421. 世界侵略:ロサンゼルス決戦
《ネタバレ》 映画を観るときに、映画への私の評価というものは気分によって若干上下します。同じものを観ても「そんなん現実にあるわけないやろ!」と切り捨てるときもあれば、「でも映画観るのに『ありえない』とか肩ひじ張るのもおかしいな」と思うときがあります。今回は後者の姿勢で観れました。 いやあ面白かった!!たくさんの人が『インデペンデンス・デイ』と比較して評価をされてますが、かく言う私もその口で・・・。あっちも好きですがこっちもかなり好きです。その『インデペンデンス・デイ』のレビューでもチラホラ散見されましたが、よくこういうアメリカ主導の軍隊が絡む映画を観ると「軍事大国のエゴ」とか「アメリカ万歳な映画」といったレビューをよく見かけます。みなさんいろいろな考え方はあるかと思いますが、個人的にはこの映画とかすごく良い話だと思います。有無を言わさず攻撃してきた異世界の侵略者に対して、毅然と立ち向かうのだから。軍事大国良いじゃないですか。たまたま物語のメインが海兵隊で軍人ってだけで、これが医者が患者を助ける話ならエゴとか万歳とかいう批判は出ないはず。「誰かが誰かを助けてる」という形そのものは医者だろうが軍人だろうがとてもよく出来た映画で、感動させられました。 あとやはり映画を楽しみやすくなってるのは、前述の『インデ・・・』にしても今作にしても、両方とも人類側からはエイリアンに和平的なコンタクトを取ろうとして、無防備な所を攻撃されたというところですね。あれでエイリアン側が友好度0%ということがわかり、物語に入り込みやすくなりました。アメリカだろうが日本だろうがきっとどんな国の人でも、もしエイリアンにああ出られたら同じ対応をしたい気持ちになるでしょう。そういう意味でもこの映画はSFでありながらとても現実的な世界の描写をしていると思います。 [DVD(字幕)] 9点(2012-04-19 01:02:26)(良:1票) |
422. マイ・バック・ページ
《ネタバレ》 当時の学生運動について無知なせいもあると思いますが、心情的に理解できないシーンが多すぎた。まず、騙されたかられ利用された澤田(=妻夫木さん)がそれでも梅山(=松山ケンイチさん)と共に行動しようとするのかがさっぱりわからない。澤田は単に梅山のことを信じたかったからと言われればそれまでなのですが、個人的感情に振り回されすぎるジャーナリストに辟易。あんなブレやすい人に記事を書いてほしくない。「事実だけ書いてればいいんだよ!」という出版社のえらいさんの言葉はある意味正しい。彼は出版社辞めて正解だ。 一方梅山の方も理解に苦しむ。あそこまで汚く生きられる人間をむしろ理解しろって方が無理がある。自分の周りの人間を道具としか見ていない。己の目的のために簡単に人を利用し裏切る彼の不遜な態度にはもうがっかり。思想犯でもなんでもない。ただの私利私欲の塊にしか見えなかった。中途半端に頭が良いことが余計に彼を傲慢に見せている。 以上のようにメインキャストの二人に魅力が感じられなかったために評価はちょっと・・・。妻夫木さんは童顔過ぎて、何しても幼稚な行動・考えをしてるように見えるのはもったいないですね。 [DVD(邦画)] 4点(2012-02-08 16:19:03)(良:1票) |
423. ブラック・スワン
《ネタバレ》 バレエやミュージカルには全く無関心&無知なのであれですが、ここに出てくるニナ(=ナタリー・ポートマンさん)は白鳥役ですら全く出来ていないように思える。終始表情が硬すぎる。精神的に弱い子なのかどうかは知りませんが、こんな表情で踊る子を、例えば私なら、起用はしない。弱弱しすぎるし不安定。振付師の趣味とは言えどこれはないだろうと。ニナがもっと変化していくかもしくは白鳥役でもにこやかに朗らかな演技でもって魅せてくれれば評価は違ったのですが。終始暗い表情で、特に作中で成長も見られない彼女に魅力を感じることはありませんでした。 