521. カクテル
当時は「レインマン」が話題で評判良くて、すっかり印象薄くなってましたけど、昨夜20年ぶりくらいに再見しました。 笑っちゃうくらいバブリーな雰囲気、設定なんだけど、基本はいつの時代にも通用する男の子の成長モノでしょうか。誰でもこうだってわけでもないけど、いわば通過儀礼みたいな。 しかしみんな若いね~ 音楽もいいですね、ロバート・パーマーの曲がいちばんうれしかった。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2010-07-24 15:09:02) |
522. リービング・ラスベガス
《ネタバレ》 かなり前になんともイヤな気持ちだったけどなぜかラストまで観れてしまいました。これもすっかり投稿したつもりになってました。 救いの無い自滅映画、不条理な救いの無い映画でも納得できてとんでもなく感動してしまう映画もあるけど、コレはダメでした。 「死ぬまで飲む」そうしたいならそれもいいでしょう、けれどベンはあっちこっちにフラフラ出歩き、偶然出会ったサラを巻き添えにする。そのサラというのがどういうわけか「なんで娼婦なんかやってるの?」と言いたくなるほど良識のあるキチンとした娼婦です。ダメ男と純粋な娼婦、まあこれはよくあるシチュエーションなんだけど、ベンは死ぬつもり、そして例えばベンのような人で放っておいてくれという人、なのにひとりぼっちがさみしくてしょうがないという矛盾。 お酒で失敗する人の共通点なのかな? 私も結構飲むほうだけど、深酒して笑えない騒ぎを起こす人がどうしても受け付けられません、不愉快極まりないです。切なくもなんともありません、たぶんトラウマです。 大人のラブストーリーじゃなく、世間から見放された男女の共存?共依存?その結末といったほうが合っていると私は感じました。 ニコラス・ケイジはほんとにいろんなタイプの役を演じますけど、ベン役は私の嫌いなケイジです。それよりもエリザベス・シューがこんな役、演技ができる女優だったんだとそっちが印象深かったです [CS・衛星(字幕)] 5点(2010-07-20 02:23:33) |
523. レイチェルの結婚
《ネタバレ》 ライザ・ミネリに魅力を感じない私は、アン・ハサウェイも観たいと思える女優じゃないです、なので彼女の主演映画を初めて観ました。 血のつながった親子であるのに、この親子は冠婚葬祭でもなければ顔を合わすことのない親子で、その結婚式に集まった人々、料理、衣装などなど、良く言えば異文化の融合なんだろうけど、こういったことを全ての人々が当たり前のように受け入れている様が、本作ではなぜか私にはかえって不自然に感じてしまいました、私の頭が硬いのかもしれません。 「なぜ、キムが薬物依存になったのか」異文化に理解を示すことよりこっちが重要なのにこの両親はそれがわかってないし、真剣にどうにかしたいと思っているのかもわからい印象を受けた。その場限りの理解は容易なのです。 そして変わらなければいけないのはキムだけではないはずです。 どうやら母親は娘二人をおいて家を出たらしい、逃げ出したわけです。そして両親ともに再婚している、父親は食洗機に皿をセットする技術には自信があるらしいけど、父親の強さ頼もしさといった威厳はない、母親は義理は果たすがそれ以上のことはしたくなさそうだ。息子の死は、不安定で薬物依存の娘に子守を任せた親に全責任があります、でもこの両親はそれを素直に受け止められない人たちと感じた。 自分が娘であること、妹であることを確認したい必死さ、キムのあのスピーチに美容院での黒人とか、時と場所などおかまいなしに自分を語ることが見ていて痛々しかったです。 ところで花嫁と妊婦っていうのはやっぱり最強だわね、それにしてもこんなめんどくさい結婚式、気が滅入りました。レイチェルの女友達のエマだったかな?親友かなにかしらないけど、なんかすごく印象悪かったです。 登場人物の誰にも肩入れ、感情移入することなく非常に客観的に観られました。原因も結果もこれといって明確にはなく、淡々と成り行きを観せて観ている者に色々考えさせる映画でした。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2010-07-18 10:39:09) |
