481. デッドマン・ウォーキング
製作側は、死刑制度について中立の立場からこの作品を撮っていると言い切っている。受け取り方はあくまでも個人個人に委ねられているのであって、人によって鑑賞後の感想は全く異なるのだろう。この作品は「問題提起」であって、「思想強要」ではないのです。何を考えるかが大切。「考えることを考えること」が大切。総じて私はそう思った。 6点(2004-01-10 14:02:46) |
482. 身代金
ハリウッド映画には、「子供を殺してはいけない」という暗黙の掟がある(もちろん例外も有るけれど)。だからこういう作品は例え緊迫感を随所で煽っても、「どうせ殺されやしない」と観客がどこかで高をくくって観てしまうものなので、前提的に損をすることになる。そういう意味で、私はこのような児童誘拐ものには限界を感じてしまう。 6点(2004-01-09 22:57:09) |
483. マイ・ドッグ・スキップ
公開当初の上映館数は少なかったのに、口コミで評判が広まって結果的にはかなり拡大公開されたという作品。人間の7倍のスピードで人生を駆け抜ける、賢明なわんこ。人間が70年掛けてやっと学ぶことを、わんこは10年で悟って去って行く。それだけ採ってもわんこは人間なんかよりもずっと高尚で、本当に利発で聡明な生き物だと思う。私の場合、飼っていたわんこが死んでから2年以上経つけれど、未だに毎日そのわんこのことを考える。与えてもらったものは怖いくらい沢山あるのに、私が与えたものなどどれ位あったのか、との自責の毎日。だから本当にこの作品は心が痛い。わんこ好きに勧めたい、と思う一方で、自分としては、観るのに物凄い勇気を要した作品だったりする。 6点(2004-01-09 16:59:02) |
484. ドリームキャッチャー
《ネタバレ》 人物描写やその背景をもっと掘り下げていたらもっと良いものになったのではないかと思う。そうでもしないとこのタイトルは生きて来ないのではないか。友情に起因するこのタイトルは結果的に、非常に不適切で浮いたものとなっている。一言で言うと、この映画は人間を描けていないのだ。人物描写に深みがありなおかつ設定と展開に説得力を持たせる演出を製作者が怠らなければ、あの前半と後半の凄まじいストーリーの落差もここまで酷評されることはなかったと思う。説明不足で唐突でいい加減な描写をしている、と感じたからこそ観客は戸惑い腹が立つのだろうと思う。原作は未読だけれど多分大切なところが随分零れ落ちているのでしょう。予想が付きます。それでもあの前半の緊迫感は買い。たこ焼きの上のかつお節のようにふよふよと逃げ惑う宇宙人たちも何だか妙に可愛かった。 6点(2004-01-09 16:41:22) |
485. スネーク・アイズ(1998)
《ネタバレ》 オープニングのワンカットは、事前に言われなければ分からない(笑)。それでもあの流れるようなカメラワークや、1万を超えるエキストラをさばくその映像手腕は凄い。そこかしこに映像的なこだわりを感じた。もうずっとあのラストミステリー的な赤い宝石の意味が分からなかったんだけれど、やっと解せた。全ては闇に葬られた、と。“親の1人勝ち”という意味のこのタイトルを活かすとなると、やっぱり全てを巧みに転がした黒幕がいるということになる。つまりはたった1人逃げ切ったあの人が親だった、ってことなのかな。 6点(2004-01-08 21:12:46) |
486. ハリー・ポッターと賢者の石
映画館で観た。その時は充分に面白いと思った。でもやはりこのような大衆作品のお約束で、観終わった直後から零れ落ちて行く。そして数日後には何も残らない。原作をわくわくしながら読んだ方、主人公パーティやその他のキャラにとても思い入れのある方には最高の作品でしょう。それを否定するつもりは毛頭ないです。しかし私の目から見ると、結局は原作に甘えた金儲け主義の映画、分かり易いドル箱映画でした。クリス・コロンバスという監督はハリウッドの指折りのヒットメーカー。つまりドル箱狙いの映画しか撮らない。それ自体は別にいいけれど、頂けないのはこの作品に向かう姿勢です。原作人気で相当の集客数がもともと約束されているので、手抜き箇所も粗も目に付く。CGレベルの低さにも驚いた。特にクィディッチの試合などは画面が見にくいとすら感じた。キャラは適役ばかりで可愛いと思う。でも総合するとやはり、「思った通りの映画」としか言えない。笑いが止まらない映画会社のいやらしいおじさんたちの顔が浮かんで来る、何ともお金の匂いのする作品でした。 6点(2004-01-07 13:58:40) |
