441. マーガレット・サッチャー/鉄の女の涙
《ネタバレ》 年老いたサッチャー氏の回想という形で、ちょくちょく現代に戻ってくるのがじれったい。政治家を志す→結婚→政治家であり妻であり母であり…→首相就任へ→経済の立て直し→フォークランド紛争→退任。大体こんな感じだったかな。しかし、どれを取っても中途半端にかじったに過ぎず物足りない。「さあ、彼女の人生を簡単に振り返ってみましょう」では良い映画にはならないという事だろう。何か一つを大きな柱にして、他はさらっと紹介する程度で良かったと思う。欲張りすぎちゃってまさに「散漫」。良かった点としてはやはりメリル・ストリープの演技。さらに若き日を演じたアレクサンドラ・ローチも雰囲気があって良かった。日本の首相でこんな映画を作るとしたら中曽根大勲位より小泉さんの方が面白くなるかな? [CS・衛星(字幕)] 5点(2013-05-20 18:06:06) |
442. 青い鳥(2008)
《ネタバレ》 転校した生徒の机を引っ張り出してきて、元の位置に並べる臨時教師の村内さん。そしてその机に向かい毎朝「野口くん、おはよう」と声をかける。先生の意図はもちろん野口くんの事情も知らないから生徒以上に「ぽかーん」状態で、一体全体どういう訳なんだ?、これからどうなるんだ?と一気に引き込まれていった。しかし何か裏がある訳ではなく、いじめた側のその後について、学校が取りがちな対応も含め、小細工なしの直球勝負で問いかける内容。先生の行為を100%支持する訳ではないが「責任」のくだりについては説得力があり、完全に納得させられた。世の中にはいろいろな人がいて、いろいろないじめの形があることを子供たちには知ってほしいし、大人も忘れちゃいけない。最初は先生が吃音である必要性がわからなかったけど、上手く喋れない故の丁寧な話し方が、ひと言ひと言に重みを持たせる効果があったかもしれない。 [CS・衛星(邦画)] 8点(2013-05-17 17:38:59) |
443. パニック・フライト
《ネタバレ》 正味80分足らず。気軽に楽しめて良い。タイトルの割にあっさり着陸しちゃって「おや?」とも思ったんだけど、あんな状態になりながらも、しつこく追ってくるキリアン・マーフィがまた面白くて。フライト編に比べれば大味になってしまったけど、ハラハラドキドキ度では勝るとも劣らず。逃げろ、逃げろ→レイチェル・マクアダムス足速っ。アクションのイメージは無かったけど、よく見ると腕の筋肉もなかなかで、結構体も張れる人なんだなーと。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2013-05-15 18:32:34) |
444. 張り込み(1987)
《ネタバレ》 期待以上に面白かった。張り込みをする側のクリスが一方的に恋をするのではなく、マリアもクリスに惹かれていく。しかし相棒以外にこの関係が知られたら一大事だし、マリアにも正体は隠しているから大変だ。これは戯曲的な面白さと言えるかな。ピンチにあたふた。女性用の帽子をかぶって逃げ回るリチャード・ドレイファスが笑いを誘う。そんなお調子者キャラだったクリスがすべてを打ち明け、関係は崩壊。この仕事を任されたからこその出会いだが、愛する人を騙す形になってしまった後悔。切ないな~。路上で彼女を引き止めたときの真剣な目、そして言葉にはぐっときた。その他、アクション映画としても見所があるし、スパイモノのようなドキドキ感もあって、充実の内容。「12モンキーズ」から遡ること8年、当時29歳だったマデリーン・ストーも魅力的だ。 [CS・衛星(字幕)] 8点(2013-05-09 19:08:08) |
445. 映画ドラえもん 新・のび太と鉄人兵団 はばたけ 天使たち
