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佐吉さんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 61
性別 男性
ホームページ http://flyinghigh.exblog.jp/
自己紹介 おもしろい映画に出会った時って、生きててよかったと思いますね。DVDが普及して以来、すっかり映画館に行かなくなりました。

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21.  戦場のピアニスト
ナチスの非道さと戦争の悲惨さは伝わった。しかしどうにも、こういうストーリーに起伏のない、重苦しい画面が延々と続く映画は苦手だ。多分名作だと思う。だが苦手は苦手だ。
[DVD(字幕)] 4点(2009-08-09 17:12:08)
22.  ミュンヘン
つい先日までイスラエル軍がガザを攻撃していた今、この映画の持つ意味がより大きく感じられる。 時々勘違いしている人がいるが、この映画、政治的な意味はまったくない。単にパレスチナ紛争が背景になっているというだけで、どちらが良いとも悪いとも描いていない。歴史的・政治的に言えば、中等における「悪」はイスラエルとアメリカ政府である、と僕は思っている。しかしどちらが悪いのかは、ここでは重要ではない。 テロリズムは民族問題の解決に何の役にも立たないばかりか、怨嗟を循環的に再生産し、犠牲者だけを増やしていく……。それはイスラエルだけでなく、PLOにとっても同様だ。それを、ユダヤ人のスピルバーグが映画にしたことの意味は大きい。 原子爆弾の場合と同じである。太平洋戦争において日本、アメリカどちらが悪いのかといった論議とは関係なく、手段として絶対的に悪い物というのはあるのだ。 スピルバーグらしい活劇ではない。サスペンス要素も薄い。だが、良い映画だ。 文句としては、「情報屋」ルイ一家があまりにも全能すぎること。あんな便利な存在があるんだったら、最初から殺しまで依頼したらどうよ。
[DVD(吹替)] 8点(2009-08-09 17:11:32)
23.  ダークナイト(2008) 《ネタバレ》 
「ジョーカー」という存在には、クリエイターの創作意欲をかきたてる何かがあるのか。 バットマンシリーズの2つの傑作、「バットマン」1と「ダークナイト」の二つとも、バットマンではなくジョーカーが軸。違うのは、「ダークナイト」のジョーカーが生み出す強烈な緊張感。ジョーカーが画面にいるだけで観客を硬直させるような、強烈な緊張感。 ジョーカーとバットマンの割と単純な対決である前半部分だけでも、充分おもしろい。しかし後半、ジョーカーはただの馬鹿ではなく狡猾な策士として暗躍し、人々の悪意を引き出していく。それがまさか、登場人物中もっとも高潔であると観客の誰もが思っていたであろう、ハービー・デントの転落という形で結実するとは……。腹を切り裂き、臓物をぶちまけるかのごとき醜悪さ。この絶望感。 デントが狂気に陥ることは、原作を読んだ人なら知っている。だからやや衝撃度が小さいだろう。それにしても、ジョーカーの策略によってそうなることは、原作には無い。僕自身は、このことについては一切知らないかった。 バットマンを悩める存在にしたのも、上手い。バットマンのような超法規的存在が実在すれば、同じような状況に陥るはずだ。恨み、恨まれ、際限のない報復合戦になっていく。我々は映画で事態の裏まで見ているから、バットマンが正しいということを知っている。だが市民はそれを知らない。バットマンは法的手続きを経ていない。だから市民からも警察からも、おもてだった援助を受けることができない。 このことを描くことによりダークナイトは原作から独立し、一つのリアルな映画として成立した。 個人的に特に賞賛したいのは、CGらしさをまったく感じさせないアクションシーン。実際にCGが使われていないのかどうかは、僕には分からない。だがCGのあふれる現代の映画界において「どうせCGか」と思われないということは、それだけで大きな意味がある。 クリストファー・ノーランに喝采。ヒース・レジャーに、ひたすら拍手。そして合掌。