524. ロレンツォのオイル/命の詩
《ネタバレ》 これはずいぶん前に観ましたが再見する気にならない作品です。観ているのが非常に苦しいのがその理由です。不治の病に苦しむ子供ではなく、スーザン・サランドン演じる母親を見ているのが苦しい。確かに奇跡を起こした実話であるという部分は本当にすごいことです。 子供が風邪で熱を出してグッタリ寝ている姿でさえ、なんだか不憫で代われるものなら代わってあげたいと思うものなのに、不治の病だなんて自分がどうなるか想像もできません、なのでこの両親に対しては何も言えません。ひたすら頭が下がります。 ただ映画として観る場合、特に母親の、人を寄せ付けない跳ね付けるような、愛情というよりもむしろ狂気に近い姿を、同じく子を持つ母親であり、こうなっても当然かもしれないと思いながらも何か素直に受け入れられませんでした。やはり愛情と狂気は表裏一体ですね。 「不治の病の息子を助けるため」と言われたら不本意ながらも誰も何も言えなくなってしまうのも事実なわけです、この両親と関わった人たちの中には思いもかけず、迷惑をかけられた人たちもいるのではないでしょうか、そういう部分が極力省略されてしまっているような気がしないでもないです、厳しすぎるのかもしれないけど結果よければ全て良しみたいな終わり方が気になりました。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2010-06-10 14:04:52) |
525. 消されたヘッドライン
《ネタバレ》 イギリスのTVドラマシリーズの映画化だそうですね、それなら舞台もロンドンにしてほしかったなあ、さしずめヘレン・ミレンはあの中でクイーンですかね、ラッセル・クロウに「デブ」と言えちゃうもの。でもなんだか添え物、置物みたいで気になりました、勿体ないです。 すごく微妙です、ベテラン新聞記者が自分の流儀でどんどん事件を追い、真相に迫っていくところとか「あらまあ、まだこんなオチが用意されてたんだ」みたいなちょっとしたどんでんもあるところは良いんですが、とにかく人物描写が薄い。 サラサラ~と流れはいいけど深みがないんですよ。特にあの殺し屋の存在がわけわかりません、どうやら雇い主に命令されたわけでもなく4人も殺した?のに第三者のセリフだけで説明するとは手抜きもいいとこだと思った。でも退屈はしないサスペンスですね。 ラッセル・クロウとベン・アフレックが大学時代の親友というのもイメージ的にビミョー、アフレックの政治家役というのもビミョー、久しぶりに見たジェフ・ダニエルズは中年というよりすっかり老年という感じになっていてショック。 そして・・・肉付きがよいのはまあ、許せるんですが、ラッセルのあの長髪はなんとかならなかったものか・・・ここがいちばん残念、無念でした。 しかし、私も人のことは言えないけど・・・「LAコンフィデンシャル」では人差し指のみでタイプを打っていた、「インサイダー」でのマウスの動かし方は不器用、不自然極まりなかった、けれど本作ではブラインドタッチといってもいい見事なタイピングを見せてくれた。ラッセル・クロウは確実に進化している。プロフェッショナルですな。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2010-05-31 11:30:12)(良:1票) |
526. ダーティハリー2
思い返してみるとこのシリーズはこの「2」がいちばん印象深く、観た回数もいちばん多いと思う。これも初めて字幕ノーカットで観ました。 前作では許せない悪人に対して「俺ならぶっ殺す」と言い放ち、実際そうしたハリー・キャラハン。 その彼が真っ先に疑われそうな事件が起きるわけですが、例の必殺仕置き人集団とのスタンス、性質の違いをくっきりと描いていると思う。 監督が変わったからなのか、続編につきものの派手さとか娯楽性が例外なくこれにもでていて前作の苦悩とかハードボイルドな雰囲気は感じられなかったけど、とにかく男盛り真っ只中のクリント・イーストウッドがめちゃくちゃかっこいいです。 [CS・衛星(字幕)] 8点(2010-05-26 12:39:49) |