《ネタバレ》 ピッポの号泣はメイちゃんの「お姉ちゃんのばかあああ」を超えたな。つられて泣いた人がどれほどいたことやら。リルルの「撃ちなさいよ、撃って!」も響いたな。心からの言葉だったに違いない。「ドラえもん」はあくまで子供のためのアニメだから、親目線でいえば子供に観せたいものであるかどうかが大事なんだろうけど、その点では間違いなく優良作品。多少、お涙頂戴演出が鼻につかないでもないが、友達の大切さ、素晴らしさ、困難な状況にあっても友情を信じる尊さを教えてくれる。基本的にはリメイクより新しい物語を作ってほしい派だけど、アレンジによって新しい感動を生み出せるなら、リメイクもたまにはありかな~と思った。 [CS・衛星(邦画)] 7点(2013-05-05 23:35:46) |
446. 戦火の馬
《ネタバレ》 馬の知能がどの程度かはよく知らないものの、さすがにこれはやりすぎだろうと思いながら観ていた(今、原作が児童文学だと知って納得した訳だけど…)。また、戦争が始まり、アルバートと離れ離れになってからは、少々退屈してしまったのも事実だが、再会のシーンの感動を前にすると、そういう事は「まあ、いいか」となってしまう。どうも反戦色が強くなりすぎていたが、最後は人と馬の絆という原点に帰った事で、素直な気持ちで泣けるんではないかと。映像の美しさも評価して7点で。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2013-05-03 18:05:23) |
447. ディスタービア
《ネタバレ》 ビデオカメラや携帯電話が出てくる現代版「裏窓」ってところだろうけど、なんとも微妙な…。足につけられた通報システムにより行動範囲は限定されたが、親友の危機に飛び出していったように物理的に制限されているわけではないから、車椅子生活だったジェームズ・スチュワートに比べれば余裕がある。それどころか電話無しで警察を呼べるという事は、このシチュエーションではプラスの面も大きい。そういったところでやや安心感があるのは映画的に不幸だ。隣人役のデヴィッド・モースもイマイチ存在感不足かな~。例えば一昔前のデ・ニーロならこれをどう演じただろうとか、そんな事ばかり考えていた。5.5点。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2013-04-28 11:30:48) |
448. トライアングル(2009)
《ネタバレ》 GOODBYE PLEASE RETURN [CS・衛星(字幕)] 8点(2013-04-21 21:42:40) |
449. THE WAVE ウェイヴ
《ネタバレ》 1967年にアメリカで起きた事件が基になっているが、かつてナチスを生んだドイツで映画化されているのが面白い。生徒たちが挙げていたように独裁の成立には高い失業率や政治への不信など様々な条件が必要になるが、もっと根本的なところでそもそも人間は団結力を持ったグループに属するのが心地良い。この心理のもと、短期間で組織が育っていく様にはハッとさせられた。最後は説教臭くなっちゃったかな…と思っていたが、実際の事件とは異なる展開が待ち受けていた。この後味…う~ん。面白い。 [CS・衛星(字幕)] 8点(2013-04-15 18:38:18) |
450. バニー・レークは行方不明
《ネタバレ》 タイトルの通り、バニー・レークちゃん(4歳)が行方不明になってしまう。これを見ていて思い出したのが本作から40年後の2005年に作られた「フライトプラン」。娘が失踪し、やがて娘の存在自体が母親の妄想だったのではないかと疑われる流れが共通。さらにあまり良くない面で共通してるのが真実が明らかになってから面白さが急降下すること。しかもこちらはやや無理があったのではないかと思う。計画的に物事を進めてきたこれまではなんだったのか…。もう別人。急にその人格が出てきた訳でもなさそうだし、はっきり言って矛盾が生じちゃってる。1時間47分のうち1時間30分くらいは楽しめたんだから、良いといえば良いんだけど、終盤のガッカリ感はやはり痛い。「サイコ」などと並ぶ…と言われているらしいけど、個人的にはそこまでじゃない。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2013-04-14 11:33:18) |
