Menu
 > レビュワー
 > イニシャルK さんの口コミ一覧。2ページ目
イニシャルKさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 1491
性別
ブログのURL https://www.jtnews.jp/blog/22718/

表示切替メニュー
レビュー関連 レビュー表示
レビュー表示(投票数)
その他レビュー表示
その他投稿関連 名セリフ・名シーン・小ネタ表示
キャスト・スタッフ名言表示
あらすじ・プロフィール表示
統計関連 製作国別レビュー統計
年代別レビュー統計
好みチェック 好みが近いレビュワー一覧
好みが近いレビュワーより抜粋したお勧め作品一覧
要望関連 作品新規登録 / 変更 要望表示
人物新規登録 / 変更 要望表示
(登録済)作品新規登録表示
(登録済)人物新規登録表示
予約データ 表示
【製作年 : 2000年代 抽出】 >> 製作年レビュー統計
評価順12345678910
投稿日付順12345678910
変更日付順12345678910
>> カレンダー表示
>> 通常表示
21.  ルパン三世 お宝返却大作戦!!<TVM> 《ネタバレ》 
今回はルパンたちが標的であるトリックダイヤを手に入れるため、かつてルパンのライバルだったマークが盗んだ品物を元あった場所に戻していくという筋立てだが、目的があるとはいえ泥棒が盗んだ品物を返していくという発想が面白い。実際、ルパンたちが世界中を駆け巡って次々と返していく前半はテンポもよく、見ていて楽しい。それに五右衛門が敵の女に狙撃されて深手を負ったり、次元が敵に捕まって拷問を受けたりするのはどうなるかが分かっていてもハラハラさせられる展開でわりといい。そしてラストに判明するお宝の正体。これが非常に美しく、今まで見た「ルパン三世」シリーズの中でも特筆もので、思わずうなってしまった。イマイチと思う作品の多いテレビスペシャルシリーズの中にあっても本作は良作の部類に入るのではないかと思う。余談だが、ルパンとマークが過去に盗みに入った場所としてトランプタワーが登場しているが、ここの主は今や大統領なんだよなあとつい思ってしまう。
[DVD(邦画)] 6点(2018-10-06 17:01:11)
22.  ゼロの焦点(2009) 《ネタバレ》 
松本清張生誕100年を記念して東宝で製作された「ゼロの焦点」の再映画化作品。野村芳太郎監督の松竹版を先週に再見したばかりだが、それから約一週間経ってから本作を見た。ドラマ部分に物足りなさを感じた松竹版と比べると本作は佐知子(中谷美紀)と久子(木村多江)の関係などのドラマ部分を掘り下げようとしている点や、松竹版で不足していた部分にも補足がしっかりされていて、松竹版よりもこちらのほうがストーリーは分かりやすくなっている。室田夫妻のキャラクターが松竹版とはまるで違うのも、まあこれはこれで悪くはない。しかし、中谷美紀演じる佐知子はどこか怪物的な怖さがあり、すごくインパクトがあるのだが、少々やりすぎてしまった感があり、演技もうまいんだけど少しオーバーに感じたのがちょっとなあ。(中谷美紀は普通の役よりもこういうややエキセントリックな役が似合うとは思っているけど。)禎子(広末涼子 主要三人の中ではかなり浮いて見える。)の推理シーンが断崖でないのは2時間ドラマっぽくなるのを避けたかったというのは分かるのだが、そこはやはりこの物語のハイライト部分なのでそのままが良かったかなとも思う。後半の途中あたりから終盤までが松竹版と変わってしまっているのはドラマ性を強調しすぎるあまりと思うのだが、逆にこんな話だっけと思ってしまうし、佐知子の夫とか最初とキャラがぶれていて違和感があった。久子の死に方も松竹版のほうが切なさが出ていたと思う。全体的な雰囲気も昭和に製作された松本清張原作映画を見慣れてるせいもあると思うのだが、なんかいかにも今どきの映画という雰囲気が出すぎていて、松本清張原作と聞いてイメージするものとは違う気がする。それに、記念映画として製作するなら何も過去に何回も映像化されているものでなくてももっとほかに映画化されていないものの方が良かったのではとも思えてしまったのも事実だ。松竹版と合わせて2作品見終わったあとの印象は最初のほうは分かりやすさで言えばこっちのほうが良いけど、終盤にかけては松竹版のほうが良かったというどっちつかずの微妙な感じ。点数はとりあえず松竹版の補完版と見て同じ点数を。でも、松竹版を見ずにいきなり本作を見たらどう思っていただろうか。
[DVD(邦画)] 6点(2018-09-22 17:43:34)
23.  クレヨンしんちゃん ちょー嵐を呼ぶ金矛の勇者 《ネタバレ》 
