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六本木ソルジャーさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 823
性別 男性

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【製作年 : 2000年代 抽出】 >> 製作年レビュー統計
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401.  シュレック
見かけだけで人を判断するなというテーマと同時に「オレが世間を避けているんではない、世間の方がオレを避けてるんだ」と知らない間に周りと壁を作っているシュレックの人や社会への接し方は現代にも当てはまるような気がした。 結局は、自分ことを一番醜いと思っていたのが自分なんだろうなと感じる。 それを救ったのはドンキーなのではないか。 ドンキーの友情がシュレックの心の孤独の闇から救ったと思う。フィオナと上手くいったのもドンキーがいたからこそだろう。 風船交換等のシュレックとフィオナのバカップルぷりも確かに良かったが、難を言えばやはりストーリーが浅過ぎると言わざるを得ない。 もうちょっと身分や立場は違うけど本当の愛とは何か、本当の強さとは何か、本当の勇気とは何かを描ければだいぶいい作品になっただろう。 そして「本当の自分のことを知りもしないで」と玉ねぎを引用してシュレックは語っていたけど、シュレックの良さはそれほど感じられないし、描かれてはいなかったと思う。
5点(2004-07-17 18:55:02)
402.  パンチドランク・ラブ 《ネタバレ》 
何を伝えたいのか趣旨がよく分からないところもあるが、「狂っているのはオマエだけじゃない。世の中どこか狂っている。キレたくなる衝動は分かるけれども、どうせキレるのならば、いい方向にキレてみよう」というメッセージとして本作を受け取った。 恋愛にキレて、恋愛に狂ってみたら、ドンヨリと曇った世界も、虹色のような世界(ハワイ)になるということか。 彼が愛用している青いスーツも、ブルーの気持ちを代弁しているのかもしれない。  事故を起こす車、壊れかけのピアノ、マイレージのルールの歪み、応援しているのか苛立たせているのか分からない家族、H系の電話なども、世の中が狂っていることを言い表しているようにも感じるが、個人的にはそのどれも上手くはハマれず、共感するには至らなかった。 頭で理解しようとするのではなく、まさに感じる映画なのだろう。 個人的な率直な感想としては、共感しにくいので、あまり好きなタイプの映画ではなかった。 また、ストーリーを楽しむよりも、映像の面白さを楽しむのも手だろうか。 好き嫌いが大きく別れそうな映画だ。
[DVD(字幕)] 5点(2004-06-25 15:29:52)
403.  スイミング・プール 《ネタバレ》 
この映画は、全てランプリングの頭の中のネタであり実際の娘は最後に出てきた歯の矯正をしたブサイクな女の子というオチなんだが、ちょっとこのオチはさすがにない方がいいと思う。 「マルホランドドライブ」なんかは妄想である必要があったんだが、どうも本作には妄想という必要がないと思われる。 ランプリングのサニエを見つめる複雑な感情が入り混じったなんともいえない視線や、「何も行動できないイギリスのおばさん」と言われたランプリングがジジイに執ったあの大胆な行動、社長とのやり取り、幻の作品等、全てが妄想と知ったら残念な気がします。 自分の中では、ラストを頭から消去して全て現実にあった物語とすることに決めました。
5点(2004-06-25 15:18:16)(良:1票)
404.  リクルート
序盤は、たんたんとストーリーが流れていく上にラストと拷問テスト以外に緊張感や緊迫感が欠けていて、ちょっと飽きます。 フィンチャーの「ゲーム」みたいにしてどこからどこまでがテストなのか観客に混乱させる方が良かったような気がするし、このストーリーなら思いきって恋愛に比重を置いて恋人をどこまで信頼できるかどうかという姿を描いても面白かったような気がする。 自分が見た感じは、結局パチーノが自分の仕事に嫌気がさして金のために若手を利用してファイルを盗むというストーリーにしか見えなかった。
