21. カポーティ
小説「冷血」は未読、トルーマン・カポーティについては「ゲイで人格破綻者」という知識のみで観たが、職業柄(性格も)多くの人にとって共感しづらい人物であろう主人公を見事に掘り下げ、演じ、その苦悩を提示してみせたフィリップ・シーモア・ホフマンは、やはりアカデミーに値したのではないかと思う。ただし作品自体は、彼の演技に救われた部分が多分にあったように感じた。 [映画館(字幕)] 6点(2010-05-08 17:47:46) |
22. 羅生門(1950)
どのシーンを切り取っても絵になるような素晴らしいカメラワークが印象に残る。ただでさえ重苦しい題材が力強く、かつ泥臭く撮られているので、鑑賞後に「引きずる」タイプの作品のような気がする。 [映画館(邦画)] 8点(2010-05-08 17:20:01) |
23. 最高の人生の見つけ方(2007)
重すぎず軽すぎない雰囲気で、爽快な気分になれる作品。名優2人の、肩の力を抜いた演技が絶妙。 [映画館(字幕)] 7点(2010-05-08 16:57:34) |
24. ドッグ・ショウ!
評価基準中「映画っていいたくない作品」にあてはまったので0点で。これを映画として制作する意味が理解できない。 [DVD(字幕)] 0点(2010-05-04 20:06:08) |
25. きみに読む物語
あまり捻ることなく直球勝負。「+α」を求める現代の風潮の中で、逆に新鮮さを感じさせる作品だった。観る人によって評価は様々だと思うけれど、素直に感動した。 [DVD(字幕)] 9点(2010-05-04 19:58:22) |
26. ブロークン・フラワーズ
《ネタバレ》 確立していたはずの「自分」というスタイルが、一通の手紙によって崩れていく過程を、悲しくもおかしく描いた作品。ラスト、あの年齢の男が見せる狼狽は相当に哀しい。 [DVD(字幕)] 5点(2010-05-04 19:36:02) |
27. クローバーフィールド/HAKAISHA
パニックムービーを、過去に経験した事がないほど「主観的に」観られる作品で、個人的にはとても楽しめた。続編を作る話があるのかは分からないが、もし作るのなら、臨場感が損なわれない程度に手ブレを修正してほしい。こういう作品を3Dで体験できたら楽しいだろうなと思うけれど、本気で気分が悪くなる人が続出しそうな気がする。 [映画館(字幕)] 8点(2009-11-08 17:35:39) |
28. めぐりあう時間たち
《ネタバレ》 自身の内面と向き合う描写が多く、女性特有の感情が根底を流れている(らしい)ので、いまいち理解に難しい部分もあったのだが、見応えのある作品ではあったと思う。ただ、ヴァージニア・ウルフについて描かれたシーンと「自死」という行為の間には、まだ距離があるように感じられ、彼女の決断に共感できるか否かは観客によって意見の分かれる部分ではないかと思う。 [DVD(字幕)] 7点(2009-11-08 13:23:08) |
29. マイ・ブルーベリー・ナイツ
「ノラ・ジョーンズを美しく撮る」という命題で監督を探すならば、五指に入るであろうウォン・カーウァイ。今回はそのセンスの光る映像に全てを費やしてしまった感がある。脚本・演出ともに褒められたものではなく、ジュード・ロウに至っては役柄への戸惑いすら透けて見えるほど。「映画に必要な要素とは・・・」と考えさせられる作品になっている。 [DVD(字幕)] 3点(2009-01-25 16:56:04) |
30. ノーカントリー
《ネタバレ》 凄まじいまでの緊迫感に包まれた作品。従来のコーエン兄弟の作品ではあまり目にする事のなかった完全な殺し屋を、ハビエル・バルデムが見事に演じきっている(とても『海を飛ぶ夢』での彼と同一人物とは思えない)。鑑賞後は絶望感と恐怖感が鈍痛のように残った。 [映画館(字幕)] 8点(2009-01-25 16:35:33) |
31. スパニッシュ・アパートメント
