Menu
 > レビュワー
 > 目隠シスト さんの口コミ一覧。2ページ目
目隠シストさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 2260
性別 男性
ホームページ https://twitter.com/BM5HL61cMElwKbP
年齢 52歳
自己紹介 あけましておめでとうございます。
今年もよろしくお願いします。

2024.1.1


※映画とは関係ない個人メモ
2024年12月31日までにBMI22を目指すぞ!!

表示切替メニュー
レビュー関連 レビュー表示
レビュー表示(投票数)
その他レビュー表示
その他投稿関連 名セリフ・名シーン・小ネタ表示
キャスト・スタッフ名言表示
あらすじ・プロフィール表示
統計関連 製作国別レビュー統計
年代別レビュー統計
好みチェック 好みが近いレビュワー一覧
好みが近いレビュワーより抜粋したお勧め作品一覧
要望関連 作品新規登録 / 変更 要望表示
人物新規登録 / 変更 要望表示
(登録済)作品新規登録表示
(登録済)人物新規登録表示
予約データ 表示
【製作年 : 2000年代 抽出】 >> 製作年レビュー統計
評価順1234567891011121314151617181920
2122232425262728293031323334353637383940
4142434445
投稿日付順1234567891011121314151617181920
2122232425262728293031323334353637383940
4142434445
変更日付順1234567891011121314151617181920
2122232425262728293031323334353637383940
4142434445
>> カレンダー表示
>> 通常表示
21.  恋するマドリ 《ネタバレ》 
「丁寧に~慎重に~モノを壊すのはリングの上だけ~」こんな掛け声の引っ越し屋はイヤだなと苦笑いで観始めた映画は、驚くほど典型的な王道ラブコメでした。それも主演“新垣結衣”が魅力的に映るよう最大限に配慮されているのが特徴です。空港突破の件など“ガッキーが両脇を抱えられながら連れ去られる(キュートで可笑しい)画”が欲しかっただけの無理筋な脚本。ラブコメに似つかわしくない性格俳優を新垣の相手役に選定したのも同じ理由でしょう。そういう意味では、間違いなくガッキーは可愛かったので、この映画は大成功と判断します。ただ個人的には、ラブコメはベタならベタなほど好みなので、例えば柴咲コウみたいな“ザ・美人タイプ”、竹野内豊のような“正統派男前”そして瀧や中西学ではなく本職のコメディリリーフを使った、キャスティングの方も王道のラブコメを希望する次第です。
[DVD(邦画)] 5点(2017-11-20 19:25:59)(良:1票)
22.  ダージリン急行 《ネタバレ》 
序盤は意外と退屈しました。淡々と進む『真っ当なロードムービー』の様相。でもこれがウェス・アンダーソン監督の“リズム”であり“やり口”。案の定、3人のイカれ具合が露見していくに連れ、画面に釘付けになりました。結果的には今回も、監督の“センス”に見事にノックアウトされた格好です。京都修学旅行で木刀を求めるが如き感覚でのキング・コブラ購入、高級ベルトの執拗なやり取り、包帯をとったら普通に痛々しい顔など、思わず腹を抱えるネタ要素に加え、ビル・マーレイの無駄遣い、すぎむらしんいちが描きそうな瞳大きく唇厚い小顔客室乗務員の美女ぶりにも痺れましたが、やはりウェス・アンダーソン作品最大の魅力は、観客の予想の斜め上を行く脚本の出鱈目さ(失礼)でしょうか。コメディで子供を死なせる必要があったのかと。でも人生をきちんと描くのであれば人の死を禁忌とするのはかえって不自然なこと。事件、事故、病気。思うように行かぬ人の寿命。