21. ゼア・ウィル・ビー・ブラッド
《ネタバレ》 全編出ずっぱりのダイエル・デイ=ルイスに圧倒されっぱなし。人を信用できず、お金を稼ぐためにのみ人を必要とする男の情熱を体現している。対して、息子(実の息子ではない)への愛情は複雑さがある。息子との決別、狂信的な牧師との対決と続くラストはスクリーンに釘付け。牧師が双子だという点が途中まで掴めなかったので、ちょっと困りました。ロバート・アルトマン監督に捧げられた、パワーみなぎる映画です。 [映画館(字幕)] 8点(2008-04-27 13:14:40) |
22. バンテージ・ポイント
《ネタバレ》 カーアクションの迫力はたっぷりで、同じ場面が異なる登場人物の視点から何度も繰り返される展開も工夫があって楽しめました。繰り返しが二十数分の出来事に集約されているのも、テンポがあっていいですね。実力ある俳優が各エピソードの中心となっているので、顔を忘れることもなく話についていけ、緊迫感を終始味わえます。 [映画館(字幕)] 8点(2008-03-09 16:43:29) |
23. あなたになら言える秘密のこと
《ネタバレ》 とても温かな気持ちになれる映画。辛い過去を背負っている女性と、石油掘削施設に住む男性たちとのふれあいがとても自然で物語に惹きこまれる。看病した火傷患者に秘密を打ち明ける場面は、静かながら深い感動を残す。戦争が生んだ悲劇の爪痕が物語の核となっているのが印象的だ。 [DVD(字幕)] 8点(2008-03-05 10:08:38) |
24. エリザベス:ゴールデン・エイジ
《ネタバレ》 前作は、裏切り、策略、葛藤といった人間同士の駆け引きが楽しめる秀作。その分話はややこしくも、豪華なセットと衣装、かけ出しのケート・ブランシェットが女王として国を背負う過程にぴったりで、魅せられるものでした。今作は、前作ほどのドロドロした人間関係はなく、話自体は分かりやすい。反面、ケート・ブランシェットは名女優になり、その貫禄が見事に役にも活かされています。衣装やセットも期待通り。前作に比べて薄くなった感はありますが、やはり楽しめる映画でした。サマンサ・モートンも出番は少ないながら存在感ありです。 [映画館(字幕)] 8点(2008-02-18 17:32:41) |
25. アメリカン・ギャングスター
D・ワシントンが麻薬商売でのし上がり、R・クロウがのけ者になっていく前半はあまり勢いがなく、もたついて話が進む。しかし後半、大物になったD・ワシントンには敵が増え包囲がきつくなり、ラッセル・クロウは麻薬取締を仕切って執拗に正義を貫く展開は心地よい緊張感と重厚感にやられてしまった。脇を固める俳優としては、悪徳警官の代表とでも言うべきジョシュ・ブローリンが、映画の中で最も憎たらしい役を好演している。 [映画館(字幕)] 8点(2008-02-05 11:44:44) |
26. ブレイブ ワン
《ネタバレ》 ジョディ演じる主人公の行動は、世間の目からみてどうというのではなく、自身の心に素直に従った結果なのでしょう。被害者として、犯罪者として生きることになる彼女の背中が印象的でした。テレンス演じる刑事の行動も、法に従うといくら考えていても結局は感情の中で裁きをつけてしまう人間の行動のひとつを反映したものでしょう。物語は重いですが、ニール・ジョーダンの落ち着いた演出で満足できる映画でした。 [映画館(字幕)] 8点(2007-11-11 13:54:44) |
27. リトル・チルドレン
《ネタバレ》 K・ウィスレットとP・ウィルソンが主役の映画かと思い見ましたが、どちらかというと群像劇。幸せに見えながら満たされない、納得いかない毎日に怒りを抱えている、そんな大人たちの物語です。結婚生活への不満から不倫に走る男女が今の生活に未来を見出すラストもいいですが、釈放された性犯罪者を演じたジャッキー・アール・ヘイリーがとても印象的。唯一の理解者である母親の死によって懺悔を示そうとする姿は心に残り、オスカーノミネート納得です。 [映画館(字幕)] 8点(2007-08-05 14:30:44) |
28. アポカリプト
力強く、美しい作品。捕虜の青年が追っ手から逃げるという単純なストーリーを、ジャガーや太陽といった象徴物やジャングルの美しさを捉えながら一気に魅せられる。主人公が恐れを克服して立ち向かう姿にも胸うたれました。 [映画館(字幕)] 8点(2007-07-26 19:14:04) |
29. ゾディアック(2007)
好きでした。猟奇殺人の犯人にせまるミステリである以上に、その事件に取りつかれた人たちのドラマになっているのがいいですね。家族、そして自分までもかえりみることができなくなるほど事件に呑み込まれていく執念が丁寧に描かれていて惹きこまれてしまいました。役者の配し方がうまいのでしょうか。 [映画館(字幕)] 8点(2007-07-25 23:39:04) |