527. レボリューショナリー・ロード/燃え尽きるまで
《ネタバレ》 これって「アメリカン・ビューティー、50年代版」みたい、なぜ50年代が舞台なのかよくわからないけどね、時代は関係ないテーマだと思うし。こっちのほうがかなりハードで陰鬱ですけど。 エイプリルはいわゆる「幸せ探し症候群」なんだと思う、しかも病的といっていいほどかなり重症。フランクはこれといって特別良くも悪くもない普通の人のように感じた。ただあの告白はアホ過ぎです、何を期待して告白したんだか・・・私にはさっぱりわかりません。 現実味のない夢想にウキウキしている時のエイプリルは機嫌がよく、夫婦仲も良好。エイプリルは例え女優になっていたとしても同じだったと思う。 なぜあんなに物事に否定的なのか・・・フランクが度々ブチ切れるのはエイプリルがそこまで追い込むとしか思えない。 社会に出て結婚したり子供が生まれたり、そうこうしてると毎日が同じことの繰り返しで気が滅入るなんてことは殆どの人が経験することで、でも現実は無視できないから折り合いをつけ、バランスをとりながら生きている。 そういう術を持たず壊れていくエイプリルを見ながら、ふっと「ベティ・ブルー」のベティを思い出してしまいました。泣きながら皿洗いするなんて相当ヤバイ段階です。 この夫婦を取り巻く人々がまたリアルですねぇ、なんかやたらコンプレックスの強そうな隣人夫婦、なぜかいつも裏口から訪ねてくるヘレン、彼女にとって裏口は親密な関係を表す特権のようだ、お気に入りの家を気に入った夫婦に売り、自分の友人にしようとする支配欲とでもいいましょうか、息子がああなったのもなんとなくわかる。ヘレンのご主人がラスト、話の途中で補聴器のスイッチを切る、したたかで毒がありますねえ。 ところでこの作品のケイトは最初から険しく怖い顔をしてる、先ごろ監督のサム・メンデスと離婚したとかするとか発表したし、本作を撮影中も結構危ない状況だったのかしら? もしそうならこの映画、相当怖いです。 [DVD(字幕)] 7点(2010-05-24 14:02:07) |
528. 真昼の死闘
《ネタバレ》 このタイトルは知っていたけど、なーんの予備知識もナシ、チラ見したこともナシ。 すごく面白かったです、シャーリー・マクレーンが荒野に登場した時はぶっ飛びました。すごくキュートな尼さん、所々で本性をチラッと見せるからこっちも目が離せなくなっちゃいました。 やっぱりイーストウッドは女が相手だとアウトローとしての顔が影をひそめちゃいますね、私はそこが好きです。 そしてこの後の作品が「恐怖のメロディ」「白い肌の異常な夜」と続くところも可笑しい。 [CS・衛星(字幕)] 8点(2010-05-23 13:07:38) |
529. ダーティハリー
《ネタバレ》 子供の頃よく民放で放送されていて初見じゃないんですけど、この度初めて字幕ノーカットで観ました。 今さらですが、こんな渋くてハードボイルドな刑事ものだったんだとびっくりしちゃいました。 世の中の不条理に対する怒りはイーストウッドの一貫したテーマのように感じた。あの異常犯罪者が無罪放免になるところなんてその最もたるもので、こういう不条理に通り一遍の道徳観とか正義感が通用するはずもなく、むしろ偽善と言われそうな勢いです。 このような不条理に対抗できるのは怒りなんだと思う、怒りが世の中を変えていくのじゃないかな。 けれどラストシーンで、暴力や殺人は何をもっても、警察官だとしても正当性のないことだとしているのがわかる。しかしそこまでしないといけないというジレンマ。 「ダーティ」の意味はけっこう深い。 ただイーストウッドの映画って相手が女となると、ハードに渋く決められないんですよねぇ(笑)なんかもうオロオロのタジタジ。でも怒りの対象ではないようなので安心です、彼にとって世の中で最も不可解で扱いにくいものは女だったりして。 [CS・衛星(字幕)] 9点(2010-05-23 12:45:59) |
