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イニシャルKさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

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381.  喜劇 初詣列車 《ネタバレ》 
列車シリーズ最後の作品となる第3作。今回は1作目同様、渥美清演じる車掌が列車の中で偶然、佐久間良子演じる幼馴染と再会するところから始まるが、さすがに3作目ともなると安定した面白さがある。今回はのちの「男はつらいよ」シリーズの出演者も少ないのだが、失踪したヒロインの弟を探すという展開で、こういうのは寅さんにも何回かあった気がするし、探し当てた弟(小松政夫)がフーテンをやっていたというのも「男はつらいよ」シリーズを連想させるもの。これまでにもこのシリーズは寅さんシリーズを思わせる描写があったが、3作すべて見てひょっとしたら山田洋次監督はこのシリーズを見ていたんだろうなとつい思わずにはいられない。今回、主人公の妻を演じるのは中村玉緒で、意外な組み合わせに感じたが、これがなかなか良かった。また、主人公の弟役が川崎敬三で、大映専属の二人の共演を東映作品で見られるのも珍しく、貴重かもしれない。ただ、前の2本と比べるとギャグが少し過激になってしまった印象があるのは残念で、主人公が長髪のかつらをかぶっているシーンも、渥美清に長髪というのがあまりにも似合わなすぎて違和感があった。これでこのシリーズはすべて見たわけだが、個人的にはやっぱり2作目の「喜劇 団体列車」が好きかな。本シリーズと同じ瀬川昌治監督がこのあとに松竹で手がけた旅行シリーズもいつか見てみたい。
[DVD(邦画)] 6点(2014-12-18 14:05:36)
382.  喜劇 団体列車
列車シリーズ第2作。前半に列車内の人々の人間模様やドタバタを中心に描いていた前作に対して、今回は渥美清演じる主人公と佐久間良子演じるヒロインの関係に最初からスポットがあたっている。前作に比べると列車内の描写は少なく、そこに物足りなさはあるものの、前作の車掌役から一転して助役試験を控えた独身の国鉄職員を演じる渥美清は前作よりも本作のほうがイキイキとしてるように見えるし、前作にもあった夢のシーンや、主人公の母親役がミヤコ蝶々だったり、主人公の見合い相手の父親役が笠智衆であるなど前作以上に(この2年後に始まる)「男はつらいよ」シリーズを思わずにはいられないような映画になっていて、東映映画なのにまるで寅さんの番外編のような雰囲気で楽しい。(前作もそうだったが、今回も途中から東映映画であることをすっかり忘れて見ていた。)前作ではヒロイン役の佐久間良子の出番は思ったほど多くはなかったが、今回は前作よりもヒロインという位置づけの役割も大きくなっていて、見ながら彼女がマドンナの「男はつらいよ」が見たかったとつい思ってしまった。さすがに列車映画としては前作のほうに軍配が上がるのだが、しかし、寅さんほどの勢いはないものの、主演の渥美清の魅力は今回のほうが出ていて好きかもしれない。
[DVD(邦画)] 7点(2014-12-09 17:33:12)
383.  喜劇 急行列車 《ネタバレ》 
渥美清が「男はつらいよ」シリーズ開始以前に東映で主演していた列車シリーズの第一作。東映の本格的な喜劇映画ってはじめて見た気がするけど、渥美清が主演だからか、はたまた監督がのちに松竹で喜劇映画を手がける瀬川昌治監督だからか、東映臭さはほとんどなく松竹的な人情喜劇になっていて楽しめた。渥美清は特急列車の専務車掌を演じているが、この車掌の人情味あふれるキャラクターが渥美清によく似合っているし、寅さんのイメージが強いからか妻子持ちの役柄というのも珍しく新鮮に思える。この車掌ががかつての憧れの存在である佐久間良子演じる毬子と列車の中で偶然再会し、という序盤は「男はつらいよ」シリーズでの寅さんとマドンナの出会いを彷彿とさせるものがあるし、車掌室で車内放送のマイクのスイッチが入っているのを気づかずに毬子への思いを独白してしまうのも寅さんにありそうなギャグで微笑ましく、楽しい。乗客たちの人間模様やドタバタも描かれ、なによりちゃんと鉄道映画としての面白さがあるのも良かった。大原麗子や小沢昭一など、のちに「男はつらいよ」シリーズにゲストなどで出演することになる役者が何人か出演してるのも見ていて安心感がある。でも、気になるというほどではないのだが、確かに「男はつらいよ」シリーズと比べてしまうと主人公のキャラや、毬子との絡みに若干の物足りなさがあるのも事実で、そこが残念と言えば残念。とはいえ、作品としてはじゅうぶんに面白かったのでシリーズ残る2本も見てみよう。
