過去の説得力が出てこない(そしてメグには無理であることはいうまでもない)。また、グウィネスの役は、もっとアホっぽい、または何も考えてなさそうな人にやらせるべきだった。この演技だと、何で彼女がカーン親父についてきたのか、まったく分からないのですが。 [DVD(字幕)] 4点(2005-09-09 00:08:23) |
3948. ラスト・リミッツ/栄光なきアスリート
特に波乱も意表をつく展開もなく、彗星のように走り抜けたアスリートの姿を淡々と誠実に追っています。トラックを走るランナーの集団を、集団の中から(ランナー視点で)、フィールドから、スタンドからと贅沢に撮り尽くした映像が凝っているなあと思ったら、コンラッド・L・ホールだったのですね。しかし、98年製作とは思えないほど、画面の感じが懐かしさを漂わせています。 [地上波(字幕)] 6点(2005-09-07 01:53:46) |
3949. ムーラン・ルージュ(2001)
全然期待外れでした。ニコールもユアンも全然発声ができてないし、「歌っている表情」にもなってない。カメラと編集は悪趣味なほど遊びすぎで、見ていて酔いそうになる。ロックやポップスの有名曲をアレンジしてちりばめた趣向も、はっきりいって安直なだけ。ミュージカルが持つべきスピード感やビート感などゼロで、2時間が異様に長く感じました。点数は、何とか画面を成り立たせてくれた美術と衣装に対して。 [DVD(字幕)] 4点(2005-09-06 00:41:56) |
3950. エーゲ海の天使
主役の8人のイタリア兵が、みんなどことなく間が抜けていて、ちょっとしたやりとりでも実に楽しい。進行に伴ってだんだん個性が出てくるのも良い。しかも、脳天気なだけではなくて、よく考えたら深刻だったり悲しかったりする場面もあるんですけど、みんな何ら意に介さず前向きに進んでいくところが良いのです。それと、全体を包むエーゲ海の美しい風景は絶品で、ここでも得をしています。 [ビデオ(字幕)] 7点(2005-09-05 01:13:47)(良:1票) |
3951. スウィート・ノベンバー
前半と後半は別の話ですね。ラストへ向けての都合の良い展開も、えらく薄っぺらい。つまり、オータム・イン・ニューヨークとまったく同じ。タイプとしては好きな話なので、低い点がつけられないところまで同じ。 [DVD(字幕)] 5点(2005-09-04 22:26:54) |
3952. 橋の上の娘
どう見ても、単調な会話が延々と続いているだけの作品にしか見えなかったのだが…。ヴァネッサ・パラディも、ボソボソ喋っているだけで、期待したほどの可愛らしさが見受けられなかった。 [DVD(字幕)] 4点(2005-09-04 22:20:30) |
3953. 未完の対局
《ネタバレ》 骨は単純な話だが、時系列をうまく操作することによって、登場人物が少ない割にはなかなか壮大な規模の物語を現出することに成功している。ただし、戦中に中国で再会する場面は、文脈からいって必要だったかどうか疑問があるし、三田佳子の過剰演技は何となく浮いていると思う。 [地上波(字幕)] 6点(2005-09-04 22:12:36) |
3954. 愛と青春の旅だち
《ネタバレ》 単なる青春猛特訓&お気楽ハッピーエンドラブロマンスではない、ということに、今頃になって気づきました。(1)全体的に、各登場人物に妙な背景の暗さが漂っている。メイヨもシドも近しい親族を不慮の事情で亡くしている。ポーラやリネットは言わずもがな、毎期の訓練生に遊ばれるのを繰り返してきたんだろう。それを象徴するかのように、屋外のシーンの空はどよんとしている。それが、まるでかつての日本の大映ドラマのような奥行きをもたらしている。(2)途中でフォーリーがメイヨをしごくんだけど、フォーリーは突っ立って上から怒鳴るのではなく、メイヨの顔の位置まで自分の顔を下げて怒鳴っている。この辺に(アングルの便宜はあるにしても)演出の意志が感じられますし、卒業場面の説得力を強めています。(3)あの「ただ連れて行くだけ」のラストは、シンプルだからこそ強烈なのです。細かいところで、ギアがデブラを抱き上げた瞬間、デブラの帽子が落ちて、長髪がなびき、フィニッシュの図柄が完成!映画のラストシーンとはこうあってほしいよなあ。 [DVD(字幕)] 8点(2005-09-03 03:15:39) |