黒鳥役も妖艶になって良くなったというより、ただ吹っ切れてやけになっただけにしか見えない。そういうパフォーマンスの形もあるだろうが、あんな歯を食いしばって目を剥いて踊る黒鳥を振付師は求めてたのか??ぶっ飛んだ感じはあるが、魅力は感じない。まあ、バレエのことは知らない素人の感想として聞き流してください。 後は痛々しい映画って感想しか残ってない。この映画観て子供にバレエ習わそうとは思わないな・・・。足の指折るんじゃないかとか、振付師に抱かれないと成功しないのかとかそんな先入観を植え付けられた。他の女性の世界もそうですが、息苦しいし醜いですね。ああ怖い。 [DVD(字幕)] 6点(2012-01-31 12:19:24) |
424. ワルキューレ
《ネタバレ》 うーん、やはり使われる言語が終始一貫してほぼ英語というのが違和感でした・・・。中国映画は中国語音声の日本語字幕で観ますし、韓国語映画は韓国語音声の日本語字幕で観ますが、ヒトラーをはじめ、ほぼ全ての作中のキャストが英語に終始したのというのはどうなんでしょうね。実際はどうだったかはもちろんしりませんが、映画として不自然と言わざるを得ないでしょう。 内容はヒトラー暗殺をたくらむ男とその組織の話。冒頭から、ドイツ人だからみなヒトラーを信望してるわけではないというくだりで始まります。いきなり暗殺前提のストーリーですが、何回もチャンスがあったにもかかわらず失敗が続くのはなんだかストーリーとしてグダグダ感を感じる。 しかしその後の「ワルキューレ作戦」は勢いがあってよかったですね。「ヒトラー死亡」の報とともに都市部を制圧にかかるシュタウフェンベルク側と、「ヒトラー生存」の報を広めようとするナチスドイツ側の進退極まる情報攻防戦が緊迫感あって楽しめました。 [DVD(字幕)] 6点(2012-01-31 12:02:03) |
425. デンジャラス・ビューティー2
《ネタバレ》 『1』は観ましたがもうずいぶん昔だったので、前作の記憶は全くない状態で鑑賞。でも『1』の時はグレーシー(=サンドラ・ブロックさん)はコメディとはいえもっとセクシーでカッコいい路線だったはずなのですが、今回はもうだいぶ老けてお笑い路線。老人ホームに老女の格好で潜入するという時点でセクシー路線は捨てている。 その路線で行くのももう年齢的にも限界を感じた、そんな作品でした。 フラー(=レジーナ・キングさん)と武闘派コンビを組むのは痛快でしたね。その二人のアクションがもっとあってもよかったのでは。レジーナさんはミシェル・ロドリゲスさん的な役にも使える良い役者さんだとこの映画で思いました。 [DVD(字幕)] 4点(2012-01-25 11:16:31) |
426. チャーリー・ウィルソンズ・ウォー
《ネタバレ》 「お金を出して武器を与えてはい解決」となっているのはやはり人として違和感のようなものは覚えます。導入される兵器の中に地雷とかもありましたが、それが残って今も脅威にさらされてる人たちのことを思うと「アメリカ余計なことして・・・」という気持ちも拭えません。しかし先進国の他国への介入となるとそのあたりが限界なのではないかとも同時に思います。そういう意味ではチャーリーはその役割を充分に果たしたのではないでしょうか。成り行きとはいえ現地に行き、その実情を目の当たりにして深いショックを受けた彼は、アフガン支援にとても熱意を持つようになります。「他国の武力支援に何億ドル」なんてバカらしいとしか思えませんが(実際バカらしいが)、「じゃあもっといい代案があれば教えてください」と言われると何も言えない自分がいます。莫大な予算を要求するチャーリーに予算を出し渋る議会も、「あの現状を自分の目で見たことがありますか!?」と言いたくなる(事実チャーリーも言っている)。実情・現状も知らないで、数字だけ見て軽々しく意見する人たちは反省するべきだとこの映画を見て思わされました。我々の仕事などでもそういうところは気を付けるべきだなと思います。 [DVD(字幕)] 5点(2012-01-24 12:41:30) |
