21. ストレイト・ストーリー
おじいさんが身内に会いに行くというだけのお話なんだけど、トラクターに乗ってとっとこ走ってるのが、アメリカの地方の風景と合わさってとても和やかなムードがありました。時折顔を見せる、ちょっと思考の立ち位置が違う人々の発想や会話、その人たちの画面での配置などに、リンチ監督っぽさをほんのり残してる気がします。おじいさん、長い道のりの間にたぶん多くの事を考えて、いろいろと話したいこともまとめたと思うけど、最後にお兄さんに会ったときは、たった一言だけ。。。きっと、ささいな考え事より、もっと大事な忘れ物を見つけたんだろうと感じました。のんびりとあたたかな、だけど少し寂しい雰囲気の良作だと思います。 8点(2002-10-26 09:19:34) |
22. カジノ
スコセッシ監督+デ・ニーロさん&ペシーさんの作品では、僕の中で最高の作品です。一斉に守勢に転じたその後で避けられない破局をむかえていく人間模様のような、わりとありがち(かもしれない)な光景でさえ、しっかりとした説得力をもって描かれていて最後まで飽きずに観られました。デ・ニーロさんの演技は繊細ですし、ペシーさんは刺しすぎでとても素敵です。でも、個人的な趣向を除けばグッドフェローズのほうが出来が良いかもしれません。サムは、規模こそ違うものの、全てを初めから持っていて、最後まで持ち続けていたことが、とてもしんみりさせてくれました。祭りが終わると速やかにあるべき所に帰られるというのは、大人であるという事のある種の条件なのかもしれません。ちょっと憧れ。 10点(2002-10-16 21:45:14) |
23. ワンス・アラウンド
オールウェイズに続き共演のドレイファスさんとハンターさん、おまけに僕の好きなハルストレム監督の作品なのですが、微妙に個人的なツボをはずされたように感じます。作品自体は小品ながらやはり丁寧に撮られてるとは思いますし、俳優さん達の演技も決して悪くはないと思いますが、大きな主題である家族の他の方々の描写に配慮不足を感じてしまい、自分の中で消化不足となってしまいました。でも全体としては、とてもムーディーで良い作品だと思います。 5点(2002-10-16 21:23:32) |
24. ザ・ファン
怖いと言うより悲しい気がしました。主人公のギルも、キレてるというより寂しい人に見えました。道に迷って、道しるべになるものは何もかも剥ぎ取られて(自分のせいだけど)、どっちにいっていいかおろおろしてるような、そんな感じ。作品の出来自体は大きな穴があるし、撮り方も他にあるだろうと思うけど、妙に感情移入してしまったのでこの点数。ネジ山が潰れたネジは、ちょっとしたことで弾かれるのかも。 7点(2002-08-15 23:33:25) |
25. ガタカ
映像も音楽も、とても綺麗だという印象が残りました。劇中でえがかれた結果が、設定から引き出されるはずのそれとあまりにも乖離していて、ちょっとうまくいきすぎのような気がしましたが、それ以外は何の不満も見あたりません。ダダ泣きするというより、深く染みこんでくるような心地よさがありました。 9点(2002-08-12 14:13:46) |
26. ウォーターワールド
夏なので借りてみたけど、海映画なのに皆さん小汚い。でも、少し涼やかな気にさせてくれたので、おまけでこんだけ。 1点(2002-08-06 21:20:13) |
27. ショーガール
ケバケバしさと本音の掃き溜めの万華鏡みたい。バーホーベン監督に一生ついて行こう(出来る限り)、と思った作品その2。 9点(2002-07-30 23:22:30) |
28. ドグマ
アイディアとかはすごく良いと思うし、期待しちゃってたんですけどねぇ。RPG好きな自分としては、もっと脚本的にエグい展開をして欲しかったです。でも、ところどころのシチュエーションや全体を取り巻く安っぽさは個人的にツボだったので、これぐらいかと。 2点(2002-07-30 23:17:43) |
29. コーリャ 愛のプラハ
特に奇をてらった演出やエピソードを挟むでもないのに、徐々に和んでいく老人と子供の変化が、実に自然に描かれていました。最後のシーンでの演奏も、割り切って現実を受け入れた老人の、本音の部分での寂しさを表しているようで、とても印象的です。シンプルながら、しっとりとした余韻のある秀作と思いました。 8点(2002-07-04 21:05:47)(良:1票) |
30. わが心のボルチモア
とにかく地味な作品ですが、移民系3世代の意識や生活の移り変わりを丁寧に描写しています。役者の方々も淡々と演じられ、この作品のテンポをゆったりと進めているように思えました。TVというものを象徴的に家族の場という中に置くことで、世代間の意識格差を効果的に表現しています。決して安易なノスタルジーに浸ったままではない演出は、好き嫌いを分けるかもしれません。とてもできの良い佳作だと思います。(2003/10/14 見直して前より面白く感じたので点数変更) 8点(2002-07-04 19:54:56) |
31. ブロンクス物語/愛につつまれた街
価値観も立場も異なる二人の父親の、一人の青年に向ける感情。息子が恋人に示した感情。「愛情」って様々な形を持ってるというのをあらためて感じました。パルミンテリは文句なく素晴らしい存在感を示してます。また、デ・ニーロはもちろんここでも魅せてくれます。マフィアにも引かない父親に萌えました。 9点(2002-07-02 01:20:33) |
32. フローレス
NYの片隅で行われる人類(二人だが)補完計画。P.S.ホフマンの前面に出てくる演技と、デ・ニーロの一歩引っ込んだ演技が、ちょうど良いバランスで絡んで見事です。外から見られてる自分と本当の自分とを、主役二人がお互いに衝突しつつ、少しずつ明らかにしながら、それに折り合いを付けていく過程が心地よく写りました。 9点(2002-07-02 01:11:47) |