[映画館(字幕)] 10点(2009-08-09 17:10:49)
24.  JAWS/ジョーズ
この映画の中に、僕が今まで観た映画の中で最も印象に残ったシーンの一つがある。最初に見たのはテレビで、確か小学生の時だったと思う。 鮫退治のために、ベテラン漁師とともに船で沖へ出たブロディ署長。署長は横柄な漁師にこき使われ、罵声を浴びせられ、ぶつぶつ文句を言いながら船尾で鮫のエサをまく。「てめーの顔を見るぐらいなら、人食い鮫と顔をつきあわせてる方がマシだ――」署長が船長に対する憎まれ口を言った瞬間に海面が二つに割れ、ドラム缶ほどの大きさがありそうな巨大な鮫の頭が、何重にも生えた牙の列のある口中を見せながら現れる。鮫はエサである肉塊を数個まとめてガブガブと飲み込み、そのまま、その頭と同様巨大な波しぶきと波紋を残して、海中に消えてゆく。署長、一言も発せず立ち上がり、そのままフラフラと後退し、船室へと入っていく。そして横にいる船長に言うかのように、また独り言のように、つぶやく。「…………この船じゃ、小さすぎる」 この、「この船じゃ、小さすぎる」 以上に署長の鮫への恐怖と、これから始まる壮絶な死闘への予感を表現する言葉は他にあるのかと、僕はいまだに考える。 そのシーンに衝撃を受けた僕は新聞のテレビ欄を見て、本当は見なくても分かっている 「スティーブン・スピルバーグ監督」 という文字を確認し、そしてその名を心に刻みつけよう、と思った。 僕の記憶の限りでは、それが映画において「演出力」というものが何か、ということを知った最初の瞬間だった。
[地上波(吹替)] 10点(2009-08-09 17:10:30)(良:1票)
25.  ギルバート・グレイプ
よく分からん。この映画の良さが分からん。 知的障害者を描くことに、甘えてんじゃないの? 観客としては「つまらん」と言いにくいだろう、みたいな。 いや実際その通りよ。不幸を描く映画は一般的にそうなんだが、「馬鹿馬鹿しい」とか「つまらん」という評価はしにくい。特に描く対象が障害者の場合はね。 だがこの映画のストーリー、身の毛がよだつほどつまらん。よくこんな脚本、2時間の映画にしたわ。 「いい映画」スタイルをとった駄作。
[DVD(吹替)] 2点(2009-08-04 22:38:19)(良:1票)
26.  ダンサー・イン・ザ・ダーク
こいつァ、好き嫌いの大きく分かれる映画だろうなあ……。 俺はどうかというと、めっちゃめちゃ嫌いだね。こういう映画は。 はいそりゃもう、かわいそうです。気の毒です。悲しいです。 だけどさ。悲劇であると同時に問題を提示するとか、社会の断面を切り取るとか、あるいはかすかにでも希望を見せるとか、何かないとさ。ただの不幸の押し売りじゃんよ。 こんなもん、見ず知らずの人のお葬式に参加して泣いてくれ、てのと同じ。流す必要のない涙よ。仮に泣くとすれば、だが。 ビョークは大したものだ。言ってはなんだがあまり綺麗でないあの顔で、あれだけ可愛さを醸し出せる人って本職の役者さんでもあまりいないんじゃないか。驚いたのは、鼻歌うたってる時点でそれがすでにアートになってることよ。 ビョークの力を再認識した。それ以外何もなし。 そういえば手ぶれの激しいハンディカメラ風映像だったが、何か意味あるのか。ドキュメンタリー的ストーリーじゃないんだから、無意味だろ。