427. PLANET OF THE APES/猿の惑星
《ネタバレ》 人間がサルより下で家畜扱いされているという惑星での設定。それならいっそ主役のレオ(=マーク・ウォールバーグさん)以外の人間はしゃべれないという設定でいって欲しかった。家畜が喋れて意思疎通が図れればそりゃあ情も湧くでしょう。むしろ意思疎通が図れる生き物に家畜扱いができることが不自然。言葉を持つ知能を持つ生き物を飼いならそうなんて設定がそもそも無茶。まあ相手がサルだから間を取りにくかったのでしょうが・・・(類人猿とか??)ただ愛玩と奴隷役のためにあれだけの人間が必要かというと疑問符が残る。サルのためにある惑星という設定で、人間の役割とかその数とか、知能とか、そういう細かいところに不満・疑問が残る作品だったことは言いたいですね。 しかし「もし自分たち(人間)が家畜になったら」という想定で観る分にはインパクトは十分にあり、考えさせられる作品だったと思います。家畜の気持ちが少しはわかるかな、と。グロくはなりますがそれこそ食肉用の家畜だったらもっとひどいことになるだろうとか、豚や牛もこんな気持ちになったりするんだろうかとか考えました。犬や猫も互いに言葉が喋れるくらいの知能がありコミュニケーションを取れたら、人間に反乱を起こしてるかもしれませんね。そんなことを考える作品。 [DVD(字幕)] 7点(2011-12-28 10:36:53)(良:2票) |
428. ナイト&デイ
《ネタバレ》 観る前はもっと雑な作りのアクションだろうと、根拠も何もなく期待をしてなかったのですが、観てみるととても良いテンポでスムーズなアクションでした。 これって原作があったりするんでしょうか?キャストにトム・クルーズさんを持ってくるあたり『MI』シリーズを意識せずには観られない。それは製作サイドも絶対そうだったと思いますが、しかしそれでも『MI』と似てるようで全く別物のトム・クルーズアクションを観られた気がします。 やや破天荒な作りがキッパリと「これはアクションだ」と言い切ってるみたいで気持ち良いですね。もうめんどくさいシーンは全て寝落ちしてる間に終わっていく。それはロイ(=トム・クルーズさん)もジューン(=キャメロン・ディアスさん)も一緒。複雑なストーリーも無い。銃弾の嵐の中、なぜかほとんど二人に弾は当たらない系のアクション。う~ん、これぞTHE!アクションって感じ。終盤でロイが落水して死んだと思わせるシーンなどもありましたが、あれも視聴者にロイの復活を隠す気が一片もないのがよくわかる。よみがえりフラグ立ちまくり。これを見たほとんどの人がロイの復活を予測したでしょう。 その潔いアクション製作の姿勢に7点としたいと思います。 [DVD(字幕)] 7点(2011-12-28 10:18:23)(良:2票) |
429. ダイ・ハード4.0
《ネタバレ》 このシリーズはもう吹き替え以外では見られない(笑)それくらい強烈な印象のマクレーン刑事(=ブルース・ウィリスさん)が今度はいかにも今時なサイバーテロ事件と遭遇します! その辺がわかればタイトルもなるほど、と。でも4.1を作るならまだしも、作らないならただの日本の配給会社の惰性と感じる。変な邦題付けるなっての。 内容はあるプログラムを作るために利用されたハッカーを守るというもの。シリーズ全編を通してマクレーンは相棒のような男たちと一緒に事件を解決していきますが、今回は彼がその役に相当するみたいです。今までは相棒たちもマクレーンと同じくらい男くさい奴らでしたが、今回はちょっとなよっとした感じで、「これで務まるのか」と疑問符でしたが、彼の役回りもけっこうおもしろかったです。 [地上波(吹替)] 7点(2011-12-09 10:11:04) |
430. ダイ・ハード3