[DVD(邦画)] 7点(2014-12-04 15:34:14)
384.  小さいおうち 《ネタバレ》 
山田洋次監督が戦前、戦中、そして現代を舞台に何十年も秘められた恋を描いた映画。見る前はかなり不安な面もあったのだが、実際見てみると安心して最後まで見ていられたし、ところどころ難はあるものの良い映画だった。丘の上に立つ赤い屋根の小さいおうちのモダンさが印象的で、主演のふたり、奥様・時子を演じる松たか子は気品のある演技でとても良いし、タキ役の黒木華もまるで本当にその時代の人のような存在感と抑えた演技も印象的でこのふたりはまさにハマリ役。奥様と板倉(吉岡秀隆)の不倫関係を描くというのは山田監督の映画では異色のような気がするが、決していやらしくならずに描いているところが山田監督らしく、あまり不倫の映画を見ているという気にはならないし、ミステリータッチの展開も山田監督の映画では「霧の旗」以来だと思うが、この要素もうまく機能している。「母べえ」とほぼ同じ時代を舞台にしていながら、映画から受ける印象が違うのも良かった。(出てる役者のせいもあるのかもしれないが。)舞台となった小さいおうちが空襲で焼けるシーンをミニチュア特撮で表現したのも山田監督の映画としてはずいぶん思い切っている気がする。全体としては「東京家族」より本作のほうが好みなのだが、いちばんの不満としては登場人物たちの悲しみを号泣で表現する演出が多いのにはストレートすぎてひいてしまうし、せっかく出来ていた感情移入も途切れてしまうのは残念。(中でも倍賞千恵子演じる晩年のタキがモノローグで感極まって泣き出すところは唖然としてしまった。)原作がどうなっているのか知らないのだが、もっと抑えた演出のほうが効果的だと思うし、山田監督ならそれができるはずだ。あともう少し、「東京家族」の主要キャストが出演しているが、撮影の延期で降板した室井滋も過去パートに出演していて、黒木華演じるタキと一緒のシーンを見ていると、演じているキャラはちがうのだが、描かれている時代背景が同じせいかこの前までやっていた朝ドラ「花子とアン」をつい思い浮かべてしまった。終盤に出演している米倉斉加年(「男はつらいよ」シリーズ常連俳優)が最近亡くなってしまったのは惜しい。
[DVD(邦画)] 7点(2014-11-28 01:39:32)
385.  実録三億円事件 時効成立 《ネタバレ》 
三億円事件を題材にした犯罪サスペンス映画。実際に時効が迫っていた時期に公開されていて、(東映らしいなあ。)冒頭に実際に三億円事件の捜査に携わった刑事ふたりのインタビューが挿入されるところは生々しくてリアルで、この頃のほかの東映実録映画(あんまり見たわけではないのだが。)とは一線を画した印象で、本筋が始まっても石井輝男監督は犯行までをドキュメントタッチかつサスペンスフルに描いている。中でも犯行を再現したシーンは実際の事件にけっこう忠実に描かれており、緊迫感もじゅうぶん。しかしその後、金子信雄演じる刑事が登場してからは普通のサスペンス映画のようになってしまったのはちょっと残念だったかな。でも、東映ヤクザ映画で悪役を演じることの多い金子信雄が善良な刑事役を演じるというのは見る前はかなり意外に感じていたのだが、演技を見た印象としてはヤクザ役のときとあんまり変わらなかったので、後半はほとんどこの金子信雄のキャラを楽しみながら見ていた感じだった。
[DVD(邦画)] 6点(2014-11-20 17:03:09)
386.  すべては君に逢えたから 《ネタバレ》 