530. グラン・トリノ
古き良きアメリカの象徴としてのグラン・トリノ、そしてウォルトもまた古き良き時代のアメリカ人なのだと思う。すごくシンプルな物語、けれど頑固じいさんの生き様を描いた感動作という感じはしませんでした。「とにかく伝えたい」こんなことを感じた。 「ミスティック・リバー」でのデイヴも「チェンジリング」でも守られなかった子供を描いている、しかし本作では最優先に守り教え、信頼関係を築く。 幼い子供、未熟な若者を守り教え、導くこと、それが未来への希望に繋がるというメッセージを感じる。 イーストウッドは神に祈り、赦しを請い、希望をもらうことに期待も意義も持っていないのでしょう、人間の業を受け止め、人間の可能性を信じる人なのかなと。 時代は変わっても変わらない、変えてはいけないものと変えなくてはいけないものを見せられた思いです。床屋と建築現場監督との関係、隣人との交流の行程、男同士のコミュニケーションから女のくどき方も教える、良かったですねぇ。ユーモアを絡めた演出は余裕があり、安心して観ていられる。さすがです。 グラン・トリノはモン族のタオに受け継がれ、白人至上主義のアウトローは消えた。 コレは今までライフルやらマグナムやら撃ちまくり、数々のアウトローを演じたイーストウッドのひとつの結論としての意味もあるのでしょうか、そして「ミスティック・リバー」で描いた怒りと暴力の連鎖も終わらせた。 80歳になるというのにこんなことをやってのけるクリント・イーストウッド、本当に頭の柔らかい人格者、生涯現役、素晴らしい。エンドロールが始まってからなぜかポロポロ泣けた。 [DVD(字幕)] 10点(2010-05-16 13:38:37)(良:1票) |
531. ALI アリ
まるでドキュメンタリーのようでした。映画としたら最初から最後まで惹き込まれてしまうような魅力はありません。何か「インサイダー」と似たものを感じた。「インサイダー」は堪能できたんですよ、何が違うんだろう。マイケル・マンはアリという人を結構厳しい目で描いたんじゃないかな、なんてことも思いました。 そういえば観ました、アントニオ猪木との試合。もうその日は日本中が注目したんじゃなかったかなぁ、でも期待だけさせて何もなく終わったのを憶えています、猪木さんはずっとリングに座り込んでいました。 「猪木ボンバイエ」ってアリからきてるんだ、ひとつ物知りになった気分です。 でもウィル・スミスのチャーミングさとアリのインタビューでのウィットに富むコメントはいいですね、そしてマイケル・マンの映画はほんとに音楽がいい。 とにかくやっぱり闘う男はカッコイイ、男の特権だと思うのよ、惚れちゃうもん。 でもこういう男に惚れた女は大変なんですよねぇ。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2010-05-15 20:35:55) |
532. 21グラム
《ネタバレ》 言いたいことがあれもこれもある映画だった。そうですね、「神様の領域にずかずかと足を踏み入れた人たちの物語」というのがいちばんの感想です。臓器移植に人工授精に中絶、集中治療室で生命維持装置をつけられた患者たちがずらっと並んでいる光景は違和感と矛盾だらけだった。移植した心臓がダメになりかければ、違うのを移植すると当然のように言い放つ医者にも驚愕した。 最初のほうに出てきたシーンでクリスティーナも人工的に二人の子供を産んだことがわかる。昔馴染みに電話一本して、いとも簡単にクスリを入手するクリスティーナの過去ってどうなのよ? そしてここにジャックである、自分の都合で「神のご意思」と「神への義務」を利用する。神様の領域を無視する人間と利用する人間の話です。 クスリに汚染された体になり本能に正直になったら自分の意志とは関係なくあっさり妊娠し、ひき逃げの加害者と遺族が臓器を提供されたポールを助けるべく必死になるという皮肉。