普段意識せずとも、死は常に私たちの隣に居ます。父の死、助けられなかった子供の命。2つの死と、母親の(愛ある?)身勝手さを目の当たりにして、3兄弟は悟ったのでしょう。何せ人生観が変わる異国の地NO.1のインドですから(完全な思い込み)。そう、“家族の絆”は美しく大切ですが、執着しても仕方がありません。全ては流れのままに。だから最後、ダージリン急行という名の人生の列車に乗るために、彼らは余計な荷物を捨てたと。うん、納得出来ます。共感します。何が幸せかは、実はとってもあやふやなこと。母が虎に食われずに生きている。息子が生まれる。それだけでどれほど幸せなことか。彼らは確かに成長しました。ただし、シガラミは捨てても、ホイットマンブラザーズは、もう少し常識を身に着けた方が良いとは思いますが。
[DVD(吹替)] 9点(2016-12-31 23:59:59)
23.  ホテル・シュヴァリエ 《ネタバレ》 
本作単独で観ても「さっぱりワケわからん」なお話ですが、『ダージリン急行』と合わせてみると…一応「なるほど」とはなります。それでも基本的に内容なんてありません(笑)。そもそも『ダージリン急行』の3バカ兄弟の三男坊が書いた小説の一部分(結末)を映像化したという体裁のもの。『ダージリン急行』のお茶うけ的プロローグ。それ以上でも以下でもありません。でもそこはそれ、安心と信頼のウェス・アンダーソン印。もちろん見どころはあります。ナタリー・ポートマン女史の素敵なお尻が堪能できます。それだけでも十分に8点くらいの価値はあるかと。
[DVD(字幕)] 6点(2016-12-31 23:57:59)
24.  I am Sam アイ・アム・サム 《ネタバレ》 
親子の情愛という普遍的なテーマを描くには、ダコタ・ファニングちゃんはあまりにも“可愛過ぎ”ました。付け加えるなら演技面も“上手過ぎた”と感じます。子役がスペシャル仕様だと、物語が絵空事に思えてしまうのです。何故なら、あれくらい可愛ければ、我が子でなくても大人はメロメロになってしまうと思うから。日本の子役で喩えるなら、安達祐実だとやっぱり可愛すぎ。その点、庶民感がある芦田愛菜や本田望結はちょうどイイ感じ。ただし、2人とも演技はもっと下手でいいです。子役のキャスティングの難しさを痛感した一作でした。
[CS・衛星(吹替)] 6点(2016-07-15 23:52:19)
25.  シベリア超特急3 《ネタバレ》 
新日本プロレスが『キングオブスポーツ』、私立恵比寿中学が『キングオブ学芸会』なら、シベリア超特急シリーズはさしずめ『キングオブ茶番劇』でしょうか。ツッコミどころ満載、いやツッコミどころしか見当たらないトリック?の数々や、ドンデン返しの為のドンデン返しに、脳内麻薬が出っ放し。『瀬戸内海事件の真相とラスト2つのドンデン返しは決して人に話さないでください』とこれ以上ないネタバレを冒頭にアナウンスしてしまう監督のセンスには、もはや狂気すら宿っています。河崎実監督のように“狙ってつくるB級映画職人”は時々見かけますが、水野監督のような“本物”にはなかなかお目にかかれません。虎は死して皮を留め、水野は死して『シベ超』を残す。監督の生き様が心から羨ましいです。普段は名作文芸作品しか鑑賞しない私ですが、今日くらいは『シベ超』シリーズで、不世出のバカ映画、もとい映画バカ監督の“シネマ愛”を偲びたいと思います。合掌。
[CS・衛星(邦画)] 4点(2016-06-10 21:49:24)
26.  スラムドッグ$ミリオネア 《ネタバレ》 
