21. 男はつらいよ 望郷篇
《ネタバレ》 久しぶりの山田洋次氏の監督・脚色作品、寅さんユニットの面々がこれほど生き生きと仕事をしている貴重な作品です。「死」や「労働」が重要なテーマとなる喜劇の完成作品というと言い過ぎでしょうか。 でも、隠されたテーマがあるからこそこの作品に深みがあるのではないかと思います。 その隠されたテーマは「妹への恋情」ではないでしょうか。 豆腐屋の娘を演じた長山藍子は、ご承知の通りテレビシリーズで妹役を演じていました。 山田監督はその女優を第5作にしてマドンナにしたわけですから、とてもわかりやすい。 しかも井川比佐志(テレビでは「博役」)を婚約者にしていることからもそのストーリーが出来上がっています^^ 監督はこれが最後という気持ちで制作したという話も聞きますが、 これからの作品での寅さんの女性関係における危うい立ち位置を見事に描いている秀作だと思います。 倍賞千恵子(さくら)の絶妙の演技が光る作品でした。 おいちゃんの「だめだこりゃ」も完成形でした! それにしてもSLの存在感がすごかったですね^^ [インターネット(字幕)] 10点(2013-09-12 22:18:52)(良:1票) |
22. ワイルド・スピード/EURO MISSION
《ネタバレ》 緩急のバランスがあまり洗練されていないがそこそこおもしろい映画でした。 カーアクション(飛行機の前)は私が今まで観た映画(少ないですが)の中でトップクラスです! いろいろ突っ込みどころはあるのですが、 一つだけあげると、 滑走路長すぎだろう! につきます^^ [映画館(字幕)] 7点(2013-07-11 21:37:30) |
23. アフター・アース
《ネタバレ》 突っ込みどころがたくさんあるのはこの手の映画としてはあたりまえ。 それを承知でこちらは観ているのだが、 キタイが、(恐らくスーツの力で)空を飛ぶシーンで、 崖から飛び出すならもっと前に、 飛翔に対する逡巡が、伏線としてなければおかしいだろう。 [映画館(字幕)] 6点(2013-07-11 20:24:12) |
24. 男はつらいよ フーテンの寅
《ネタバレ》 印象的だったのは、坂口清太郎(花澤徳衛)の家の窓から見える風景。信夫がいる内はまだ外も明るく、工場の煙突の火がぼんやりと見えるが。彼らが駆け落ちで家を出た後、外は暗くなり工場の火はくっきりと見える。 お天道様が西の空に隠れて暗くなると、渡世人は生き生きとして見えるわけだ。 今回はさくらの出番が少ないが、博との喧嘩の翌朝、川の土手でみんなに散々言われた寅にさくらが優しく声をかける。さくらだけがお兄ちゃんの心をわかってくれる。寅は母親に認められた子供のように大きくうなずく。ほろりとさせられました。 他の方も指摘していますが、ほんとうに35分で良かったかも知れません。 わざわざおいちゃん達が温泉に行きそこで寅とばったりということですが、そもそも駒子達の婚礼に散財させられた一月後に、何の伏線もなく温泉に行くという設定が理解できないのです。 もったいなかったのは悠木千帆がちょい役だったことですが、同じ女中でもお澄の役なら・・・新珠三千代が食われてしまいますか^^ [DVD(邦画)] 7点(2013-06-29 16:13:35) |
25. オブリビオン(2013)
《ネタバレ》 そこそこ楽しめました。情景が美しくCGのデザインが好きです。 アンドレア・ライズブロー、いい女だし! しかし、頭が混乱してしまって良くわからないところが多々あり、それがすっきりしてから投稿すべきとは思うのですが、それがいつになるかわからないので取りあえず投稿しました。 No.52はそもそもどの時点でビーチの仲間達と一緒になったのか、ジュリアの記憶はどのタイミングで甦り湖の家に会いに行きたいと思うようになったのか、 ジュリアは死んだと思っていたジャックが奇跡的に生還したと捉えたのか、それともコピーと知ってて・・・え?あの笑顔か。混乱してしまいます。 とにかく、子供のDNAは何番だろうと変わりがないのだけは理解できました。 [映画館(字幕)] 7点(2013-06-23 16:12:08) |