クリスマスの東京駅を舞台にしたラブストーリーで、同時に6つのエピソードが進行する群像劇。ハリウッドのラブロマンス映画のような作品を日本でも作ろうという意気込みは悪くない(少なくともハリウッドもどきのパニック邦画よりは好感が持てる。)し、それなりに雰囲気も出ているのだが、群像劇としてはなにか物足りなさを感じるし、ラストももう少しうまく出来なかったものかと思えて、これだったら群像劇ではなくオムニバスにしてしまったほうが良かったかもしれない。一応、各エピソードにタイトルがつけられていて最初は群像劇ではなくオムニバスにするつもりだったのかなとつい憶測してしまった。(もし最初から群像劇のつもりでこういう風にしたのならセンスを少し疑う。)各エピソードもなにか組み立てが下手くそに感じるのだが、それでも、時任三郎の主演パートは恋愛ではなく家族愛を描いていて、このエピソードにはさすがにくるものがあり良かった。倍賞千恵子の過去の大失恋エピソードも素敵な結末で良かったと思う。でも、このふたつはもっと長くしてちゃんとした一本の長編として見たかった気もする。とくに倍賞千恵子のエピソードはいかにも一本の長編映画として成り立つような設定だっただけに惜しい気がする。それに過去の大失恋がセリフで語られるのみなのも物足りなかった。それと最後にもう一言、ラスト付近で玉木宏と高梨臨が初デートで見る映画がリバイバルの「カサブランカ」というのはちょっと違和感がありすぎる。
[DVD(邦画)] 5点(2014-11-20 10:52:41)
387.  弾痕(1969) 《ネタバレ》 
「狙撃」に続く加山雄三主演のハードボイルドアクション映画。脚本家もプロデューサーも「狙撃」と同じなのだが、続編風の映画にはなっておらず、雰囲気も全く違う映画になっているところに製作陣の単なる二番煎じではないというこだわりが感じられていい。「狙撃」はかなり日本映画離れした印象があったが、本作はそれ以上に日本映画とは思えない雰囲気で、どこかヨーロッパ的というかフィルムノワール的な映画で「狙撃」で不満だった意味不明なシーンもなく、映画としては「狙撃」よりもこちらのほうが完成度は高いのではと思う。森谷司郎監督は黒澤明監督の助監督出身だが、こういう演出もできるのかと新鮮に感じた。一匹狼の殺し屋だった「狙撃」の主人公と違い、本作の主人公は組織に属しているが、日本とアメリカ、二つの祖国を持った男という設定が利いていて、これにより、主人公の孤独さが「狙撃」よりも強調されている。ラストは当時流行のアメリカンニューシネマの影響が見られるが、それでも強烈なバッドエンドで印象に残る。ヒロイン役は太地喜和子で、「狙撃」の浅丘ルリ子(二人とも「男はつらいよ」シリーズで印象に残るマドンナを演じていた。)とは違ったタイプの女優であるが、やはりこちらも良く、とくに目の前で恋人である主人公を殺されたあとの物悲しい表情の演技がとても良かった。劇中に流れる「死んだ男の残したものは」が主人公の行く末を暗示してるような使われ方なのだが、もっと効果的な使い方もあった気がする。それよりもヒロインが街中で女性アナウンサーに味噌汁についてインタビューされるシーンも暗示的で、そちらのほうが印象に残ってしまった。ほかの出演者ではやっぱり岸田森。「狙撃」では主人公のパートナー的存在を演じていたが、本作では一転して主人公たちから拷問をうける中国人のスパイ役を演じていて、その拷問シーンの演技がまさに熱演という感じ。全体としては「狙撃」に比べてやや分かりにくい部分もあったかもしれないが、それでも本作もじゅうぶん面白かった。ちょっと迷ったのだが、「狙撃」と同じく7点を。
[DVD(邦画)] 7点(2014-11-13 23:27:39)
388.  風立ちぬ(2013) 《ネタバレ》 
本作をもっての宮崎駿監督の長編作品からの引退宣言が話題になった本作であるが、宮崎監督が自分の趣味だけで作ってしまったような開き直りぶりが潔い映画で、堀越二郎という実在の零戦設計技師を描いた年代記ものとなっているが、そこに感じるのは宮崎監督自身の飛行機への思い入れの深さで、まさに主人公の堀越二郎は宮崎監督自身の分身ととらえることもできる。映画としても極めて大人向けであり、今までの宮崎アニメとずいぶん毛色の違う作品になっている(子供と一緒に見てはいけない映画のような気がする。)が、ドラマとしても見ごたえのある作品で、地味なストーリーながら引き込まれる部分も多く、とくにラストシーンには感動してしまった。見る前にはまったく期待してなかったのだが久しぶりに心に残る宮崎アニメ、ジブリ作品で本当に見て良かったと思える映画だった。(ジブリのアニメでこういう感覚何年振りだろうか。)宮崎監督は「もののけ姫」の頃から引退宣言をしているが、それでも客の呼べる監督ということもあってか、なかなか引退できない状態が続いていたように思うのだが、本作からはもうこれで本当に引退するぞという強い決意のようなものも感じられる。そして、本作はそんな宮崎監督の引退作に相応しい佳作で、長い監督人生をこの映画で終わらせるのはいかにも宮崎監督らしい。思えば、自分が宮崎監督の映画で最初に見たのは小学校低学年の頃にはじめて見た「となりのトトロ」で、それからもうずいぶん経ったのだが、今でも作品を見ている監督というのは宮崎監督ぐらいしかいない。その最後の作品というのはやはり感慨深いものがあり、さびしくもあるが、これだけは言いたい。ありがとう、そしてお疲れ様でした。宮崎駿に敬意を込めて。
