441. 舞妓Haaaan!!!
《ネタバレ》 序盤はグッと引き込まれるのだが、可笑しく見せるその高度な技法を物語に活かす方法論がすぽっと抜けている。そういうところが無念極まりない。 一つ一つの小ネタは宮藤官九郎然として、いちいち笑わせられ痛快ですらあるけれど、2時間をそれだけで過ごすんであればお笑いのライブの方が優れているのはいうまでもなく、物語も多少は楽しみたいから映画を見ようと思うという受け手のことを意図的になかったことにしてる感じが不愉快だった。 何となく、新しい形態の映画を作ろうとしている感じがする。でも、新しいものを作ることをなぜか第一義にしているようで、それ以外の概念が置き去りか。しかし、笑いで新しいものを作ろうとするには手垢が付き過ぎなやり方ではないかと思った。 この映画としては、共感する人間もそれなりに多いのではないかということを見越して、わざわざ宮藤官九郎ファン以外のお客を無視しているようだ。私は宮藤官九郎大好き人間だが、彼がそういう製品の脚本だけを書くようになってきているような、なんだかおかしな方向性に向かっているんじゃないかみたいな印象をもった。あまりよくはないような気がする。 [地上波(邦画)] 4点(2010-03-22 23:31:31) |
442. アンドリューNDR114
《ネタバレ》 なかなか面白い。アシモフファンならもう少しだけいろいろ楽しめると思う。 原案がアシモフのロボットモノなだけあり、設定にどっしりとした安定感がある。これが不思議な印象を引き出しているんじゃないだろうか。純粋な映画的設定であればむやみに二転三転したあげく、サスペンス的な要素まで入ってくるんだろうけど、ロボットの立ち位置がずれない。SF映画なのになんつう違和感か。 そういところも意外性高く楽しめたけどしかし、映画なんだからもうちょっと移り変わりの表現は何とかならなかったのか。なんかテレビムービーっぽい印象がある。突然ハイ変わりました的な直球表現にも妙な違和感を感じた。 妙に素っ気なく、テーマは大きい。この感覚は何だろうかとおもうとアシモフだ。それも早川文庫の翻訳版。万が一この妙な味わいが意図的に作られたものだとすると心憎いとも思える。未読作品の原書を読んでみたくなる。 [ビデオ(字幕)] 7点(2010-03-21 13:55:54)(良:1票) |
443. スラムドッグ$ミリオネア
《ネタバレ》 なかなか面白いのだが、2008年ってこれよりアカデミー作品賞的な映画って何本もあったような気がする・・・。例えば、同時期に上映していたグラン・トリノとかチェンジリングなんてスラムドッグ$ミリオネアよりも確実に作品の完成度は上だった。チェンジリングのプロットの練られ度は段違いだったと思う。 が、アカデミー賞に選ばれるということは2008年の他作品にない何かがあった。ということだろう。この年のノミネート作品はそもそも派手な傾向があったから、そういう年だった。という風にもとれる。王道的なアカデミック作品でない、というところで言えばそういう感じだ。どことなくアジア映画っぽく感じられるようにわざとアジア調(調、というところがミソか)にしてあるあたりが好感を得たのだろうか。よく分からん受賞作だ。 でも、冒頭の逃げ場のないサスペンス感が取調室に移り一瞬で甘口になってしまったのは惜しい感じがするし、後半のユルさは妙な安心感さえある。作品としてこじんまりしてしまっているような気がする。とはいえ生い立ちの中の出来事がたまたまそのままクイズの答えだったという以上の展開は、21世紀のハリウッドのプロ脚本家でも考えつかないのだから仕方がないのかもしれない。 予告編でふくらんだあの絶体絶命な感じと、逃げ場のない鬱感と、針に糸を通すような正着へのギリギリの駆け引きがありそうな予感。そういうものが一切含まれていなかったことにむしろ驚いた。 [DVD(字幕なし「原語」)] 7点(2010-03-09 00:53:10) |
444. ドラえもん のび太の海底鬼岩城