5点(2004-06-25 15:11:07)
405.  21グラム
「人命は地球より重い」と語った昔の政治家もいたが「21g」はまさにそのような映画だった。  誰よりもその重みを知っていたのは、ショーンペンだったのではないか。 自身の余命がいくばくもないと知っていたから、その重みを感じ取っていたのだろう。 だから、妻が中絶という手段を取ったことが許せなかっただろうし、再移植の必要があると説明された時に誰かが死ぬのを待つことは出来ないというセリフに至ったんだろうと感じた。 そして命をもらったことへの感謝とそのために誰かの命が失われたことへの不安が彼をナオミへと突き動かしたのだろう。 だからどうしてもデルトロを撃つことも出来なかったし、ラストあの事態を解決するにはああいう手段をとらざるを得なかったんだろうと感じた。  そして人の命の重さに、もがき苦しむ二人、デルトロとナオミは素晴らしい演技だった。 どんな深い悲しみや苦しみが襲おうとも人生は続いていく。 人が苦しむのもその「命の重さ」によるものなのかもしれないが、人が癒されるのも「命の重さ」であるだろう。 ナオミにとっては、産まれてくる子どもであり、デルトロにとっては神などではなく、妻であり、子ども達という人の命なのではないか。  「アモーレスペロス」の三つのストーリーの時間軸のずらし方は絶妙であり巧妙であったが、今回は何故あそこまで細かく編集する必要があったのかは疑問がある。 テーマも素晴らしく、演技も素晴らしいので真正面から向かっても良かった気がするが、普通の編集だと、あまり大きなストーリーもないのでよくある普通の映画になるかもしれないかな。 この編集によって、観る人に対しての衝撃の大きさと「命の重さ」について考えさせる監督の執念が込められたいい編集なのかもしれない。
5点(2004-06-25 14:25:43)(良:1票)
406.  白いカラス
テーマもいい、演技もいい。 でも全く物足りなく感じるのがこの映画の特徴。  さして大きなドラマがあるわけでもないし、悲劇というわけでもない。 「人間の心の傷」という極めて深く抽象的なテーマを映画化するのにはもうちょっと脚本をどうにかするか、演出家の力量が問われることになるだろう。 アカデミー賞監督には失礼な話だが、他の人がとればもっと良かったような気がしてちょっと惜しい気がした。  どんなに頑張っても秘密がなくなるわけでもないし、傷が癒えるわけでもない、孤独になりたくてもどんなに絶望しても、人はどうしても誰か他人に寄り添って生きていくしかない。 人間は一人では生きてはいけない、そういう人間の複雑な感情、心の裏側を演出するってのは本当に難しいんだろうな。  告白後の若かりしのシルクと年老いたシルクの対比は良かった。 帰りの電車で目も合わせず微妙な距離を置いて帰った若い二人と言葉は無くても安心して寄り添って帰る車の二人。 相手の傷を理解し癒せるのは本当に心の傷を知っている人ではないと無理なんだろうか。
5点(2004-06-25 14:24:02)
407.  レディ・キラーズ 《ネタバレ》 
面白い設定の割には、あまり面白さを感じさせない不思議な作品。 騒々しさだけは伝わってくるが、基本的にはあまり中身がないためと思われる。 コーエン兄弟の上手さやブラックさは随所に感じられるが、その上手さが活かされる題材ではなかったか。 ラストの展開はさすがに面白いが、それ以外には特別なトラブルもなく、スムーズに物事が運びすぎているので、緊迫感もなく、やや飽きてくる。 また、トラブルに対しても、訳の分からないインテリチックな面を押し出しているので、素直には笑えないものとなっている。 さらに、宗教的な思想が本作の下地にあるために、素直に面白くないのだと思う。 基本的には「犯罪はいけません」「教会にいきましょう」「寄付をしましょう」「告白をしましょう」ということを伝えたい作品。 「あなた達の行動は、きちんと神(≒額縁のおじさん)は見ていますよ」「犯罪者にはバチが当たる」ということを描きたかったようだ。 メッセージ自体は、もちろん悪いものではなく、誰しもが肝に銘じなくてはいけないが、メッセージの伝え方が適していたかどうかは疑問なところがある。 