487. TOKYO EYES
カンヌ映画祭の「ある視点」部門に出品された、フランス人の撮った東京。その不思議な視点に素直に見入ってしまった。自分の国の話なのに、違う国を見せられたような不思議な感じ。それなのに、こんなの東京じゃねえよ!と怒るような要素もない。その不思議感。とりあえず「WASABI」のような侮辱は感じない。この監督は親日家で、他にも日本を紹介するTV番組などもよく撮っているそうです。そして特筆すべきは、監督も衝撃を受けたという吉川ひなのの可愛らしさ。マネキンが命を授かったようなパーフェクトなヴィジュアルには見とれてしまった。いや、杉本哲太と兄妹って、無理あるだろ! 6点(2004-01-05 20:30:46) |
488. ワイルド・ワイルド・ウエスト
悪ノリして作り上げた思いっきり滅茶苦茶でオリジナルな世界観は決して嫌いじゃない。半端で変なメッセージ性を詰め込むこともなく完全にエンターテイメントに徹していることも良いと思う。観ている間は楽しい。ただ、見終わった瞬間から全て零れ落ちて行く。そして数日後には何も残らない。ハリウッド娯楽映画のお約束的なむなしさを感じた。 6点(2004-01-04 20:21:09) |
489. S.F.W.
私が最初に観た、マスメディアの暴走を描いた映画。後に「ウワサの真相/ワグ・ザ・ドッグ」や「トゥルーマン・ショー」など、同じテーマで色々と製作されている。強盗にコンビニに数十日監禁された青年がアメリカの若者のヒーローへと祭り上げられる様を、皮肉たっぷりに描く。ヘビーなノリではないけれど、考えれば考えるほど怖い話。キャストも良かった。主演のスティーブン・ドーフはかっこいいし、ブレイク前のリース・ウィザースプーンも出ているし、得をした感じはする。 6点(2004-01-04 15:46:40) |
490. ドゥ・ザ・ライト・シング
90年代のある年、私はアカデミー賞の中継をTVで観ていた。リポーターとして現地に行っていたある日本の俳優が、通行中のアカデミー会員らしき中年の白人男性にインタビューをした。彼がおそらく何気なく言ったであろう言葉に、私は衝撃を受けた。「白人は黒人の映画なんて観ないんですよ」。公正に審査をすべき立場の人間の放った言葉とは思えなかった。今でも忘れられない。アメリカの人種差別というものは根深いどころの話ではない。なんてアンフェアな国なんだ、と気分が悪くなった。この作品も草の根レベルでは熱狂的に支持されつつも、あらゆる映画祭から無視された。アンフェアだ、と各界から声が上がった。そして少なくともこの作品は非常にフェアだ。人種差別を提起しつつ、差別される人間をそれでも全く美化しない。そして黒人だけでなく、イタリア人、韓国人、と被差別側の様々な人種の視点も盛り込んでおり、独りよがりの展開を押し付けていない。メッセージ性をいかにもというように押し付けず、個々の観客にその読解を求め、思考を促す。私も私なりに考えるものはかなりあったのは確か。でも私はアメリカの人種差別の体感温度は分からない。日本にどっぷり浸かっているから。だからこの映画のメッセージなり何なりをきちんと受け取れたかどうかはかなり怪しい。そういう意味で高得点はどうしても付けられない。私の理解、精進を促す意味も込めて、この点。 6点(2004-01-04 13:31:26)(良:1票) |
491. ケープ・フィアー
ロバート・デ・ニーロの指をアドリブで舐めたジュリエット・ルイス。何か…凄いです。色々な意味で(笑)。只者ではないです。でも可愛かった。実年齢よりも随分下に見える。この頃凄く好きでした。この作品も今なら「ストーカーもの」となるのかな。デ・ニーロの付きまといぶりが半端なかったです。 6点(2004-01-03 21:18:30) |
492. マトリックス リローデッド
前作の「マトリックス」だけで充分世界観は完結していると思っていたので、続編は正直必要ないような気がした。どんどん風呂敷を広げ始めた監督2人の楽しむ様子が映画から存分に見えてしまい、オタクに権力を持たせるということは何と恐ろしいことか…とぼんやり思いながら観た。とにかく、頭の回転が素敵に鈍い私には、相当かなり滅茶苦茶に展開の把握が困難な作品だった。でも、そのメッセージは受け取りたい。一応は、そう思う。 6点(2004-01-03 16:44:48) |
