441. ペイチェック 消された記憶
《ネタバレ》 いい意味でも悪い意味でもお子様向け映画という印象。 最初から次々と「ご都合主義」の連続に興醒め・・・しかし、すぐに当たり前のことがわかります。 主人公は自分の未来を見て、逃げるために都合のいい準備をしたのだから、都合よく物事が進んで当然です。 言ってみれば、彼は流れに身を任せていれば、生き延びることができるはず。 鑑賞している側は、その(さほど面白くもない)過程を見せられているにすぎず、スリルが沸きようがありません。 ところが、世界が破滅に向かうという未来は変えることができる・・・ここに最大の違和感を覚えました。 そもそも、見えた未来は「予測」でなく、空間の歪みを通して見えた「事実」ではないのでしょうか? だとしたら、未来が変わるはずがないと思います。 都合のいいところだけ未来が変わるという設定・・・この部分こそ「ご都合主義」だと思いました。 いつも、あまり細かいことは考えずに作品を楽しんでますが、そんな私でさえ気になるほど粗が多い内容でした。 [CS・衛星(字幕)] 3点(2010-11-27 12:04:33) |
442. スナッチ
冒頭から実に軽快でおしゃれな感覚。 スピード感あふれる展開が魅力ですが、切り替えが早すぎてついていけないシーンも多い(歳はとりたくないものです^^;)。 ストーリーとしては特に中身はないと思います。 それにしても主人公(ですよね?)が目立たない。 周りの個性的なキャラクター達を立てるための、一人冷静なナレーション役といった感じでした。 あれ?主人公って、もしかしてブラピのほうなんですか? [DVD(字幕)] 6点(2010-11-24 22:24:55) |
443. ドニー・ダーコ
《ネタバレ》 何か訴えてくるものを感じました。 現代社会とリンクさせて考えると、ある意味怖い話という印象を受けました。 しかし、初見でストーリー展開と訴えてくる内容の意味がスッキリわからなかったのが歯がゆいです。 自分の能力不足を恨むしかありません。 とりあえず最後の落下エンジンで締めた流れは何とか大筋納得しました。 でも、どうやって時間をコントロールできたのかが謎・・・となると、いわゆる夢オチ的なもの?そうではないと信じたい。 部分的なところでも、キーワードや展開の意味がわからないところが多々ありました。 基本的に暗い作品で、派手さはなく展開も悠長、ビジュアルも貧相で会話は品がない・・・ストーリーや訴えている内容を解釈することに意義がある作品だと思います。 おそらく噛めば噛むほど味が出るスルメのような作品なのでしょう。もう一度観たらおそらく評価が変わると思います。 [DVD(字幕)] 6点(2010-11-21 12:00:43) |
444. L.A.コンフィデンシャル
《ネタバレ》 重厚すぎず軽快すぎず、暗すぎず明るすぎず、広い層に無理なく受け入れられるという印象を受けました。 バド、エド、ジャックの三者三様の個性が楽しい・・・この3人での連続刑事ドラマにしてほしいくらい。 ジャックがあっさりと・・・は少し残念でしたが、彼は前半一番の存在感があったと思うので、全体のバランスからするとちょうど良かったのかもしれません。 真犯人は、ある意味刑事ものにはよくあるパターン・・・奇をてらったどんでん返しを狙わなかったことにより、王道行く仕上がりになったのではないでしょうか。 とはいえ最後はベタではなく、なかなか捻った終わり方。 あの終盤の流れから、爽快な後味で終わらせたのはお見事! 「終わり良ければ全て良し」と言いますが、本当にうまくまとめ上げたと思います。 [DVD(字幕)] 9点(2010-11-17 21:31:18)(良:1票) |
445. メメント