文字通り“クソ”にまみれた主人公の人生が、軽薄なクイズバラエティショウを通して肯定されていく様に、強く胸を打たれます。学は無くとも経験はある。それが決して他人に誇れるものでなくとも、血となり肉となり、今の自分自身をかたち作る糧となっています。辛い思いも、苦い体験も、全てがクイズの答えに、いや人生の答えに繋がっていました。最も痺れたのは、主人公が司会者の卑怯な罠に引っ掛からなかったところ。『親切を装う大人を信用してはいけない』という痛恨の教訓がちゃんと活かされていました。終わり良ければ全て良し。そう思える素晴らしきラストシーンは、ラブストーリーとしてもこれ以上ない“正しい”結末でありました。それにしてもヒロインを演じた女優さんの魅力的なこと!“この人の為になら命を賭けられる”そんな説得力を持つ恋物語は“強い”と思います。フリーダ・ピントというお名前、覚えておきますね。(以下余談)本作は『勇気の物語』でした。ザ・ダメ人間な自分も一緒に肯定された気がしたのです。私が長年かけて貯め込んできた『深夜ラジオ(伊集院光)』『囲碁』『プロレス』『B級邦画』『ももクロ』に関する知識も、いつか陽の目をみる日が来るんじゃないかと。いや、やっぱ来ないか。来なくてもいいんです。来るかもしれないと思えることが希望なので。
[CS・衛星(吹替)] 9点(2016-03-30 22:28:40)
27.  モンスターズ・インク 《ネタバレ》 
何と言っても設定が秀逸です。子供の悲鳴をエネルギーに変えるモンスター電力会社。どこでもドア風の不思議テクノロジーで時空を超えて繋がる2つの世界。しかもドアは全て一点もの。この特性を軸に物語が組み立てられており、ハラハラドキドキ最後にキュンの熟練の脚本が堪能できます。またドア収納レーンを利用したチェイスシーンは、立体感・スピード感、共に抜群で、アクションパートの見せ場となっていました(これは是非とも劇場の大画面で観たかった!)。もう一つ重要な設定は、子供がモンスターにとって恐怖の対象であること。モンスターにとっては子供もまた“モンスター”。でも実はこれ、“思い込み”や“迷信”そして“偏見”の類の嘘八百。怖がらせたかと思えば、逆に怖がったり、ホント自己中極まりない独り相撲だったワケです。しかも笑わせた方が何倍もエネルギーになるなんて、全くもって見当違いな労力を払ってきたものです。それは、貴方たち大人の世界にも言えるのではないですか?そんな痛烈なメッセージを読み取ることが出来ます。まあ、物事はそんなに単純ではないですし、大人には大人の言い分がありますが、子供向け映画ですから不問にしましょう。個人的な好みを言わせてもらえれば、蛇足が2点。ラストの再会は艶消しもいいところ。それにピクサー恒例の(?)NGシーンは真剣に止めて欲しいです。ジャッキー映画のNGシーンもそうですが、そんなファンサービス御免です。夢の世界に浸る時間を奪わないでくださいな。
[地上波(吹替)] 8点(2016-03-15 18:58:39)
28.  沈黙の脱獄<OV> 《ネタバレ》 
目隠シスト久々の沈黙修行シリーズ第3弾(かな?)。今回はBS日テレで日曜夜に放送していた『沈黙の脱獄』です。“脱獄もの”は個人的には大好物なのですが、さすがセガールもの。常識では測れません。というか“脱獄もの”ではないですね。普通に脱出です。そもそも沈黙どころか大騒ぎですし。細かいコトは言いっこ無し。火薬の量だけは半端ない王道のVシネマという認識で間違いありません。いつもの如く、セガールの無敵感とオチャメな親父ぶりをゆったりと楽しむ趣でございます。クロエ・グレース・モレッツ嬢がチョッピリ出演していて妙なお得感あり。採点は5点。これ以上でも以下でもない見事な“セガールもの”を堪能いたしました。
[CS・衛星(吹替)] 5点(2016-01-30 21:55:57)
29.  名探偵コナン 戦慄の楽譜
伏線は沢山張られていますし、脚本の出来自体は悪くない気がします。でもミステリーの根幹を担うトリックや犯行動機がお粗末な印象でした。タイトルはダジャレでしょうか。
[地上波(邦画)] 4点(2015-01-12 18:52:21)
30.  カールじいさんの空飛ぶ家 《ネタバレ》 