トム・ハンクスは健闘していたが、その健闘は空回りしていたかもしれない。 肩のチカラを抜いて、もうちょっと適当でバカっぽくてもよかったかもしれない。 一見すると完璧なインテリ学者だが、常識も教養もないという中身のないインテリを演じなくてはいけないのに、張り切りすぎて本物のインテリを演じてしまった感がある。 5人のチームに関しても、黒人清掃人と胃腸が悪い者との不協和音が描かれているが、微妙な関係性が描かれてはいない。 仲間でもない急造チームが“大金”を手にするのだから、それぞれの腹の中はもっと汚くて黒いものとなっているはずだ。 コメディなので仕方はないが、それぞれのキャラクターが生きてはおらず、デフォルメされた“駒”のような存在になってしまっているのも魅力を欠いた点だろうか。
[DVD(字幕)] 5点(2004-06-25 14:20:03)
408.  まぼろし
言いたいこと、やりたいことは強く切なく伝わるんだけど、あまりにも映像がつまらない気がした。最愛の人をなくした喪失感を描いた映画は数多くあるが、経験不足からかどれもピンと来ない。 頭では理解はしているものの、心のどこかで夫が生きているかもしれないと思うランプリングはとても良かった、特に警察署であそこまで客観的事実を告げられても、夫の死を否定する所とか。 旦那の母親とのやり取りも重みがある、母と妻どちらの愛が勝っているか競っている感じ。 ラストも凄くいいけど、やはり深くはまれずにただのまぼろしだろと思ってしまった。
5点(2004-05-10 23:30:56)
409.  スパイキッズ2/失われた夢の島
CGのしょぼさや、背景「それ絵だろ!」とかストーリーの細かい所につっ込むようなヤボな気は全くないけどやはり子供向き映画で、大人の視聴に耐えられるほどの映画ではない。 もっとバカバカしく徹底的にやるか、それとも家族愛をもっと押し出すかした方がいいのでは。 
5点(2004-03-22 23:35:54)
410.  ゾンビランド 《ネタバレ》 
ゾンビ映画に対してはそれほど思い入れもないものの、新しいタイプの「ゾンビ映画」を楽しめるのではないかと期待していたが、自分向きではなかったようだ。「ショーン・オブ・ザ・デッド」もそれほど評価していない自分には無理だったようだ。 ゾンビ映画とコメディ映画のフュージョンにより、普通の倍楽しめる人もいるかもしれないが、自分にはどっちつかずの中途半端な作品と映ってしまった。もうちょっとどちらかに寄せてもよかったか。 劇場内もそれほど盛り上がっていなかったような気がする。自分はほとんど笑えなかった上に、周囲からも数回乾いたような笑いが聞こえる程度だ。 「ピエロが怖いっていったい何の話だ、スティーヴン・キングのITか」 「トゥインキーなんて知らねぇ、うまい棒みたいなもんか」 このように元ネタを知らないこともあってか、ノリ切れなかった。 (トゥインキーを調べると、何年も腐ることがない、核戦争後でも残るといわれている具合に意外とネタにされており、タラハシーの「賞味期限があるんだぜ」というセリフは笑いどころだったようだ) 最大の見せ場であるビル・マーレイも、予想可能なお約束のオチであり、それほど楽しめることができなかった。ノリが良いのか悪いのかよく分からないビル・マーレイもやや微妙。『何か心残りはあるか?』の問いに対する答えは、モノを見ていないのでよく分からなかったのに、何故か笑えたが。 新しいタイプの映画ではあるのは間違いないが、ゾンビ映画というよりも、オタク青年が美女をゲットするという、アメリカの映画によくありがちな設定の映画でもあり、新しいというよりも使い古された作品ということもできる。 「生き残るための32のルール」もそれほど効果的でもない。いくつかのルールを効果的に紹介しつつ、ルールをかたくなに守る主人公と、タラハシーたちの自由さとのギャップを描くことにより、そのルールが全く役に立たないことを“笑い”へ変えながら、ゾンビランドやリアルな世の中で生きるためには、ルールなど必要ないというようなオチでもよさそうだ。「ヒーローになるな」を否定するくらいではやや弱いような気がする。 ゾンビ映画なのだから難しくする必要はないが、もうちょっと爽快感が欲しいところ。 タラハシーの終盤の大活躍、美女とのキス(一塁)など見せ場はあるが、個人的にはそれほどハマらなかった。
