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放浪紳士チャーリーさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 1442
性別 男性
自己紹介 初めてこちらのサイトに投稿させていただいたのが2004年の1月。間もなく15年目の節目を迎える事に。
何かきっかけだったのかなあ・・・と思い返してみると、モンゴメリー・クリフト&エリザベス・テイラー主演「愛情の花咲く樹」(1957)が、なんで作品登録されてないんだ!って義憤(?)に駆られ投稿を始めたことを思い出しました。
レビュー数、今日現在1337本。自分が投稿した作品のレビュー読み返してみると結構気恥ずかしいことをつらつらと、とりとめもなく書いてるなあと反省しきり。
でも「冷たい熱帯魚」(2点)と「パッセンジャーズ」(6点)「3時10分、決断の時」(8点)なんか我ながら良くこんな文章書けたなと感心。
これからも宜しゅうお願いいたします。

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21.  女の園
「二十四の瞳」と並ぶ木下恵介監督の代表作。どちらかと言えば抒情に 流れすぎた前者より、硬骨さをも兼ね備えたこの作品のが絶対上!メンツがとにかく半端じゃない。木下映画の常連、高峰秀子に久我美子、「君の名は」でスター街道爆走中の岸恵子。圧巻は凄腕三人が束になってもびくともしない「悪役」高峰三枝子の存在感。いや~、見応えありまくり。話自体は今となってはギャグにしかなり得ないような、超封建的京都の名門女子大の制度改正を求める学生と学校側の抗争。友人を呼ぶときに「~様!」って呼ぶのも時代を感じさせる。後の学園紛争を予見した作品としての評価も高い。大島渚がこれを観て、監督を志したっていうのもうなづける逸話。ただ、完成した映画を高峰秀子と岸恵子、両女優とも観ていないと 何かのインタビューでの発言が気に掛かる。撮影現場でも女の争いがあったのか・・・?などとつい考えてしまった。 
10点(2004-01-25 11:35:04)(良:2票)
22.  愛情の花咲く樹
モンゴメリー・クリフトとエリザベス・テイラーのファンサービス感謝デー、フルコースディナー映画。よってこのお二人に何の興味もない方にとっては、ひたすら長いだけのメロドラマで、観る事に何の価値も見出せないはず。ファンなればこその10点満点とご容赦願いたい。映画会社MGMが第二の「風と共に去りぬ」の夢をと狙った、波乱万丈の大河風ロマンス。当時のこの手の大作には付きものの「前奏」「休憩」もちゃんと用意。ハリウッドきっての名カメラマン、ロバート・サーティースが捉えた、最盛期のリズの光り輝く美貌は、3時間観ていても飽くことがない。代表作「ジャイアンツ」(10点)と「熱いトタン屋根の猫」(8点)に挟まれた、彼女の長い女優暦の中では最も美貌が冴え渡り、脂が乗っていた時期でもあります。クリフトをカラーで観られるのは現在この映画だけ。それだけでも自分にとっては10点満点。ジョニー・グリーンのロマンチックなスコアもナット・キング・コールの主題歌も最高です。くれぐれもテレビの短縮版(3分の1以上もカットされてる)でこの作品を判断しないように。
[ビデオ(字幕)] 10点(2004-01-19 23:29:25)
23.  ファンダンゴ
高校卒業の春休み、友達4人と見に行った。「BTTF」が公開されたばかりのマイケル・J・フォックス主演「ティーン・ウルフ」と同時上映で、どっちかっていったらみんなそっちが目当て。でも見終わった後は、全員この映画についてばかり熱く語ってた。「ジャイアンツ」(56)のロケ現場の寂れた広大なテキサスの風景、「NO GO」(止めろ)→「GO ON」(行け)のギャグ。コスナーが片手を挙げる「乾杯」のラストシーン。すべてがカッコ良くて、おかしくて最高だった。名作でも傑作でもないけど、個人的に思い入れがある映画って誰にもあると思うが自分にとってはこれが正にそれ。「ドムに会いに行こうぜ」って台詞奴らまだ覚えて るんかなあ・・・。