《ネタバレ》 日曜洋画劇場で観賞☆私は、普段は洋画を英語音声・英語字幕で観ることにしているのですが、この『ダイ・ハード』シリーズに限っては吹き替えのマクレーンの声が頭にこびりついてしまって、もう吹き替え以外では観られません!!(笑) 今回サミュエル・L・ジャクソンさんが出演してるのがわかってテンション上がりました!若いですね・・・。個人的には最近のサミュエルさんしかあまり知らないので、今と昔の風貌が違いすぎて最初サミュエルさんだとわからなかったです。しかしなんかシュッとしてスマートな彼はちょっとかっこよかったです。 今までシリーズの『1』『2』と観てきて、これって必ずマクレーンは行きずりの誰かとタッグを組んで事件を解決するってパターンなんですね。そのパートナーとマクレーンが何かと口げんかをしながら、徐々に協力し合い、ラストには男の友情が芽生えるってのが面白いですね。なんか、良い意味で男臭くて良い。 今回の事件もまたスケールが大きかったですね。警察・街・学校などあらゆる公共施設を巻き込んで、爆破予告を利用して誘導し、意図的に作った無人地帯である準備銀行の金塊を狙うという・・・。その手口に「はぁ~」と感嘆しながら観ていました。しかしこれだけの規模の大きい事件に、ほぼマクレーンとゼウスの二人だけで対処してしまうというのが、良くも悪くもすごい話だと思う。「いや絶対無理だろ」って反面、「そうでなきゃ映画にする意味も無いか」とも思う。 特段二人が輝いたシーンがあるってわけではなかったですが、ブルース・ウィリスさんとサミュエル・L・ジャクソンさんのダブルキャストは見応えある作品でした。面白かったです。 [地上波(吹替)] 7点(2011-11-19 10:10:30) |
431. ダイ・ハード2
《ネタバレ》 結論から言えば、『1』と同じくらい面白かったです。『1』観て直後すぐにこれ観たからかもしれませんが。 でも『1』よりショッキングなシーンは増えましたね。乗客満載の飛行機が墜落・爆発とか、ラストに悪役たちも飛行機ごと爆発とか。まあ映画だし、スケールが大きくなれば被害も大きくなるものだと割り切って見ました。そのへん割り切れば、緊迫感のある良質なアクションもの。ただ今回はタンクトップ無かったですね。タンクトップヒーローで盛り上がるのは日本だけなのだろうか、特に『2』ではその辺意識はしてなかったようだ。まあ真冬の空港が舞台じゃ仕方ないっちゃ仕方ない。 今作も行きずりの野郎たちと友情を築いていくジョンにテンション上がりました。地図を保管してるじいちゃんや、最初はいがみ合っていたロレンツォとも最後の最後で和解し、あぁ『ダイハードだなぁ』としみじみ(あくまで『1』、『2』二作を観ての感想なのであしからず)。内部から裏切りが出ることや、上述のスケールが大きくなったことなど、シリーズの雰囲気は崩しすぎないマイナーチェンジ具合が私は好きでした。 [地上波(吹替)] 8点(2011-10-31 13:00:49)(良:1票) |
432. ダイ・ハード
《ネタバレ》 何回か観ようとしてレンタルまではした映画。しかしその時他のDVDを借りすぎたのか時間が無かったのか、今まで観ることの無かった映画。この度地上波で4作全て上映ということで、全て録画してただいま消化中。 やはりどこかで観ていたようです。記憶にあるシーンがちらほら。舞台がビルだったことやそのビルが日本企業という設定だったことなど。 しかし面白い!ブルース・ウィリスさんも若いし、ヒロインもやたら昭和テイストだし、いわゆるビジュアルで楽しめる要素はジェネレーションギャップ的に少ないはずなのに、それでも面白い!! 個人的にはやたらとリアルで男くさいストーリーなのが良かったのかなと思います。たまたまジョンの運転手になった黒人のお兄ちゃんやたまたまビル周りを哨戒していた警官のアルとの友情などは見ていてグッと来る。さらに過去に少年を撃って以来、拳銃を撃てなくなって左遷されたアルがラスト土壇場であるべき警官像を取り戻したところなんてもう感動☆元祖タンクトップアクションスターも存分に楽しませてもらいました。 今回地上波で吹き替えで観ましたが、あの声がツボってもう原語には戻れないかも(笑)昔の吹き替えってやたら耳(もはや脳?)に残りますね。 [地上波(吹替)] 8点(2011-10-31 12:15:17) |