劇場版シリーズ第16作。もう劇場版は長い間見てなかったけど、しんのすけの声優が交代ということで劇場版をなにか一本見ておこうと手に取った。テレビシリーズの第一話からひまわりの生まれるまでを手掛けていた本郷みつる監督が12年ぶりに手掛けた劇場版で、夜しか活動できないゲストヒロインや、周囲に信用してもらえないしんのすけというのは「ヘンダーランドの大冒険」を思わせていて、実際にそれのリメイクっぽい雰囲気があるし、ほかにも日常描写が主の前半(「アクション仮面VSハイグレ魔王」)やロボットアニメやSFに懐疑的なみさえ(「雲黒斎の野望」)など本郷監督が手掛けていたころの劇場版を思わせる部分もあり、懐かしく思える。ストーリーがあくまで子供向けに展開するのも本郷監督らしい。しかし、敵であるダークの部下二人の最期があっけなすぎて思わず過去の本郷監督のシリーズならばもう少し悪役の個性と恐怖感をうまく出せていたと思う。(「ヘンダーランドの大冒険」のチョキリーヌ・ベスタやス・ノーマン・パーは今でも強烈に覚えている。)それに、野原一家が基本的に家から出ずにクライマックスのダークとの対決を迎えるというのもスケール感に乏しくこじんまりとしていてなんか地味な印象しか残らない。本郷監督らしさは出ていると思うが、なにかこうやっつけ感もある映画だったように思う。「アッパレ!戦国大合戦」での又兵衛役が素晴らしかった屋良有作が「ブリブリ王国の秘宝」に続いておかまを演じているのはちょっと今更感があるものの、このおかまの登場も本郷監督の劇場版クレしんらしいところ。それにしてもしんのすけの声優交代のニュース。去年だったか25周年のときにまさか「ドラえもん」のような事は起こらないよなと思っていただけに知ったときは正直びっくりしたというのが本音で、今は見るのは時々になってしまったけど、本郷監督や原恵一監督のころは大ハマりで見ていたので残念な気持ちもあるのが事実なんだけど、今は矢島晶子さんに長い間ご苦労様でしたと言いたい。そして、しんのすけが新しい声に変っても「クレヨンしんちゃん」は「ドラえもん」と同じくずっと続いてほしいと心から思う。
[DVD(邦画)] 5点(2018-06-29 01:28:54)(良:1票)
24.  しゃべれども しゃべれども 《ネタバレ》 
一人の若手落語家(国分太一)を主人公にした平山秀幸監督の映画。以前から気にはなっていたがなかなか食指が動かず、今になってようやく見たのだが、いかにも日本映画らしい雰囲気のよく出た映画になっていて、それに落語という題材がうまく合っていて生かされていてまさにこれぞ日本映画にしか出来ない映画といえる映画になっていて素直に面白かった。主人公である三つ葉(本名:外山達也)はなかなか真打に上がれないでいるが、それでも落語が好きで決してあきらめようとはしない姿勢が、見ていてつい応援したくなるし、彼の開いた落語教室に集まってくる三人がそれぞれ他人との会話が苦手な女性や、しゃべりが下手な野球解説者などコンプレックスを抱え、この三人と三つ葉の関りもちゃんとドラマとして面白くできていて、見始めてすぐは三つ葉が真打になるまでの話かと思っていたのだが、そうではなく三つ葉を含めた四人が自分のコンプレックスとそれぞれに向き合い、互いに一歩踏み出すまでが描かれていて、本作のテーマは落語そのものよりも他人との関り、自分の思いを伝えることの大切さ、これにあるのだと感じることができ、そうしたらとてもこの四人がとても身近な存在に思えてきた。三つ葉の元にやってくる三人の中でも、関西から引っ越してきた阪神ファンの少年がとくに良い味を出していて、この少年は本作の中でも特に印象に残った。その他の出演者でいうとやっぱり三つ葉の祖母を演じる八千草薫がなんともチャーミングで、落語の演目をつぶやきながら玄関先を掃いたりしている姿がなんとも言えないし、思わずこういうおばあちゃん、良いなあと感じさせてくれるのが嬉しい。落語が題材の映画とあって劇中に落語が披露されるシーンが多いのだが、三つ葉の師匠を演じる伊東四朗も、独演会における国分太一演じる三つ葉の落語も本当に自然な感じで、今まで一回もライブで落語を聞いたことがないのだが、思わずライブで落語を聞いてみたい、そんな気持ちになれたのも嬉しかった。物語としては、さっきも書いたように四人それぞれが一歩踏み出たところで終わっていて、明快にそれぞれの問題が解決したというところまでは描いていないが、それが逆に良かったし、この後のそれぞれの人生を想像してみるのも楽しい。なんだか見終わって久々に気持ちの良い映画を見た気がしたし、見て本当に良かった。平山監督は大作映画も手掛けているが、それよりもこういう地に足のついた映画のほうが持ち味が出ているように感じる。
[DVD(邦画)] 8点(2018-05-05 21:58:15)(良:1票)
25.  ゲゲゲの鬼太郎(2007) 《ネタバレ》 