10点(2004-01-14 21:20:21)(良:3票)
24.  ベティ・ブルー/愛と激情の日々 《ネタバレ》 
当時10代のドーテー少年には刺戟が強すぎましたね、この映画。それまで深夜のテレビでやってるエロ映画の存在は知ってたけど(年忘れ「エマニエル夫人」大会とか「窓からローマが見える」とか)あくまであれはエロの為のエロであって、真の情愛を伴っての濃密な性愛行為の描写にはまだ巡り会っていなかった。こういう互いに傷つけ傷つけあいながらも成り立つ愛もあるんだって。フランス映画の、恋愛性愛徹底至上主義を認識したのもこの映画が最初。外壁ペンキ塗立て海辺のコテージの佇まい、ヒロインの厚めの唇を半開きにした亡き顔のショットなんかを、30年以上経った今でもはっきりと覚えているのは、おそらく自分の中でこういう「愛と激情の日々」的恋愛に、どこかで憧れを抱いていたからかもしれません。ついぞこの歳までこの手の中途半端に手を出したら火傷する的な、恋の対象に遭遇する事は叶いませんでしたが。・・・いや、でもまだ間に合うかなぁ・・・。
[映画館(字幕)] 9点(2024-01-11 08:21:09)
25.  深夜の告白(1944) 《ネタバレ》 
この上もなく美しい悪女に手玉に取られ、骨抜きにされてみたい隠れM男の願望を、見事映像化して下さったビリー・ワイルダー監督の傑作。ウディ・アレンがこの作品を、史上最高の映画と高く評価しているのは有名な話ですが、彼がこしらえた幾つかのサスペンス作品のヒロイン像がこの映画のバーバラ・スタンウィックと、どこか重なる部分があるのもその話を聞けば納得できます。この両名監督のフィルモグラフィーを見るにつけ、やっぱりコメディとサスペンスっていうのは表裏一体なんだなあと。アカデミー主演女優賞に延べ計4回ノミネートされ惜敗したスタンウィック女史ですが、受賞するならこの作品しかなかったと思います。でも当時の社会通念だと、こういう役での受賞はやっぱり厳しかったんかなあ・・・。
[DVD(字幕)] 9点(2023-08-05 07:47:21)(良:1票)
26.  バニー・レークは行方不明 《ネタバレ》 
私の大好物な観客の心理誘導に秀でた極上サスペンス。脚本、演出、キャスティング、どれを取ってもこの手の映画の中では抜きん出た出来。特にヒロイン、アン=キャロル・リンレイ嬢の扱い方が秀逸。【以降鑑賞中】タイトルバックめっちゃ洗練されてる!誰の手に依るものかと思えばソウル・バス氏!⇒えっ!引っ越し直後なのに鍵もかけずに外出しちゃうの?大丈夫なん?この人(←ちょっとヘン?)⇒まあ、娘がいきなりいなくなっちゃうんだもん、取り乱すの無理もないよね。あ、この男性旦那じゃなくて実のお兄さんなんだ、ほほぅ・・・⇒お菓子の箱買ったことが証拠にはならんでしょうに。何言ってんだか(←ますますアヤシイ)⇒アメリカからの乗船名簿にこの母子の名前なし?!じゃあ一体・・・(←いよいよアヤシイ)⇒人形修理に出したからって娘がいたっていう何の証拠にもならんわい!(←絶対アヤシイ!!おい!いい加減に白状せい)⇒力技使って病院から脱け出すなぁ・・・、完璧にこれサイコだろ⇒ええええええええっ!!!そういう事だったんっ???※こっから先、怒涛のクライマックスに突入するのでネタバレ伏せます。粗筋やオチを知らずに観れば、深読みしないヒトならラストまで愉しめる映画だと思います。観客は警部役のL・オリビエ氏の視線で、このヒロインの行動を生温かく見守ってあげれば良いかと。彼女が病室のベッドから抜け出すシーン、一瞬軟体動物のように蠢く動作をした為、私はヒロインの女性が4歳の娘と実は同一人物で「ふしぎなメルモ」的変身を遂げるのかと、危うくミスリードされそうになりました。そしたら全然違うジャンルの映画になっちゃいますよね。
[DVD(字幕)] 9点(2022-08-03 22:46:30)(良:1票)