風船で家が空を飛ぶ(一応浮力はあるからアリなのかな)簡単に目的地に着いちゃいました(もしかして『キング・コング』方式ですか)犬が喋ったよ(バウリンガルですな。懐かしい)飛行機まで操縦しちゃった!(キャシャーンのフレンダーみたい、ってオイ!)。ファンタジーにおける世界観の設定は、実に繊細です。一体何処までを“許可する”のか。作り手のセンスが問われます。例えば、和製人気ネコキャラはペットでネコを飼っているそうですし、アンパン○ンは、生物・非生物の人格設定がノールールです。前者は「どうかしている」と思いますし、後者は「どうかしているを通り越して何かスゲぇ」と感じます。本作の場合は、明らかに遣り過ぎでした。というより、ファンタジーというカテゴリー分けが誤りなのかもしれません。“じいさんは夢をみた”が常識的な解。冒険ブックに貼られていた夫婦の写真(一体誰が撮影したの?)がその証拠です。カールじいさんは、夢を見ながらひっそりと息を引き取ったと考えるのが自然な気がします。しかし本作のメインターゲット=子供たちは、そんな風に思うはずがありません。夢が叶って良かったね!という理解でしょう(ちなみに我が家の場合、9歳の娘はストーリーに違和感を抱いたようですし、5歳児は純粋に冒険譚として楽しんでいました)。では、現実的な解釈が正しくて、ミラクルな物語は嘘っぱちなのでしょうか?いいえ、違います。カールの人生を“結局叶わぬ夢を追いかけた虚しい一生だった”と捉えるか“日々の生活そのものが、秘境探検に負けぬ冒険だった”と受け止めるか。それを決めるのはカール自身に他なりません。ですからこの物語も、観客それぞれの受け止め方で、間違っていないと思うのです。そんな大らかさを持った物語でした。一つだけ断言出来るとすれば、自分の人生を肯定出来たのなら、それに勝る幸せは無いということ。カールじいさんは幸せ者です。きっとおデブの少年は天使だったんじゃないかなあ。
[地上波(吹替)] 8点(2014-12-23 15:25:16)
31.  ダイアナの選択 《ネタバレ》 
ワンアイデアで90分持たせたのは立派だと思いますが、見終えてしばらく経つと驚きも消えるというか。同類亜種の構成の映画は山ほどあるので、そのどれか一つにでも既に触れていると、評価はイマイチ上がらないかもしれません。もっとも本作の場合、オチが全てってワケでもないので、人生の岐路についてしみじみ考えてみるのもいいのでは。
[DVD(字幕)] 5点(2014-12-12 17:51:25)
32.  チェイサー (2008) 《ネタバレ》 
(ネタバレしています。未見の方はご注意願います。)))))韓国製犯罪映画ですから、ある程度覚悟はしていましたが、これほどエグいバッドエンドとは…正直参りました。胸糞悪い結末でも、そこに至るストーリー上の必然性やメッセージが感じ取れれば納得出来ますが(他作品のネタバレになるのでタイトルは伏せますが、例えばスティーブン・キング原作の某SFホラーとか)、本作の場合は本当に悪趣味なだけに思えました。これでは殺人鬼系B級ホラースプラッターと同じ。このジャンルの映画ならエンターテイメントと割り切って観られるのですが、本作のようになまじドラマ性が優れていると感情移入してしまうから困るのです。屋敷を抜け出し、近所の小売店に逃げ込んだ時点でミジンの生還確定でしょうに。負のご都合主義まで使って何が何でも殺すのは如何なものかと。ところで、ミジンは警察に通報してから気を失ったのでしょうか?警察より先に元締めに電話するとは思えないので、やっぱり通報はしたのでしょうね。それでも警察は来なかったと。信じられない理由で殺人鬼を野に放ったり、捜査方法が頓珍漢だったり、奴の尾行監視役が無能だったりと、警察行政の役立たずぶりは酷いものでした。体制批判が本作のテーマだったのでしょうか。母を失った少女には、代わりに父親が出来たと解せるラストですが、これを救いと呼べるのかどうか……。物語に惹き込まれたのでツマラナイとは言いませんが、それ以上に嫌悪感が勝ってしまいます。ちなみに、ついこの前『10人の泥棒たち』も観たのですが、キム・ユンソクはいい役者ですね。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2014-12-07 19:58:52)(良:2票)