「ゲゲゲの鬼太郎」の実写映画版。続編は9年前に見ているが、1作目である本作をまだ見ていなかったことに気づき、見る必要もなかったかもしれないが、今更ながらに鑑賞。やはり本作も2作目を見たときも感じたのだが、普通のファミリー向け映画という感じで、そこを逸脱したようなものは感じられないし、輪入道役で顔だけ登場する西田敏行など、出演者たちのコスプレショー感は2作目よりもこちらのほうが増しているが、ストーリー性を求めて見る映画でもないのでそれはそれでいいし、大泉洋のねずみ男や田中麗奈の猫娘など相変わらずハマっているのは見ていて安心できる。(本来はこちらが1作目で以前見たのが2作目なのでこの言い方は少々変かもしれないが。)本作の鬼太郎は両目がある設定で、その説明がされる2作目を先に見てしまっているために自然と受け入れられたが、今になって見るとクレーム対策かと思えてしまうところもある。監督は「釣りバカ日誌」シリーズを手がけていた本木克英監督で、妖怪役で谷啓やさっきも書いた西田敏行が出演してるが、冒頭に登場する建設会社の社長役で鶴田忍(「釣りバカ日誌」では鈴木建設次期社長になる常務役。)が出演しているのがなんか笑える。そういえばこの実写版シリーズは東映じゃなくてなぜか松竹の映画じゃないか。
[DVD(邦画)] 5点(2018-03-10 16:19:15)
26.  血と骨 《ネタバレ》 
崔洋一監督が「御法度」で俳優として共演したたけしを主演に起用して手掛けた映画。大阪へ渡ってきたたけし演じる在日朝鮮人の男の一代記を描いているが、とにかくこの男 金俊平の横暴で狂暴なキャラが終始際立っていて、演出やストーリー云々言う前にこのパワフルな主人公の存在に圧倒されっぱなしの2時間半で最後まで目が離せなかった。たけしは自身の監督作以外では久しぶりの主演だったそうだが、まさしくこの役はたけししか考えられないと思うほどにハマっていて、たけしなしにはこの映画は成り立たなかったのではと思う。ただ、やはり全体としては長い原作(未読)をがんばって映画にまとめているといった印象で、重厚で見ごたえある内容にも関わらずダイジェスト感が強くなってしまっているのは仕方がないと分かっていてもちょっと残念。とはいえ、連作でこの物語を見たいかと言われてもなにか微妙な感じ。絶対に感情移入できないような主人公なのだが、彼に振り回されるほかの登場人物たちには思わず同情に近い感情を抱いた。とくに、父親である俊平の暴行から逃れるために結婚し、その夫からも暴行を受け、自殺してしまう花子(田畑智子)が哀れすぎる。その通夜にふらりと現れた俊平が娘を出せと暴れるシーンは唯一、この映画の中で主人公の子供に対する愛情を感じさせていて良かった。(ちょっと笑ってしまったシーンでもあるけど。)ほかの出演者に目をやるとのちに「アウトレイジ」シリーズに出演する國村準や塩見三省が出演しているのが今になって見るとなんだかにやにやしてしまった。
[DVD(邦画)] 6点(2017-08-15 17:44:51)(良:1票)
27.  新・刑事コロンボ/殺意のナイトクラブ<TVM> 《ネタバレ》 
シリーズ最後のエピソードとなった作品だが、最終回らしい雰囲気はなく、印象としてはいつも通り。しかし今回はオープニングのクレジットの出し方などがこれまでと異なっていて、ところどころに今風な感じを受けるつくりになっている。でも、それがこのシリーズの雰囲気に合っているかといえば、現代的な感じがしすぎて妙な違和感を感じるのが正直なところ。76歳のピーター・フォーク演じるコロンボはとっくに刑事を引退していてもおかしくない風貌なのだが、手慣れたベテランとして事件を解決に導いていくあたりは安心して見ていられるし、今回はいつもの強引なやり方もない。少し犯人の存在感が弱すぎる気がするのだが、新シリーズではよくあることなのであまり気にならなかった。見たバージョンでコロンボの声を吹き替えているのは旧シリーズの追加部分でコロンボの声を担当している銀河万丈なのだが、旧シリーズでの演技と比べて抑えた感じで、年老いたコロンボの雰囲気がよく出ていたと思う。これで新シリーズはすべて見たことになるのだが、それにしてもピーター・フォークは35年間も同じ役を演じ続けて、渥美清の寅さんと同じく、役者と役柄が見事に一体化した良い例だと本作を見てあらためて思った。残りの旧シリーズの作品も全部見たいな。
[CS・衛星(吹替)] 5点(2017-06-18 14:01:44)
28.  大怪獣バトル ウルトラ銀河伝説 THE MOVIE 《ネタバレ》 