[DVD(邦画)] 8点(2014-11-07 00:51:57)(良:1票)
389.  バカヤロー! 私、怒ってます 《ネタバレ》 
第1話は相楽晴子演じる主人公が恋人からダイエットを命じられる話だが、相楽晴子がそんなに太ってるふうには見えないからかちょっと話に無理があるように思うし、伊原剛志演じる恋人にも今から見ればこんな男、どこがいいんだと思わなくもないが、渡辺えり子が監督を手がけているというのがきいていて、それを思うと妙におかしい。でも、もし、主演まで渡辺えり子だったら自虐的すぎて見るに絶えない代物だったかもしれないのでやはりこのキャスティングで良かったのだろう。主人公とその家族が家で食卓を囲んでいるシーンがいかにも脚本を担当した森田芳光監督らしかったのが印象的だった。第2話は中島哲也監督の担当で、この話を目当てに本作を見たのだが、やはり「下妻物語」や「嫌われ松子の一生」のような強烈さはないものの、歌を歌いながら帰宅する主人公にどことなく川尻松子の面影を見ることができるし、早くも中島監督の女優の魅せ方のうまさを感じることもできる。今まで気にも留めなかった主演の安田成美がとても魅力的で印象に残り、朝ドラ主役を途中降板した女優というイメージしかなかったのだが、なんか今までとイメージが少し変わりそう。(四半世紀以上前の映画なのに。)話自体はたいしたことないのだが、本作の中ではこの話がいちばん印象に残った。第3話はタクシー運転手にとっては切実な話で、今見るとこの話がいちばんリアリティーが感じられる話のように思う。タクシーの乗客のひとりとして成田三樹夫が出ていたのはちょっとサプライズだった。最後の話は堤幸彦監督の担当で、英語のできない会社員がシカゴに出向することになり、英語の勉強に悪戦苦闘する姿を描いているが、本作の中ではいちばん中途半端に感じる話であまり面白くない。でも、それも堤監督らしいと思えるのがこの監督のすごいところか。全体としては見る前にはもっと退屈するのではと思っていたが、4話とも時代を感じる部分がさすがに多いものの、そこまで退屈するほどでもなく最後まで見れたのは良かった。でも、当時これがシリーズ化されていたことにいちばん時代を感じる。こういうのがウケル時代だったのねと。
[CS・衛星(邦画)] 5点(2014-11-02 23:11:49)
390.  狙撃 《ネタバレ》 
加山雄三といえば若大将シリーズであるが、本作ではそれとはまったく違う主人公の孤高のスナイパーを演じている。少し不安もあったが、冒頭の新幹線の標的を狙撃するシーンからストイックでカッコよく、雰囲気もよく出ていて、なかなかはまっていて良かった。それに東宝としても三十路を迎えた加山雄三のイメージを一新させたかったのか若大将シリーズでは絶対に見られないヒロイン(浅丘ルリ子)とのラブシーンがあったりするのも新鮮に感じられる。(シーン自体はヘボかったけど。)それだけでなく登場する銃器や車もカッコよく、それらにあまり詳しくない自分が見てもつい見とれてしまう。後半に登場する主人公を狙う森雅之扮する初老のスナイパーもカッコよく、(セリフが極端に少ないのがまた良い。)クライマックスの海岸での1対1の対決シーンも見ごたえじゅうぶんで、ラストの余韻の残し方も良い。正直、見る前にあまり期待はしていなかった映画だったのだのだが、とても面白く、隠れた傑作を見たような気分で見終わることができたので見て良かったと思う。ただ、少し不満を言わせてもらえれば、主人公とヒロインが出会ってすぐに惹かれあっているように見えること。もう少しこの二人の惹かれあう過程を丁寧に描いたほうが良かったと思う。それに土人の扮装で踊ってるシーンは完全に浮いていて意味不明でハッキリ言って無いほうが良かった。面白い映画だっただけにその二つだけはちょっと残念。
[DVD(邦画)] 7点(2014-10-30 15:03:44)