33.  BABY BABY BABY! ベイビィ ベイビィ ベイビィ! 《ネタバレ》 
『ナースのお仕事』の設定を逆手に取って、観月を“バリバリのキャリアウーマン”に仕立て上げた狙いは理解しますが、脚本がこの出来ではかなり厳しいです。これならいっそ、キャラクターだけでも『ナース』を再現した方が観客も楽しめたのではないかと。松下の「あ~さ~く~ら~(恕)」や、伊藤かずえのイヤミを頂戴できれば、少しは納得出来たと思います。誰向けに、何を伝えたくて作られたのか、よく分からない映画でした。
[DVD(邦画)] 3点(2014-12-03 20:58:31)
34.  ウォンテッド(2008)
実写だと嘘臭くって適いませんが、脚本・演出はそのままにスタジオ4℃あたりでアニメ化してくれたら傑作になったのではないかと思われます。日本語吹き替え版は『バック・トュ・ザ・フューチャー』の織田裕二・マーティ以来の衝撃でした。
[地上波(吹替)] 5点(2014-10-27 20:22:48)
35.  放送禁止 劇場版 ~密着68日 復讐執行人
『ニッポンの大家族』の方はTV版を観ていなくてもOKですが、本作の場合はTV版『デスリミット』を事前に鑑賞しておくことが重要と考えます。まずデスリミットで一応の結論を得ておくこと。この前提が覆される(?)快感がメインディッシュです。お話はまるで『金田一少年の事件簿』みたいで、リアリティには欠けますが、これは“味”と認識して構いません。嘘てんこ盛りのフェイクドキュメンタリー。裏読み好き、推理好きの方は間違いなく楽しめると思います。
[DVD(邦画)] 6点(2014-10-24 18:20:26)
36.  ニッポンの大家族 Saiko! The Large family 放送禁止 劇場版 《ネタバレ》 
明らかな創作(例えばSFファンタジー)を観て「こんなの嘘じゃん。騙された!」と文句を言う観客はいません。フィクションは周知の事実。製作者と観客の間に“嘘”はありません。ところがモキュメンタリーの場合はどうでしょう。「これって、本物?」と勘違いする観客が居てもおかしくありません。図らずも(?)製作者が観客に“嘘”を付いている状態と言えます。この“嘘”が“胡散臭さ”の元凶です。ある意味、モキュメンタリーの宿命と考えます。物語を楽しむ上での厄介者“胡散臭さ”とどう付き合うか。私は常々「笑い」に転化するべしと唱えてきましたが、本作では“クイズのヒント”に活用されていました。これはアイデア賞もの。お見事です。言葉の端々、ふとした表情に隠された“含み”や、習字に隠されたメッセージを探る作業は単純に楽しいものでした。オチがまたイカしてます。こんな裏切りが待っていようとは。これほど気が滅入るハッピーエンドってのも珍しいです。インチキ・ミステリー・エンターテイメント。このシリーズもっと観たいです。
[DVD(邦画)] 8点(2014-10-12 20:28:20)
37.  ザ・ドア 交差する世界 《ネタバレ》 