[映画館(字幕)] 4点(2010-08-07 12:33:40)
411.  ラッシュライフ
原作は未読。伊坂作品のいかなる作品の1ページも読んだことはない。 原作未読のためか、終始疎外感を覚えてしまった。 学生が製作に関わっているようであり、自分の世界を構築することにこだわりすぎて、観客の目を意識するまでには至らなかったようだ。 しかし、それほど嫌いではないテイストにはなっている。 原作を読んでいないので何ともいえないが、調理するのは難しい題材だったのだろうか。 もう少し練り込めばもうちょっと良い作品に仕上がった気がする。 また、個別エピソード自体理解できないものがないが、あまりにも漠然かつふんわりとしすぎてしまったか。 全体を通して、何を伝えたいのか完全にボヤけてしまった。 4人の監督がそれぞれを受け持っているようなので、バランスも少々悪くなっている。 黒澤編のような分かりやすい作品にするのも何か違和感を覚えてしまう。 そのアンバランスさが本作の“味”のようなものにもなっているが、一般受けするのは難しいだろう。
[DVD(邦画)] 4点(2010-02-06 23:20:33)
412.  スペル 《ネタバレ》 
傑作ホラーといわれている「死霊のはらわた」が個人的に全く合わなかったので、無理を承知で鑑賞してみたが、やっぱり合わなかった。 極端につまらないとは思わないが、どうにもノリ切れない。 ホラーともコメディともいえない独特な路線がサム・ライミ監督の持ち味なのかもしれないが、自分にはどちらにも振り切れていないと感じられて、中途半端にも映った。 それほど怖くもなければ、それほど笑えるわけでもないという生煮え状態が続く。 追いつめられていくような心理的な圧迫もなく、単に“突然さ”と“音”だけで誤魔化しているのではないかと感じられるところもチラホラと見受けられる。 冒頭の車内バトルは楽しめたので、あのようなテンションが続けばもうちょっと楽しめたと思われるが、あとは基本的にはワンパターンにも感じられた。 作り物のグロさには耐性があるので、あの程度ではビクともしない。 冒頭を過ぎれば、肝心のババアとのバトルも盛り上がりはない(死体に髪を引っ張られるだけのシーンは“お約束”と笑えばいいのか)。 ラストの落としどころは誰でも分かるように製作されている。 それはそれで「そのネタをいつ明かしてくれるんだ!」というワクワクするような期待感を抱くことができるものの、ノリ切れない者にとっては「バレバレなんだよ。早くしろよ!」という“萎え”という感想も抱くことにも繋がる。 完全に見る者を選ぶ映画といえそうであり、自分はもちろん選ばれなかったようだ。 こういう作品を心から楽しむことができないのは、自分はちょっと損をしているかもしれない。
[映画館(字幕)] 4点(2009-12-01 23:39:27)(良:2票)
413.  ノウイング 《ネタバレ》 
終始、乗れない映画に仕上がっている。 結末が明らかになるにしたがって、乗れない理由がだんたんと分かってくる。 監督自身、脚本に関わっているかもしれないが、この脚本の監督を任されたら、どのようなアプローチを試みればよいか、途方に暮れるほどの難しさを持った作品だと思う。 “父と子の別れ”のようなものがテーマにもなっているので、もうちょっと父子の絆を重めに描いた方がまだ良かったのではないか。 ニコラスが子どもを無視したり、放ったらかしにして、終始一人で暴走しているようにしか思えないので、父子の絆が描かれているようには思えない。 母の死で心を閉ざした子と父が協力しながら、タイムカプセル内の紙の謎の暗号を解き明かそうとして、父子関係が回復していけば、まだ面白くなったのではないか。 そもそも紙に書かれた暗号や事件など、本作の結末とはほとんど関係ないのだから、あの暗号に意味を持たせるとすれば、こういう使い方をするしかない。 派手なアクションがあるSF作品であるが、ヒューマンドラマの要素をもっと増やせば、もうちょっと見られた作品になったかもしれない。 “手話”という手法を利用しているが、必ずしも効果的ではないのは、劇中で彼らの絆の深さが足りないからだろう。 しかし、地球が消滅しそうになる映画の大半で、訳の分からない方法で何度も地球が救われてきたが、何の手も打たずに地球が消滅するというのはなかなか思い切った手法だ。ただ、二人の子どもがアダムとイヴとして新たな人類を再生していくという解釈は面白い宗教観になっている。冒頭の父と子の会話がヒントになっているものの、風呂敷が広すぎてピンとは来ないが。 本作を見て、分かることはニコラス・ケイジの偉大さだけだ。 宇宙船が登場した瞬間に、ヒザから崩れ落ちるニコラス・ケイジを見て、「スゲえわ。カッコ良すぎる」と思ったほどだ。彼が出演しているから、ギリギリ映画として成り立っている。普通の役者ならば、見ていられないほどのレベルの作品だと思う。 どんなに荒唐無稽な作品でも、彼が持つ“何らかのチカラ”が働いて、荒唐無稽と思わせないようになっている。逆に、どんなにリアルな作品でも、“絶対に冗談だよな”と感じさせてしまうかもしれないが。 大げさな音響や音楽も本作をより低い作品にしてしまっている。あまりにもセンスがなさすぎやしないか。途中からうんざりしてしまった。
[映画館(字幕)] 4点(2009-07-13 00:14:47)(良:1票)
414.  バーン・アフター・リーディング 《ネタバレ》 
他のコーエン作品のレビューでも同じ事を書いているが、面白い設定の割には、あまり面白さを感じさせない不思議な作品になっている。騒々しさだけは伝わってくるが、基本的にはあまり中身がないためと思われる。徹底的に自己中心的でアホな連中を登場させたり、徹底的なブラックさでグロく攻めてくれれば、多少は評価できるが、評価できる部分が見当たらない。本作のラストにおいて自己評価しているが、「何の教訓も得られない作品」としか言いようがない。コーエン兄弟はアカデミー賞を受賞したので、あえて“中身がない作品”を作ろうとしたのだろうか。 この手の作品は、“単純な複雑さ”が求められるものだ。本作は、単純なことを回りくどく描いているだけのような気がする。 Aの行動をBが疑い、Bのその行動をCが疑い、Cのその行動をDが疑い、Dのその行動をAが疑うようなものが“単純な複雑さ”といえるケースになるだろう。 「全身美容整形手術費用をフランシス・マクドーマンドが欲しい」という基礎となる根っこがあり、「マルコヴィッチから金をふんだくる」というところまでは悪くはないが、そこから話が上手く転がっていない。CIAやロシアといった面白いファクターもあるのに、有効利用されていない。マルコヴィッチは、マクドーマンドのことをギャングかロシアのスパイと勘違いして、動揺して金を準備して、そのマルコヴィッチの不審な行動を、妻のスウィントンは離婚のための資産隠しと誤解するというように上手く転がせないものか。“データ”も“金”というアイテムも上手く活かせていないので、面白くなりようがない。 それ以外にも、執筆者であるマルコヴィッチは気づいていないが、ブラッド・ピットが手に知れたネタが実は重要機密が書かれており、CIAとロシアをも巻き込んだ騒動になるという王道ネタにすれば、まだ面白くなったのではないか。 オチに関しても、上手くオチているようには思えない。 「実はAが○○だった」というどんでん返しもなく、バタバタした挙句に訳の分からない拍子抜けのオチで逃げてしまった感が強い。CIAがマクドーマンドの主張を飲む理由も分からず、最低な“オチ”といえる。「実はマルコヴィッチはロシアのスパイであり、マクドーマンドの行動がロシアの利益に合致した」でも、「実はブラッド・ピットが○○○でいなかった」でもいいので、“オチ”をマジメに考えて欲しかった。
[映画館(字幕)] 4点(2009-05-06 21:37:31)(良:1票)
415.  ワルキューレ 《ネタバレ》 