3955. 誘惑の接吻(キス)
《ネタバレ》 脳天気な邦題に反して、割と地道で切実な内容。主人公の少年がヘタレな一方である一線以上は動じず冷静であるのが、現実味があるようでもあり、面白みを削いでいるようでもある。「みんなから白い目で見られるとき、どう行動したらいいかは分かるわよね。私の子でしょう」というママの一言はいいですね。しかし、君はかつて「初体験/リッジモント・ハイ」で、ここでの息子の彼女とほとんど同じ役回りをやっていなかったかね、ジェニファー君。そりゃ叱れないでしょ。 [DVD(字幕)] 5点(2005-09-01 03:15:40) |
3956. ストリート・オブ・ファイヤー
《ネタバレ》 何なんだろう、この、当たり前のことを単純にやっているだけなのに、全編からにじみ出ている異様な格好良さは。つまり、登場人物(相手方悪役含む)をいかに格好良く見せるか、ということ以外は一切考えていない潔さが、奇跡的な純度の高さを導いているのだ。何より素晴らしいのは、あれだけ双方がもっともらしく動員していながら、最後は堂々とタイマンで決着をつけていること。それとやっぱり、オーラスで炸裂するジム・スタインマン畢生の超名曲"Tonight Is What It Means To Be Young"。 [映画館(字幕)] 8点(2005-08-31 03:18:43) |
3957. 存在の耐えられない軽さ
とにかく長い作品であり、行けども行けども話が少しも前に進まないのですが、それでも意外に退屈しなかったのは、主演の3人の静かな名演によるものでしょう。邦題も秀逸です。 [DVD(字幕)] 6点(2005-08-29 02:38:04) |
3958. チェイシング・リバティ
ローマの休日の現代ラブコメ+ロードムービー版といった趣で、ありがちとはいえ面白くなりそうな設定なのだが、主演の2人が演技下手すぎ。主人公にとっては、お嬢様生活では経験していない体験を経るはずなのだから、もっといろいろ表現があると思うけど、そこまでは考えなかったのでしょうか。脚本もやや中ダレ気味。着地部分も少々もたついている。 [DVD(字幕)] 4点(2005-08-28 22:19:50) |
3959. スズメバチ
終始、暗い照明の中でちまちましたやりとりが行われているだけであって、しかも誰が何をしようとしているのかが異様に分かりにくいため、何の面白みもない。弾丸の使い方にもまったく迫力なし。最後の方でちょっとずつ個々の役割が出てきますが、そこまででした。 [DVD(字幕)] 3点(2005-08-24 03:08:06) |
3960. カリブの熱い夜
《ネタバレ》 わざとつまらなくしているのかと思うくらい腑抜けたサスペンス。目標の女性を捜し出す過程に困難と苦闘が・・・と思ったらあっさり発見!その後、その女性と禁断の恋に落ちて、依頼主からは裏切り者として追われ・・・るどころか、あっさり円満に会話している!行方不明になった女性を今度は追って・・・どころか、あっさり目の前に登場!その後は、カリブも何も関係ない単なる都会派サスペンスの展開!いや、一体どうしたらここまでグダグダにできるんでしょうか?それでも3点差し上げるのは、やはり、フィル・コリンズのテーマ曲のため。別に好きな曲ではないが、これを聞くと、当時のヒットチャートの賑やかさと熱さを思い出すのです。 [DVD(字幕)] 3点(2005-08-23 02:48:06) |