26. 続・男はつらいよ
《ネタバレ》 ミヤコ蝶々が階段の踊り場で息子に再会したときの表情、すばらしい演技でした。 「このひとね、寅次郎さんなのよ。」「えっ!」 ふわぁっと寅の目の前に進み、しげしげと顔を見つめ、さらにめがねをかけて、 一瞬懐かしさがこみ上げ顔が綻ぶが、すぐにそれを払拭してきっぱりと拒絶する。 この一連の流れ、一級品でした。 「一瞬の笑顔」これが救いで、最後の寅とのシーンを暗示しています。 今回は東野英治郎とミヤコ蝶々の存在感が大きく、また短いシーンでしたが笠智衆の寅を一喝する演技もすばらしかった。怒られるかも知れませんが、マドンナの影がやや薄いと感じました。 ところで、盲腸の手術で入院していた財津一郎は、あれだけではもったいないと思いました。 寅さん、2作目も絶好調でした! [DVD(邦画)] 9点(2013-06-20 17:44:29)(良:1票) |
27. エンド・オブ・ホワイトハウス
《ネタバレ》 8点をつけたのは、まさに素直におもしろかったからです。 ジェラルド・バトラーの活躍とメリッサ・レオの迫真の演技に感動しました。 ただ、失礼な話ですが、映画を観ながら「ジャック・バウアー」ならこう動くだろうと、余計な思考が常に脳裏に浮かび難儀しました。ところで最初の交通事故(先頭車のフロントガラスに何かが激しくぶつかる)は単なる「事故」だったのでしょうか。まるでテロ攻撃のような始まり方だったのでずうっとそのことの「種明かし」を待ちながら映画を観ていましたが、まったくなかったので。 [映画館(字幕)] 8点(2013-06-08 21:45:09) |
28. ラストスタンド
《ネタバレ》 久しぶりのシュワルツェネッガー、年齢にふさわしい無理をしない演技で好感が持て、この老保安官役でさらに何作か観たい気がしました。もっとも田舎の町に頻繁に大事件が起こることはないので無理かも知れませんが。作品のテンポは適度なゆったりさ(緩さ)があり、わたしには許容範囲でした。CGを駆使しアップテンポで作り上げていく映画も良いのですが、たまにはこういう作品も観たいものです。ただ気になったのは、主人公がかつて麻薬組織の捜査で仲間を多数失い、激戦区から田舎に退いたという説明があるなら、若い男女の部下が敵組織の作業場所に近づいたとき、引き返すようにもっと必至になる演技が欲しかったことです。あとのことは笑って許せるんですがね。ガスマンがいい味を出していました^^ [映画館(字幕)] 8点(2013-04-30 17:39:50)(良:1票) |
29. 男はつらいよ 寅次郎忘れな草
《ネタバレ》 深夜に酔って虎屋に来たリリーが、別れ際に見せた涙は切ない。 おばちゃんの言うとおり、寅はリリーを追っかけていかなくちゃ・・・ リリーにしてみれば、寅が追っかけてきてくれないというもどかしさ。 寅さんは、やっぱり私と違って幸せ者、私なんかと違うんだわ、というところか。 切ない。 気になったのは、博が幼稚園から帰ってくる満男をあまりかわいがらないこと。もう少し満男を笑顔で迎えるような演技があっていいのではないかと思った。もしかして自分の父親との関係のトラウマ?そんな深い話ではないですよね。 [インターネット(字幕)] 8点(2013-04-15 23:00:08) |
30. 男はつらいよ