けなしたくなるようなレベルの低い映画ではないが、個人的には面白みがほぼ皆無と思われた。唯一面白かったのは、ゲッベルスが青酸カリと思われるカプセルを口に含み、それを吐き出すまでだろうか。 肝心の緊張感や緊迫感に欠ける仕上がりとなっており、本作のような作品に必要な信念の深さや志の高さもそれほど感じられない。彼らが死んでも、正義は死なないというような熱い映画にはなっていない。 ブライアン・シンガー映画に精通しているわけではないが、彼の映画に多くみられる致命的な欠点は、テンポがほぼ同じということだ。盛り上がりが必要なところも、そうでないところも、ほぼ同じリズムで演出されている。血が通ったような映画ではなく、無機質ように淡々としている点が問題だ。ただただ事実と思しき現象を映像化しているにすぎず、ドキュメンタリー映画の再現フィルのような仕上がりとなっている。 一流の監督ならば、観客に対して「面白い」と感じさせる手腕があるはずではないか。 「ヒトラーの暗殺が成功していない」「ワルキューレ作戦が成功していない」という事実を知っている我々に対して、真正面から正攻法で攻めても成功するはずがないと思わないのだろうか。ワルキューレ作戦が成功しなかったのと同様に、本作の映画化作戦も致命的な失敗だったのではないか。 なぜワルキューレ作戦が成功しなかったのかをもっとクローズアップした方が面白かっただろう。 突然の会議場所の変更、予定の2つの爆弾を使えなかったこと、カバンの位置をずらされてしまったこと、何人かは死んだのにヒトラーはほぼ無傷だったというヒトラーの悪運の強さなどの偶然が重なったことをもっと丁寧に描くべきではないか。 本作でも、これらは完全に描かれているが、何もかもサラリと描かれすぎてしまっているのは勿体ない。 ワルキューレ作戦が遂行された後も、大きな混乱が描かれることはなく、知らず知らずのうちにこちらの方が追いつめられてしまったという感が強い。 これほど大掛かりなクーデターなのだから、双方において大きな混乱や焦りがあったはずである。双方の息が詰まるような攻防や展開を描いた方が盛り上がったのではないか。予備隊の少佐への電話一本、生存を伝えるラジオのみというのは味気ないところがある。 ただただ「ワルキューレ作戦」の表面をなぞったにすぎず、深みも重みもない映画を高くは評価しにくい。
[映画館(字幕)] 4点(2009-03-21 02:12:10)(良:2票)
416.  地球が静止する日 《ネタバレ》 
オバマ次期大統領が「change」と言って、人々がそれを信頼するのは本当に実行してくれるという期待があるからだろう。 本作にも何度も「change」が連呼されているが、生き残るためのただの苦し紛れの言い逃れにしか聞こえない。「change」と言うのは簡単だが、人々はそう簡単には変われない。「change」をするためのevidence(証拠)を明らかにしないと、宇宙人はそれを期待できないのではないか。 本作には、宇宙人が納得できるevidenceが何も描かれていない点でマイナスだ。 「地球が静止する日」というものは、人類によって行われるべきものではないかと個人的には考えた。人類が、地球や環境のために、クルマを乗ることを止めたり、工場を停止したり(地球最後の日を迎えようとしているのに働いている人がいるというのは変な話だが)、地球に負荷を一切掛けない日を設けるといった人類の「change」のevidenceを描くべきではなかったか。 現実には無理かもしれないが、映画の世界だからこそ、地球のためにできる人類の理想を描いて欲しかったところだ。 本作を見て、地球のために何かをしようと思う者がいるだろうか、恐らくいないだろう。そういう意味において、本作のメッセージ性はかなり弱いと考えられる。したがって、評価はしにくい映画だ。 最後の球体に対する総攻撃も全く意味不明な流れとしか思えない。 あれでは人類は「change」をしないということを、声を大にして宣言しているようなものだ。あの爆撃を食らって、クラトゥが人類を滅亡させないという選択をする意味が分からない。キャシー・ベイツも多少は苦悩していたようだが、攻撃命令を下す大統領をむしろ説得するくらいの「change」を見せて欲しかった。何のために、大物をキャスティングしたのか分からないキャラクターになっている。 また、宇宙人が感心した“人類の素晴らしさ”という面も弱すぎる。 バッハの素晴らしい音楽という文化的な面、親子の愛情という感情的な面が描かれているものの、あの程度では宇宙人は「change」しないだろう。 未知なものや相容れないものを恐れる人類の“弱さ”や破壊的で利己的な面を描くとともに、自己を犠牲にしても助け合うような姿や愛や絆などの人類の“強さ”をもっとアピールして欲しいところだ。 ただの壮大なSFだと思っていたのに、意外と泣けたり、感動できたりするようなオチにもっていけると評価は高まっただろう。