《ネタバレ》 ものすごい小さい頃にみて、未だに筋を鮮明に覚えている。ドラえもんの映画でそう言う記憶があるのはこれと鉄人兵団だけだ。 この作品は、おそらくえらくマッタリしていて、説明的過ぎるのだろうと思う。けど、子供に楽しんでもらおうというビームがバンバン出ていて、夢中で見た。今この話をもう一度見てみようかなという気持ちには積極的にはならないと思う。けど、楽しかったという覚えがあるしこのままの方が良いだろうと思う。 絶望的に感じたあの雰囲気や、どうにもならないかもしれないあの状況が凄い。この作品を不意に思い出して、ほかのドラえもん映画をちょっと見てみようかな。などとふと思ったりした。 [地上波(邦画)] 7点(2010-03-07 19:40:06) |
445. キャスパー
可もなく不可もなく。という感じ。 宝物がアレだったというひねりがあって、ちゃんと物語として一本筋も通ってるのに何でだろう。そのうち完全に記憶から消えてしまうような気がする。大昔見たときはそれなりに感激したが、数年前見たときにはすっかり不感症になっていた。 キャスパーがかわいく見えるかどうかと、CGの使い方が正しいのかどうかということで言うと、アニメ的な造形物を実像として人間と同時に同じ空間においてしまうと言うのは何らかの象徴としての機能はするのかもしれないが、このように普通に物語の表現方法そのものとして使うにはまだまだ押さえなければいけないところが多いのだろう。 そのせいで何かこう、不完全でないところまで不完全に感じてしまう。 [地上波(吹替)] 5点(2010-03-06 14:53:54) |
446. ハイド・アンド・シーク/暗闇のかくれんぼ
映画を見るようになってから間もない人が見るような類の映画か。そういう意味でもしかしたら面白いと感じる人もいると思う。 が、さすがにこの手の映画をいくつも見てると、開始後すぐにオチのパターンがすべて類推できてしまうのはいただけなかった。どのパターンに行くかハラハラするような作りならまるで問題ないが、一直線であのオチだったからガッカリ。 高額な俳優を使ってこれはもったいなさ過ぎるというか、予算が出たから使い切りました的な至極アメリカ的(日本的とも)な作った人の都合が見え隠れするのがよくない。とはいえ、それら捨て鉢の上にいくつかの名品が生まれるとするんであれば全く気にはならない。 やっぱり本作は、キングでもないのにキングネタを扱い、さらにはキングオチまでやってしまうと言う乱暴さがいただけなかった。キング映画と比較すると、ちょっと格調があるのもまずいし、俳優選びがまじめすぎるし、想像の余地もありすぎた。そういう意味で、どっしり構えて「どうせクソ映だろ?」と見ることができない。それが落胆を生む。 [DVD(字幕)] 4点(2010-03-06 12:46:34) |
447. 呪怨 (2003)
そこそこいけてしまった。 そうか?そうなのか?この映画って全然怖くないの?私はビビりまくってしまったし、布団の中とかシャンプー中とか不安になりまくったりした。このシリーズではハリウッド版の方が話が何となく良かったから日本劇場版は一つ印象が負ける感じだが、十分怖かった。 ホラー映画に耐性がないと、こうも怖いのかとおののいた。10年近く前になるのか。ハリウッド版をみてこの映画やOVA版、続編をみて、さらに他の日本製ホラーをいくつか試したがやはり呪怨が一番不愉快な気味の悪さが良い。良かあないけど。 ホラー慣れしていなければ結構いけるんじゃないかと思う。 [DVD(邦画)] 6点(2010-03-03 00:02:30) |
448. フォーガットン
《ネタバレ》 前半のストーリーは結構ワクワクさせられた。唐突に湧く疑念とか、かなりつかみが良い。この手の話で、政府陰謀ルート、主人公だけ狂ってるルートとその逆、パラレルワールドとの自身入れ替えルートなどを想像してかなりドキドキと楽しんだのだった。 がしかし、一番やってはいけないルートを堂々と選んでいるのには驚いた。21世紀の映画でだ。まさか90年代のオカルトブームや世紀末ブームが忘れられている21世紀にハリウッドが、 エイリアンが普通の人を誘拐して実験をしたいと主張する映画を作ってくる とは毛ほどにも思わなかった。 というわけで、このコケ様はスゴい。レンタル開始早々に見た本作は、心の中にそっとしまわれていた。が、このコケ様ときたら誰かに言わなければならない、突然思い出した。 鬼中尉だったゲイリー・シニーズのイメージはZ級映画の精神科医になったんだなと思っていたが、直後彼は鮮やかにマック・テイラーになっていた。完全にフォーガットンだ。 [DVD(字幕)] 3点(2010-02-28 13:51:11) |
