541. 3人の逃亡者
ほとんど技巧だけでできたような作品で、後に何かが残るわけではないのですが、隅々までネタの提供に配慮されていて、最後まで飽きずに見られます。相方の方をあそこまでアホではなく、もう少しものを考えている人に描いてくれたら、なおよかったのですが。 [DVD(字幕)] 6点(2007-06-14 03:26:06) |
542. 赤ちゃんに乾杯!
ミルクやりとかオムツ替えとかの日常生活の場面を地道に描いていて、話を変に拡げすぎていないのが好感が持てる。なんだけど、男同士で怒鳴りあっている場面がやたら多くて疲れるのと、せっかく3人組を用意していながらキャラクターの対比がそれほどなされていないのはマイナス。 [地上波(字幕)] 5点(2007-05-28 00:50:00) |
543. 心みだれて
《ネタバレ》 ちっとも「心みだれて」ないじゃん・・・。ニコルソンとストリープなんだから、どんな男女間の微妙な心の動きとか感情のゆらめきでも表現できるだろうと期待するのに、脚本が全然それについて行っておらず、二人ともあらかじめ定められたレールの上を淡々と進んでいるだけです。大体、100分を通じて二人の間に生じる問題が一方の特定の一人との浮気だけってのも、想像力が貧困すぎる。まあ、脚本がノーラ・エフロンという時点で予想すべきでした。そんな状況でも頑張った真面目なメリルに5点。 [DVD(字幕)] 5点(2007-05-22 02:41:56) |
544. オールウェイズ
《ネタバレ》 いい年したおじさんの純な恋愛を正面から讃美してみせた製作者のスタンスに感動。これこそが大人のラブロマンスです。主演3人はいずれもなかなかの好演ですが、特に、この種の「男勝りだけどよく見ると可愛い女性」を演じさせたら、ホリー・ハンターの右に出る人はいません。若い彼が引き寄せられるのもよく分かります。唯一の難点は、数回出てくる山中消火の場面が凝りすぎてて(特に音響)、本体のラブロマンスの部分を凌駕しかかっていること。この辺はスピルバーグの生真面目さが裏目に出たか。 [DVD(字幕)] 8点(2007-05-13 23:22:55) |
545. 氷壁の女
原題も今ひとつだけど、この邦題は全然中身の本筋と違ってないかい?ま、内容的にも、3人の間でもっといろいろな心理戦のやりとりが繰り広げられると思っていたので、あまりにもそのまんまでストレートな展開に拍子抜けしました。ただし、岩登りや垂直下りなどの場面で、変に脅かす演出(ハーケンがずれて抜けそうになるとか、足場が崩れるとか)をほぼ入れずに、急斜面の迫力と登場人物の手足の動きをじっくりと撮りきることで緊張感を出していたのは印象的。 [地上波(字幕)] 4点(2007-03-29 04:19:55) |
546. レイジング・ブル
日常の退廃した会話と細切れのボクシングシーンが延々と交互に映されるだけで、内容的な面白みはあまりありません。デニーロについても、体型変化のインパクトだけでオスカー獲っちゃったような感じ(これよりも優れた演技はほかでいくらでもしている)。むしろ、ジョー・ペシの堅実な存在感の方が印象的だった。 [DVD(字幕)] 5点(2007-02-09 02:22:23) |
547. マネキン
悪くない設定で中盤まではそれなりに楽しめましたが、主人公(男)がどうみてもあまり格好良くないのと、最後がドタバタになってしまったので大幅減点。 [地上波(吹替)] 5点(2007-01-14 04:17:27) |
548. ハリーとヘンダスン一家
《ネタバレ》 あらすじからほとんど想像できるとおりの内容なのですが、担当者の執念のようなビッグフットのメイク+特撮は褒め称えたい。ラストのお遊びも面白かったです。 [地上波(吹替)] 5点(2007-01-07 01:22:52) |
549. ニュー・シネマ・パラダイス
ラスト以外は筋立てに特に工夫があるわけではないのだが、それでも心を打つ忘れがたい作品になっているのは、数十年後の現在の「喪失」状態を短い中にも的確に凝縮して、失われた少年期をより一層鮮明に浮かび上がらせているからだろう。そこが、誰もが持っている逃避心(悪い意味ではない)を刺激して、過去をさらに美しいものとする。それが映像や音楽も含めてぴったりとはまってしまった、ある意味奇跡的な作品だと思う。 [映画館(字幕)] 7点(2006-12-23 23:14:24) |
550. 帝都物語
ストーリーはあまり理解できませんでしたが、嶋田久作の人間離れしたインパクトは印象的。よくぞこんな人を発掘したものです。彼に3点、原田美枝子様の頑張りに+1点。 [地上波(邦画)] 4点(2006-12-04 01:25:31) |
551. マーシェンカ
哀愁系・悲恋系ラブロマンスの最高レベルの作品。本題に入るまではややテンポが緩いが、回想シーンのしっとりとした美しさ、クライマックスへ向けて高まる心理、ラストシーンがもたらすとめどない切なさなどは、強烈なインパクトを残してくれる。骨組みはどうということはない話なのだが、じっくりと登場人物の心境を醸成することによって忘れがたいドラマを作ることができるという好例。1日も早いDVD化を望む。 [ビデオ(字幕)] 9点(2006-12-04 00:38:28) |