ポールの21グラムが提供されジャックとクリスティーナと自分自身へのケリをつけたということですね、何か因縁めいているとも感じます。 できすぎな感もあるけど、制作者の言いたいことはわかりました。構成と俳優の個性と演技が奥行きをもたせた映画という感じ。 ただ、このキャストの中でシャルロット・ゲンズブールは思いっきり浮いてましたね、それにクスリ漬けの体で妊娠して無事に問題の無い子供が産まれるなんて思えないんですけど。希望を見つけてちょっと穏やかな表情のクリスティーナだったけどこんな状態の体で妊娠して不安じゃないんでしょうか、彼女だけじゃなく出てくる人はみんな愚かなんですよ、所詮人間はこの程度のものなので神様とか信仰が必要になるってことでしょうか?でもジャックのように自分の愚かさを神様のせいにしちゃう人もいるわけですね。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2010-05-07 18:31:25)(良:1票) |
533. ザ・ローリング・ストーンズ/シャイン・ア・ライト
ストーンズの大ファン、ひとすじというわけではないけど、とにかくカッコイイ。 中学生の頃から知っていたけど、ステージでのミック・ジャガーの身のこなしって全然変わらないですね、キース・リチャーズのギターを弾く姿は世界一カッコイイ。 昔から変わらないでいてくれるストーンズ、ほんとにカッコイイ。まさに説明不要の世界最強オヤジたち。 彼らの音楽ってなんとなくジャズ?ブルース?黒人音楽の匂いがする曲が多くないですか?違うのかな?ストーンズの曲はすーっと体に入ってきます。 時々挟み込まれる過去の映像も興味深い、牧師とか法務省のお役人とか4人くらいずらっとならんでミックにインタビューって映像には笑った。過去映像の選び方がまたいいんですよ。 監督のスコセッシも彼らと同じくらいの年齢ですよね、3~4回結婚、離婚を繰り返し、50代で子供作っちゃったんじゃなかったっけ、記憶違いだったかな?? スコセッシもいい勝負ですよね、この人もまた世界最強オヤジだ。 [CS・衛星(字幕)] 8点(2010-05-06 20:46:35) |
534. ブレイブハート
《ネタバレ》 メル・ギブソンらしい映画ですね、苦手な俳優なので積極的に監督、主演作は観ないほうです。最愛の家族が殺されるとか拷問とかがほんとに好きな人ですね、彼の作品はこういう部分の描写、表現がヘンな想像しちゃうほどマジ過ぎで、ねっとりしつこく濃いのがどうも私にはあいません。 歴史スペクタクルの大娯楽作。だからいいんです、フランスから嫁いだ王女サマとくっついても。娯楽作にはなくてはならないシチュエーションです。痛い痛い痛すぎるシーンばっかり、馬たちが気の毒になるくらい痛いシーンの中で唯一ホッとできるもの。 あんなきれいな王女サマに惚れられたら大抵の男はそれに応えるでしょ、いえいえ、応えなきゃ男じゃないわよ。英雄イロを好むです。しかも敵の嫁さんですよ、男にしたらめちゃくちゃいい気分じゃないですか?違うのかな? 死にかけてる王の耳元で王女が囁く真実。このオチには参りました、してやったりですよ、まったく。予想もつかない方法で復讐してしまいました。 たぶん、メル・ギブソンにとっての理想の男「男たるものこうあるべき」みたいなヒーローを演じたかったんでしょうね、それに共感する男性も多いんでしょうね。 「ラ・ブーム」で日本でもアイドルになったソフィー・マルソー、本作を観てこんなステキな女優になったんだとそれが感動でした。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2010-05-05 20:10:31) |
535. ベンジャミン・バトン/数奇な人生