記憶がもたない設定と遡り形式のストーリーが見事にマッチしていて、まさにアイディアの勝利だと思います。 最初はこの形式に慣れるのが大変で、少しでも気を抜くと話の筋がわからなくなり、DVDを何回か戻してしまいました。 このスタイルゆえに、サプライズで終わるには、相当ハードルが高いと言えるでしょう。 誰もが3パターンくらいのラスト(というより最初?^^;)を容易に思い浮かべることができると思います。 実際、この結末を知って驚く人はあまりいないでしょう。 ただ、この作品は「どんでん返し」ではなく、その展開に面白みがあるのだと思います。 ただし、最後はちょっとあっさり終わりすぎた印象でした。 冒頭のシーン(というより最後のシーン?^^;)に戻って、刑事を殺害した後の(現時点での)結末が見られると思っていたので・・・あぁややこしや~ ^^; しかし、これは、今後も主人公のエンドレスな「犯人探し」が繰り広げられることを象徴しているのではないでしょうか。 [DVD(字幕)] 7点(2010-11-17 08:56:36) |
446. “アイデンティティー”
最後の展開は、まったくの予想外で意外な結末。これはやられました。 しかし、悲しいかな、その予想外の展開自体がほとんど面白くありませんでした。 なぜだろう?と考えましたが、よくわかりません。 まあ、どの作品も100%の人が受け入れるわけではないでしょうから、たまたま私が合わなかったのでしょう。 感性の問題に原因追求するのは野暮というもの・・・それとも、私の中の別人格が拒絶したのでしょうか? いずれにしろ、オチを除けばよくあるホラーかサスペンス。 どやっ!と言わんばかりに、あからさまにオチのサプライズだけ狙ったような印象。 [DVD(字幕)] 3点(2010-11-16 22:27:21) |
447. 戦場のピアニスト
《ネタバレ》 全体に地味でしたが、実話ものだけに過剰な演出がないのはむしろ良かったと思います。 人があっさり殺され、遺体が当り前のように転がる・・・これらはそれほど惨さを強調する描写がされていないのですが、それが反対に戦争の惨さを増幅させていました。 ドイツ軍人は重要なキーマンであると思いますが、それほど印象には残っていません。これも話を大げさにしていないためであり、美談を押し付けていないところが良かったと思います。 最後に立場が逆転して、そのドイツ軍人が救いを求めたところ・・・あれは日本人的な感覚かもしれませんが、ちょっと美しくはなかったです。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2010-11-14 09:26:55) |
448. アザーズ
霧の中にポツンとある屋敷でカーテンが引きっぱなしという、どうぞ怖がってくださいと言わんばかりのシチュエーション。 それでも、必要以上に神経質な主人公と、謎めいた使用人たちの存在により、怖いというよりは早く先を知りたいという好奇心のほうが勝りました。 ラストは「驚愕!」というよりは「さすが!」と納得させられてしまいました。 最後に使用人たちが迫ってきたあたりで単なるホラー映画臭がして一度落胆させといてのこの結末・・・時間差攻撃にあったような「してやられた」感があります。 個人的には、バッドエンドではなくどこか心温まる雰囲気を感じ、後味は悪くありませんでした。 暗がりの中、黒い服でも映えるという点で、長身でシャープな顔立ちのNキッドマンがはまり役だったと思います。 [DVD(字幕)] 8点(2010-11-13 10:50:49) |
449. ソイレント・グリーン
《ネタバレ》 食料が潤う当時の先進国に対する痛烈な皮肉と将来への警鐘というメッセージを大いに感じました。 しかし、肝心の中身は退屈。 オッサン世代が食料が豊富だった時代を知らないということは、食糧難に陥って相当経っているはずですが、それほどの切迫感が描写されていませんでした。 随分前の作品なので仕方ないかもしれませんが、当時の町並みに「食糧がない」という設定だけを取って付けたような感じでした。 作品に華がないと思ったのか、これまた取って付けたような「家具」・・・この存在意義がよくわかりません。 また、これを鑑賞したのは「大どんでん返し映画22作品」で発表されていたからですが、サプライズはそれほどなく、正直言って「小どんでん返し」でした。 酷評並べましたが、最初に書いたメッセージを感じたので、かろうじてこの点数。 [DVD(字幕)] 4点(2010-11-12 17:32:16) |
450. オーケストラ!