[DVD(字幕)] 3点(2009-08-04 17:12:23)(良:1票)
27.  バタフライ・エフェクト/劇場公開版 《ネタバレ》 
けっこう面白いです。映像は安っぽくてテレビドラマの雰囲気なんだが、話が面白い。 よくあるタイムスリップ系ハッピーエンド話かと最初は思ったんだが、そうじゃなかった。誰かを救うと、誰かが不幸になる。のみならず、主人公含め主要キャラの人間性と人生がまるっきり変わってしまう。いくらなんでもそこまでは変わらんだろ(笑)と思ってたが、だんだんと、こんどはどんな風に変わるのか楽しみになってくる。最後のチェンジの一回前、日記も何もかも主人公の妄想だというセリフがあり、おっとこりゃやられたかな、と思わせるけどもそこからまた一回転があった。 何度チャレンジしても全員が幸福になることはなかったという展開は、人生の岐路で違う道を選んだとしても、それを根本的に変えることなどできない、というメッセージがあるような気がしないでもない。 7歳のアヴァン、神経質で根性が悪そうで、いいねえ。彼が影の主役だな。いちばん人生が変わっちゃうのはケイリーだな。あの豹変ぶりには笑ったよ。
[DVD(吹替)] 7点(2009-08-02 13:05:33)(良:1票)
28.  風と共に去りぬ 《ネタバレ》 
スカーレットのキャラクター、自由奔放なようでいて一人の男をずっと慕い続けるという、いまいちよくわからない面もあるが……基本的には「小悪魔キャラ」だと思う。で、そういうキャラが魅力的であるためには、可愛いことが絶対条件。しかしこのスカーレット、生意気なだけで立ち居振る舞いと言動に可愛さがない。顔は……少なくとも現代の日本人から見て、とりたててものすごく魅力的ではない。 なのでこの人、ただの「いやな奴」なのだ。 そういう人間に善良な人々が振り回され続ける、不愉快な3時間40分。 まあ必ずしもすべての言動がエゴイズムから発生しているわけではなく、時々他人のことをおもいやっていることもある。しかしそれも、全体の不快さを覆すほどではない。 南北戦争により没落する南部の地主を描く大河ドラマとして前半部分を見るなら、見る価値がある。冒頭のスカーレットたちの優雅な暮らしぶりも、没落してからの苦闘と対比するために意味がある。 映画全体として価値を持つためには、後半部分はいらない。妹の恋人と結婚したり、その人が死んだり、アシュレーが大好きだったり、バトラーとケンカしたり、娘さんが亡くなったり、全部いりません。 映画の名声と、実際の内容の差が映画史上でも最も大きい作品のひとつだと思うね。
[DVD(字幕)] 3点(2009-07-27 01:46:26)(良:1票)
29.  タイタンズを忘れない 《ネタバレ》 
そこそこです。でも 1)当時の黒人差別の実態があまり強烈に描かれてない 2)選手が融合していく過程が簡単すぎる ので、ハッピーエンドに至ってもあんまり感動がないんだよねえ。 それと一番疑問に思ったのが、主人公のコーチの指導が独裁的すぎること。一方で黒人差別の撤廃という良いことをしようとしながら、クラブ内では圧政を敷いて選手たちを抑圧するとは。そこんとこが、どーも完全に共感するに至らない理由。どうせならそこも好感を持てるように描いてほしかった。実話をもとにしてるらしいが、別に事実にこだわる必要はなかったんじゃないの。
[DVD(字幕)] 5点(2009-07-09 01:18:47)(良:1票)
30.  明日に向って撃て!