光の国を舞台に悪のウルトラマンであるベリアルとそれに立ち向かうウルトラ戦士たちを描いている。ハリウッド帰りの坂本浩一監督を起用し、画作りや特撮シーンにいつもよりも力を入れるなどいつものウルトラマン映画とは一味違う印象だが、最初から最後まで見せ場が満載で(特に主たる観客である子供を)飽きさせない作りで、このシリーズが未だに好きということもあるかもしれないが、自分が見てもそこそこ面白かった。なんと言っても冒頭から繰り広げられるベリアルの光の国への侵攻とその脅威がインパクトを持って描かれているのがいいし、このシーンはかなりの盛り上がりを見せている。ベリアルの猛攻に成すすべもないウルトラ戦士たちが逃げ惑う姿は衝撃的だ。(でも、冷静に考えると地球で怪獣から逃げ惑う群衆のセルフパロディのようでもある。)登場するウルトラヒーローたちは端役も含めてこれまで登場した戦士が全員集合といった感じで、中でも小学生くらいのころにビデオで見ていたグレートやパワードが懐かしい。光の国が舞台というと「ウルトラマン物語」を思い出すが、ハヤタ、ダン、ミライ、アスカという4人のウルトラ戦士の人間体のほか、ペンドラゴンの乗組員たちといった実写の俳優が演じる人物が登場するのが顔出しの俳優が一人も出演していなかった「ウルトラマン物語」との最大の違い。レオがゼロを鍛えるという設定は「ウルトラマンレオ」でレオ おおとりゲンの師匠がセブン モロボシ・ダンであるということにリンクしていて、とくにレオが昔好きだった身としてはなんだか嬉しい。テレビシリーズで一度も実現しなかったカプセル怪獣三匹の共演にも興奮してしまった。しかし、確かにゼロが戦いに参戦してからはゼロがいきなりセガールのような強さを見せてしまってこれまで苦労していた主要ヒーローが一気に引き立て役のようになってしまったのはちょっと残念だったかな。(セブンの息子という設定のゼロの存在は「史上最大の侵略 後編」を頭に入れてしまうと事実少し抵抗があるのだが、まあいいか。)タロウの声を石丸博也が今回も演じるなど主要声優陣は最近のシリーズ作品と同じになっているが、やっぱり、ウルトラの父と母の声だけは「ウルトラマン物語」の石田太郎と池田昌子の声がいちばんしっくりくると本作を見て改めて思った。
[DVD(邦画)] 6点(2017-06-15 00:55:23)
29.  アヒルと鴨のコインロッカー 《ネタバレ》 
中村義洋監督が初めて伊坂幸太郎の原作を映画化した作品。どんでん返しというのはクライマックスになって出てくるものというイメージが強いのだが、始まって一時間ほどして出てきてそこから改めてトレースしていくのがうまく、「ポテチ」でもそうだったのだが、本作も二度見たくなるような映画でよく出来ている。ゆるい感じだった前半に対して河崎(瑛太)が真実を告白してからの後半がシリアスで悲劇的なので、若干戸惑う部分もあるものの、そこからが面白く、引き込まれた。ボブ・ディランの「風に吹かれて」がストーリーのカギとなる曲として使われているが、この物語によくマッチしていて良く、見てからは曲を聴くたびに本作を思い出しそう。仏教徒のはずのブータン人が神云々のところや、短期間で日本語がぺらぺらになっているところなど、確かに突っ込みどころはあるが、見ている間はそれをまったく気にさせない勢いがあるのも、中村監督の伊坂幸太郎原作映画らしいところ。印象に残ったシーンといえば、やはりラストの椎名(濱田岳)とドルジが駅で交わすやりとり。東京の実家に帰ることになった椎名に「また帰ってくるよな。」と声をかけるドルジ。これまで語られたドルジの過去を思うと、また一人ぼっちになりたくないという彼の気持ちがひしひしと伝わってきて切ない。この二人がその後どうなるのかは描かれていないが、椎名は必ずドルジのところに帰ってくる気がした。重苦しいまま終わるのではなく、爽やかな後味と余韻を残した終わり方も好きだ。出演者に目をやると、ミステリアスな男を演じる瑛太が最初はかっこつけただけの印象だったのが、メインになる後半になると徐々に印象が変わっていくあたりはうまいし、ただのイケメン俳優というだけではない魅力に気づかされた気がした。そのほか、松田龍平も大塚寧々もいい味を出していたし、ヒロイン・琴美を演じる関めぐみも良かった。そして、濱田岳。中村監督の伊坂映画には必ず出演しているが、4本すべて見てどの映画の雰囲気にもよく合っていたと思う。やはり素朴な感じがして良い。
[DVD(邦画)] 7点(2017-06-10 20:30:54)(良:1票)
30.  フィッシュストーリー
それぞれの年代の一見なんの関係もないバラバラのエピソードが一つにつながっていくというのはとても面白いし、時系列の組み換えや演出のミスリードも映画的で良く、最後にストンと落とす終わり方もこの監督、原作コンビの映画らしくてすっきりしていていい。それぞれのエピソードはどれも面白く、中でも多部未華子と森山未來のエピソードは特に印象に残り、ここから一気に引き込まれた。物語のキーとなる「フィッシュストーリー」をうたう逆鱗のパートも普通にバンド音楽ものとしてよく出来ていて面白い。録音シーンを最初から最後まで見せているところなどこだわりを感じる部分も多く、B級臭さも確かにあるものの、全体的によく出来た映画で、佳作と言っていいものになっている。しかし、個人的には「ゴールデンスランバー」や「ポテチ」に比べて少し物足りないと思う部分もあったのも事実。ラストは確かにさっきも書いたようにうまいのだけど、そこへの入り方がやや唐突に思えたのも少し残念だったかな。見て数日経つのだが「フィッシュストーリー」のメロディが今も耳に残ってる。
[DVD(邦画)] 6点(2017-06-03 17:31:36)(良:1票)