《ネタバレ》 いくら元名手の集まりとはいえ、30年のブランクでいきなり素晴らしい演奏というのははどうか? 少なくとも復活するまでの努力の過程が見たかったです。 もちろん、そこは描くテーマではないのかもしれませんが、それにしても事の成り行きが行き当たりバッタリの運まかせ過ぎるように思えました。 最後はなかなか感動させてもらったものの、音楽と美しいバイオリニストによるところが大きく、せめて主人公の指揮をもうちょっとクローズアップしてもらいたかったです。 前半のコメディと、後半のヒューマンドラマのどちらも中途半端になってしまった感があり、やや物足りなかったです。 [DVD(字幕)] 6点(2010-11-10 15:22:26) |
451. 告発
《ネタバレ》 オープニング間もなくから物凄いインパクト!音楽もなかなかの雰囲気を醸し出していました。 話が進むにつれ徐々に生温くなってきて竜頭蛇尾といった感もありますが、序盤のシーンだけで凄いものを見たという印象です。 監獄の中はもちろん、裁判での涙に至るまでケビン・ベーコンの存在感が圧倒的でした。 [DVD(字幕)] 8点(2010-11-07 22:12:26) |
452. 12人の優しい日本人
《ネタバレ》 初レビュー投稿が「十二人の怒れる男」で、101回目の投稿が何となくこの作品になりました。 こちらは、あくまでもコメディであると頭を切り替えて観る必要がありますね。 多くの陪審員が、典型的な日本人といった意見表明をするので、「あるあるネタ」のようで面白かったです。 また、結論の方向が最後の最後に急にUターン・・・いつの間にか「~の怒れる男」のH.フォンダの立場が、眼鏡君から自称弁護士に変っていました。ここは意外性があって良かったです。 制度は違えど、最近の裁判員の方々の心情を思うと、ちょっとふざけ過ぎな内容かと思いますが、そこはコメディということでいろいろは言いません。 細かいところですが、ラスト去っていくところで、数名の陪審員が飲みに行こうと誘ったり名刺を渡したり・・・これはいただけない。 どんなに議論が熱くなっても、最後は何事もなかったように日常に戻っていってほしかったです。 [DVD(邦画)] 7点(2010-11-04 09:04:45) |
453. トイ・ストーリー3
《ネタバレ》 ここでの高評価を知っていたので、惑わされないようハードルを上げて鑑賞したつもりですが、お見事!の一言。 <以下、かなりのネタバレです^^;> 保育園でのドタバタはいつものパターンだったので流石に平凡な印象でした。 しかし、保育園脱出からエンディングまで、いい意味での裏切りの連続・・・もし、焼却炉で熊がボタンを押していたら普通の作品だったと思います。 それにしても、短時間で、よくぞここまで詰め込んでまとめ上げたものです。 ラストで女の子に譲るところは不覚にも涙が出てしまいました。 おもちゃ一体一体を紹介するところは、まさに舞台の終わりに各出演者が名前を呼ばれて挨拶するような感じで、このシリーズの大団円を表現していたと思います。 間違っても、おもちゃを譲り受けた女の子を使って「4」は製作しないでほしい。そう思うほど1~3それぞれ「テーマ」が明確で、3部作として完成していると思いました。 [DVD(字幕)] 9点(2010-11-03 13:56:05)(良:2票) |
454. 怒りの葡萄
《ネタバレ》 とにかく切ない。 そんな旅の道中で、わずかながら人の情に触れるシーンがホッとさせられました。本当にわずかですけど。 一応、かすかな希望の余韻を残して終わったのが救い。 暗がりのシーンが多く、その影の中で一際光る登場人物の眼光が良かったです。 主演のヘンリー・フォンダを楽しみにしていましたが、思ったより目立つ役柄ではなかったのがちょっと残念。 [DVD(字幕)] 7点(2010-10-30 09:47:18) |