449. エミリー・ローズ
《ネタバレ》 ホラーではないが、気味の悪さというものが巧く作用している。 法廷という理論や実証が支配すると思われていながらそれそのものに矛盾を持つ場で、オカルトという本来存在しえないが、その存在し得ないことの証明が実は難しいという矛盾がじりじりと受け手を引きずり込む。 ストーリーは法廷劇として進むが、いくつかのプロットは異様な演出を伴っておどろおどろしい雰囲気を作り出している。そのイメージが法廷劇にまとわりつくからこその味わいだが、残念なことに法廷劇があまり好きではないこともあってこの新しい味わいをそれほどには楽しめなかった。 法廷ものとオカルトものが好きな人が見たらなら相当楽しめるだろうと思うが、ホラーファンがホラー映画と思って見始めたら、やっていることが違いすぎてほとんど楽しめないだろう。純格闘技マンガだと思って買ってきたものがヤンキーの喧嘩マンガだったくらいのショックを受けるだろう。 だが、意外といけちゃう人もいるんじゃないかとも思う。 [DVD(字幕)] 6点(2010-02-26 00:43:34) |
450. WATARIDORI
病院で手術を受けるため、メンドクセェなっておもいながら麻酔科の説明会が始まるまでの時間ではじめ見た。たいそうなパンフレットを渡されちょっとした恐怖心をあおる記述(自分とは関係なくても)が気持ちをダウンさせるなか否応なしに流れていたのが本作。 このときCGが使われているとか全然思っていなかったし、後日DVDのジャケットにCG一切なし的なコピーがあったことからCGが使われているかもしれないということには一切疑っていなかったが、そうか、そうなのか。CGが混ざっていたのか。意外。(無責任に未確認) けど、この映画。良い映画だったな。ドキュメンタリ好きには何時間でも見ていたい映像が延々とながれ解説まで入っている。それこそ何時間でも見ていたかったのだ。麻酔の説明が始まってしまうだろ!説明遅らせろ!つうか良いとこなんだから止めるんじゃない!と、小心者なので言えず。検索して邦題がWATARIDORIとわかった時には拳を握りしめた。 この映画はほんとうに良い作品だった。生き物が好きでドキュメンタリが好きならおそらく日本語ナレーション版のBDが出たら買ってしまうだろう。しかし映画ドキュメンタリでこの邦題だから何コーナーに置かれるか予測できない。セガールコーナーの隣にそっと置かれていたらきっと間違って買ってしまう人もいるのかもしれない。 [DVD(字幕)] 8点(2010-02-20 14:49:41) |
451. バーン・アフター・リーディング
《ネタバレ》 なかなか。ツボに入った。元工作員が書いたインチキ自伝小説を機密書類だと勘違いする微妙にアホな人たちと、それに振り回される微妙にアホな人たちが良い。スパイものの極秘指令のお約束をタイトルにしてて見たり、どこまで本気か分からない微妙さもまた良い。 微妙なアホさ加減に終始ニヤニヤさせられるが、その塩梅たるや練られまくった印象。ガイリッチーがやりそうなプロットだが、その演出やストーリーが全然違う。つまり同じような題材を使いつつ全然違う楽しみが込められていてなかなか良い。 なぜコーエンズがガイリッチー的世界観なのかというところはよく分からないが、まじめさにウケる。こう言う映画ならまず音や画で楽しませようとするような、自転車で追いかけるシーンやあのバキューンなシーンでさえこう言うアホが居るよな、な実在感で迫る。 それだけに予測不能な演出にプッの連続。さすがにバキューンでは大笑いしてしまったが、全員狂ってますな世界は妙に静かな可笑しさで楽しめた。そういうテンションが好き。 [DVD(字幕なし「原語」)] 7点(2010-02-17 23:52:11) |