451. AVP2 エイリアンズVS. プレデター
《ネタバレ》 本当に画面が暗い。夜だからってこれはダメでしょう…。車のキーを投げ捨てた嫌な奴と、その仲間の死に様はそれなりに期待してたのに、暗くてよく見えないでやんの。エイリアンなのか、プレデターなのか、時々見分けがつかないとか、この暗さがもたらした悪影響は無視できない。尤も明るかったところで評価ががらりと変わるとも思えないが…。オチで少し笑えるのが救いかな。 [CS・衛星(字幕)] 2点(2013-04-11 18:53:23) |
452. クレヨンしんちゃん 伝説を呼ぶブリブリ3分ポッキリ大進撃
《ネタバレ》 自分が観てきたクレヨンしんちゃん劇場版の中でワースト。初めの方で見られた野原家の朝(テキパキ動くみさえが中心となっている)以外には面白いと感じられるところがなく、非常に退屈だった。相手にならない怪獣を倒していくだけの日々になぜこれほどの時間を割くのか。ミライマンも何だかな~。CVに村井国夫を持ってくるセンスは好きだけど、キャラクターとしては面白みゼロ。全く心躍らされないアニメ映画であった。 [CS・衛星(邦画)] 1点(2013-04-10 18:00:17) |
453. 激流(1994)
《ネタバレ》 面白かった。この面白さはウェイドたちが本性を現してからが本番だけど、そこに至るまでもなかなか楽しめる。家族の時間にずかずか入ってくる男二人。200ドルの件なんてわざと場の空気を壊そうとしたと見えて、嫉妬もあったのかな?と…。おい、熟女好きか。この後で嫌な感じが決定的となり、いざ逃げるとなってからはハラハラドキドキ。時間帯を考えると見回りのジョニーが来たところでどうにもならないのは分かってるし、銃を奪おうとしても失敗するのは目に見えてるが、それでも手に汗握る。川下りはいつ突き落とすか、いつ転覆させるかってところを楽しみに。でもご主人の方は何をしようとしてるのかがイマイチ分からなかった…。一応は役に立って良かったが。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2013-04-08 17:32:05) |
454. 若草の頃
《ネタバレ》 企画段階ではMGMの重役から「ドラマ性に欠ける」と言われていた作品。ルイス・B・メイヤーは身近な幸せを描くコンセプトを気に入っていたが、それが映画になるのか確信を持てなかった。しかし、アーサー・フリードの実績を信用してGOサインを出すと、これが結果的には大成功。ヒットを飛ばし、アカデミー賞で4部門にノミネートされた。音声解説を聞くとこういう事らしい。原作では少ししか出てこない隣家の青年をエスターの恋人として登場させ、恋愛映画としての一面を持たせるなどの工夫は見られるが、根本は家族愛を描いた作品。幸せだな~、家族っていいな~と思える内容で心があたたまる。主人公が思いのほか“めそめそ”してる。脱線事故につながりかねないイタズラを笑って許す。このあたりが気になったので減点したが、もちろん嫌いな映画という事ではない。 [DVD(字幕)] 6点(2013-04-03 18:09:58) |
455. ダークナイト ライジング
《ネタバレ》 前作には及ばなかったものの、面白いか面白くないかで言えばやはり面白かった。ブルース・ウェインがどれだけゴッサムシティを愛していたか。一方で執事を辞めてまで復帰を止めようとしたアルフレッドの思いも心に残り続ける…。最初から3部作構想を持っていたノーラン監督。1作目でバットマンの誕生、2作目で最強の敵、3作目でバットマンからの引退を描いた。原作未読で、旧シリーズも1作目しか観ていない為、ロビンがどんな存在であるかは知らないんだけど、ブルースの意志を継ぐ者が現れ、新しいヒーローになっていく姿を想像すると希望でいっぱい。その点で、今後の活躍がますます期待されるジョセフ・ゴードン=レヴィットの起用も良かったのだが、クリス・オドネルは今や微妙な感じか…。まあ、そこはいいや。ジョーカーの一挙手一投足に釘付けにされた「ダークナイト」と比べると物足りなくもあるが、ベインがジョーカー並みに活躍しちゃうと敵が主役になりかねなかった。完結編という事を考えればこれで良かったのかもしれない、と今は思っている。 [ブルーレイ(字幕)] 8点(2013-04-03 18:07:16)(良:1票) |