31.  ゴールデンスランバー(2009) 《ネタバレ》 
あまり期待してなかったというか、予備知識がほとんどない状態で見たのだが、典型的な巻き込まれ型サスペンスで最初からテンポもよく、展開もスピーディーで伏線の張り方や回収の仕方もうまく娯楽映画としてなかなか面白かった。中村義洋監督はこの前見た「白ゆき姫殺人事件」でもそうだったのだが、本作でも真犯人は誰という方よりも、濡れ衣を着せられた主人公・青柳(堺雅人)がいかに逃げるかに重きを置いていて、(単に原作がそうなっているだけかも知れないが。)そこがけっこう面白いし、最後まで真犯人を明らかにしないのもこの手の作品だとずいぶん思い切った印象があり、コレにモヤモヤする人もいそうだが、本作については真意がそこではないので別に違和感は感じないし、これでいいと思う。それに見終わった後、結局犯人は誰だったんだろうと想像してみるのも楽しい。よく考えたら重いテーマなのだが、全体的に軽いつくりでリアリティもなく、漫画チックな感じがミスマッチな感じがするのだが、そんなに気にならなかった。後半部分はちょっとご都合主義的すぎたかなという気がしないでもないがギリギリ許容範囲というところで突っ込みながらもそれも含めて楽しんでいた。ファーストシーンがラストにというのはいかにも映画的で良いなあ。整形して別人として生きていかなければならなくなった青柳を思うと少し切ない気持ちになるんだけど。出演者に関しては堺雅人と竹内結子は去年「真田丸」でずっと見ていたので少し引きずってしまうかもと思っていたのだが、よぎることもなく見れたのでちょっと安心した。ほかの出演者たちも概ね好演しているが、中でも通り魔・キルオを演じる濱田岳が良い味を出していて印象に残る。「はじまりのみち」の便利屋役も良かったが、やはり最近の若手俳優の中ではわりと好きな役者だ。あと、青柳を追う刑事を香川照之が演じていて「鍵泥棒のメソッド」を思い出していたら、青柳の整形後の姿を演じていたのは滝藤賢一。「半沢直樹」は見ていないのだが、思わず少し見てみたいと思ってしまった。中村監督の映画を見るのはまだ2本目で、伊坂幸太郎原作の映画を見るのも本作が初めてだったのだが、このコンビの映画は何本かあるようなので、この中村、伊坂コンビのほかの映画も見たいと思う。
[DVD(邦画)] 7点(2017-05-03 00:49:59)(良:2票)
32.  僕の彼女はサイボーグ 《ネタバレ》 
もし恋人がターミネーターのようなロボットだったらというSF映画で、日本映画ではあるが、韓国の監督が手掛けているせいか、邦画ではないような雰囲気が独特の印象を残す映画になっている。(ほとんど日本映画しか見ず、とくに韓国映画ってまったく見ないんだけどいつもこんな感じなのか。)サイボーグ彼女(綾瀬はるか)が未来から送られてくるシーンは思いっきり「ターミネーター」のそれを彷彿させているし、その後にチンピラをボコボコにするのも同じであるなど、影響を受けているにしてはただのパクリじゃんと思うような部分が少し気になるものの、その後のストーリー展開は漫画的でありつつもそこそこ楽しめるものになっていて見る前に思っていたほどつまらなくはなかった。彼女を演じる綾瀬はるかはハマリ役で、見ていて本当にロボットに見えてくるほど。このあたり日本人の監督だったら中途半端になってしまうかもしれない。タイムトラベルを扱ったSF作品にありがちな矛盾もあるのだが、それを綾瀬はるかの魅力とロマンチックなラブコメストーリーで押し切った感はあるが、確かに気にはならない。地震のシーンはそれまでとは違いパニック映画のような演出だが、今見るとスペクタクルとして素直に見ることができないのは仕方ないことかもしれない。冒頭に登場した彼女そっくりの女の子の正体が最後に明かされるという構成はうまいのだが、ここがけっこうくどく感じたのがちょっと残念で、もう少しコンパクトに終わってほしかった。未来の自分がロボットを開発して過去の自分に送ってくるというのは見ていて「ターミネーター」よりも「ドラえもん」の都市伝説の最終回を思い出した。彼女を開発する未来の年老いたジローを演じているのが「クレヨンしんちゃん」の園長先生役など声優として知られている納谷六朗だったのは別に不思議なことではないかもしれないが、ちょっとビックリ。
[DVD(邦画)] 5点(2017-03-26 14:06:05)
33.  出口のない海 《ネタバレ》 