[映画館(字幕)] 4点(2008-12-20 23:24:59)(良:2票)
417.  ソウ4 《ネタバレ》 
Ⅰ~Ⅲまでは是非はともかくとして、そのアイディアには毎度唸らされてきたが、Ⅳははっきりいってすっきりしない。ラストのオチが分かっても、「それで・・・?」という感想しか出てこない。新たな後継者の謎や動機を明かさないままで終わるというのは、続編で描くという魂胆がミエミエであり、あまり好ましい手法とは思えない。 また、ジグソウの哲学やゲームもどこかへ消えてしまっているようにも思われる。 マシューズ刑事は一度ゲームに失敗しているが、自己の脚を犠牲にして部屋から抜け出しており、ジグソウの理念に則れば、ゲームにクリアした者ではないのか。 ゲームをクリアしたのに、再びゲームを手伝う弁護士など、単なるゲームの駒にされており、私怨的な面が多数描かれているのが残念だ。おかしな方向に複雑化してしまい、Ⅰのような面白いアイディア一つで乗り切った勢いが吹っ飛んでしまっている。悪い意味で洗練されてしまった感がある。 本作で製作者が狙った仕掛けとしては、①時間軸のズラシ方(前作Ⅲと同時進行している)、②黒人SWATに課せられた「助けようとしなければ助かる」というゲームだと思うが、この二点はどちらもⅡで似たようなものが描いており、焼き直し的に感じる。 冒頭にジグソウの解剖を念入りに行い、「ジグソウは死んでいる」と観客をミスリードさせるという製作者の狙いは評価できるが、上手くそれを活用できていない。 ⅣがⅢと同時進行的に起きているというネタの効果が薄かったのではないか。 ネタが分かっても、それほど衝撃がなかったように思われる。どうせ時間軸が異なるのであれば、生きたジグソウを黒幕として再び登場させた方がまだオチとしては面白かった。 黒人SWATに課せられた「助けようとしなければ助かる」というゲームについても、ゲームをさせることの趣旨、効果が薄い気がする。 黒人SWATにゲームを経験させて、ジグソウと同じ考え方を身につけさせ、後継者に仕立てるという目論見などが感じられず、中途半端な仕上がりとなっている。 「刑事としては人を救えない(裁けない)」が「ジグソウとしては人を救える(裁ける)」というメッセージをもっと込めてもよかった。 Ⅲまでが一つの区切りであり、Ⅳはもっと大胆に変更を加えるべきではなかったか。 新たなゲームやルールを描いてもよかった。同じ人間が何度も出てくるのは、世界観が狭すぎる。
[映画館(字幕)] 4点(2008-11-30 02:29:32)(良:2票)
418.  ゲット スマート 《ネタバレ》 
「コメディ」と「アクション」を融合させた新しいタイプの映画だとアメリカ公開時から期待しており、きっと期待通りに楽しませてくれるはずと思っていたが、思い描いた作品ではなかったというのが正直なところだ。 肝心の“笑い”の部分が個人的に全くハマらなかった(楽しめなかった人は少数なので自分が例外と思われる)。 「飛行機内で大男をみたときのリアクション」「トイレ内の格闘」「デブ男を倒したあとの監視役の勘違い」辺りはよかったが、全体的にはあまり笑えなかった。 要するに、“飛行機のシーン”がピークであり、あれ以上おいしいシーンを作れなかったのが問題ではないか。 ビル・マーレーの出演シーンでサムいと思ったのは、自分だけだろうか。 ただ、基本的にはコメディというほど“笑い”には執着していないのではないかとも思われる。 冒頭にスマートが何枚もの鉄の扉を開けるシーンがあったと思う。 たくさんの書類を手に持っており、いくらでも笑いのネタが詰まっているはずなのに、何の笑いを取ろうともしていない(何かありそうで結局何もないという高度なテクニックではまさかあるまい)。あのシーンを見て、「ちょっと様子が変だ」と思っていたが、その危惧はどうやら当たったようだ。 コメディとアクションのバランスを欠いており、あまりにも真面目に取り組みすぎてしまったように思われる。 