452. フィールド・オブ・ドリームス
《ネタバレ》 何回見たって面白い。 ケビンコスナーってこういう普通のお父さんを演じさせてると最高。ちょっとずれてるけど、そのズレ方が心地良い。 主人公の決意は見ず知らずの作家を巻き込むが、そこに至るまでの出来事が家族の野球を楽しむことに対する情熱と、それを大切にしたいという気持ちが、引退した作家を引きずり込む事に疑問を抱かせない。 この作品には親子の再会が下敷きになっているけど、そちらの感動よりも大事にしていた野球という物を自分が望む形で手に入れるという、その過程に心を大きく揺さぶられる。その大事に作り上げた球場の中で、大事な存在にであって邂逅を果たす。二重の揺さぶりにもう胸がドックンドックンするわけだ。最高。 もうダメだ、と思われるような状況で冷たかった親類が彼に感化される下りなど、あのスピード感が良い。凄く良い。誰も悪者がいない、球場に向かってくる大勢の人たち。この後球場を目の当たりにした観客と、そのマネージャーたる彼の家族とその親類たちはとんでもないエンターテイメントを目にするわけだ。その様は具体的に表現しなくても良い。幸せな空間がそこにあるのだろうと確信できるだけで良い。あのラストは最強の一手だった。 [DVD(字幕なし「原語」)] 8点(2010-01-23 21:20:52) |
453. ゴッドファーザー PART Ⅱ
《ネタバレ》 面白いんだよなぁこれ。アルパチーノのじっくり見せるストーリーと、わかりやすくスピーディーに進むデニーロのストーリーと、構造が違う話が同じ映画に絶妙のバランスで配列されてるし。悶絶するほど面白い。1より好き。 特にラスベガスの微妙な力関係が変遷し始める瞬間をじっくり見せ、そのフラストレーションを暴力的に解消させる流れに少々の疑問を持たせる作りは秀逸。ほんとにこれで良いと思ってんのか?と、思わされていてもその答えを表情から伺うことができない。含みを持たせないことで持たせる。そして世界観を誰にも壊させない。 この不愉快な感じが良い。デニーロパートの清涼感にさえ疑問がわいてくる。そういえば、この話自体は疑問どころか間違っている世界なのに、魅力がある。その道徳や倫理感をぐらぐらさせる3時間。それが終わると徐々に現実の道徳観に戻ってくる。そういう異次元を体験できるのがまた良い。 [映画館(字幕なし「原語」)] 8点(2010-01-11 18:32:00) |
454. ZIPANG
《ネタバレ》 まあまあ可もなく不可もなく。 時代劇的なエッセンスを子供たちに楽しんでもらおうっていうのは伝わったと思う。子供の頃どういう訳か映画館でみて、面白かったと思ったから。今ストーリーを思い返すと結構詰め込んでんなぁ、と。手堅くまとまってるし、落ちも良いし。 おそらく、今見たらその特殊効果でびっくりするほど魅力がそがれることと思う。子供が見てもそれはねーだろっていう表現が多々あったので、現代の子供の関心を引けるかはわからない。ただし、ロボットアニメやアホ毛が飛び出した女とコメディするようなたぐいのアニメよりは、こういうのを楽しんだ方が子供のためには良いんじゃないかと思う。 [映画館(邦画)] 5点(2010-01-11 18:01:24) |
455. 白い馬(1952)
《ネタバレ》 なかなか面白かった。手に入らないあこがれの対象を手にした少年を、童話的構成で見せる話というのは好きだ。 ストーリーは形式を考えると常識的で伝統的な作り。オーソドックスではあるが、完成度の高さは一見の価値ありだろう。どこか遠くへ行ってしまった後の世界を想像させるラストのカットは、感動を誘うし映画との一体感を堪能できる。 背景にある、何もない、という世界観は白い馬の魅力を最大限に引き出している。一方で牧場や道具、いろいろなものを持つであろう馬飼いの脅威を楽しむことができた。このフラストレーションがあってこそのあのラストだ。 骨組みと要素を楽しむ映画だし、これだけ無駄なところがないシンプルな話だ。さらに作り込むことで果たして本作の完成度を超えられる翻案が作れるのかどうかはナゾ。 [DVD(字幕)] 7点(2010-01-11 17:48:29) |