山田洋次監督が「釣りバカ日誌」シリーズ以外で久しぶりに脚本のみを手掛けた佐々部清監督による戦争映画。ハデな戦闘シーンを描かずに主人公以下登場人物たちのドラマを描いているのはいかにもホームドラマが主の松竹らしいし、回天という非人道的な兵器を後世に伝えたいという作り手の気持ちはわざわざ主人公がセリフで言わなくてもよく分かる。「釣りバカ日誌」シリーズは末期は脚本の適当さが目立っていたが、さすがに本作はそこまでの適当さはなく、脚本も演出も真面目で良心的。しかし、回天の存在を後世に伝えることに注力しすぎたのか、ほかのドラマ部分は薄いし、なにより主人公である並木(市川海老蔵)の野球への思い入れの強さがほとんど伝わってこないのが良くない。見る前はもっと野球を中心にストーリーが展開する映画だと思っていただけにここが薄っぺらいのは本当に残念。また先に書いた回天の非人道性も出撃時に故障(実際に多かったのかもしれないが。)が頻発するというありさまではかえって間抜けに見えてしまい、回天の恐ろしさというものもあまり伝わってこないのは映画を製作した目的がそもそもじゅうぶんに果たされているとは言えない気がする。出演者が現代的にしか見えない若者ばかりだったり、「この戦争は負ける」という並木のセリフは現代の戦争映画なので仕方ないと思うものの、主演の海老蔵の演技はやる気があるのかと疑いたくなるほど下手(「一命」のほうがまだ演技は気にならなかった。)で、ドラマが薄っぺらいうえにこれでは並木に感情移入することができない。海老蔵だけではなく「嫌われ松子の一生」や「十三人の刺客」ではさほど気にならなかった伊勢谷友介の演技もなにか微妙に感じた。それと、物語の語り手が途中からいきなり変わるのは違和感を感じる。映画としてもなかなか微妙な印象だが、テーマ自体は決して悪くはなく、存在意義もある映画だとは思うのでまあそれを考慮して5点。でも、山田監督が自ら手掛けていたらどんな映画になっていただろうという思いはある。本作と同じく回天を扱った映画である松林宗恵監督の「人間魚雷回天」をずっと見たいと思っているのだが、なかなか機会に恵まれないのが残念。いつか絶対に見てみたい。
[DVD(邦画)] 5点(2017-03-18 22:20:30)
34.  釣りバカ日誌20 ファイナル 《ネタバレ》 
シリーズ最後の作品となる第22作。今回の舞台は脚本を担当している山田洋次監督の映画でも舞台になることの多い北海道で、最後にここを舞台に選んだのはなにか嬉しい。また、末期の作品ではスーさんの出番が少なくなっていたのだが、最後となる今回はスーさんも出番が多く、あらためてこのシリーズの主役は浜ちゃんとスーさんだと感じさせてくれるのも良かった。前半ではいつものように若いカップル(吹石一恵、塚本高史)の恋愛と、ヒロインと母親(松坂慶子)の母娘関係が描かれていて、まさかいつものようにこのまま終わるのではと思っていたらそうではなく、後半にスーさんが倒れてしまうという展開になるのは完結編らしい展開で、いよいよ終わるという一抹の寂しさが漂っている。でもスーさんが亡くなって終わりという風にはならないのがこのシリーズらしく湿っぽくならずに良かった。最後はスーさんの会長退任で終わるのだが、それに続くエンドロールのバックの映像でレギュラー出演者が一同に会し、カーテンコールを行うという演出は今までこのシリーズを見てくれていたファンに対する関係者たちの感謝の気持ち、これがじゅうぶんに感じられ、途中飽き気味になった時期もあったものの、このシリーズをまだ寅さんシリーズを見始めるより前の中学の頃からずっと見ていることもあってか感慨深いものがあり、無性に感動してしまった。確かに寅さんシリーズ同様に初期の頃、寅さんと同時上映していた頃、栗山富夫監督の時代の作品の方がシリーズとしては面白かった気はする。でも、このシリーズは紛れもなく、寅さんシリーズとともに松竹を代表する喜劇映画で、誰もが安心して楽しんで見ることができるシリーズなんだと思う。そんなシリーズを21年間の長い間、支えてきた西田敏行と三國連太郎、浜ちゃんとスーさんにこちらからも感謝したい気持ち、そしてお疲れさまという気持ちが自然と湧いてくる。本当に今までありがとうの気持ちを込めての7点。それにしても、少年時代から長い間見ていたシリーズの最後の回を見るっていうのは感慨深さもあるんだけど、それ以上にやっぱり寂しさを感じるなあ。そういえば最近は寅さんや釣りバカのような毎年必ず作られるような実写のシリーズもの日本映画がないのがまた寂しい。これも時代だろうか。
[CS・衛星(邦画)] 7点(2017-03-15 01:21:58)(良:1票)
35.  釣りバカ日誌19 ようこそ!鈴木建設御一行様 《ネタバレ》 