391.  刑事コロンボ/死の方程式<TVM> 《ネタバレ》 
今回の犯人は化学エンジニアで、冒頭暗室で爆弾を作るシーンはなかなか期待させられるものがあるのだが、ロディ・マクドウォール扮する犯人の性格が子供じみていて犯行後も挙動不審な態度や行動をとるので、倒叙形式でなくても犯人は見ていてすぐに分かるような感じなのがちょっと残念。でも、頭のいい化学エンジニアの犯人の性格が子供じみているという設定は面白かった。「猿の惑星」で彼が演じたコーネリアスの吹き替えといえば山田康雄というイメージがあるのだが、本作では野沢那智が吹き替えを演じている。その吹き替えもテンションが高く、「汚れた超能力」でも犯人の吹き替えを演じていたが、それ以上にハマっていて、それが今回の犯人 ロジャーのキャラクターをより強烈なものにしていて(本人は少々やりすぎたと言ってたみたいだけど。)、話としては正直それほど面白いものではないのだが、このおかげでロジャーはとても個性的で印象に残る犯人になっていて、彼を見ているだけでも楽しい。(原語版だと印象がまた違うのだろうけどどんな感じなんだろう?)このシリーズ多くの作品でコロンボは高所恐怖症というのが強調されているが、ラストで動いているロープウェイの中で犯人を罠にはめていたのがそれだけに印象的だ。すべてを看破されたあとのロジャーの高笑いも余韻を残す終わり方でけっこう好きなエンディングだった。しかし、コロンボとロジャーの対決はだいぶ物足りず、もう少し見どころが欲しかった。
[CS・衛星(吹替)] 6点(2014-10-25 15:28:24)
392.  あの手この手(1952) 《ネタバレ》 
まだ東宝に在籍していた市川崑監督が大映に出向いて手がけた作品で、事実上、市川監督の大映での第1作となる。夫婦が突然家出してきた姪に振り回されるさまを描いているが、森雅之と久我美子ということでのちに川島雄三監督が東宝で手がけた「女であること」を思い出すが、印象としては小津安二郎監督の「淑女は何を忘れたか」に近いコメディタッチの映画で、それには及ばないものの、気軽に楽しむことができた。なんといってもアコちゃんのキャラクターが強烈かつコミカルで、それでいて可愛らしく、とても魅力的で、演じる久我美子はいつもは少しきつめのイメージのある女優なのだが、それをまったく感じさせておらず、こんな娘なら自分が振り回されてもいいかと思えるほどだ。彼女の恐妻家のおじを演じる森雅之もどこか茶目っ気があり、とくに妻を呼ぶときの「奥さん、奥さん」というセリフが可愛らしく、それがまた笑える部分でもあり、こんな芝居も違和感なく演じてしまうところに名優らしさが感じられる。久我美子のヒット作である「また逢う日まで」のパロディーシーンはまだ本家の作品を見ていないながら楽しく、このシーンには市川監督の余裕さも感じられた。ところで、森雅之はのちに出演した市川作品である「こころ」や「おとうと」でも作家の役だったが、父親が有島武郎であることからキャスティングされたのかなと想像してみたりできて面白い。
[DVD(邦画)] 7点(2014-10-23 18:28:03)(良:1票)
393.  真夏の方程式 《ネタバレ》 
「ガリレオ」劇場版第2作。前作「容疑者Xの献身」ほど陰湿ではなく、湯川(福山雅治)も主人公らしい描かれ方をされていて、前作よりは今回のほうが安心して見ていられる。しかし、テレビドラマの劇場版ということを感じさせていなかった前作に比べると、やはり物足りない出来で、今回も前作同様にテレビシリーズとは違う方向に持っていこうとしているのは分かるのだが、前作と違ってテレビドラマの劇場版という感じになってしまっているのは前作が良かっただけに残念だった。ストーリーの軸となっているのがそれぞれに秘密を抱えた家族であるが、この家族全員が身勝手なだけにしか見えず、とても感情移入できる代物ではないし、予告でうたわれていた家族愛もとうてい感じられない。中でもなにも知らない小学生の甥っ子を殺人事件の共犯に仕立ててしまう旅館の主人は最低で、本当に家族を愛しているならたとえ甥でもそんなことはしてはならないと思うし、そんな男の口から家族を愛している云々の言葉を語られても説得力がなく、薄ら寒さを覚える(演じるのが善良な役柄の多い前田吟というのもイメージと違うような気がする。)し、むしろ、この家族よりも小学生にして重い荷物を背負わされてしまった少年の今後が心配になってしまった。