《ネタバレ》 う~ん「セブン」のデヴィッド・フィンチャーがですか・・・不得手なジャンルなのかも。フランク・ダラボンが監督してたらもっと面白かったかも。 申し訳ないけどこれといって感動も感慨もなかったです、何か薄い。そして頻繁に出てくる現在の母娘のシーンがまったくもって余分だと思った。ところで娘役はジュリア・オーモンドですね、「レジェンド・オブ・フォール」でなんかの間違いでブラピとその兄弟を翻弄させた彼女、こんなところでまたブラピと遭遇し、今回は父と娘になった、これがなんとも感慨深いのでした。 原作はどんなニュアンスか知らないけど、なぜみんなと違って年を追うごとに若返ることが哀しいことになるのかわからなかった。 赤ちゃんって何をどうしたって可愛いんですよ、食べこぼしもオムツ交換も汚くない。そんな天使のようになって生涯を終えるなんて有り得ないことだけど憧れるわね。 このようなおとぎ話をあまりにも正攻法で悲哀に満ちた作品にしたことが失敗だったように感じます。クスっとできるジョーク、シニカルさが皆無、面白み無さ過ぎでした。 [CS・衛星(字幕)] 4点(2010-05-03 22:55:22) |
536. 地獄の黙示録
何回も観てる、でもコッポラが何をしたかったのかは未だにわからないというのが正直な感想です。聞くところによるとコッポラもマーティン・シーンも撮影中正気じゃなかったみたいです。 アメリカにとってベトナム戦争というのは、どうしようもないくらいの恥部で、後世に語り継がれつづける醜態、失敗の代表だと思うし、戦争ですよ?どうあがいたって芸術作品になどできないのです。だいたい戦争の狂気はわざわざ映画で教えられる必要はないと思うけど。 カーツ大佐とかサーフィンとかプレイメイトとか「ひゃ~何だこれ」っていうのを次から次へとみせてもらいましたが、「だからなんだ」としか思えなかったです。 ベトナムへの言い訳はもううんざりです。原爆ふたつも落とされた国はどうすればいいのさ。 [CS・衛星(字幕)] 4点(2010-05-03 19:46:38)(良:1票) |
537. ラブ・フィールド
劇場未公開だったからか、映画自体知ってる人も少ないと思うけど本作でミシェル・ファイファーがアカデミー主演女優賞にノミネートされたことを知っていたので、衛星で放送された時に録画までして観ましたよ。彼女のファンなら必見だと思う。 性差別、人種差別がどうこうじゃなくそれはあくまでも背景で、そういう差別が今よりはるかに強かった頃に、それまでは「これが幸福、正しい、普通」とされていたことの矛盾に気づき、現状から脱皮するというのがテーマだと思う。これは時代がかわっても女性のみならず普遍的なテーマですよね。 個人的にレネーちゃんの「ベティ・サイズモア」と被るんですよ。ミシェルはかなりの話題、注目作にオファーされていたらしいけどそっちを蹴って本作を選んだと何かで読んだ記憶がある、相手役は最初、デンゼル・ワシントンが候補だったらしいけど「キャラクターが弱い、自分には合わない」とかなんとかで断ったそうです。 まあ、そのおかげでデンゼル・ワシントンに勝るとも劣らないデニス・ヘイスバートという黒人俳優を知ることができました。 コレは女性映画の隠れた佳作と私は思ってます。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2010-05-01 20:02:36) |
538. デュプリシティ ~スパイは、スパイに嘘をつく~
《ネタバレ》 オープニングのおっさん二人の取っ組み合いは最高、予備知識全くなしで観ました。ジュリア・ロバーツが出てればシリアス路線であるはずない、しかし相手役は骨太なクライヴ・オーウェン、取っ組み合いのポール・ジアマッティとトム・ウィルキンソンはコメディもイケるし・・・予測不可能でしたが、観ていくうちに思ったけどコレって主演二人の設定からして完全にギャグでしょ。 ジュリアといえばラブコメ、オーウェンといえばスパイとか犯罪映画が印象的で、そういった映画へのオマージュ、パロディともとれるし、皮肉ったコメディにも思える。なかなかイキな映画だと思った。 