27.  グレン・ミラー物語 《ネタバレ》 
功成り名を遂げた人物の伝記映画として、ごくオーソドックス且つウェルメイドな作品だと思います。楽曲の挿入方も実に的を射た場面で流され申し分ない。脚本の要所要所での「省略方」も巧い。首の後ろをさする仕草の伏線も効いている。でも、何よりこの映画の魅力を二割増し三割増しにしているのは、『甦る熱球』(8点)以来の、ジェームズ・スチュアート&ジューン・アリスンコンビの、呼吸の合った素敵な夫婦っぷり。このお二人が揃って画面に登場すると、もはや役を演じているように見えない。これってホント凄い事だと思う。小柄な彼女がノッポの彼を、顎を上げじっと見上げるシーンだけで、一幅の絵になるというか、特に悲しいシーンでもないのに、自分は眼がウルウルしてくる。何故だろう・・・不思議。主演作が数多いJ・スチュアートと、特にお似合いだった相手役は誰だったんかなあと、ふと考えてみた。私見では、ジーン・アーサー(スミス都へ行く、我が家の楽園)ドナ・リード(素晴らしき哉、人生!)そして栄えあるナンバーワンは、誰がなんと言おうとこのJ・アリスン!このお三方ではないかと勝手に決めてみる。異論は大いに結構。決してグレース・ケリーやキム・ノヴァクではなく(映画としての評価は別)彼女たちの共通点は、揃ってアメリカの女優にしては小柄な事、ハスキー寄りの変わったヘンな声質の持ち主だという事。今一本、同監督作『戦略空軍命令』というコンビ最終作があるようなので、これも機会があれば近々鑑賞してみたい。♪ブギウギだけが俺のララバイいい夢みるぜ~ピカピカのパラダイス~キラキラのパラダイス~♪←『瀬戸内少年野球団』テーマ曲「イン・ザ・ムード」より。結構好き。
[DVD(字幕)] 9点(2022-07-26 22:46:06)
28.  飛べ!フェニックス 《ネタバレ》 
傑作です。「大脱走」や「パッチギ!」なんかと同じく、身体中の熱い血がたぎってくるような、そんな男騒ぎの映画です。自分がこの映画の中のキャラクターならどのタイプに当てはまるのか、一晩じっくり検討を重ねたくなります。どんなシーンでも、常にリーダー的存在(になりたがる)J・スチュアートや、危険を顧みず死地に赴く勇気あるP・フィンチはまず真っ先に消去。まるで犬死にする為だけに出てきたようなE・ボーグナインでもない。理系蘊蓄人間とは程遠い、軟弱文系人間だからH・クリューガーは絶対有り得ない。一見クールだけどホットなイケメン医師クリスチャン・マルカン氏も違う。あと目ぼしいところ・・・力自慢のG・ケネディか、仮病の達人軍曹さんあたりか、やだなぁ・・・この辺は・・・。あ、副機長の走れ正直者リチャード・アッテンボロー君がいたか。最後まで生き残るし。よし、今回の僕はキミに決定だっ!おめでとう!ラスト、フェニックス号が飛び立つ時、仲間達の墓標を映すワンショットにはホント感動しました。
[DVD(字幕)] 9点(2022-06-30 21:39:07)(良:1票)
29.  日本人の勲章 《ネタバレ》 
これは一言で言えば、映画史的にもよく言われている通りジャンル的に「現代版異色ウエスタン」っていうくくりなのかもしれないけど、全くもって不思議な感覚の映画。他で同類の映画とか、ちょっと直ぐには思い浮かばない。そういった意味でも、かなりの異色作。太陽が照りつける中、めったに列車が止まらない駅舎に一人降り立つのがスペンサー・トレイシー。待ち構えるのが、ロバート・ライアンにE・ボーグナイン、リー・マーヴィンにW・ブレナン曲者役者四人組+αときたもんだ。いや、この役者陣達が雁首揃えて安ホテルロビーでひとつ画面に収まってるだけで、画柄的にも全編ワクワクドキドキしっぱなし。善人役より、断然悪役が似合うロバート・ライアンが中でも一番の儲け役。しかも着こなしがやたらスマートでカッコいい!この邦題は全編を観終われば、それなりに意味を咀嚼しつつ納得。ジョン・スタージェス監督って、「ブラボー砦の脱出」や代表作「荒野の七人」でもそうだけど、構図の捉え方が抜群に巧いんですよね。いやー、面白かった!