ただ何となく観るには良い映画。これといって強い主題に基づいたストーリーではなく、作品中にこれといって感情移入できるような人物がいるわけでもないので、何かを期待して鑑賞した自分は少々肩透かしを喰らった。 [DVD(字幕)] 4点(2009-01-25 16:08:10)(良:1票) |
32. 善き人のためのソナタ
《ネタバレ》 硬く凍ったかのような主人公の心が、芸術と人間味に触れ少しずつ少しずつ溶解していく。そこに主題がある筈の作品だが、他の方が述べられるように少々描き方に物足りなさがあった。ただ、抑え気味の演出が効いた作品全体の雰囲気などは非常に素晴らしく、深い見応えのある一本であることは間違いない。 [DVD(字幕)] 7点(2009-01-25 14:45:06) |
33. 戦場のピアニスト
《ネタバレ》 特定のヒーロー等ではなく、なるべく一般庶民の視点から戦争を描こうとした作品。しかし、主人公のピアニストとしての才能が彼自身を救っている場面もあり、その分共感しにくいストーリーとなっている点が惜しまれる。主役の名演や各シーンのリアリズムなど見所の多い作品だけに、あと一歩の所で名作になり損ねた印象を受けた。 [DVD(字幕)] 7点(2009-01-25 14:15:33) |
34. みなさん、さようなら(2003)
「アカデミー外国語映画賞受賞」「父子もの」というだけで「まずハズレはないだろう」と思って観たので、完全に期待を裏切られた。まさしく「ある意味貴重」。これだけ素晴らしい設定がありながら、結果的にこういう作品になってしまうとは・・・映画とは一歩間違えれば恐ろしいものだ。 [DVD(字幕)] 2点(2009-01-25 13:24:28) |
35. ラスト、コーション
《ネタバレ》 鮮烈な「逃げて」のシーンは、鑑賞から数ヶ月経った今でも鮮明に思い出される。目新しさがなく、むしろ既視感のある脚本をこれだけの素晴らしい映像作品に仕上げた監督と、演技力の要求される役柄を情熱的かつ冷静に演じきった主演2人が見事。 [映画館(字幕)] 8点(2009-01-25 13:07:59) |
36. ドリームガールズ(2006)
ステージのシーンが唯一の救いであり、一本の映画として見た場合にあまり魅力が感じられなかった。歳をとったダニー・グローバーの元気な姿が最も印象的。 [DVD(字幕)] 5点(2008-11-16 12:52:18) |
37. Mr.ビーン カンヌで大迷惑?!
ビーンが完全に顔芸だけのキャラクターへと落ちてしまっている。TV版と映画版2本との間には、非常に大きな差があるように感じた。 [映画館(字幕)] 3点(2008-11-16 12:31:28)(良:1票) |
38. ビーン
「映画だから」ということで、変に肩に力が入ったのだろうか?TVシリーズとは比較にならないほど酷い出来。 [DVD(字幕)] 3点(2008-11-16 12:25:20) |
39. ある愛の詩(1970)
単に古いだけなのか、またはシンプルさが売りなのか、、、主演二人のあまりに実直な姿は、近年の恋愛映画のみならず現代の実社会でも見受けることは少ないので、これだけ純粋なラブストーリーはある意味貴重なのかもしれない。 [DVD(字幕)] 7点(2008-11-16 12:12:43) |
40. あるスキャンダルの覚え書き
《ネタバレ》 ジュディ・デンチが主役たるに十分な存在感を放てば、対するケイト・ブランシェットも限られた脚本の中で壊れゆく女を熱演と、アカデミーの名に恥じない演技合戦が存分に楽しめる一本。特にジュディ・デンチの役は、彼女以外の女優が演じる姿が想像できないほどの適役で、暗く孤独なバイタリティーに溢れている。映画全体としてみると脚本の安易さや展開の唐突さが目に付くものの、これほど演技に支えられた作品も珍しいと思える一本。 [DVD(字幕)] 7点(2008-11-16 11:57:30) |