冒頭に描かれる殺人が節子による犯行だと思わせておいて成美の犯行だったのはうまいミスリードだと思うが、被害者の女(西田尚美)がどんなにイヤな女に描かれていても演じる西田尚美にはおっとり・のほほんとした親しみやすいイメージがあり、この役を演じるには無理があるように思う。見るからにイヤな奴を演じてはまる女優ならほかにいくらでもいるだろうに。この成美の殺人だけは少しは分かる部分もあっただけにこの配役はちょっと残念だった。と、けなしてばかりだがいいところをあげれば子供が苦手な湯川が小学生の少年と触れ合うという設定は面白いし、ペットボトルロケットを飛ばすシーンはほのぼのとしていて良かった(ここだけは本当に夏休みのファミリー映画のノリ。)し、近年の朝ドラヒロインふたりの共演も楽しい。それに撮影をたけし映画も担当する柳島克己が担当しているためか青い海や空の美しさが際立っていてとても印象に残る。少し甘めだが、これらに免じて6点を。最後にもう一つだけ、ガリレオシリーズの残る長編「聖女の救済」は本作の前に連ドラの中で映像化されたが、それよりも本作のほうが映画よりもテレビ向けだった気がする。もし、映画でなくテレビドラマとして映像化されていたら、物語の印象はもっと違うものになったかもしれない。
[DVD(邦画)] 6点(2014-10-17 01:40:16)(良:1票)
394.  刑事コロンボ/意識の下の映像<TVM> 《ネタバレ》 
ロバート・カルプが「指輪の爪あと」、「アリバイのダイヤル」に続いて三度目の犯人役を演じるエピソード。犯行に気づいた映写技師までも射殺してしまうという非情さもあり、彼が演じた犯人の中ではいちばん残虐性を感じさせる。最初の殺人はサブリミナル効果を用いて被害者を外に出させ、射殺するという手の込んだものだが、ラストにコロンボがそれと同じ方法で犯人を外に出させるという解決シーンは、鮮やかかつ皮肉が利いていて見事なこのシリーズでも印象に残る結末で、辛いキャビアやフィルムに挟んだコインなど細かいところに目をつけるコロンボや、犯人とコロンボの対決も見ごたえじゅうぶんでこのシリーズらしさがよく出た作品になっていて面白かった。今回、コロンボは犯行に使われた口径の銃を探すのだが、口径変換機というのはやや現実離れしている反則技と思うものの、同じく銃の隠し場所がポイントとなる「ホリスター将軍のコレクション」と比べると説得力があり、強引さも感じつつも納得させられる。ただ、ほかの人も書かれているが、細かいことを言えば犯人はあんなところで殺人をやってもし誰かに見られたらどうする気だったのだろうとか、証拠をいつまでも同じ場所に隠しっぱなしというのはちょっと違和感を覚えた。頭がキレるインテリ犯人だっただけにそこはどうしても気になってしまい残念。でも、出来としてはじゅうぶんに満足できる作品だった。
[CS・衛星(吹替)] 7点(2014-10-13 16:56:10)
395.  刑事コロンボ/ロンドンの傘<TVM> 《ネタバレ》 
今回はコロンボが出張先のロンドンで殺人事件に遭遇する海外ロケ編で、いつもとは雰囲気の違う作品になっているが、もうこの頃にはこのシリーズは世界的に人気が出ていたのかな。犯人夫婦の殺人が故意ではなく過失によるものだが、あれだけで死ぬか?とついつっこんでしまったし、ラストの解決シーンもやっぱり強引。今回は舞台のロンドンをコロンボが観光するシーンが長く、犯人夫婦との対決よりもこちらがメインのようにうつってしまっているのもちょっと残念で、約100分のノーカット版を見たのだが、やや冗長に感じ、もう少し短くてもいいのではと思った。でも、コロンボと地元のダーク刑事部長とのやりとりは面白かったし、異国で捜査をするコロンボというのも新鮮だった。(でも、けっこうそこが本作のつっこみどころだったりするわけだけど。)ボンドガールを演じたことのある女優が犯人役に起用されているのもロンドンが舞台ということでそれを意識してるところがあるのかもしれないなあと思わずにはいられなかった。その吹き替えの岸田今日子の声もインパクトがあり、印象に残る。
[CS・衛星(吹替)] 5点(2014-10-09 16:23:43)
396.  ドラゴンボールZ 神と神 《ネタバレ》 