[DVD(字幕)] 9点(2022-06-28 22:24:28)(良:1票)
30.  麻雀放浪記
麻雀を知らなくても楽しめるけど、知っていれば、よりもっと深く楽しめるという映画。和田誠さんという方は、自分がそもそも映画好きになった上では欠かせない大いなる指針となった恩ある方。映画に関する書籍で、人生で一番最初に購入したのは「ロードショー」とかのファン雑誌を除けば、和田氏と山田宏一氏の対談集「たかが映画じゃないか」(文庫本版)。ああ、こういう風な映画の観方もあるんだと、両氏の嫌みのない映画通っぶりにひたすら感心しきりで。昔の映画を積極的に観るようになったのも、和田さんの影響。イラストレーターがご本業だと知ったのはずっと後。奥様が平野レミさんだと知ったのは、実はお亡くなりになってからでした・・・。監督二作目も三作目もそれなりには楽しめたけれど、このデビュー作が一番映画作品的には面白かった。片山まさゆき氏の初心者用麻雀本を授業中に廻し読みしてたバカ学生時代に戻りたい。このコロナ禍がひと段落ついたら、当時の雀悪友連中に声かけて卓囲みたいと思います。麻雀って(フリー除く)少しだけよそよそしい知り合い同士をトモダチに格上げする、一番手っ取り早いコミュニケーション方法だったんですよね、当時は。
[ビデオ(邦画)] 9点(2021-05-26 20:49:32)
31.  ウェディング・バンケット 《ネタバレ》 
うん!ホントに良く出来た映画ですね~、これは。僕は、同監督「ブロークバック・マウンテン」(9点)も高評価していますが、それ以上にこれは良く出来た作品だと思います。まず同じアジア圏の主人公だけあって、より感情移入がしやすかった。人が人を思いやる為についた「優しい嘘」、その嘘をどんどん積み重ねていくたんびに、それぞれの心理の綾が複雑に絡みあって、やがて互いに互いを認め合い心地よいラストシーンへと収束していく・・・。個々のキャラクターも成長も巧みに描かれているし、それぞれの職業も巧く本筋に絡むように設定されて、優れた脚本のお手本のような映画だと思います。最初画面に出てきた時「いかにもゲイ」っぽかったサイモン君、優しすぎでしょ。一見、無機質無感情な主人公が彼に惹かれた理由も何となくわかる。バンケットレストランの支配人さんと主人公の親父さんとの何気ないやり取りとか、サイモン君と親父さんが河を眺めながら語り合うシーンとか、この監督の、一瞬だけ「韻」を踏むような一呼吸入れる演出もいいです。まるで本編に何度か出て来る、部屋に飾った掛け軸の楷書の文字みたいでした。親父さんが実は英語が理解できてたっていうのは読めてましたけど。でもこういうシチュエーションでのカミングアウトって、ゲイにとっては理想形じゃないですか?