433. インシテミル 7日間のデス・ゲーム
《ネタバレ》 どう・・・評したらいいんでしょうねこういう映画。。。良くはない。それは確か。ただ、どう悪かったかということを表現する語彙力が自分にはない。いっぱいレビュー書いてきたつもりだがまだまだだな。。。 結局【唐突】で【深みが無い】ということになるんだろうか。いきなり人が死んだり、各部屋に凶器が置かれてたり、凶器と一緒に殺し方の指示まで書いてあったり、ラストあの方が生き返ったり。かなり【唐突】。視聴者には実験の意味がほとんどわからない(インターネットに流したいだけ?)、何を動機に急に人を殺したいのかもわからない。お金のためというには短絡的過ぎる。そういった点は【深みが無い】。まあ全体にわたって【深みが無い】作品でした。 実験の主催者側はライブ映像で視聴者集めて、お金はもちろんだけど、ネットの神にでもなりたかったんだろうか。にしては組織的過ぎるしその辺の説明でもちゃんとしてくれないと、やっぱり底が浅い作品としか評せない。 『SAW』シリーズやら『es』やらにインスパイアされたのでしょうか。心理学実験モノとしてはシチュエーションのみでしたね。もっと作りこみましょう。不気味にすればいいってモノじゃない。 [地上波(邦画)] 2点(2011-10-31 11:46:17) |
434. 処刑教室(2008)
《ネタバレ》 私が行くレンタルショップにはこの映画は3本しか置いてなく、借りよう借りようと思いながらもいつもレンタル済でした。で昨日、ようやく発見した一本を借りて楽しみに持ち帰ったのですが・・・、失敗でした。あまりに退屈な内容に、何回一時停止して横に置いてあった『はじめの一歩』を読んでしまったことか。 新聞部に所属する冴えない幽霊?部員のファンク君。作中ではほぼファンキー君。この重みもクソもない彼が主役ということで早くも興ざめ。個人的にマスコミが嫌いというのもかなり影響しますが、人を陥れるような内容の記事を裏付けもせずに載せるなっての!!そうやって人ひとり破滅させておいて、後々になって陥れた生徒会長の名誉回復のために奔走。なら最初っからやるな。一応答案泥棒の真犯人を突き止めるために話は進んでいきますが、観賞側には進行がゆるすぎる。どこまでいってものらりくらりした流れにイライラしたり。 誰が答案を盗んだかとか、それを利用して犯人が薬を売りさばいてたとか、極端な話どうでもいい。 要はそれらを通じて作中のキャラ達がどれだけ成長したのかとかそういうところがやはり面白いんだと思う。しかし自分でばら撒いたゴミを自分で回収するかのようなこのストーリーにはほとんど魅力を見出せませんでした。残念。 [DVD(字幕)] 3点(2011-09-21 09:20:29) |
435. スプライス
《ネタバレ》 科学者夫婦の考え方が浅薄な気はしますが、良作だったと思います。偶然生まれたドレンに対して紆余曲折を経ながらも、実験体としての興味とそれを生み出した親としての愛情がどんどん増幅していき、それは段々歪んでいき、最終的には抱えきれなくなり処分する・・・と。 しかしドレンの成長の見せ方はうまいと思いました。彼女の成長を見たいという感情移入を私も受けたあたり、バイオSFとしては純粋に良い映画だと思いました。ただやはりこういうジャンルの話では定番のような流れで、深みは少し足りない気がしました。体の成長が早すぎるため頭脳の発達は追いつかず、結果早熟な考えを持った生命体と性交をしてしまう・・・というのはまあ途中くらいから予想できた流れ。そこからさらに妊娠というのもまあ予想の範疇。このへんは「あーやっぱりな」感は否めませんし、見ていて気持ちいいものでもなかったので個人的には評価を下げることとなりました。 それでもとても過程を楽しめる映画ではありました。ぜひ人には一度薦めたいと思います。ちょっと過激な映像に免疫がある人で・・・。 [DVD(字幕)] 9点(2011-09-20 12:41:46) |