30. 幸せのレシピ
意外にキャサリン・ゼタ=ジョーンズが良かった。艶やかで強気な役柄だけでなく、こういうしっとりした役も似合ってました。 全体的にほんわか映画で、落ち込んだ気分も明るくなります。 [DVD(字幕)] 7点(2012-05-02 21:23:25) |
31. ロード・オブ・ドッグタウン
《ネタバレ》 サーフィン仲間でスケボーチームを作り世間の注目を浴びていく前半のおもしろさに比べ、それぞれが自分の人生を歩んでいく後半はあっさりしすぎ。が、迫力あるスケボーシーンに、青春期を過ぎて大人になっていく少年たちのドラマは見ごたえありました。脇役ですが、ヒース・レジャーの存在感はかなりのものです。 [DVD(字幕)] 7点(2012-02-13 09:11:35) |
32. 幸福な食卓
唐突な部分もあるが、いい映画。青春や家族など、自分はどうだったろうか、どうだろうかと考え直すところもある。原作は未読だが、原作はどうなんだろうと気になるのは映画が原作に忠実すぎるのか。 [DVD(邦画)] 7点(2012-02-01 21:25:46) |
33. ラスト、コーション
長い映画なのに飽きることがない。いくつかの美しいシーンが印象に残り、音楽も耳に残る。ただ、映画好きな人意外には「良かったから是非見てみて」とは薦められません……。特に、知り合いの女性など。 [DVD(字幕)] 7点(2012-02-01 21:21:39) |
34. ソリタリー・マン
《ネタバレ》 60歳を手前にしたかつての成功者である男が、若い女性をくどいて一夜を共にすることばかりに気を注ぎ、やがて仕事や家族、友人を失っていく。どうしようもないダメ男だが、どうも憎めない紳士的な男を演じるマイケル・ダグラスが輝いているドラマ。他の俳優が演じたら男のいやらしい部分だけが目立ってしまうだろうが、カリスマ性を持ちながら落ちぶれていく男の哀愁に思わず感心してしまう。物語としては、医者からの病気の診断を受けてヤケになっているのだが、その発端が弱いのが難点。であるが、この映画の完成後、実際にガンを宣告されて克服したダグラスの演技はやはり一見の価値あり。 [映画館(字幕)] 7点(2011-06-20 21:08:45) |
35. クレイジー・ハート
映画の内容自体は強く印象には残らない。けれど、ジェフ・ブリッジスの印象は強く残る。「白い嵐」で渋い大人のカッコよさをみせ、「ビッグ・リボウスキ」でいい加減な大人の憎めなさを演じ、「ザ・コンテンダー」で大人の包容力を演じた彼の集大成といえる、大人の男の魅力が爆発です。 [映画館(字幕)] 7点(2010-09-09 21:30:40) |
36. あなたは私の婿になる
《ネタバレ》 サンドラ・ブロックとライアン・レイノルズのかけ合いが息が合っていてよいです。上司と部下の立場が途中で逆転していく過程が楽しめました。 [DVD(字幕)] 7点(2010-05-30 13:51:54) |
37. ロックンローラ
《ネタバレ》 ガイ・リッチーの映画を見たい人なら楽しめます。キャストの中では、なぜか禿げ頭になっているトム・ウィルキンソンがいいです。全てを牛耳るボス的な役柄ながら、権威に固執し、しかし、最後は嫌悪していた息子にしてやられる。最初から最後まで見逃せないおいしい役柄を、さすがのひと言で演じています。 [DVD(字幕)] 7点(2010-03-30 23:37:16) |
38. スター・トレック(2009)
クリス・パインが魅力的。アクション、ストーリーともいうことなし。是非、続編も見たいと思わせます。ここからオモシロいシリーズを再構築できるかどうかがエイブラムズ監督の手腕に期待ですね。 [DVD(字幕)] 7点(2010-03-29 22:20:54) |
39. マッチポイント
《ネタバレ》 元テニスプレーヤーという地位とルックスの良さから、なんとなく周りに流されて仕事も私生活もうまくいく主人公。気づいたら、奥さんと恋人の間で三角関係。なんとなくでは解決できない状況に。そこで思いついた解決策とは。サンペンス性と上流階級のシャレた雰囲気の混ざり合った映画です。ラストも唸らされました。 [DVD(字幕)] 7点(2010-03-29 22:17:28) |
40. ヒットマンズ・レクイエム
《ネタバレ》 コリン・ファレルの巧さがよく出ているのでは。だらしなくて少々抜けているが、放ってはおけない人の良さ。ワルだけど憎めないキャラにピッタリです。ファレルの父親のような役回りのブレンダン・グリーソンもよい。さらに、レイフ・ファインズの凄みのあるボスは、英国英語のアクセントの強い印象も相まって必見の悪役です。ラストの死に様も思わず拍手してしまいたいくらいで、皮肉の効いたものでした。 [映画館(字幕)] 7点(2010-03-29 21:59:20) |