[DVD(字幕)] 9点(2018-11-08 22:54:13)
32.  マンマ・ミーア!/ヒア・ウィー・ゴー 《ネタバレ》 
自分、前作も9点付けてます。映画館で何回かリピートもしました。いやいや、これ、続編としては上出来じゃないですか!!正直、前作で物語として完結したのにまたどうやって続編をこねくり回して製作するんだろう?って思ってたんですが、杞憂でしたね。改めてハリウッド映画の商魂の逞しさに感心しました。鑑賞前心配だったのは、もう前作でアバのメジャーな曲は殆ど使い切ってしまっている点、前作でも多少気になってた主要キャストの皆さんのさらなる老化。同じ流れで作ったら、あれから10年弱経ってるし、観るに堪えない代物になっているんじゃないかと。アバの楽曲ありきの、少々強引なストーリー展開が見事にはまった前作から一体どんな続編を作るんだろうって、前作のファンとしては危惧してた訳ですよ。(鑑賞中)・・・・なるほどなあ・・・。こういう感じで攻めてきたかあ。やるなあ・・・。おおっ、若い頃のドナ役の子魅力的やなあ・・・。アマンダ歌巧くなったなあ・・。そしてクライマックスで、またあの「ダンシング・クイーン」が流れてからはもうノリノリで観てましたね。この曲の使い方に関しては、前作よりも優れた演出だったと思います。そして、そしてオーラスでの、メリルの登場シーンでは思わず涙、涙・・・。ここまでずーっと引っ張ってきたのはこの為だったのかあ、と。あー、俺涙腺弱くなったなあ・・と思いつつも、心地よい気持ちで映画館を後にしました。多少気になる点はあるにはあるんです!大好きな「ノーイング・ミー、ノーイング・ユー」を、もうちょっといい演出で聴きたかったなあ、とか。でもね、前作に続いての、作品の底にずっと流れてる「ノー天気且つポシティブな人生肯定賛歌」、自分も大いに賛同したいと思います!ひとつ前の座席に座っていた外国人の女性が「ダンシング~」や「悲しきフェルナンド」が流れると身振り手振りを交えながら、一緒に歌っている光景に出会えました。ちっとも嫌な感じはしなかったです。いや、むしろ、この映画はこういう鑑賞の仕方が一番適しているのではないかと。
[映画館(字幕)] 9点(2018-09-02 08:56:18)(良:3票)
33.  42~世界を変えた男~ 《ネタバレ》 
懐かしのメジャーリーガーの名前を挙げろと問われても、ルー・ゲーリック、ディマジオ、ベーブ・ルースくらいしか思い浮かばない、野球にはイマイチ疎い自分のような人間が鑑賞しても、十分感動できるヒューマンドラマの秀作だと思います。いやあ、久しぶりに映画らしい、伝記映画としても非常にオーソドックスな作りの映画を観ました。大満足です!まず、脇の人物たちのキャラクターまで、こと細かく肉付けした脚本が◎、ガッチリ腰の座った抑制された演出もいい、役者もいい、音楽のチョイスもいい、時代色をうまく出した撮影や衣装も素晴らしい。登場人物たちの「その後」を紹介していく、エンディングの処理も自分好み。中でも、主役ジャッキー・ロビンソンに扮したチャドウィック君の面構えと、彼自身が持つ真摯な魅力が決定打。5年前の「インディ」以来久々の再会、少年時代からのファン、ハリソンの老け込み具合は、この映画の為の役作りと信じたい・・・。いや、まだジジイになるには早いぞ、ハリソン!!アメリカ映画って、野球を描いた作品に傑作が数多いけれど、新たな秀作がここに仲間入りしました。アメリカで人種差別が色濃く残っていた地域は、第二次大戦後当時でもディープサウスの周辺だけなのかと思ってた私が浅はかでしたね。一番感動したシーン、シンシナティ戦での背番号1と42との俯瞰ツーショット。あと、車の中での専属記者さんとのやり取りも良かった。この映画、↓牛若丸さんがレビューされてる通り、ホント、ところどころに感動ポイントが散りばめられてるんですよ。是非、この作品、映画館の大画面で観て下さい。