シリーズ第21作。今回は別府が舞台なのだが、鈴木建設の社員旅行で訪れるというのがちょっと異色。でもその社員旅行にスーさんは参加していないのでシリーズとしてはちょっと物足りなさがあるし、シリーズレギュラーの谷啓演じる佐々木が一度も登場しないのもいくら次長になったからと言ってもなにか違和感がある。(既に谷啓が体調を崩していたのか?。)でも、シリーズ自体をかなり久しぶりに見るのだがストーリーとしては派遣社員や格差といったテーマを取り入れつつも軽い感じで進んでいくのはいつもと変わらない感じで安心して見ていられるのが良い。今回のゲストは常盤貴子演じる鈴木建設の派遣社員の女性と山本太郎演じる浜ちゃんの後輩なのだが、この二人が結婚するまでを描くのももはやパターンと化していてマンネリと言えばマンネリなのだが、多くをこのシリーズに求めているわけではないので、シリーズとしてはコレでいいと思う。でもこのシリーズで山本太郎と竹内力が共演しているのは「バトル・ロワイアル」とかを連想してしまい、少し不似合いにも思えた。ゲスト二人の恋物語が適当なのはいつものことなのだが、今回は鈴木建設の社員同士ということがあってか結婚式まで描かれている。浜ちゃんが考えていたスピーチとまったく同じことを先に総務部長がスピーチで言ってしまうのは10年ほど前に見た「祝辞」(シリーズ初代監督である栗山富夫監督の映画。)とまったく同じ展開で、見ていてつい懐かしくなってしまった。その総務部長を演じているのが佐藤浩市というのがサプライズな見どころで、格差をテーマにしていても結局最後は世襲なのねと強引に納得させられるキャスティングなのがある意味すごい。佐藤浩市の若い頃は三國連太郎との親子関係は悪かったみたいだが、関係が修復してからは共演も多く、一度はこのシリーズでの佐藤浩市のメインゲスト出演、本格的な親子共演を見たかった気がする。
[CS・衛星(邦画)] 5点(2017-02-19 12:34:31)
36.  次郎長三国志(2008) 《ネタバレ》 
マキノ雅弘監督のライフワーク的代表作である「次郎長三国志」を、東映版シリーズにも出演した甥の津川雅彦がマキノ雅彦名義で自ら監督を手掛けた平成のリメイク版。思ったより悪くはなく、津川雅彦のおじの思いを受け継ぐという思いも伝わってくるし、東宝版や東映版にはなかったシーンもとくに不満はなかった。子分役の俳優陣の平均年齢が高めなのが見る前は不安だったのだが、みんないい味を出している。特に法印役の笹野高史がどことなく田中春男演じる法印を思わせている。しかし、温水洋一の石松に関しては前半、森繁久彌や長門裕之の石松に対してドモリを強調しすぎていてかなりの違和感を感じる。それに尺の都合上、追分と石松とお仲さんの道中記の部分や仲間との出会いが大幅に省略されているのは仕方がないとはいえ、東宝版や東映版ではここが面白かった部分でもあるのではっきり言って残念。お牒さんが死ぬシーンは本作でもジーンとさせられるのだが、ちょっと長かったかな。ただ、これまでの映画よりも次郎長とお牒さんの愛を強調したつくりで、東宝版や東映版にはない簪を重要なアイテムとして使った演出がそれを感じさせていて良かった。子分の人数も東宝版、東映版に比べて少なくなっているのだが、監督である津川雅彦が東映版で3作目まで演じていた増川仙衛門が本作では登場していないのが印象的で、ひょっとしたら途中で降板したのが嫌だったのかなと憶測してしまう。東宝版、東映版双方に出演している長門裕之が本作にもちゃんと出演しているのはなんだか嬉しいものがあった。しかし、次郎長(中井貴一)とお牒さん(鈴木京香)の結婚から、お牒さんの死までを2時間ほどで描いているため、全体的に急ぎすぎている感があり、とくに先週まで東映版シリーズを見ていたせいか、まるで総集編を見ているような感覚が最後まで抜けなかったのも事実で、この物語はやはり単発よりも連作シリーズとしてじっくり見た方が面白いと本作を見てあらためて思ってしまった。最初に書いたように決して悪い映画ではないと思うのだけど。
[DVD(邦画)] 6点(2016-11-18 21:12:31)
37.  フラガール 《ネタバレ》 
最初は「シコふんじゃった。」や「ウォーターボーイズ」、「スウィングガールズ」のようなよくあるタイプの映画かなと思って見始めたのだが、とにかく中盤あたりの紀美子(蒼井優)とその親友・早苗(徳永えり)の別れのシーンあたりからのめり込んでしまい、それまではどこか傍観者的立場で見ていたのにそこから一気に引き込まれてしまった。炭鉱の事故で家族に犠牲者が出て、急遽帰ることを決めたまどか(松雪泰子)たちだったが、小百合(山崎静代)の一言でみんなの前で笑顔で踊ることを決めるシーンももちろん泣けるし、その結果、小百合の父の臨終に間に合わずに責められてまどかがすべて自分の責任ですと東京へ帰ろうとするシーンは、まどかのフラガールたちを思う気持ちが伝わってきてやはりここでも泣ける。このシーンと(前後するんだけど)早苗が父親(高橋克実)からフラのことをめぐって暴行を受け、許せないとまどかが風呂屋で入浴中の父親に殴り込みをかけるシーンは、まどかの非常に情に厚い性格をうまく表現していて、見ているこちらもついまどかを慕いたくなる。だからこそ今まさに列車に乗って東京へ向かおうとするまどかに向かって「私はあなたを心から愛しています。」という手話の意味を持つ踊りで自分たちの思いを伝えるシーンはこちらもフラガールたちと一緒にまどかに思いを伝えている気持ちになって見ることができ、大感動してしまった。(思い出しながらこれを書いていても泣けてくる。)娘のやりたいことについて頭ごなしに否定し、理解しようとしない紀美子の母親(富司純子 初めて登場したときにどことなく東映任侠映画の姉御のように見えてしまった。)