(ネタバレあります。未見の方はご注意ください……)主人公が開けた扉は、過去に繋がるタイムトラベルロード(?)の入り口でした。ただし、誰でも通れるワケでは無さそうです。絶望した人限定。“過去に遡って人生をやり直したい人”のみに再チャレンジのチャンスが与えられました。ただし、代償は高く付きます。それは過去の自分を殺すこと。主人公は過失でしたが、時間を遡った者は皆一様に“自分殺し”を経験している様子。“自分を殺すのは入場料”とのアロハ親父の見立ては、強ち的外れでは無いと感じます。確かに“自分が2人存在する”状態は世の摂理に反しています。一人を消すのが道理。しかし、よく考えてみると、自分殺しとは単に自殺のこと。当然未来に自分が存在出来るはずがありません(だからアロハ親父曰く「こちら側がお前の世界だ」なのでしょう)。というより、自殺した人間が生きている事自体あり得ません。つまり、ドアの向こう5年前の世界は“死後の世界”と推測されます。主人公は雪道で滑って頭を打ち、亡くなったのが真相。扉を開けた者は全員が死者(又は予備軍)でした。主人公のように事故死者は過失で、自殺者は自らの手で、自分自身を殺害したと思われます(隣人夫婦は心中ですね)。彼らは生前の強い後悔の念ゆえ、現世そっくりの死後の世界に縛られているとも言えます。ですからレオニーは、現実には助かっていません。覆水盆に返らず。自身を殺めることなく元の世界に戻れた妻だけが(入れ替わっていはいるものの)、現世で一命を取り留めた結末と解します。解釈は以上です。なんと切ないお話でしょうか。ドアの向こうの世界は天国か地獄かと問われれば、間違いなく後者でしょう。幸せを守るための人殺しが日常茶飯事なんて、気が狂いそうです。そんな地獄でも、主人公にとっては希望に満ちた世界でした。だって、愛する娘が生きているのですから。しかし、主人公は自らの選択で幸せを手放しました。でもそれで正解。地獄に居続ける限り、娘の魂は生まれ変われません。結局、主人公の日常は何も変わらなかったと思います。失った娘を想う日々が続くのみ。それも今度は永遠に続くのです。ただ違うのは、娘の死を嘆き悲しむのではなく、人生を謳歌する娘の姿を思い浮かべられること。これが唯一の救い。それが幻だとしても、です。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2014-09-24 20:56:39)(良:1票)
38.  死にぞこないの青 《ネタバレ》 
スケープゴートを利用した集団統制手法は、費用対効果に優れています。僅かな犠牲で強固な団結。隣国では国策として採用していますし、日常生活の中でも多かれ少なかれ目にするはずです。残念ながら。おそらく先生の「誰でもよかった」「人の目が怖かった」は真実でしょう。ただし蛮行に至った原因を“幼少期のトラウマ”に求めるのは誤りです。“辛い経験をした者は犯罪に走る”なんて失礼な理論が通用するものですか。トラウマの仕業にすれば自我が守られるから。自分を善人と思い込みたいから。それだけです。それに彼は歯向かう山羊に業を煮やして、本気で殺そうと(!)しました。これは挫折を知らぬ完璧主義者の思考。クラス運営の試行錯誤なく、赴任当初から生贄を選んでいる点からも、彼に情状酌量の余地は無いと考えます。教師主導で生贄政策を取られた場合、被害者が抗うのはほぼ不可能です。さらにあの年頃では、親の問題介入を拒むもの。狭い了見と閉じた世界で、全てが完結してしまう恐ろしさが在りました。そんなマサオの大ピンチを救ったのが“アオ”と名乗る少女。正体は亡くなった姉。幽霊か、少年の心が作り出した幻か。いずれにしても彼は、孤独から逃れました。今回はお姉ちゃんが助けてくれましたが、次回はありません。窮地に陥った時助けを請う人を確保しておくのは、人生の重要課題のひとつ。もし、両親がアテにならないのなら、他に頼れる人を探しておかなくはいけません。結末について。初めは生温い決着に憤りました。社会的に抹殺してやれと。しかし、マサオがイジメの被害を立証するのは意外と困難です。それに追い込むと暴発する輩なのは実証済み。心理的に優位に立った今、あえて奴に逃げ道を与えたのは賢明だったかもしれません。修羅場を潜り抜け、少年は自信を得たでしょう。全てが好転した様子。ただし今回は相手が愚かでした。ツキもありました。ですから決して大人を驕ることなかれ。一人で問題を解決する事が自立ではありません。狡猾な悪人は掃いて捨てるほどいますから。