[映画館(字幕)] 9点(2013-11-02 00:12:19)(良:1票)
34.  ミッドナイト・イン・パリ 《ネタバレ》 
あ~、これめっちゃ楽しかった楽しかった~♪もう上映中ず~っとニヤニヤと頬が緩みっぱなし。粋で洒落てて上品で、しかも知的なファンタジーエンターテイメントの決定版!おそらくこれは、21世紀に入ってからのウディ・アレンの最高作ではないかと思われます。(ちなみにそれ以前の最高作は自分の中では「ブロードウェイと銃弾」)真夜中の巴里(←カタカナよりも断然この当て字!!)の街に、アレンが丹精こめて調合した魔法のスパイスを降りかけ、大人が楽しめる素敵な童話に仕立て上げてくれました。鑑賞後、ホント心が潤ったというか、こんなに豊かな気持ちになれたのは久しぶり。相も変わらず、エセ教養人を脇キャラとして臆面もなく出してくるあたり、アレン節健在なりって嬉しくもあったりして(笑)ともすれば浮わついた流れになりがちなファンタジー的展開の中にも、ちゃんと一本筋が通ったメッセージも自分には十分伝わってきましたしね。私がこの映画にスーっと入り込んでいけたのは、懐古主義で端から見たら救いようのない生来のロマンチスト、現実逃避的な主役のキャラクターに自分と似た部分を大いに感じたせいかもしれません。外見の差異はさておき。オーウェン・ウィルソン君の何気ないシャツとボトムの着こなしがやたらカッコいい。お手本にさせて頂きます!対するマリオン・コティアール嬢もすこぶる魅力的。結構な豪華な配役なのに、それぞれが分をわきまえ、出しゃばることなく役に巧くはまってましたね。あらかじめ張っておいた伏線はものの見事に回収、オーラスまで緩みも手抜かりも見当たらない手際の良さには舌を巻く。これぞベテラン監督の手腕。彼がこの異空間体験を経て、どんな小説を書き上げたのかが多少気になった程度。やっぱ映画は脚本がイノチ!こういう脚本が良く出来た作品を観るとつくづくそう思う。そう言えば、オードリーも「巴里は雨の日が一番素敵なのよ!」ってワイルダーの映画で言ってたような。これを観て巴里という街への憧れを、再びかきたてられる人も多いのでは?まだまだこれからもアレン先生は面白い作品を作ってくれそうで楽しみです。ついでに言うと、映画のポスターの図柄もセンスあるよなぁ・・・。好きな映画に出会うと、何でもとことん誉めたくなってしまうのが、昔っからの自分の癖。うん、とりあえず今年観た新作の中では間違いなくベスト。真夜中の魅惑の巴里とウディ・アレンに乾杯!
[映画館(字幕)] 9点(2012-05-26 22:42:41)(良:2票)
35.  秀子の車掌さん
『【秀子の】車掌さん』というタイトルからして、これは当時少女スターとして大人気だった高峰秀子のアイドル人気を当て込んでの製作だったことは想像に難くない。アイドルとしてのデコちゃんの魅力を生かしつつ、映画としても見ごたえがある作品に仕上げたのは成瀬監督の職人的手腕の賜物だと思う。戦後の数年間、絶不調だった成瀬監督は『稲妻』(10点)で奇跡の復活を遂げ、そこからまた第二の黄金期をスタートさせるわけだが、バスガイドをしている賢い末娘役に高峰秀子を起用したのは、戦前こしらえたこの映画での新米車掌役の彼女のイメージがよほど強かったからじゃなのかとも推測される。それにしてもこの映画のデコちゃんは本当にメッチャ可愛い。可愛い、可愛いと言っているうちに映画が終わってしまうほど可愛い(←アブナイ奴)自伝等にも書かれているが、背後にいろいろな重荷を背負っていたなんて画面からは微塵も感じられないほど嫌味のない愛くるしさをふりまいている。何かの作品のレビューの繰り返しになってしまうが、AKB軍団が幅を利かせているこの平成の世でも、もし彼女が現れたら、何の迷いもなく俺は大ファンになってしまうと思う。このレビュー未登録ではあるが『秀子の応援団長』という映画も、機会があれば観てみたい。ちなみにユーチューブで「煌めく星座」で検索すると、この映画の主題歌を唄う、在りし日の、まだまだお元気な頃の灰田勝彦氏と高峰秀子さんの動画が拝見出来ます。