「コメディ」を見ようと思っていたのに、全く予想外のものを見させられたら拍子抜けしても仕方がない。 いい意味での裏切りが功を奏する場合もあるが、自分にはいい裏切りにはならなかった。 本作のように「コメディとしても中途半端」「アクションとしても中途半端」「スパイモノとしても中途半端」「ラブストーリーとしても中途半端」という中途半端な映画は個人的には好きではない(逆に、いろいろな要素を堪能できるので、その点を好む人もいるだろう)のも楽しめなかった理由のひとつ。 また、主人公の設定が、エージェント合格レベルの能力を持ち合わせているという時点で“笑い”を取るというつもりがないのではないか。 エージェント試験に何度も落ちている奴が、急場しのぎで即席エージェントに仕立て上げられ、素人ならではの手法で事件を解決するというのがコメディの“王道”と思う。 失敗は多いが、普通の優秀なエージェントが活躍する映画ならば、スティーヴ・カレルが演じる必要はあるのか。
[映画館(字幕)] 4点(2008-10-25 19:56:54)(良:2票)
419.  20世紀少年 《ネタバレ》 
原作未読。1ページも読んだことはない。 浦沢直樹原作のため、公開前から気になっていたが、鑑賞がかなり遅くなってしまった。その理由は本作が堤幸彦監督作品だからである。彼には才能があると信じていた時期があった・・・。しかし、最近の作品は中途半端でどうしようもない駄作を連発し、まるでやる気を感じられない。 1%の期待もかけずに駄作を見に行くという覚悟で本作に臨んだ。 まったく期待していなかったためか、中盤までは意外と面白いと感じた。 「へぇ~、堤もマトモなものを作れるんだな」と安心していたが、コンビニが全焼した辺りから、徐々におかしくなっていき、最後には「堤、映画作るのやめやがった!」というほと酷い展開になっていった。 「こんなのロックじゃねえ!」というセリフがあったが、まさに「こんなの映画じゃねえ!」と言いたくなる。 中盤まで比較的丁寧に作っていたのに、なぜ肝心の終盤で手を抜いたのかが理解できない。 最後の展開は映画ではなくて、単にストーリーを展開させただけのもの。 あらすじを切り取って、紹介しているようなものであり、“長い予告編”を見させられた想いだ。 キャラクターの心情など何一つも伝わってこない。 唐沢以外のキャラクターはほとんど人形でもいいと思えるほど、死んでいる。 原作の雰囲気が全く分からないので、妥当かどうか分からないが、“友情”辺りのキーワードを基にストーリーを再構築してもよかったのではないか。 長い原作をそのまま描こうとするのは、映画作りとしては素人の発想。 堤も中盤まではその辺りは分かっていたと思うが、最後には放り出した。 単なるあらすじの紹介ならば、映画など見ずにマンガを読んだほうがいい。 本物のプロならば、いくら長い原作であっても、上手く調理して一本の映画として満足できるものに仕上げられるはずだ。 作品に対する情熱がやはり全く感じられず、これではプロフェッショナルの仕事とはいえない。 「原作より映画の方が面白い」と言われてこそ、プロというものだろう(原作は全く知らないけど)。 ただ、ストーリー自体は面白いと思う。 続きのストーリーを知りたいとも思う。 しかし、ストーリーが面白いからといって、「映画が面白い」「映画の質が高い」とは決して言えない。 感情が揺り動かされないと高い評価はできない。
[映画館(邦画)] 4点(2008-10-04 01:43:09)(良:1票)
420.  ショーン・オブ・ザ・デッド
高評価されている作品のため、期待していたが、全然合わなかった。 一言でいえば、あまりにも真面目すぎるのではないか。 この程度の中途半端なゾンビ映画をみても面白くもなく、もっとパロディや笑いを前面に押し出した方がいいと感じた。 ハリウッドのゾンビ映画と比較しても、大きくは差がなく、それほど個性的には思えない。 面白いのはクイーンの曲に合わせて殴るくらい。 ああいうノリが全体的には足りないのではないか。 
[DVD(字幕)] 4点(2008-09-02 20:22:45)
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