552. 化身(1986)
一番の弱点は、肝心の黒木瞳の霧子が少しも魅力的に見えないこと。出会いからの序盤の部分は光るものが何もない単なるイモ姉ちゃんだし、逆に変身した後はひどいヘアメイクのせいで台無し。これではいくら惜しげもなく全裸を晒してくれてもそそられません。むしろ、敵役のはずの阿木燿子の方が女性としてはずっと魅力的です。藤竜也の格好良さのないボソボソ(というかブツブツ)台詞も意外なマイナス。 [DVD(邦画)] 5点(2006-11-21 22:50:26) |
553. 恋におちて
名優2人の自由自在な演技と表現を堪能しました。オシャレで気の利いた台詞も、進行を揺るがすような事件の発生もないのに、すべてのシーン、すべての台詞に一切の無駄がなく、最後まで息を詰めて見入ってしまいました。本作での主演の2人は、1つの台詞を発するまでに、10も20も演技をしています。だから、文字にしたら平凡な一言でも、登場人物の心の叫びを乗せた大切な一言になっているのです。導入部からメインの部分を経て最後の収束まで、必然の流れで進行し、登場人物の微妙な心理の揺らめきを細心の注意で表現しきった、大人向けラブロマンスの最高水準作です。 [DVD(字幕)] 9点(2006-11-06 00:14:35)(良:1票) |
554. ウォール街
当時ブレイクしていたチャーリー・シーンを鼻であしらうマイケル・ダグラスが、何とも凄みを感じさせていたものです。ラストのあっさりした締めはちょっと物足りなかったけどね。 [映画館(字幕)] 6点(2006-09-25 03:19:40) |
555. ブロードキャスト・ニュース
あっさり・単純すぎて食い足りない気もするが、全体を貫くお洒落で上品な雰囲気がよい。また、ホリー・ハンターのような、必ずしも美形ではないのになぜか格好良いタイプのヒロインが強烈だった。 [映画館(字幕)] 6点(2006-09-25 03:16:04) |
556. ラストエンペラー
細かい時代考証などあまり考えてなさそうな、とにかく派手にゴージャスにやってやれという植民地主義的雰囲気満載なところが楽しい。西欧式の物量作戦と中国4000年の歴史がマッチングした奇跡的な作品。真面目に見ると損します。 [映画館(字幕)] 6点(2006-09-21 02:27:48) |
557. モナリザ
設定は実にいいのに・・・台詞は単調だし、登場人物の誰は何をしたいのかが不明だし、一番まずいのは、ジョージはどこでシモーヌを好きになるに至ったのか、シモーヌはそれに対しどこでどのように応えているのかという心理変化がまったく見えないという点です。残念でした。 [ビデオ(字幕)] 6点(2006-09-21 02:23:51) |
558. フーズ・ザット・ガール
主題歌の大ヒットと反比例するかのように、映画については当時からボロカスに言われていましたが、まさしく言われてもやむをえない内容です(笑)。まあ、大スターマドンナの売り出しのためだけに作られたわけですから、真面目にどうこういう作品ではありません。オープニングで切れ込んでくる"Causing A Commotion"に3点。タイトル曲よりずっといいよ。 [地上波(吹替)] 3点(2006-09-19 01:00:58) |
559. 白蛇抄
小柳ルミ子は、2人の男性の間で葛藤するヒロインというよりも単にガードの甘い奥さんにしか見えないし、スキンヘッドの杉本哲太も、いい感じのキャラなのに棒読み台詞でぶち壊しているのだが、この作品を救っているのは仙道敦子の強力な存在感。当時14歳とはとても思えないほど、小柳や杉本はもちろん、若山富三郎や夏八木勲とさえも互角以上に戦っている。しかし、こんな純和風の話で、何で主演が小柳ルミ子なんだろうな。山本陽子か佐久間良子で見てみたかった。 [DVD(邦画)] 5点(2006-09-18 22:34:52) |
560. 北の螢
仲代達矢を鬼看守に充てて雪の大地に立たせれば、それだけで一本の作品ができるはずなのに、それ以外の部分でミスりまくっているのです。まず、相手方が岩下志麻というのがいかん!このヒロインは、頼るものもなく夫に面会するためだけに石狩まで渡る健気さを持つというのが出発点なのに、岩下志麻だと、最初から仲代相手でも丁々発止で平然とやり合いそうに見えてしまい、何のドラマもないのです。それとの対比で置かれたのが夏木マリの役のはずなのだが、岩下志麻とは明らかにキャラクターが重複している。無意味な脱がされ方を執拗に重ねられた早乙女愛様も可哀想。ストーリーも、前半はいろんな人がさしたる必然性もなく出入りしているだけだし、終盤の雪中行軍はえらく緊張感がなくだれまくっている。結局、素材の良さを大きく殺してしまいました。意外にこういう役が新鮮だった露口茂に5点。 [ビデオ(邦画)] 5点(2006-09-18 01:35:41) |