《ネタバレ》 何度も観た映画ですが、時間ができたのでまたはじめからじっくり見ようと思っています。 この第一作はご承知の通り監督もシリーズ化を考えていなかったようで、さまざまなエピソードが惜しげもなくてんこ盛りの一話完結仕様となっていますので、見応え十分のお得な「寅さん」です。 役者さんのしゃべくり、演技の切れがとても好く、またカット割りのテンポや間も絶妙で、何度観てもうならされます。また、話の説明がややもすると丁寧すぎるところもありながら、あえて省略して観るものの想像に任せるという小憎らしい演出もあり、堪りません。特に、さくらが博を駅まで追いかけ一緒に電車に乗った後、二人でどんな話になったのかということと、駅地下の大衆食堂で寅に殴られ飛び出していった登は階段の手すりで泣き、寅もラーメンをすすりながら己の不甲斐なさに泣いた後、どのようにして仲直りをしたのかの二点は、想像をかき立てられます。 このあとゆっくりシリーズを観ていくつもりなのでこの第一作は基準点と行きたいところですが、これを遙かに超える作品はないだろうと言うことで敢えて10点とします。肩を並べる作品に早く逢いたいものです。 [インターネット(字幕)] 10点(2013-04-10 15:08:48) |
31. 笑う蛙
《ネタバレ》 大塚寧々の醸し出す「ほんわか」とした雰囲気がこの映画の魅力の重要な構成要素だろう。 俳優陣もそれぞれ味を出していたが、唯一きたろうが物足りなかった(期待しただけに)。 題名の「笑う蛙」の意味について、クライマックス(この映画には似合わない言葉だが)で、大塚寧々が吉住の子供ができたことを告白し夫とは離婚し吉住と結婚すると宣言したとき、吉住(國村隼)のねっとりとした笑い顔で、あ「笑う蛙」そのものだと得心した。 もっともすぐあとに「うそぴょん!」となるのだが、吉住(國村隼)は気にもせず大塚寧々との新婚生活をはじめるのだろう。なにしろそんなこと(2回も伏線があったように)「蛙の面にションベン」だからだ。 ま、そこそこ楽しめる映画だった。ただ、倉沢は二日目に「約束どおり今夜出て行く」と言っておきながら三日目も納戸にいたのは「釣りの好きな墓石屋」に興味があったからなのだろうが、その居続ける伏線が弱かったのは残念だった。 [インターネット(字幕)] 7点(2013-04-08 18:19:47) |
32. デス・レース2000年
一言で言うなら、クレイジー!! その意味で、B級映画の極みと言えそうです。 クレイジーな映画をとことん見たいと思うとき、この映画はお薦めです! [インターネット(字幕)] 7点(2013-04-07 23:00:22) |
33. ツレがうつになりまして。
《ネタバレ》 「篤姫」での夫婦役とはまったく違う夫婦役を演じきっていました。ベースはあんまり変わらなかったけど^^ 丁寧な作りの映画って、見ていて安心できますね。 ただ、あの若さでそこそこの広さの一軒家、しかも数十年住んでいたかのような生活感のある家は作りすぎかなとも思いました。でも、あれはあれで作品全体の雰囲気をしっかり作っていましたから良かったのかも知れません。 照明もカメラいい感じでした。淡々とした撮り方をしている中で、ツレが都心の職場に向かう不安感を広角レンズを使って表現するところなど、好きなカットも多々あって満足です。 最後、イラストが動画となって浮いていくシーンは、あれ、こんどはあおいちゃんがDIDの発病?なんてまじめの思ってしまいましたが、どうやらそうではないようだと気づきホッとしました。 堺雅人さん、この映画でイグアナ好きになり「イグアナの娘」と結婚することになったわけではないですよね^^ [DVD(邦画)] 8点(2013-04-04 14:42:40) |
34. LOOPER/ルーパー
《ネタバレ》 タイムマシンもののSF映画は、どうも子供向けと言う先入観があったが、この映画は大人の映画だと思う。 わりと良くできたシナリオと丁寧な作り方は、登場人物の内面を良く表現していた。 CGを駆使した薄っぺらなSFものとは大違いだ。 しかし、 ラストでシドが救われる(多くの殺人も未然に防げた)というある意味ハッピーエンドなのだろうが、 映画と云えども子供を撃ち殺すと言うエピソードが残像として残り、後味が悪かった。 オールド・ジョーの葛藤はそれなりに見せていたのだが・・・。 クスリとさせられたのはウエイトレスの名前の長さ。 あの状況でのアメリカン・ジョークはお見事だった。 [映画館(字幕)] 7点(2013-02-23 16:49:06) |