493. グリーンマイル
原作にあまりにも忠実だと感じた。驚いた。私が原作を読みながらイメージした刑務所の状景が、映画でも全くイメージ通りだった。誰かがそう言っていたのを聞いたこともある。内容も原作にかなり忠実。こりゃあキングが喜んだ訳ですよ。 6点(2004-01-03 00:02:43) |
494. チャイルド・プレイ3
《ネタバレ》 このシリーズ、ホラーというよりむしろ「アンディ少年の受難物語」。ああ、もう16歳だってさ…。このシリーズの何が良いって、シリーズ全作、ものの見事に90分以内に収めているってことですよ。だから観易いです。このシリーズはそこんとこ上出来だと思います。3は2よりもラストの20分の展開が唐突ですね。軍学校からいきなり遊園地に飛んじゃいますから。ご都合主義が素敵ですから。点を考えるのが面倒。このシリーズ、もう一律6点。 6点(2004-01-01 14:01:59) |
495. チャイルド・プレイ2
《ネタバレ》 ラストの20分が好き。「夢のチョコレート工場」などなど、おいらは工場ものには弱いんです。おもちゃの遊園地みたいな感じで何だかわくわくする。でももうほんと、チャッキーについてはげんなりです。あんな粘着質野郎、普通に嫌です。でもアンディ少年を病人扱いする大人たちを殺ってくれるのは何気にスカッとします。アンディ少年がそんな目に合うのはそもそもチャッキーのせいではありますが。 6点(2004-01-01 13:55:43) |
496. チャイルド・プレイ(1988)
《ネタバレ》 相変わらず可愛くない人形。何であんな人形が普通に売り出されるのか…。このシリーズ何がびっくりかって、チャッキーはSFXでも何でもなく、実際に中に人が入って演じていることですよ。知った時は、「着、着ぐるみなの!?」とその激・アナログっぷりに驚いた。に、人形ちゃうやん…。普通に人やん…。中に入っている方、ただでさえ苦しいだろうに、その上更にボコボコにされたり焼かれたりと、色々お疲れ様でした。 6点(2004-01-01 13:50:31) |
497. ホーム・アローン2
前作のヒットで、ハリウッドのいやらしいおじさんたちそして肉親にすら搾取されるようになったカルキン君の姿が何だか痛ましい…。それにしても相変わらずイラつく家族です。頭が悪いにも程がある。特に兄ちゃん、最悪。いるよ、ああいう奴。泥棒よりも家族がイヤ。ケビン君、あんなにトラップ作りが得意だったら、あんな家なんか出て、何かの特殊部隊にでもお入りよ。 6点(2003-12-31 17:02:34) |
498. ホーム・アローン
クリス・コロンバス監督の露骨にヒット狙いな姿勢はちょっと苦手。10数年ぶりに観直したら、これって完全に子供向け映画だったんだな…という印象。大人でも楽しめる子供向け映画もあるんだけれど…。でも記憶が正しければ、昔は素直に楽しめた気がする。点に関しては、初見時の気持ちを尊重しようと思う。6点。 6点(2003-12-31 16:56:39) |
499. ディープ・インパクト(1998)
とにかく、TVスポットで観たあの“大波がニューヨークに押し寄せる様”を大画面で観たくて映画館に足を運んだ。意外にも重点は特殊効果ではなく人間ドラマの方に置かれていた。展開と設定が驚くほど似通った「アルマゲドン」がアグレッシブで男性的な視点で描かれたのに対し、この作品はどこか内省的でベクトルが内に向かっていて、登場人物の心理の変遷を描くことに多くの時間を費やしている。女性的な作品だな、と思って確かめてみたら、やっぱり女性監督の作品だった。 6点(2003-12-27 22:19:51) |
500. ダークシティ
「ロスト・チルドレン」と類似するダーク・ファンタジー的な映像に「マトリックス」と同系列に位置するようなテーマ性。監督の妄想を具現化した世界観。私も似たようなことをよく考えていたパラノイアな子供だったので(てゆうか大人になった今でも)、うん、うん、そうかもねえ~この世は全て絵空事かもねえ~、などど同調したりはした。どこか病的なルーファス・シーウェルの眼差しと妄想迷宮的な物語、ゴシックな景観と野暮ったい美女という雰囲気のジェニファー・コネリーが何だか妙にマッチする。 6点(2003-12-27 21:55:23)(良:1票) |