がフラを練習する紀美子のところへ早苗からの郵便を届けに来て、フラを練習しているところを見て娘の思いを理解するシーンもベタといえばベタなのだが、二人ともこのシーンでは一言のセリフもなく、二人の表情だけで思いを語らせる演出が利いていて、そのおかげか、この二人にじゅうぶんに感情移入することができ、思わず感動してしまった。本作の中ではこのシーンはいちばん心に残るシーンだったし、このシーンを見るだけでまさにこういうのを映画というんだと実感できる名シーンだと思う。クライマックスのフラのショーは圧巻で躍動感があり、見ごたえじゅうぶんでこのクライマックスも感動的だった。しかし、本作はフラを練習して上達していく過程以上に、フラガールたちと周囲の人々との人間ドラマが深く丁寧に描かれていて、その点で最初に挙げた三作品とは一線を画すような印象があるが、その完成度は高く、人と人との絆の美しさや大切さ、そういったものを見事に描き切っている。正直見る前はあまり期待していなかったが、素直に傑作だと思えるような映画で、本当に見て良かったと感じられる良い映画だった。
[DVD(邦画)] 8点(2016-10-01 16:06:44)(良:3票)
38.  TRICK トリック 劇場版2
劇場版シリーズ第2作。今回も映画というよりはテレビシリーズそのままという感じだが、このシリーズはこれでいいのだろう。今回の敵役を演じるのは映画に出ているイメージがほぼない2時間ドラマのスター女優である片平なぎさという点から見ても、堤幸彦監督をはじめ、制作陣がテレビドラマのノリで作っていることは明らか。でも彼女が演じている佐和子のキャラクター自体はこのシリーズの敵役らしいインパクトはあり、思ったよりは悪くなかった。シリーズでおなじみである小ネタやパロディーは笑えることは笑えるが、佐和子の手袋の外し方とか、ゆーとぴあの「よろしく、ね。」などは元ネタをよく知らないせいか少しおいてけぼりを食った感じ。でも、「分かる奴だけ分かればいい。」というスタンスだろうからそんなには気にならなかった。回想シーンがすべてモノクロ処理されているのは連ドラ第1シリーズを思わせていてよかった。堀北真希が若い。
[DVD(邦画)] 5点(2016-06-30 22:58:11)
39.  TRICK トリック 新作スペシャル<TVM> 《ネタバレ》 
シリーズ初の単発スペシャル。山田(仲間由紀恵)と上田(阿部寛)のとぼけたやりとりは相変わらずだし、話としてもいつもどおりの感じでそこそこ楽しめた。しかし、DVDで連ドラ第3シリーズをすべて見終わった直後に本作を見たためか、マンネリ気味で少し飽きてきた感じ。上田と大柴(西村雅彦)が戦うシーンが明らかに間延びしていて冗長に感じるし、主題歌が鬼束ちひろではないことも若干の違和感がある。今回の敵役を演じるのは名取裕子で、サスペンスドラマで主役を演じることの多いイメージの彼女が犯人役というのが珍しい気がする。事件の結末はこのシリーズらしく、印象に残る。矢部(生瀬勝久)とその部下(池田鉄洋)がいてもいなくてもいいような存在と化していたが、この後のシリーズでの矢部と部下はずっとこんな感じなのかな。
[DVD(邦画)] 5点(2016-06-24 14:00:28)
40.  TRICK トリック 劇場版 《ネタバレ》 
このシリーズ、テレビの連ドラ版はBSの再放送で今回初めて見ているが、同じく堤幸彦監督がメイン演出を手掛けた同系統の「ケイゾク」や「SPEC」と比べるとそこまで大風呂敷を広げることもなく、そのおかげかかなり見やすくて、山田(仲間由紀恵)と上田(阿部寛)のコミカルな掛け合いがくだらないけど楽しい。本作は連ドラシリーズ版パート2終了後に公開された劇場版シリーズ第1作だが、劇場版だからと特別なことはせず、本当にテレビシリーズと同じノリで作られているのはシリーズこの時点までをずっと見てきた者としては安心して見ていられるし、「ケイゾク」、「SPEC」の劇場版のようにテレビシリーズのネタ(黒門島とか)を引っ張っていないので純粋に一話完結のエピソードとして見られるのも良かった。ただ、出来としてはやはりテレビシリーズのほうが面白く、テレビシリーズは1エピソード2話完結が基本なので、この劇場版はそれよりも実質30分ほど長いだけなのだが、その分だけ間延びしていて、とくに中盤の自称神三人(竹中直人、ベンガル、石橋蓮司)との対決シーンは見ていて少し飽きてくる。それに先ほどテレビシリーズと同じノリで安心と書いたが、あまりにもいつもと同じという感じで、それもちょっとどうかと思った。テレビシリーズでは山田の子供時代を演じていた成海璃子が別の役で登場し、山田を演じる仲間由紀恵と共演しているのは面白いが、やはり若干の違和感がある。
[DVD(邦画)] 5点(2016-03-25 00:18:10)
全部

■ ヘルプ
© 1997 JTNEWS