[ビデオ(邦画)] 9点(2012-01-08 09:26:36)(良:1票)
36.  歩いても 歩いても 《ネタバレ》 
とにかく脚本が秀逸。一見ダラダラした日常会話のようにも聞こえるけど、それぞれが今置かれている環境、立ち位置、キャラクターまでちゃんと計算されているので、ついつい台詞に聞き入ってしまう強い力がありますね。男ってホント居場所がなくなってしまうんですよ、こういう時って。あちこち家の中ウロチョロするか、じっと部屋に閉じこもるか。YOUが演じた阿部ちゃんの姉ちゃんが、すごくリアルというか自然体でした。並み居る実力派役者の中、まるで自分の姉貴を見ているかのような彼女が僕は一番良かったと思います。(追記)後からジワジワ効いてくる映画ですよね~これ。フツー凡百の映画の内容なら、最近健忘症ゆえすぐ忘れてしまうタチなんですが、この映画はいぶし銀のように静かに光を放ちつつ記憶の中に残ります。めっきり減った日本映画の『良心』がこの映画からは強く感じられます。ゆえに1点追加。
[DVD(邦画)] 9点(2009-12-18 12:03:26)
37.  めし
自分と生理的に一番波長が合う大好きな監督、成瀬巳喜男の夫婦物ジャンルものの秀作。小津映画での折り目正しい居住まいで、約束事のように静かに微笑み、涙ぐみ、たたずんでいるだけの原節子よりも、この映画や『驟雨』での、ごく自然な感情のままに振舞う「倦怠期を迎えた妻役」の彼女が、数十倍魅力的だと思う自分はやはり少数派なんでしょうか?成瀬映画の「原節子」が語られる事があまりないのは、ちょっと寂しい。彼女の映画、結構数多く見てきたけど、この二本の彼女が人間くさくて好きなんだよなあ・・・。あ、あといま一本、木下恵介監督「お嬢さん乾杯!」の彼女もメチャクチャ素敵でしたね。この映画にも、成瀬映画の紋章みたいに登場してくるチンドン屋と、常連オバサン女優中北千枝子の顔が出てくるだけでなんか嬉しくなる。女流シナリオ作家の脚本だけあって、ところどころに女性目線の台詞が散りばめられていましたね。特に知り合いの娘(島崎雪子)が家に滞在する事になった時の「・・・お米足りるかしら?」と、米櫃を覗き込む原節子の台詞に妙に感心。なんて事はない一言台詞なのになあ・・・。
[DVD(邦画)] 9点(2009-11-07 11:25:11)(良:1票)
38.  麦秋(1951) 《ネタバレ》 
くっだらないお笑い番組で、相手の身体的欠点をあげつらい(髪が薄いだの顎が割れているだの)笑いを取ろうとする番組って最近多いですよね。何気なくテレビを付けてて釣られてつい笑ってしまう自分に対し、たまらない嫌悪感を感じる事があります。今の俺ってこんな低レベルの内容でも素直に反応出来てしまうんだなあって・・・。(しかもその芸人が自分の身体的欠点で笑いを取られる事が「オイシイ」と思っているフシが有る風情がたまらなく嫌)・・・ああ、こんなに俺のココロは荒れてササクレだってるんだ・・・っていう事をつくづく感じた夜、この日本的情緒とユーモアてきめんたる作品を久しぶりに再見し、口内炎のように荒れていたココロがしっとり潤い落ち着いていくような感覚を味わえました。後の「お早よう」(7点)は、この映画の兄弟たちのエピソードから派生した作品なのかと思ったり、女性主要キャスト陣(原節子、淡島千景、三宅邦子←皆さん一番お美しい時期で目の保養!)が居並ぶシーン、やたら後方からお尻を映すショットが多い事に、小津監督ってやっぱりこういう安産型ガッシリ体型の女性がお好みなんだなあって微笑ましく思ったり・・・。「尋ね人」って単語が出てきた瞬間、この映画って戦後まだ6年しか経っていない頃のハナシなんだって一瞬背筋が伸びましたね。