455. マスク(1984)
終始ポジティブなのが良かったのですが、母親と取り巻きの勢いについていけませんでした。 ストーリーはちょっと盛り上がりに欠けたように思います。 [DVD(字幕)] 6点(2010-10-30 09:39:21) |
456. 三十四丁目の奇蹟(1947)
《ネタバレ》 サンタと空想否定の母娘という両極端のキャラクターが対峙するのがわかりやすい。 精神科医と対立して裁判沙汰になるものの、基本的に悪い人は出てこないので嫌な気分にもならない。 会社の方針決定やら裁判やら展開は非常にアバウトなので、堅苦しくなく肩がこらない。 それでいて子供向けという印象はそれほどなく、しっかり楽しめました。 ファンタジー的な結末を持ってこなかったことにも要因があると思います。 暖かい気持ちにさせてくれるので、クリスマスシーズンにはお薦めです。 [DVD(字幕)] 8点(2010-10-27 20:10:40) |
457. 裏窓(1954)
《ネタバレ》 これはアイディアの勝利だと思います。窓から見える何気ない風景と足の怪我で動けない組み合わせの発想がよかった。 ちょっとした「のぞき」だったのに、だんだん周りの2人も関心を持ち出すという心理の変化が面白かったです。 事件自体の展開には何の意外性もなかったので、そこに一捻りあれば物凄い作品だったと思いますが・・・それでもなかなか惹かれるところがありました。 [DVD(字幕)] 7点(2010-10-26 20:44:12) |
458. スピード(1994)
《ネタバレ》 息もつかせない危機の連続というスリリングな展開。 それにも関わらず気の利いた会話が明るい雰囲気を作る。 不自然さは多々あれど、ハチャメチャな感じがいい。 これぞ優良エンターテイメント! ルパン三世実写版のようなイメージで観ていました。 惜しむらくは最後の電車パート・・・これは蛇足ではないでしょうか? それまで、機転や発想で乗り切ってきたのが良かったのに、ここでは何故か無策で運まかせ。 また、前半は安易な殺戮シーンに頼っていなかったのに、それも怪しくなり、最後は犯人が残虐死。 そして、恋愛展開シーンというベタな終わり方。 途中まで9点つけられると思っていただけに、この電車部分が惜しすぎる! [DVD(字幕)] 7点(2010-10-23 20:30:53) |
459. アラバマ物語
序盤から子供がピーチクパーチクうるさく、正直言って引いたうえに退屈でしたが、話が進むにつれ徐々に惹きこまれました。 特に、唐突とも思えるラストの展開はある意味衝撃的でした。 全体として表現が"ど"ストレートゆえに非常にわかりやすいのですが、同時に古臭さを感じたのも事実です。 教訓的な作品で心に訴えかけてくるものがある一方、後味は良くないですし、けして面白い話ではないと思います。 言ってみれば観ている者に媚びないといいますか・・・そんな所が本作品の主人公にも通ずるところがあると思いました。 [DVD(字幕)] 6点(2010-10-22 04:31:11) |
460. 街の灯(1931)
《ネタバレ》 ラストの表情ワンカットのみで、ここまでいろいろ考えさせるところが凄い! 彼女の目が見えることになった嬉しさ、どんなに尽くそうが一緒にはなれない切なさ・・・ 一体どっちなんだろうと考えつつ、やはり嬉しさと切なさなどが複雑に入り混じってたんだろうと思います。 序盤からコミカルなシーンを散りばめ、コメディとして充分楽しませてくれたうえで、この美しいラストシーンに持っていく展開に敬服します。 [DVD(字幕)] 9点(2010-10-20 18:27:43) |