436. エクスペリメント(2010)
《ネタバレ》 ふと目にした新聞記事に載っていた高額報酬のアルバイト。それに応募し集まってきた人たちはそれぞれ面接などでふるいにかけられ、残った者はある施設である実験を受けることになる。。。という内容。 観終わってみて、結局これは何を見る実験だったのかということが終始気になった。冒頭のシーンのように、人間同士が極限状態の中で殺しあうような結果を欲していたのか。それとも彼らがどこまでルールを守れるのかを見たかったのか。それとも人間の表向きの表情と裏の表情を詳らかにしたかったのか。そのどれでもいいからちゃんと実験の実施側に説明をしてほしかった。シャッター開けて、放心状態の被験者を連れ帰って「はい終わり」はあまりにも投げっぱなしだろう・・・。 あと、フォレスト・ウィテカーさんの変わり方はあまりにも急激過ぎる。ずっと紳士に生きてきた人間があのような状況下とはいえ、ほんの2日もしないうちにあんな真反対の性格になるだろうか。せっかく14日という時間があったのだから、もっとじわじわ変わる様子を見せてくれたらもっとシリアスな恐怖を感じられたのに。 実験そのものは「暴力行為」という定義が最後まであいまいなのが見ていてモヤモヤする。そこらへんが曖昧だからこそ看守役の被験者たちは探り探りやっていくしかなかったわけですけど。でも椅子倒して集団で小便ひっかけるのはもう「暴力行為」でしょう。こういう映画では最終的にルールが形骸化するのはわかってましたが、あまりに展開が早すぎてこっち(観る側)は冷めてしまった。 うーん、もうちょっとだな。 [DVD(字幕)] 5点(2011-09-05 16:22:06) |
437. キャタピラー
《ネタバレ》 第二次世界大戦中、徴兵された旦那が四肢を失った状態で生還し、その畏怖を覚える容貌から彼は誰からともなく軍神と奉られるようになる。これはそんな彼と彼を介護することになった妻との物語である。 こういう歴史ものの映画やドラマを見るとき、登場人物の考え方や容姿・仕草が現在のそれっぽくて、不自然に感じることがよくあります。この映画を観てても、シゲ子(=寺島しのぶさん)の考え方はとても現代的で、いきなりだんなの介護をすることになった妻のストレスや葛藤がよく描かれているのですが、対照的にその周りにいる人間は「大日本帝国」のことで頭がいっぱいの典型的な当時の人というイメージで、その両者の雰囲気のギャップが妙に気になりました。シゲ子が特殊だったのか、周囲が特殊だったのかというところが最後まで判然とせず、観てるほうとしてはそれ以上思考が先に進まなかったのが少し行き詰まりを覚えました。あくまで私は、ですが。 [DVD(邦画)] 6点(2011-08-31 16:26:23) |
438. デッドクリフ
《ネタバレ》 パッケージにデカデカと「この山はどこかおかしい・・・」というフレーズが書かれてました。それを受けてこれは山(もしくは「山」という比喩の大自然)が襲ってくる系の話なんだと思いました。が、先頭切ってリーダーシップ発揮してた山男の彼がベアトラップにかかったあたりから雰囲気変わってきましたね。良い変化だったのかどうかはわかりませんが。個人的には、ほんとに「山に襲われる」という展開のホラーを期待してただけに、ただの人災で終わったのにはちょっと肩透かし。 『剣岳』のレビューでも書きましたが、山登り系の映画とか観ると、自分は絶対山なんか登りたくないわ~って気持ちが再確認できます。何が面白くてみんな命の危険冒して山なんか登るのか。今回のようなフリークライミングのような山登りなど私的に論外。作中、高所恐怖症のルイック君にはそんな意味でも同情しましたが、美女二人にサポートされながらの登山はちょっぴりうらやましい。あれならむしろテンション上がるんだが。と、不謹慎な気持ちになってみる。 え?アントン??誰ですかそれ。 [DVD(字幕)] 6点(2011-08-29 09:55:01) |