脇役も名前は知らなくてもそれぞれキチンと識別できるという個性のある俳優たちで、その点は手抜かりなしという感じだけれども、現在と過去が入り乱れるところなんですが、ちょっと戻る回数が多すぎです。ローマとNYのデパートで同じこと繰り返してるのには混乱気味になりました。 思いもしなかった方向から矢が飛んできたようなオチもいいし、ナゾの新製品はちょっと意地悪く、これもギャグっぽい。 日本もアンチエイジング商品が氾濫し、健康産業界は凄いことになっていると思われる今だからこその映画かな?ところで40代になったとはいえ、ジュリアの顔、表情がなんだか不自然で気になりました、少し年上のクライヴ・オーウェンは気にならなかったのに。 んーやはり、年取ると女は劣化したと言われ、男は渋くなったと言ってもらえるのか・・・なんか悔しいけど羨ましいワ、アンチエイジング、やらないよりやったほうがいいに決まってるわよネ。 監督のトニー・ギルロイの経歴を見た、ジェイソン・ボーンシリーズの脚本を手掛けているじゃないですか!!その他のも「あ~」と納得。本作は「パロディ」と勝手に決めました。ブラック・コメディですね。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2010-04-27 18:11:04) |
539. グッド・シェパード
《ネタバレ》 まず次から次へと出てくる多彩なキャスト、その誰もかれもがイイ男なんですよ。ただ、息子のエドワードJRが子役からして完全なミスキャストでした。 しかし両親ともにそれほど変化してないのにいきなりでっかくなった息子が登場した時には度肝を抜かれました、反対に変化しすぎていたジョー・ペシにもびっくりした、声でわかったくらいです。 デキすぎる男の悲劇でしょうか。ハンナとかローラとか、ほんのひと時の癒しさえもぶち壊されるし。なぜそんなにこだわるのかわからなかったあのテープ、他人にはわからない何かを感じたんでしょうね、エドワードに見せたのも偶然じゃないわけで。あの手この手で失脚を狙われる、気の毒すぎです。 あっ!キャストの中で妙に浮いているミスキャストの息子、これは意図的なキャスティングだったのか?不快指数で群を抜いて目立ってたもの。 とにかく時間軸がころころと変わるのでほんのちょっとでも目を離したら何がなんだかわからなくなりそうというのがちょっと不親切かも。 あと、焦点というのか見どころ、決め手に欠ける。CIAを背景にエドワード・ウィルソンの半生を綴ったというわりには、いくら寡黙な人といえどエドワードがモノ言わなさすぎなんです、マット・デイモンがケヴィン・スペイシーみたいに表情筋や目を使った演技が上手ければよかったかな、メガネレンズの厚み変えただけじゃ無理です。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2010-04-24 21:04:58) |
540. 結婚しない女
《ネタバレ》 これも観たな~独身だったけれど、いちいちリアルでいちいち納得できてしまう展開でした。これは私が女だからなのか、テーマが普遍的なものだからなのか、なんでしょうかね。 でも監督も脚本も男性というのがびっくりです。 離婚後に現れた男がいろんな面でかなりポイント高く、うまくいっちゃうあたりが映画だなぁ、甘いなぁとは思うけど、あのラストシーンにもっていくには必要不可欠な展開でしょうね。 でっかい額縁を抱えて危なっかしくちょっとよろめきながら人の間をぬうようにして歩いていく、彼女の選んだ人生を象徴している良いラストシーンでした。 一緒に運んでくれる人がいないとか、しょうがないから一人で運んでいるのではない。誰かに手伝ってもらえばラクだけど、それじゃいつまでたっても成長しないしね。 「一人で運べよ」と笑顔でこたえた画家の彼氏もまた成長したといえると思う。この二人って結婚しないからもうおしまいってわけじゃなかったですよね?このままいいパートナーとして続いていくみたいに記憶してるけど、どうだったかしら?ここだけちょっとうろ覚えです。 [ビデオ(字幕)] 8点(2010-04-22 14:43:29) |