激しくつまらないですな。 確か「名画」扱いされていたような気がするが……間違いだったか? こういう、社会的に見て「悪人」が主人公の時は、観客が感情移入しにくいから、引っ張り込む何かがなきゃいけない。話が圧倒的に面白いとか、キャラがめちゃめちゃかっこいいとか、もっとあくどい巨悪に一泡吹かせる、とか。 この映画の主人公の二人、ただの悪党やん。そりゃ追われもするし、大勢の警官に囲まれてめちゃめちゃ撃たれもするわな。 強盗してる奴らを好意的に描くこと自体気持ち悪い。軽妙なんてものじゃなく、ただのモラル欠如だろ。
[DVD(吹替)] 3点(2009-07-06 01:03:03)(良:1票)
31.  レオン(1994)
主人公の側に共感できない、というのが決定的にまずい。 レオンというのは日頃は金のために人を殺すという極悪非道な人間のわけで、それが少女を守り、その仇を討つという大義名分ができたとたんに「正義の味方」に早変わりされては困る。 女の子を守るという一銭にもならず、かつ危険をともなう事を、レオンがあっさり引き受けるのも分からん。殺し屋ってのは感情的に最もドライな人種であるはず。どうやらマチルダ一家に恩があったわけでもなければ、事件の起こる前にマチルダと親しい友達であったわけでもなし。 レオンは殺人場面以外では極めて「良い人」のように描かれており、だからマチルダを守った、ということなんだろうが、だとするとそういうレオンがなんで殺し屋をやってるんですか、という疑問がわく。 これらの部分を説得力ある描き方をしていないから、すべての展開がご都合主義のようにしか思えない。 あと、マチルダがクソ生意気で、まだ色気がまったくないという点も僕にとっては良くない。思い入れる人物がいない。 なので、スタンフィールド一味が悪徳警官だったとしても、結局悪と悪の戦いでしかない。特殊部隊の警官もぶち殺しまくるし。彼ら個人個人には、何の罪もないわけですよ。 こういう映画、感情移入できるかどうかが全てでしょ。俺はできなかった。そんなに評価すべき映画とは思わんね。
[DVD(吹替)] 4点(2009-07-05 00:20:33)
32.  アイ・アム・レジェンド 《ネタバレ》 
あまり面白くない。映像的な見どころがほとんどない上に、腑に落ちない点が多い。 主人公は正常な状態で残った地球上で唯一の人間。少なくとも本人はそう思っている。想像を絶する孤独。しかし映画が始まってみれば、鹿を追い、犬と話し、研究をし、割と平然と暮らしているように見える。彼がそうなるまでの葛藤は一切描かれず、最初からその状態で現れる。だから、そんな馬鹿な、と思う。 ラジオで他の生存者への呼びかけを続けていたにも関わらず、それに応じて人間が現れると主人公は彼らに対して拒絶的態度をとる。生存者コロニーの存在も認めない。なぜだ。嬉しくないのか。一人は女だ。犬はすでに死んだ。コミュニケーションを渇望していたんじゃないのか。そして性行為への渇望は無いのか。 細かい部分。まず、電気はどうしている。水は。ガスは。食料は。鹿だけでは栄養が足りないだろう。 これらの物を調達するための「ゴーストタウン・サバイバル」を描くだけでもけっこうドラマになるだろうに、まっっったく描かれない。そりゃま、自家発電とか、川の水をくむとか、想像すりゃいくらでも説明はつく。それにしても、いくら何でももう少し映画中で説明すべきだろ。
[DVD(字幕)] 4点(2009-04-16 14:54:26)(良:1票)
33.  ノーカントリー 《ネタバレ》 
最初から、わけがわからない。大量殺人の場面に偶然でくわした主人公があわてるでもなく騒ぐでもなく、平然と金を探し、持ち去る。もともと主人公自身が持ち逃げ犯だから、義も理もなし。追われるのも仕方ない。 とてつもなくサイコで不気味なあの殺し屋も、追われる者への共感がなければ怖さ半減。 さらに保安官トミー・リー・ジョーンズ。主人公と殺し屋の足跡を後から追いかけてブツクサ言うだけで、存在する意味なし。 主人公が殺し屋に追いつかれると、大した抵抗もなく、従って盛り上がりもないまま殺される。そこでさっさと終わりゃいいものを、またジョーンズが事件を回顧してブツブツ言う。 個々の場面の緊張感はある。冒頭の荒野の映像は、殺風景な風景なのに息をのむほど美しい。演出90点、脚本10点。そんな映画だ。