439. 裁判長!ここは懲役4年でどうすか
《ネタバレ》 冒頭のやり取りからこれは裁判員裁判を描いた映画なのかと思いましたが、どっちかというと傍聴人目線がメイン。良くも悪くも裁判所で関わるのは、「所詮他人の人生」という描きかたを最後まで貫きます。 ラストの裁判の結果はとてもしこりを残す形になりましたが、あれが逆にとても現実的な結果で、映画としてドラマチックな展開に固執しない良い形を見せてもらった気がします。 ていうか肉親はともかくとして、周りの人間がああまで盲目的に誰かのことを無罪と思えることがまずすごい。自分なら「もしやっぱりこの人が犯人だったらどうしよう」って疑問を持って、あそこまで熱心に弁護活動を出来ないと思う。彼が犯人で無いという根拠も「彼がそんなことするはず無い」とか「マッチを持ってただけで犯人と決め付けられた」と主観的意見ばかりで客観的証拠がほぼゼロに等しい中で、あそこまで自信満々に彼の擁護をすることは私にはできない。 一方で、「傍聴人の力」というものも少なからずあるんだなと思いました。中盤、やや大げさながらも女子高生がいることで力を発揮する裁判官がいたりしました。あそこまでではないにしても、聴いてる人次第で雰囲気が変わるというのはあると思います。本当に膨張に命かける人ならそれもいいかもしれません。 ただ、個人的には私は人を裁くなんて大仕事に関わりたくないと思ってます。なのでそうやって「傍聴の力」を認めるがゆえに、関わりたくないとこの映画を観て心底思いました。 傍聴なんて親族か関係者がいればそれでいいと思います、基本。縁もゆかりも無い人に傍聴されてもそれは100%興味本位。真面目にやってる人には不愉快だろうな・・・。 [DVD(邦画)] 7点(2011-08-29 09:22:34)(良:1票) |
440. RED/レッド(2010)
《ネタバレ》 個人的に感動したところは、「スピンする車からスタイリッシュに降りるブルース・ウィリスさん」と「純白のドレスに身を包み機関銃やらサブマシンガンやらぶっ放すヘレン・ミレンさん」の2つでした。そのシーンだけは巻き戻してもう一回観たくらい「おおっ!!」となったところです。特にヘレン・ミレンさんはあんな歳なのにとても格好良く映りました。あの年齢であそこまでクールに立ち回れる人はそうはいないと思います。凄い!!! さて内容のほうはというと、すでに現役引退したローカル達が若者にイチャモン付けられたからやり返す・・・的なアクションストーリー。観る前の印象では、今時の若いもんにオヤジ達が思い知らせてやる!!というように、もっと"RED"達が圧倒的な展開になる映画だと思ってたのですが、ましてや誰かが怪我したり死んだりなんて無いだろうと思ってたのに、そこは意外とシビアに作られていました。それならそれでいいのですが、やはり観る前とのギャップは少なからずあったように思います。 あと、モーガン・フリーマンさんはやはり・・・なのですか??彼は死んだと見せかけて一度復活してるので、二回目もただの復活フラグだと思っていたのですが、結局最後まで姿を見せず。あそこでもう一度復活してくれれば「チャンチャン♪」って綺麗に幕が引けたのにと思ってしまう。彼だけ犠牲になってしまったのが心残りといえば心残り。 でも全体的にはとてもいい感じのアクション映画でした。豪華なキャストを余すことなく使えていると思います。爽快感・弾け具合は抜群です!! [DVD(字幕)] 8点(2011-08-09 11:00:39)(良:1票) |