前作「最強への道」を見た時にはまさか出るとは思っていなかった新作劇場版。「帰ってきた若大将」が同窓会的ノリの映画だったのと同じように本作もやはりかつて原作やテレビアニメ、劇場版を見ていた世代が懐かしい友人たちに会うための同窓会映画になっていて、殺伐とした雰囲気はなく、ほのぼのとしたコメディタッチの作風で、Zの劇場版というよりは初代に近いような印象なのが本当に懐かしい。敵であるビルスとウイスが完全悪という存在ではなく、最後も悟空が勝てないまま終わるというのはファンからは賛否両論あると思うけど、個人的にはこういうのもいいなあと思う。「最強への道」では出番を丸ごとカットされてしまっていたピラフ一味が登場していて、この三人の登場が本作の中でいちばん懐かしかった気がする。必死にビルスの機嫌を取って穏便に帰ってもらおうと振る舞うベジータのキャラ崩壊はなんとも滑稽で、ふだんとのギャップが笑える。ただ、ドラゴンボールがビンゴの景品になっていたのはおいおいという感じ。来年もう一作劇場版が製作されるらしいけど、平和な話だっただけに本作の続編とかだったらちょっとイヤかも。神龍の声は内海賢二が演じているのも懐かしいのだが、彼が出演した劇場アニメとしては最後の作品で、洋画吹き替えの最後の出演作である「007 慰めの報酬」新録DVDと合わせて昔から彼と縁のあるシリーズ作品が最後だったのは本人にとっては良かったのかもしれない。
[DVD(邦画)] 6点(2014-10-07 11:08:16)
397.  劇場版タイムスクープハンター 安土城 最後の1日 《ネタバレ》 
NHKで深夜番組として放送されているSF歴史番組の劇場版。テレビ版はながら見する程度なのだが、それでもわりと好きな番組だったりするので、取りあえずこの映画版も見てみた。紛失した茶器をめぐる話で、メインの戦国時代だけでなく1985年や1945年にもタイムスリップするあたりは劇場版ならではのスケールで、いつも一人で取材をしている主人公・沢嶋雄一(要潤)に相棒・細野ヒカリ(夏帆)がいるのもテレビ版と違っていて新鮮。しかし、テレビ版ではエピソード自体の主人公はそれぞれの回に登場する取材対象者で、カメラを向ける沢嶋はあくまで狂言回し的な存在という印象があるだけに、途中から普通のテレビドラマのように沢嶋やヒカリが画面に登場するのはなんか違う。後半にふたたび戦国時代の取材対象者(時任三郎、上島竜兵)たちと行動を共にし始めても普通に沢嶋とヒカリの姿が画面に登場し、登場人物の一部として溶け込んでしまっているのはシリーズの趣旨とはずれてしまっているし、二人が未来的ないでたちなのも相まって相当な違和感を感じる。せめて戦国時代に戻ったらいつものように沢嶋がカメラを回している設定に戻してほしかった。それと、テレビ版ではタイムスリップ先の人々はできるだけ当時の言葉で会話をしているだけに1945年の戦時中のシーンで現地の人が「スパイ」という言葉を使っていたのにもちょっと違和感があった。話としてはそこまでつまらないというわけでもなく、面白いというわけでもなくという感想なのだが、劇場版ということを意識しすぎたのかあまりこのシリーズらしさは出ていなかったように思う。テレビ版には登場しないタイムスクープ社の調査員も登場しているが、局長役の宇津井健はこれが映画での遺作。映画よりもテレビ俳優として知られていたが、映画での遺作もテレビ番組の劇場版というのが彼らしいかなと思う。
[CS・衛星(邦画)] 5点(2014-10-05 15:30:54)
398.  今年の恋 《ネタバレ》 
今年になって何本か木下恵介監督の映画を見ているが、シリアスな作品が続いたせいか喜劇映画はかなり久しぶりに見る気がするのだが、これがまた面白く、肩の力を抜いて気楽に見られる楽しい作品だった。「永遠の人」に続いての木下作品出演である田村正和が「永遠の人」の息子役とは違うちゃらい学生を演じているが、やはり「永遠の人」の役柄とは別人に見える。(近年の彼は何を演じているのを見ても古畑任三郎にしか見えない。)映画はこの田村正和の兄である吉田輝雄と悪友の姉であり、料亭の娘である岡田茉莉子が主演のラブコメなのだが、印象に残るのはやはりこの二人が車を走りながらの掛け合いのシーンで、その掛け合いが面白く、なんとも爽やかでロマンチックだ。ほかにも思わず爆笑してしまうようなシーンが多く、岡田茉莉子が弟を説教しているところへ両親がいちいち割って入るシーンは両親の配役の妙もありかなり笑えるし、弟たちの担任を演じる三木のり平もいい味を出している。