35. ライフ・オブ・パイ/トラと漂流した227日
《ネタバレ》 まず原作を読みましたが、訳し方もあるのでしょうか、あまりしっくりきませんでした。ストーリーがすーっと入ってこなかったという個人的な感想です。 映画の方はというと・・・やはりストーリーがしっくりきませんでした。見ていて退屈したと言うわけではありませんが、この映画はストーリーよりもCGを楽しむ映画かなと思います。CGのできは素晴らしい! [映画館(字幕)] 7点(2013-02-04 22:22:15) |
36. アウトロー(2012)
《ネタバレ》 とりあえずトムクルーズの新作と言うことで、何の予備知識もなく見てきました。 古典的なとても地味な展開の謎解きに驚きましたが、それでも飽きさせなかったのは制作の勝利でしょう。 トムクルーズで見せる映画ではなかったのは、やや残念ではありましたが、それなりに楽しめたので結果としては満足です。それにしても、『ミッション:インポッシブル』のなん分の1の制作費なのでしょう。廉価(?)でもこんなすてきな映画が作れるんですね。あ、でもやっぱり、トムクルーズの魅力ということですね^^ 黒人の警官が悪に手を染めた理由が明かされずに終わったのが唯一不満でした。 [映画館(字幕)] 8点(2013-02-01 20:57:46) |
37. レッドクリフ Part II ―未来への最終決戦―
《ネタバレ》 原作に固執すると皆さんの不満もわかるのですが、ジョン・ウーがハリウッド受けを考慮した味付けの「赤壁」、と割り切って観れば高得点を献上したい。 原作にはない小喬や尚香など女性陣のエピソードが、ストーリーとの違和感もなく見事に散りばめられ印象深い。ただ、曹操のプライドを徹底的に踏みにじるきっかけを作った小喬に対して、曹操の怒りがあまり伝わらなかった点が不満で減点。 そう言えば曹操を悪者に描ききらなかったジョン・ウーの意図はともかく、観ていたわたしも曹操を憎みきれなかったのは、演じたチャン・フォンイーが志村喬に似ていたからかも知れない。 [映画館(字幕)] 8点(2009-04-19 17:22:44)(笑:1票) |
38. 愛を乞うひと
《ネタバレ》 何を見るつもりもなくチャンネルを替えていて、最後まで見た初めての邦画です。 サトウキビ畑など終わり方に疑問がありますが、いい女優と職人のカメラマンがきっちりとまとめる仕事をしている良い作品だと思いました。 自分を映す手鏡が日光を反射させながらさまざまな対象物を光で浮き上がらせ、鏡は最後に母と子を映し出したというシーンは見事でした。 愛を乞う人とは、ほんとうは母親だったのではないか、そこをはっきりとさせたら・・・いや、このぐらいで良かったのかも知れません。 とにかく邦画の可能性に気付かせてくれた佳作だと思います。 [地上波(邦画)] 8点(2009-02-11 00:20:29) |
39. ブラック・スネーク・モーン
《ネタバレ》 チェーンの呪縛の隠喩が見事! しかもラストに見せた彼女の自立の兆しがほっとさせるものの、このままでは終わらないネガティブな余韻が秀逸! [CS・衛星(字幕)] 8点(2008-10-13 00:02:50) |
40. デスペラード
《ネタバレ》 「エル・マリアッチ」を見てすぐにこれを見ました。う~ん、声を上げて笑えるところもあり、面白いことは面白いのですが、制作費に余裕があったせいか、前作より全体に冗長さが気になりました。 はちゃめちゃな展開はかまわないのですが、ラストの「兄弟」に関しては伏線が欲しかったと思います。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2008-10-02 23:39:46) |