[DVD(字幕)] 5点(2009-03-30 01:13:02)(良:1票)
34.  仁義なき戦い
そこそこ面白い。基本的にヤクザ映画は嫌いだが、この映画はヤクザを過度に美化していない点に好感がもてる。 広島出身者としては、劇中の広島弁がどうしても気になった。映画の質と直接関係はないが、思った事をいくつか書いておく。 セリフ自体は、ほぼ正確な広島弁だった。だが、ほとんどすべての役者がイントネーションを間違っていた。一番マシだったのは菅原文太だった。 映画中で「こんな」という言葉を「お前」という意味で使っていた。しかし広島弁で「こんな(こんなあ)」は「こいつ」という意味であって、「お前」ではない。同様に「そいつ」を「そんなあ」、「あいつ」を「あんなあ」と言う。 イントネーションについては最も難しい部分だから、ある程度はやむを得ないと思う。だが語彙の間違いはできるだけ避けてほしいものだ。
[DVD(邦画)] 6点(2009-03-29 09:08:50)
35.  ガール・ネクスト・ドア 《ネタバレ》 
エリシャ・カスバートのファンだから見た。彼女の顔と体を見る、という点ではおおむね満足。可愛(ミ´∀`) ドラマの方は、まあ途中で放り出さない程度。後半の性教育映画うんぬんの話は何のことやらよく分からなかった。もしかして、あれで一応「どんでん返し」のつもりか(笑) AVプロデューサーのケリーが格好よかった。
[DVD(字幕)] 4点(2009-03-22 21:05:44)
36.  告発のとき 《ネタバレ》 
戦争の悲惨さを描いてさえいればいい映画、というわけではない。ドラマとしての見ごたえがなさすぎる。 携帯電話の映像がもったいぶって少しずつ見られるようになり、イラクでの実態が明らかになっていくが、それほど衝撃的な事実があるわけではない。犯人探しのミステリーとしては、結局同僚の兵士が嘘をついていました、てだけのこと。ひねりもなし、サスペンスも無い。捜査を巡る軍と警察の対立も、軍の犯人隠匿工作などが絡むわけじゃないんで話に関係ない。 兵士の人間性をゆがめた戦争が、真の犯人だ……てことだろうが、そういう立派なメッセージがあっても映画として訴える力が弱くては仕方がない。 しかし被害者のあの無残な殺され方は何だったんだ……。ものすごい陰謀がにあることを想像するじゃねえか。何も無いのに。 最後まで見るのに非常に苦労した。
[DVD(字幕)] 4点(2009-03-21 22:59:20)(良:2票)
37.  クローバーフィールド/HAKAISHA 《ネタバレ》 
エンドロールで流れるゴジラ調音楽。なるほど、納得だ。 素人ハンディカメラの映像に見せかけるという手法はそもそも、リアリティを演出するためのもの。「もしかして本当にあったことなんちゃうん」と観客に思わせるためのもの。ところがこの映画では、巨大怪獣が街を襲う。そもそもあり得ないことを描いているわけで、リアリティも何もない。いわば水と油、矛盾するものを混ぜているわけで、そうする事によって何かを生み出そうというアイディアとチャレンジ精神にまずは拍手したい。 が、その素人ハンディカメラ、結局映画にとってプラスだったのかマイナスだったのかというと、マイナスの方が大きかった。「こんな状況で悠長にカメラ回してるわけねーだろ」と百回ぐらい思う。誰かが「撮ってんじゃねーよ」と言わないわけねーだろ、と二百回ぐらい思う。最初の30分ぐらいは、素人カメラが一刻も早く終わって通常の映像になることを願ってた。次にカメラのぶれ。90分あれを見させられるのはきつい。そして素人カメラらしい手ぶれがありながら、バケモノが目にはいったらご丁寧にアップしてピントを合わせる、てどういうことよ。それと、場面がとこどころ飛ぶことが、ビデオを編集しているということを感じさせる。リアリズムにこだわるなら、編集無し、リアルタイムにまでこだわらなきゃいけない。 上手かったのは、こういうカメラだからこそ起こりうる、バケモノのチラ見せ。徹頭徹尾チラ見しかできなかった怪獣が、最後に全身カメラに映る場面は、それまでじらされただけに壮観だ。怪獣は見たらがっかりしない程度に、気持ち悪くてよくできてます。 トータルで見れば、パニック映画として及第点なんじゃないでしょうか。