456. イントルーダーズ(2011)
これは注意深く見ていけば勘のいい人はすぐ読めちゃうのかもしれないけど、そうでない自分は真実が明らかになるのが楽しみでずっとワクワクしてた。結局のところそれほど意外だった訳ではないけど、母親の行動などに納得ができて良かった。怖いのが得意じゃないから怖さ・不気味さもちょうど良かったし、映像もまずまず。さらに配役もしっかり考えられている。そういう訳でとても満足。 [CS・衛星(字幕)] 8点(2013-03-31 19:45:09) |
457. ストリート・オブ・ファイヤー
《ネタバレ》 やってることは(同じ頃に?)日本でも流行った不良映画と似たような感じなんだろうけど、テンポが良くてなかなか面白い。そして圧倒的に音楽が良い。エレンと黒人グループの歌声はお金を出す価値があるというものだ(どっちも吹き替えらしいけど)。あとはマイケル・パレの美男子ぶり。これに対し、ライバルのウィレム・デフォーはダサい格好をさせられて可哀想である。いろいろと80年代だなーって感じ。まあ嫌いではないかな。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2013-03-31 00:01:17)(良:1票) |
458. トランザム7000
主人公バンディットは出発してすぐスピード違反?で追われることになるのだが、これを余裕でまくと、なんとカメラ目線で笑顔を見せる。バート・レイノルズから「こういう映画なんだぜ」と言われたようにも感じた。本当にその通り、最後まで警察との追いかけっこが続くわけだけど、バンディット、スノーマン、キャリー、保安官(と息子)、気持ちのいい仲間たちなどキャラの立った奴らを見ているだけで楽しいってのはある。都合が良すぎるところもあるけど、なんとなく許せちゃう映画でした。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2013-03-28 23:38:37) |
459. TIME/タイム
《ネタバレ》 自給自足ができなくなった人類にとってお金は命と同様ではないか? ならば命(寿命=時間)を通貨にした世界も成り立つのではないか? ところがどっこい、これは成り立たなかった。生きるためにお金が必要なのであって、お金のために生きているわけではない。この世で一番大事なのは命。二番目にお金。しかし一番と二番の間には永遠に埋まらない差がある。命をお金に置き換えることはできない。手段が目的と同格になった…というか、目的が手段のレベルまで降りてきた世界は違和感だらけ。格差社会に対する批判の意図は分かるが、不老不死が実現した世界における弱者淘汰では意味合いが違ってくる。設定に納得できないとなかなか気分も乗ってこないし、感情移入も難しい。楽しめなかったーー。 [CS・衛星(字幕)] 2点(2013-03-28 17:33:56)(良:1票) |
460. 鬼の棲む館
<原作未読>76分の短い映画だけど、面白さが凝縮されていて大満足。登場人物は主に4人。演じるは勝新太郎、高峰秀子、新珠三千代、佐藤慶。4者それぞれにハマリ役だし、見せ場もあるんだけど、やはり役柄上、新珠三千代が最も目立つ。清楚なイメージが強い人だったけど、悪女もお手の物か。「おぬし、まだあの法力を信じているのかえ? ハハハハ 今度はこの愛染の法力を見せてあげましょう」 仕返しとして始めた誘惑を上人の立場になって見ていたけど、男としては大変だ。ネタバレは控えるけど、それほど後味が悪いとは思わない。「鬼の棲む館」のタイトルに負けない壮絶な夜だったな~と。 [CS・衛星(邦画)] 9点(2013-03-23 15:08:24) |