[DVD(邦画)] 7点(2014-08-21 18:58:07)(良:1票)
39.  -less [レス] 《ネタバレ》 
(ネタバレあります。未見の方はご注意願います) 本作の出来事を読み解くヒントは“父親のメモ”にありました。クラッシュした車の傍に落ちていた紙片は、紛れもなく夢の中で父親が書いたもの。偶然の一致とは考え難いです。すなわち、あの家族には死ぬ前に“ロスタイム”が与えられたと確認出来ます。体感は数時間、実時間は僅か数秒。死亡確定までの猶予時間内に起きた劇的逆転ゴールは、主人公の生還でした。つまり、“車から放り出されて助かったから主人公はあのような夢をみた”ではなく“女性に席を譲り、車を降りたから死なずに済んだ”と推測します。それでは、クラシックカーの所有者であり、事故の第一発見者とは一体何者でしょうか。車、服装、髪の毛、全身黒尽くめ。“死神”と判断するのがしっくり来ます。死神運転の黒塗りのクラシックカーに乗せられて、魂はあの世に逝く。乗り込んだ順は、婚約者、弟、母、父。“罪の軽い者から順番に”悪夢から救われたとも言えます。クラシックカーに乗り込んでしまったら最期ですから、女医もあの世に連れ去られたのでしょう。死ぬはずだった主人公の身代わりとして。さて疑問なのは、何故主人公ファミリーにロスタイムが与えられたのかということ。裏付け無しの想像ですが、彼女が子供を身籠っていた事が関係している気がします。事故で得られる魂の予定数は7人分。ところが主人公のお腹には8人目の魂が。棚ぼた的に8人分の魂を頂戴するのは、死神の流儀として躊躇するところではないかと。彼女はお腹の子に命を救われた気がします……。構成はトリッキーながら難解ではなく、余韻も十分。ただ、アイデア勝負の作品である点は否めず、類似作品を観賞済みの場合評点が下がってしまうのは致し方ないかもしれません。
[DVD(吹替)] 6点(2014-08-06 18:58:11)
40.  ファンタスティック Mr.FOX 《ネタバレ》 
キツネ父さんの主義主張は明快です。野生動物らしく生きたいということ。本能に従い、家畜は襲わせてもらいますし、欲しいモノがあれば勝手に頂戴しますよと。元来、そういうナチュラル派人生観の持ち主です。ところが家庭を持つとなると、少々話はややこしくなります。妻子を養う事が人生の最優先課題に変わります。信念に対して妥協を余儀なくされることも。その結果が新聞記者というワケ。でも血は抑えられぬもの。再び、主人公は野生動物の生き方を選択しました。これはもう生き様の問題。本来、他人がとやかく口を挟める問題ではありませんが、巻き込まれる方はたまったもんじゃありません。それでも所属するコミュニティ(野生動物業界、そして家族)から彼が排除されないのは、人徳(狐徳?)の成せる業でしょうか。おそらくキツネ父さんが理想とする野生動物の在り方とは、幻のオオカミを指すのでしょう。大自然の中で、何ものにも囚われず、自由に生きる。それと比べるとシガラミが多く、また人間文化に染まった彼のライフスタイルは、野生動物の美学に欠けるかもしれません。ただし、環境順化を拒否したが故にオオカミは絶滅に瀕したとも言えます。環境に適応しながら、かつ己が信じる生き方を貫き、そして見事に家族を守り切ったキツネ父さんは、まさしくファンタスティックな男という気がします。ただし、私なら妥協しまくってでも、家族を守る道を選びますけれども。『ナイトメア・ビフォア・クリスマス』ほどアーティスティックではなく、『ウォレスとグルミット』ほどアクションが切れるワケでもない、何処となく垢抜けない印象のクレーアニメ。しかし、それでも信頼のウェス・アンダーソン印。私にとってはお気に入りの一作になりました。
[DVD(吹替)] 8点(2014-06-30 19:58:05)
全部

■ ヘルプ
© 1997 JTNEWS