[DVD(字幕)] 6点(2009-03-21 00:21:15)(良:1票)
38.  ラスト サムライ
武士道とかサムライ精神っていうのは、江戸幕府が幕藩体制を維持するために、儒教という他国の哲学を利用しながら作り上げていったもの。戦国時代以前の武士を見りゃわかる。保身と欲のために、主家をころっころ替えている。仁も義も礼も無い。 だからこの映画が勝元一派を「古き良きもの」を大事に守っていると描いているのは滑稽だし、日本にきてまもないアメリカ人がそれに魅せられることに至っては片腹痛い。 そう思った時点で、ストーリーが優れていようが役者の演技が良かろうが、この映画を評価することはできない。 ちなみにストーリーも、ものすごく面白いとは思わない。 まあ元々この映画、日本人が見て評価するように作ってないのだろう。南北戦争の将校が日本に来て、欧米にはない価値観をもつ人々を発見しましたよ!強烈な美学を持ってます。生き方は壮絶ですよ!てのを見せる映画であって、この時代が現代日本からしてもかすむほど昔になったのをいいことに、ちゃっかり背景として利用しただけのことだ。日本以外の他国の人が、実際の歴史に照らし合わせて細かいツッコミを入れることはあるまい。
[DVD(字幕)] 4点(2009-03-20 14:49:54)(良:1票)
39.  カリートの道 《ネタバレ》 
デパルマっていうのはアクション・サスペンスを無難に撮る人であって、傑作を生むような演出力は無い人だと思っている。この作品も悪くない。パチーノの格好良さ、ショーン・ペン演じる弁護士の姑息さ。この二人の行く末を追うだけでも興味深い。しかしなんたる画面の古くささよ(笑)。後で1993年の作品と知って驚いた。最後に主人公を追うのが、電車内であたふたするようなショボいやくざだったのはちょっとガッカリだが、それもデパルマっぽいか。ロック・バラードの使い方の臭さ、これにも苦笑した。なんか演出が70年代で止まってるよ。 それも含めて、佳作だと思う。
[DVD(字幕)] 6点(2009-03-16 16:18:09)(良:1票)
40.  ミスト 《ネタバレ》 
これはいかん……! 後味が悪すぎる。息子まで殺した後に助けがくるとは。 しかしおかしいだろ。外には化け物がいるのに危険をおかして薬を取りに行き、車に乗ろうとした人々が、ガソリンが切れたからといって絶望するかあー? スーパー内では、「教祖」の煽る絶望論に抵抗してた人々だし。なんでラストだけ急にあきらめが早くなるんだ。 それとこれ、携帯電話のない時代という設定だったか? 誰一人携帯を使ってない。 ラストまでは、けっこう楽しんでた。「MIST」という題名と、なんか格調高そうなジャケット。ところが始まって見りゃ、昔なつかしいB級スリラー。こういう映画は傑作にはなりえないけども、気楽に楽しむにはいい。バケモノどももほどほどに気持ち悪くて、よい。「教祖」がパニック状態を利用してだんだんと人々を悪い方向に導くさまも、なかなか迫力があって良い。 ラスト直前に現れる虫の親玉らしき巨大生物を見た時は、ジュラシック・パークのブラキオサウルスと同じような驚きと感動さえあった。 人間ドラマの描き方は、全体的に不自然。前半、巨大触手に若者が食われた直後に作業員が「俺が悪いんじゃない」と弁解を始める。そんな責任問題より、生まれて初めて見る謎の巨大生物への驚きと恐怖が頭を支配してるはずだろ。食品フロアでもそう。まず最初にやることは、窓をふさいで虫が入れないようにすることのはず。命の危険がある時に、他人との人間関係なんぞどうでもいい。 そういう風にアラばっかり目立つ映画だったけども、B級スリラーだからイイヨと思って見てました。ラストまでは。 言っちゃなんだが、観客に「人間とはなにか」といった哲学的なことを考えさせる高尚な映画じゃないんだから。あんな展開はまったく不要だった。 
[DVD(字幕)] 4点(2009-03-15 19:49:51)
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