456. 木を植えた男
《ネタバレ》 一生忘れないだろう、そういう作品にはごく希、希どころか何かの手違いのような偶然で出会うことがあるのだろうけど、この作品は誰でもいつか出会うだろう。どんなに入手困難になろうと、多くの人の記憶から一時、薄れてしまおうと消えることはない。じっと正しく生きていれば、いつか出会うはずだ。 作中、二人の男は偶然であう。旅する男が水を求め歩き続けると、木を植え続ける男は彼と出会う。この出会いはほんの偶然でそれ以上でも以下でもない。それがきっかけで何かが動き始め芽吹くわけでもない。出会った旅人は、後に森となったその土地に何かを与えたり奪うわけでもない。 しかし、傍観者であり木を植える男の友人である彼はこのお話を思いを込めて語った。ジャン・ジオノという作家が作った架空の人物は、バックが描いた実像を伴って映画になった。 プロヴァンス地方に彼らが遠い過去、現実の世界にもしかしたら存在していたかもしれない。この映画に出会う誰だって、そう信じることができると思う。 [地上波(吹替)] 10点(2010-01-06 21:52:55) |
457. 死霊のはらわたII
《ネタバレ》 ああぁあオモシレー。っていう、ホラーで一番笑える映画だった。 なんて言うかね、壊れちゃってるの。大事なところが。大事なのはね、大事に扱ってたはずなのによく見たら豪快にものっそい壊れちゃってて、一瞬直そうかなって思ったけど、やっぱムリ。みたいな味わいが良いの。 で、壊れちゃってるのが演技過剰なアッシュさんだけじゃないところがポインツ。 [地上波(字幕)] 8点(2010-01-04 20:17:59) |
458. 機動戦士ガンダムF91
《ネタバレ》 子供の頃に見てそこそこ面白かった。 急展開であったり、巻き込まれ系だったりと土台は結構しっかりしているから子供にはこのくらいでちょうど良いのだろうか。でも、子供にゃどうせ分かりゃしないだろ、っていう感じの作りなんだろうか。とにかく何で?と思う。 よく分からない団体の実態を説明しないのは手法だと言えば通じそうなぎりぎりの所か。けど、このお話の情報量って二時間弱で足らない量じゃない。はしょったようでいて、実際は詳しいことはテレビシリーズ見てねなんだと思う。けど、そっちはどうでも良い。 ドッグファイトの最中に敵とのんびりおしゃべりしたり、説得したり、必殺技のポーズを決める余裕が十二分にあるのだから、詰め込まなくてもまだまだいくらでも入る。 [ビデオ(邦画)] 6点(2010-01-04 19:06:07) |
459. わが教え子、ヒトラー
《ネタバレ》 なかなか面白かった。ドイツ製の質実剛健なヒューマンドラマかと思ったら、がっしりと作られたコメディだったりする。ドロッと黒い笑いに満ちていて、その黒さがまたクスクスッと笑わせる。 アメリカのコメディのように、ストレス発散的笑いはどこにもないが、隅々まで行き届いた揶揄にはニヤニヤとさせられる。例えば敬礼や、命令伝達の場面の温さはいかにも微妙な空気を生んでいて、画ならではのおかしさというのを味わえる。 話の筋はオーソドックスだが、それだけにこれが黒いコメディではないと気づかなかった場合、設定の緩さに何をやってる映画だかよく分からないという事態も引き起こすかもしれない。ドイツ製らしく、オーソドックスに、まじめに作り込まれているため、笑いもせずに笑いを作ったという雰囲気がまたおかしい。独特の間が好きだ。 [DVD(吹替)] 7点(2010-01-04 17:48:12) |
460. 夏至
《ネタバレ》 不倫不貞の話を面白く見られないので、そこでやや先入観丸出しで見始めてしまったが、雰囲気も合わず結構苦痛だった。 苦痛だったため、先入観が嫌悪感になって面白く見ることができなかった。いろんなところの評価が高いので、おそらく私の補完能力が劣るということなんだろう。だけどそれならそれでいいやと思える。 [DVD(字幕)] 3点(2010-01-04 14:42:01) |