とくに弟たちの素行の悪さについて話しているうちにいつの間にか自分の風邪が大変と言い出してしまうところなどは最高だった。それにベタではあるが、電話を使ったギャグも面白い。東山千栄子演じるばあやがこれまたいい味を出していて、雨の夜中に吉田輝雄と田村正和が寝ている寝室に入ってくるシーンには思わず笑ってしまった。ラストは大晦日の除夜の鐘をつくシーンで終わっているのがいかにも正月映画らしく、今度本作を見るときはできれば大晦日に見てみたいと思う。木下監督は一般的にはシリアスな映画で評価されることの多い監督だと思うのだけど、それだけではなくこういった軽めの喜劇もうまく、喜劇でももっと評価されていい監督だと本当に思う。とくに本作は監督自身が楽しみながら撮っている姿が想像できるような映画だった。
[DVD(邦画)] 8点(2014-10-02 16:35:41)
399.  死闘の伝説 《ネタバレ》 
終戦直前の北海道を舞台に、疎開してきた一家があることをきっかけに現地の住民たちから疎まれたことから起こる双方の対立を描いた木下恵介監督による映画。その対立を激しい暴力描写を伴って描いているのが木下監督の映画としてはかなり異色であり、とくに後半部分の登場人物たちが激しい殺し合いをはじめる展開は一見本当に木下監督の映画なのかと思うほどだが、その暴力描写のみを売りにした娯楽映画などでは決してなく、最初から最後まで重苦しい雰囲気で展開する社会派映画である。戦時中に疎開した者と疎開先の住民との確執は本作で描かれるほど極端でなくても実際にはあったことだと思うし、木下監督もそれに怒りを感じていたのだろう。(現在でも差別による対立はじゅうぶんあり得るし。)そしてそれを描くにはあえてこうするしかなかったのではと思うし、木下監督のいつもとは違った一面を見れたのも新鮮だった。木下監督らしさがまったく出ていないのかというとそうではなく、登場人物たちに戦争批判的なセリフをストレートに語らせるなどメッセージ性もある。ラストはなんとも言えない虚しさがあるが、木下監督はこの事件と戦争を重ね合わせて、人間の愚かさや争いの虚しさというものを描いているように感じられ、確かに異色作ではあるが、木下監督の信念のようなものはちゃんと貫かれていて、作風のブレは感じられない。ただ、主演は岩下志麻で脇に菅原文太が出ていて、とくに岩下志麻はまだ若手の清純派の頃なのだが、先に後年の東映映画を見ているせいかこういう暴力描写の多い映画でこの二人が共演していると木下監督の映画としてはちょっと違和感を感じてしまうのも事実ではある。
[DVD(邦画)] 7点(2014-09-28 00:23:51)
400.  悪魔が来りて笛を吹く(1979) 《ネタバレ》 
金田一ものらしいドロドロしたストーリーなのだが、明るすぎる画面からはおどろおどろしさを感じることができず、また、同時期に「西遊記」で八戒を演じていた西田敏行が演じる金田一は彼の持ち味を生かしたコミカルなキャラクター造型がされていて、どちらかといえば金田一というよりはイメージはのちに「釣りバカ日誌」シリーズで演じる浜ちゃんに近く、これはこれでアリだとは思うが、やはり金田一のイメージでは無い。(「八つ墓村」の渥美清の金田一はもし寅さんが旅先で殺人事件に遭遇したらという想定で見ていくと違和感はそれほど感じないのだが、西田敏行(浜ちゃん)の場合はそれは難しい。)映画としてもこの二つの要因のせいか、雰囲気が出ていないし、「悪魔が来りて笛を吹く」という怖いタイトルに内容が負けてしまっている。それに本作だけでは重要な部分が理解できないような構成は原作を未読でありテレビドラマ版も未見である身にはつらいものがある。金田一を先生と慕うヒロインを演じる斉藤とも子も「女王蜂」の中井貴恵ほどではないがあまり魅力を感じなかった。彼女の足を強調するようなカットが何回か出てくるが、少しあざとい。(単に監督が彼女のファンなだけ?)宮内淳が重要な役柄で出演しているが昔に再放送で見ていた「太陽にほえろ!」のボンが懐かしい。全体的に見てなんか横溝ブームの中で東映が急いで作った感のある映画だったが、同じ監督の「戦国自衛隊」よりはマシだったかな。でも、出来れば市川崑監督と石坂浩二のコンビで見てみたかった気がする。
[DVD(邦画)] 4点(2014-09-18 16:41:57)
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