一番の爆笑シーンは、医師役の笠さんが心臓が悪いと診察しに来た淡島の母親に「うん、耳鼻科に行ってもらった・・・」って飄々と答えるシーン。他にも、ところどころに巧まざるユーモア感覚が散りばめられていました。天下の小津作品と、今のニッポンのお笑い番組を比較しては亡き監督に申し訳ないが、ひとしきり笑った後ココロが痩せて寒々となるような、人の身体的欠点のみをお笑いネタにするような番組だけ作ってもらいたくないなあと・・・。数ある小津作品の中でも、これは笑った後家族解体にしんみりとしつつ、鑑賞後はなぜかほっこりと温かくなる名匠の逸品だと思います。
[DVD(邦画)] 9点(2009-08-22 10:52:25)
39.  クレイマー、クレイマー
何度か観てるけど、そのたんびに違った感銘を受ける、いつまでも古びない名作のひとつ。実はDVD特典の映画撮影時のメイキング裏話目当てでDVDレンタルしたんですが、結局惹きこまれてしまい久しぶりに本編を全部見直す事に。自分が好きだったシーンは殆どダスティンのアドリブだったとか、すっかり大人になったジャスティン・ヘンリー君の姿に隔世の感を強くしたり・・・とにかくこの特典部分も含め大いに楽しめました。メリル・ストリープは当時の社会情勢の中、下手な女優が演じたら誰にも同情されなかったであろう妻ジョアンナという難役を真摯に演じ、これまた名演。インタビューでの「私の演技で彼女を擁護したかった」っていう発言も納得出来る程の見事な助演ぶり。ガキの頃は何て冷たく身勝手な母親なんだ!って怒り心頭だったのも今は昔・・・か(笑)今は冒頭子供を置いて家を出ざるを得なかった、彼女の言い分も充分理解出来る、いやそれも正しい選択のような気もしてくる。どちらが悪い、どちらが良いとは言いきれない巧みな人物設定。いや~、俺も大人になったもんだと軽く自画自賛などしてみたり。
[DVD(字幕)] 9点(2009-04-11 11:11:58)
40.  チェンジリング(2008) 《ネタバレ》 
予告編よりも本編の方がずっと出来が優れている映画っていうのは珍しい。たいていは期待を裏切られてしまう事が多いのに、これは逆でした。何回か予告を観た限りでは、「行方不明になった子供の入れ替え(チェンジリング)のハナシ?だったら、近所や学校の先生と面通しさせれば一発で解決じゃん?」程度のサスペンスタッチ「だけの」内容なのかと思っていた私が浅はかでした。喜怒哀楽あらゆる感情、観ている人間の五感を揺さぶらずにはいられない手法は相変らず健在。歳を経る毎に枯れていく訳でもなく、更にパワーアップした底無しの馬力搭載、御大イーストウッド監督の正統派演出に全編圧倒されまくりです。まるで何層にも綿密に重ね合わせたパイ生地を、サクサクと食べ進めていくようなずっしりと腹にくる満足感、しかも胃にもたれない後味。とにかく「自分はたった今、非常に質の高い映画を観たんだ」という感想しか直ぐには言葉が出て来なかった。見ごたえという点では、私が観た最近公開作の中では群を抜く出来栄え。ラスト近く親子鏡越しでの再会対面シーン、アンジーの頬を伝う一筋の涙に、自分は北朝鮮日本人拉致被害者横田夫妻他、ご家族の皆さんの姿をついオーバーラップさせてしまい思わず目が潤みました。イーストウッド自身が、まさかあの事件を意識していたとは思えませんが。「言わなくてはいけない事は、声を上げて言うべき時に言うべき。自分からは喧嘩を吹っ掛けない」というイーストウッドのメッセージを僕は強く受けとめたいと思う。最後にこの長尺を「スター演技」ではなく、「女優演技」で支えきったアンジー、ブラボー!!
[映画館(字幕)] 9点(2009-03-02 11:44:15)
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